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緑内障

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

緑内障とは

緑内障の症状について

緑内障は、目で見た情報を脳に伝える視神経に何らかの要因で障害が出て、視野のなかに見えない場所(暗点)が出たり、視野が狭くなったりする病気です。症状は時間をかけてあらわれます。しかし、人間の目は片方の視力が悪くても、もう片方の目が補うようになっています。

そのため、片眼で緑内障が進行していても気づきにくい病気です。進行し続けると、次第に視力が奪われ、いずれ失明の危険もあります。

失明する病気の原因第1位

緑内障は、視覚障害で失明する原因の第1位です。
近年では医療の進歩により失明の可能性は低くなっているものの、ゼロではありません。40代の日本人で20人に1人は発症しているといわれており、緑内障と診断されているのはそのうちの1割しかいないというデータもあります。

失明の危険性がある病気にかかっていることに気づいていない人が多い状況です。

【参考】
川迫労働省科学研究成果データベース
きちんと理解、続ける治療 緑内障

緑内障の原因は房水(ぼうすい)と眼圧による視神経への負担

視神経に障害を与える要因として、房水と眼圧の関係があります。
房水は目のなかにある液体で、眼圧は目の中の圧力、つまり目の硬さと解釈できます。
房水が溜まることで眼圧が高まり、視神経に障害が出るのが緑内障を発症するパターンの1つです。

緑内障は原因や進行具合、仕組みで種類が異なる

緑内障といっても、要因が明らかかどうか、どの部分に障害が見られて緑内障になっているかで、種類が異なります。
種類としては大きく3種類に分類されます。その種類は以下の通りです。

①続発性緑内障・・・他の病気やケガなどによって眼圧が上昇して起こる緑内障

②発達性緑内障(小児の続発緑内障、先天性緑内障)・・・生まれつきの緑内障

③原発性緑内障・・・原因が特定できないが、眼圧が上昇し起こる緑内障

④正常眼圧緑内障・・・眼圧は正常値だが、何らかの要因で視神経に障害が出ている緑内障

一般的な緑内障は②の「原発性緑内障」であり、そのなかでもゆっくりと進行する「原発性開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)」です。

また、急に痛みが生じ、緑内障の症状が出ることが多いものを「原発性閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)」と言います。
別名「急性緑内障」といわれ、早急に治療しなければ早くて1日で失明の恐れがあります。

緑内障と白内障の違いとは?

緑内障と白内障の違いは、白内障は失明する病気ではないという点です。白内障は目の水晶体が白く濁る病気です。歳を重ねるごとに発症しやすくなり、40代からなる人が多い傾向にあります。

原因はレンズの役割を担っている水晶体にあるため、手術は水晶体を交換するだけで済み、失明することなく治療できます。世界的にみれば失明する眼の病気第1位ですが、これは医療技術や制度の水準がまだ低い国での失明率が高いためです。

日本での失明率は3%程度で、その原因は適切な治療を受けなかったためとされています。

【参考】2007年調査結果(厚生労働省研究班の調査報告書より)

緑内障とは
板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

脳梗塞

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

脳梗塞とはどんな病気?

脳梗塞は動脈硬化が原因となる病気

脳梗塞は動脈の血管が硬くなる、「動脈硬化」によって引き起こされる病気です。血管が硬くなると内側は壊れやすくなり、おかゆのように柔らかいコレステロールの塊がこびりついている状態(粥腫:じゅくしゅ)になります。
動脈硬化によって脳の血管が詰まったり細くなったりすることで、十分な酸素や栄養が脳に行き届かなくなります。

脳は全身の動きを司っている器官のため、酸素や栄養不足によって細胞が壊死してしまうと、半身麻痺や言語障害、記憶・視覚の障害が出ることもあり日常生活に大きな影響を及ぼします。
脳梗塞は症状の発見や治療に遅れが出てしまうと最悪の場合死に至ることもあるので、病気について理解し日ごろから注意をはらうことが大切です。
脳梗塞による死亡率は患者全体で約15%となっており、高齢者になるほど死亡率は高くなっていきます。

患者全体の約50%に介護が必要な重度の障害が残るともいわれ、残りの約35%は不自由なく日常生活を送れるレベルまで回復しているとされています。
そのため、できる限り早期の段階で脳梗塞を見つけ、適切な治療を受けることが重要となります。

脳梗塞とはどんな病気?

脳梗塞の種類は3タイプ

脳梗塞には血管の太さや血栓の詰まり方によって、下記のような3タイプに分類されます。

①ラクナ梗塞

高血圧を主な原因として脳にある細い血管に動脈硬化が起こり、詰まってしまうのがラクナ梗塞です。
脳の中心近くにできやすく、水たまりのように小さくぼんでおり日本人に多いタイプの脳梗塞です。

② アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化によって狭くなってしまった脳の太い血管が、血栓によって詰まってしまうのがアテローム血栓性脳梗塞です。
糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が主な原因で、食生活の欧米化(高カロリー&高コレステロール)によって近年増加傾向にある脳梗塞のタイプです。

③ 心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)

心臓にできた血栓が脳に流れ、太い血管を塞いでしまうのが心原性脳塞栓症です。
急性心筋梗塞や不整脈の一種である心房細動(しんぼうさいどう(※))を原因とし、突然血管が詰まってしまうためいきなり症状が現れます。
脳の太い血管を詰まらせるため、重い症状や後遺症が出てしまう可能性が高いタイプの脳梗塞です。

※心房細動(しんぼうさいどう):不整脈の一種
心臓には2つの心房と2つの心室から成る4つの部屋があり、健康だと規則的に収縮します。しかし、心房細動では心房が細かく震えて動きます。心電図をとると、細かく震えているのがとらえられます。

脳梗塞は治る病気?

脳梗塞を治し後遺症のリスクを下げるためには、可能な限り早期の治療が大切となります。

脳梗塞は発症から4~5時間以内の治療が重要とされており、この時間内に適切な治療を開始できるかが、その後の状態を大きく左右するともいわれています。
発症から治療までの時間が遅れてしまうと、後々に重い後遺症が残ることがあり、日常生活への影響が大きくなってしまいます。

脳梗塞の発症年齢

脳梗塞は60代から発症が見られ、70~80代にかけて患者数がピークを迎える病気です。
生活習慣病や過度な飲酒・喫煙によって発症のリスクが高まり、蓄積されたものが動脈硬化を促進し脳梗塞を引き起こします。

また、脳梗塞は50歳以下で発症することもあります。
「若年性脳梗塞」と呼ばれ、子供の頃から欧米型の食生活や運動不足によって、若いうちから動脈硬化の危険因子が増え脳梗塞になりやすくなります。若いからといって安心せず健康的な生活を心がけるようにしましょう。

脳出血やくも膜下出血との違い

■脳出血

脳梗塞は運動や言語を司る脳の領域に血液がいかなくなり、壊死することで障害が出る病気です。
一方、脳出血は脳の中にある細かい血管が破れて出血することで、脳が壊れて症状が現れる病気です。脳梗塞と脳出血はいずれも脳の中で起こる病気です。

■くも膜下出血

くも膜下出血は脳の表面にある血管に動脈瘤(こぶ)ができ、破れて表面に出血する病気です。
流れ出た血液は脳表面のくも膜下に溜まり、出血量に応じて脳が圧迫されていくため脳が壊されていきます。

■脳卒中というカテゴリ

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血は脳の血管に障害が起こる「脳卒中」というカテゴリに属し、血管が詰まる脳梗塞と血管が破れる脳出血・くも膜下出血に分けられます。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

子どものアレルギー性鼻炎

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

鼻をいじる子どもは注意!アレルギー性鼻炎

ハウスダスト(※)や花粉などで鼻粘膜が刺激されて起こる鼻炎をアレルギー性鼻炎といいます。
最近では発症の低年齢化も進み、子どものアレルギー性鼻炎も多くみられます。

生命にかかわる病気ではありませんが、そのまま放っておくと、鼻のかゆみが気になって授業に集中できない、鼻が詰まって眠れないなど、日常生活に影響を及ぼします。
鼻のかゆみや鼻づまりが気になり、鼻をほじったりいじったりして鼻血が出ることもしばしばあります。

乳幼児の場合は、鼻が詰まってミルクが飲めなくなったり、食事ができなくなったりすることもあります。
子どもは自分の苦しんでいる症状をうまく伝えることができず、病気を悪化させてしまうことも少なくありません。
気になる症状がみられたら、早めに耳鼻咽喉科の医師に相談しましょう。

※ハウスダスト・・・ダニの糞や死骸、カビやペットの毛などが含まれた室内の塵や埃のことで、アレルギーの原因になる

アレルギー性鼻炎の症状

くしゃみ・鼻みず(水溶性)・鼻づまりが三大症状で、風邪の初期症状とよく似ています。
子どものアレルギー性鼻炎では、成人に比べて鼻づまり型が多く、くしゃみ型が少ない傾向にあります。
また、眼のかゆみや充血といった症状が成人に比べて強く現れる傾向がみられます。

アレルギー性鼻炎の発症は、自律神経の働きと深いかかわりを持っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中は交感神経が、夜から朝にかけては副交感神経が働きます。
アレルギー性鼻炎の症状は、副交感神経の働きが活発になった時に出やすくなるため、朝夕に強く現れる傾向です。

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎になる原因

アレルギー性鼻炎の原因となる物質を「抗原(=アレルゲン)」といいます。
抗原が鼻から体内に侵入すると、私たちの体は「抗体(=IgE抗体(※))」という物質を作って抗原を攻撃します。

このような体の防御システムを「免疫」といいます。しかし、抗体が体内で増えすぎると過剰反応を起こし、くしゃみや鼻みずなどによって抗原を排除しようとします。これがアレルギー性鼻炎の原因となります。

※IgE抗体・・・アレルギーの原因となる抗原との接触を繰り返すたびに体内に蓄積される物質で、一定量を超えるとアレルギー性鼻炎を発症する

アレルギー性鼻炎の種類

アレルギー性鼻炎は、ほぼ一年中症状が現れる通年性アレルギー性鼻炎と、ある特定の時期に症状が現れる季節性アレルギー性鼻炎の2つに分かれます。

通年性アレルギー性鼻炎は、冬場や夏場に症状が強く現れる傾向にあります。これは、冷暖房をかけるため窓が閉め切った状態となり、ハウスダストが室内を飛び回るからです。
また、空気の乾燥も症状を悪化させる原因となります。

季節性アレルギー性鼻炎は「花粉症」とも呼ばれ、花粉が抗原である場合がほとんどです。発症時期は、抗原である植物の開花時期と一致しています。
複数の花粉に反応を起こすと、ほぼ一年中症状が現れます。また、くしゃみ・鼻みず(水溶性)・鼻づまりの三大症状に加え、眼やのどのかゆみ・眼の充血・涙目などの症状を伴います。

検査と診断

まず、問診で発症時期や症状の程度、家族のアレルギー既往歴などについて質問されます。

次いで、鼻粘膜の状態をみるための鼻鏡検査や、風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎を見分けるための鼻汁中好酸球検査などを行います。
アレルギー性鼻炎と診断されると、原因となっている抗原を特定するための皮膚反応検査・血中特異的IgE抗体検査・鼻粘膜誘発テストを行います。

そのほか、副鼻腔炎(蓄膿症)の合併の有無を調べるためレントゲン検査を行う場合もあります。

アレルギー性鼻炎を診断するための主な検査

■鼻鏡検査
鼻鏡という器具を使用して、鼻粘膜の状態をみる検査。
アレルギー性鼻炎だと、粘膜が青白くふくらんでいたり、鼻みずが粘膜の周りを覆っていたりする。

■鼻汁中好酸球検査
風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎の症状を見分ける検査。
スライドガラスに鼻みずをとり、試薬を加えて好酸球(※)の数値を調べる。
好酸球の数値が増加しているとアレルギー性鼻炎と診断される。

■皮膚反応検査
抗原を特定する検査。抗原液を注射したり、ごく浅い傷を作って抗原液をたらしたりして、皮膚の反応をみる。
抗原に対する抗体をもっていると、かゆみや腫れなどの症状が現れる。
検査結果に影響を及ぼすため、薬を服用している場合は必ず医師に相談すること。

■血中特異的IgE抗体検査
抗原を特定する検査。採血し、抗原に対する抗体の有無を調べる。

■鼻粘膜誘発テスト
抗原を特定する検査。抗原を染み込ませたろ紙を鼻粘膜に置いて反応をみる。
くしゃみや鼻みずなどの症状が現れることによって、抗原を特定する。

※好酸球・・・白血球の1種。アレルギー反応を高め、症状を悪化させたり慢性化させたりする

アレルギー性鼻炎の治療法

治療法は、抗原の除去や回避・薬物療法・特異的免疫療法(減感作療法)・手術の4つに分かれます。重症度や抗原の種類、患者さんのライフスタイルによって治療法を選択します。

抗原の除去や回避

アレルギー性鼻炎の治療の基本であり、患者自身や家族が日常生活の中で行うことのできる治療法です。

■ハウスダストの除去

  • ・室内の掃除には、排気循環式の掃除機を使用する。1平方メートルに付き20秒を目安に、1週間に2回以上掃除機をかける
    ・ハウスダストが付くのを防ぐため、布製のソファーの使用を避ける
    ・カーペットや畳をフローリングに変更する。また、ダニが繁殖しやすくなるため、畳にカーペットを敷くのを避ける
    ・マットレスや布団、枕には抗ダニ作用のあるカバーをかける
    ・ダニは高温多湿を好むため、部屋の湿度を50%、室温を20~25℃に保つよう心掛ける
    ・ぬいぐるみなどのハウスダストが付きやすい玩具は、小まめに洗って清潔に保つ
    ・布団は日光に当てて乾燥させ、掃除機をかける。花粉症の場合は、掃除機をかけるのみとする

■花粉の回避

  • ・花粉情報に注意し、飛散が多い時は外出を控える
    ・窓や戸を閉めて花粉が室内に入らないよう注意する
    ・外出時にはマスクやメガネを着用する
    ・毛織物などの衣服は避ける。付いた花粉をふき取ったり、払い落としたりしやすいように、ツルツルした素材の衣服を着用する
    ・帰宅時は、衣服や髪に付いた花粉をよく払い落としてから入室するよう心掛け、洗顔やうがいをし、鼻をかむ
    ・基本的に布団や衣類は屋外に干さない

■ペット抗原の除去

  • ・ペットは屋外で飼育する。特に寝室には入れないように注意する
    ・ペットの飼育環境を清潔に保つ

薬物療法

最もよく行われる治療法ですが、市販薬の多くは成人用で、子どもには適さないことも少なくありません。
必ず耳鼻咽喉科を受診したうえで、子どもに適した薬を処方してもらいましょう。

また、点鼻薬が苦手な子どもの場合は、周囲の大人がまずお手本をみせてあげてから徐々に慣らしていくことが大切です。

■アレルギー性鼻炎の治療で使用される主な薬剤

  • ・ケミカルメディエーター遊離抑制薬
    鼻づまりに効果がある。内服薬と点鼻薬があり、効果が現れるまで2週間ほどかかる。・第二世代抗ヒスタミン薬
    症状全般に効果がある。眠気などの副作用が少ない。内服薬は、効果が現れるまでに2週間ほどかかる。点眼薬や点鼻薬は比較的即効性がある。飲み合わせの悪い薬があるため、ほかの薬を服用している場合は必ず医師に相談すること。・抗トロンボキサンA2薬、抗ロイコトリエン薬
    鼻づまりに効果がある内服薬。穏やかな効き目で効果が現れるまでに時間がかかる。・ステロイド薬
    鼻粘膜の炎症を抑え、症状全般に効果がある薬。内服薬と点鼻薬がある。点鼻薬は数日で効果が現れ、副作用が少ない。内服薬は、ほとんどが症状の強い成人用であり、子どもには適さない場合が多い。・抗コリン薬
    鼻みずに効果がある点鼻薬。副交感神経の働きを抑える薬で、原則として12歳以上に使用する。・血管収縮薬
    鼻づまりに効果がある。即効性はあるが、使用しすぎると鼻づまりがひどくなる場合もあるため注意が必要です。
    原則として6歳未満での使用は避け、それ以上の年長児に使用する場合にも医師に相談しなければなりません。

特異的免疫療法(減感作療法)

抗原を少量ずつ注射して体内に取り込むことによって、その抗原に対する反応を徐々に弱めていく治療法です。
ごくまれに、アナフィラキシーショック(※)などの副作用がみられるため、反応に注意しながら行います。

治療期間は2~3年間ほどを必要としますが、治療を続けることで完治する可能性もあり、アレルギー性鼻炎の患者さんの約70%に効果があるといわれています。

※アナフィラキシーショック・・・抗原が体内に入り、血圧低下や呼吸困難、皮膚の発赤などの全身症状が現れた状態

手術

強度の鼻づまりやほかの治療法で効果がみられない場合は、手術による治療を行います。

レーザー手術は、抗原に対して過敏になった鼻粘膜を軽く焼くことで反応を弱めます。
入院が不要なため用いられやすい方法ではありますが、おとなしく治療を受けられない乳幼児などには適しません。
個人差はありますが、数カ月から2年程度効果が持続します。しかし、焼かれた鼻粘膜はいずれ再生するため、完治にはいたりません。

そのほか、鼻粘膜を切除する手術や鼻づまりを改善する整復術、鼻みずを分泌する神経を切って鼻みずを止める手術などがあります。
これらの手術はそれぞれ全身麻酔で行われ、1週間ほどの入院を必要とします。 ただし、子どもに適用されることはほとんどありません。

日常生活での注意点

アレルギー性鼻炎は完治の難しい病気ですが、日常生活に気をつければ症状の緩和や発症の予防も可能です。
子供が快適に過ごせるように、下記のことに気をつけましょう。

■周囲の大人は禁煙を
たばこの煙は鼻粘膜を刺激し、症状の悪化につながります。周囲の大人は禁煙を心掛けましょう。

■十分な睡眠がとれる環境作りを
睡眠不足は身体の抵抗力を弱めます。十分な睡眠がとれるような環境を整えましょう。

■バランスのよい食事を
野菜などのビタミンやミネラルを多く含む食品を取り入れ、バランスのよい食事をつくるように心がけます。
タンパク質や脂肪、食品添加物を多く含む食品はなるべく避けましょう。

■室内の乾燥に注意
鼻粘膜には適度な湿度が必要です。加湿器などを使用し、乾燥を防ぎます。
加湿器はカビが発生しやすいため、定期的な掃除を行いましょう。

■一緒に楽しめる運動を
適度な運動は、ストレス解消とともに自律神経の働きを高めます。
子供が継続して運動を楽しめるようサポートしましょう。
水泳をする場合は、鼻粘膜を敏感にして症状の悪化をさせてしまうことがあるため、十分に注意が必要です。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

てんかん

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

てんかんとは?

てんかんは、突然けいれん(けいれん)や意識障害を起こす病気で、大脳の神経細胞を一定のリズムで流れている電気信号が突発的に過剰に放出されることによって起こるといわれています。この病気の発症率は100人に1人といわれており、珍しい病気ではありません。
発症年齢は、乳幼児から高齢者までと幅広く、約80%が18歳以下で発症しています。そのなかでも3歳までに発症する割合が最も多くなっています。

てんかんの発作は、そのままにしておくと症状を抑えることが難しくなります。そのため、症状が現れたら、なるべく早くてんかんの専門外来がある病院、または神経内科を受診しましょう。

てんかんの主な症状

てんかんの主な症状としては、けいれんや意識障害などの発作があげられます。てんかんの発作には「動きが止まりボーッとする」「手足の一部をもぞもぞさせる」といった比較的軽度なものから、「突然手足が突っ張る」「全身を震わせる」「バタンと倒れて体を激しく硬直させる」といった重度のものまであります。

また、発作を繰り返し起こすのが特徴で、患者さんによって発作型はだいたい決まっています。

主なてんかんの発作型

てんかんの発作は大きく「部分発作」と「全般発作」に分けられます。

部分発作

発作型症状
単純部分発作体の一部分に症状が現れる発作。意識ははっきりしている。手足の一部に現れていた発作が徐々に両手両足へと進んでいく状態を「ジャクソン行進」という
複雑部分発作単純部分発作からの移行、または初めから意識が薄れた状態での発作。約1~2分で回復する。症状が進むと手足の痙攣が激しくなったり、口から泡を吹いたり、意識を失うこともある

全般発作

発作型症状
強直間代発作体が硬直して倒れ、全身が痙攣し、意識を失う。約1~2分で回復する。回復後、発作のことを覚えていない場合が多い
欠神発作5~15歳で多くみられる数秒から数十秒程度の短い発作。動作が止まり、反応がなくなる。発作中に体がピクピクと痙攣することがある。回復後、発作のことを覚えていない場合が多い
点頭発作両手を振り上げたり、ガクンと頭を垂れたりする発作で何度も繰り返す。生後数ヵ月で発症し、3歳までに多くみられる。3歳以降は、ほかの発作型に移行する場合が多い
脱力発作瞬間的に筋肉の力が抜けたり意識を失ったりする発作。乳幼児に多くみられ、突然地面に倒れこんでケガをすることもあるため注意が必要
ミオクロニー発作全身または体の一部分が瞬間的にビクンと痙攣する。意識ははっきりしているが、手に持っているものを落とすことなどもあるため注意が必要
てんかん重積状態発作が15分以上続いたり、意識が回復しないうちに次の発作が始まったりする。呼吸困難に陥り、心臓や脳に重い障害が残ることや、死に至ることもある

てんかんの発症原因とは?

てんかんには原因がわからない「特発性てんかん」と、脳の病気や傷が原因といわれている「症候性てんかん」があります。患者さんの割合としては、特発性てんかんが多くなっています。

てんかんは遺伝するという説もありますが、実際には遺伝子が関与しているのはごく一部であり、ほとんどは遺伝せず接触による感染もありません。

てんかんの検査と診断

てんかんの診断には脳波検査が欠かせません。そのほか、CT(コンピュータ断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像法)、SPECT(単光子放射線コンピュータ断層撮影法)やPET(陽電子放射断層撮影法)による画像診断や、血液検査、尿検査を行います。

さまざまな検査

各検査項目の内容は下記の通りとなります。

脳波検査
脳波を測定して異常を発見し、発作型を診断する。
CT、MRI
てんかんの原因となる脳の異常を発見する。
SPECT
脳の血流をみる検査。脳の血流が激しくなっている部分を発見する。
PET
脳の代謝機能などを測定する。
血液検査・尿検査
薬を長期間服用するため、貧血、肝機能の状態を調べる。
また、治療中は薬の血中濃度も調べる。

てんかんの発作では意識が薄れたり失ったりすることが多いので、患者さんは症状をうまく説明することができません。そのため、発作の様子を見た人への問診が診断のカギとなります。

病院を受診の際は、発作の状況を詳しく説明できる人に付き添ってもらいましょう。また、正しい診断を受けるため、自分でも発作の様子を細かく聞いて記録しておくことが大切です。

正しい診断を受けるために記録しておきたい項目

自分で発作の様子を記録する際は、下記の項目を重視しましょう。

  • ・どういう変化が起こって発作に気づいたのか
  • ・頭や目はどちらを向いていたか
  • ・顔や唇の血色、唾液の量は
  • ・手足のけいれんや硬直の様子は
  • ・手足以外のけいれんや硬直の様子は
  • ・体の左右で発作の程度に差があったか
  • ・発作中に意識はあったか(声をかけて確かめてもらう)
  • ・発作は何分間続いたか
  • ・回復直後の様子は(ぼんやりしていた、意味不明の言葉を発した、眠ったなど)
  • ・発作によってケガをしたか

てんかんの治療法は?

てんかんの治療は、薬物療法と手術の2つを中心に行われます。現在では、薬を服用して発作を抑制する薬物療法が主流となっており、正しく服用すればほとんどの発作を抑制できるといわれています。

薬物療法
脳の神経細胞の異常な放電を抑制する抗てんかん薬を使用します。抗てんかん薬にはさまざまな種類があり、発作型や年齢・性別などにより選択されます。

まず1種類から服用を始め、効果がみられない場合は2種類以上の薬を併用します。患者さんの体質などによって効き目に個人差があるため、薬の血中濃度を調べて脳内における濃度を推測し、患者さんに適した服用量を決定します。

抗てんかん薬の主な副作用

抗てんかん薬を使用することで起こる副作用には、下記のようなものがあります。

  • ・発疹
  • ・眠気
  • ・ふらつき
  • ・肝機能障害
  • ・血液中の白血球減少
  • ・歯肉の異常な腫れ
  • ・多毛
  • ・脱毛など

正しく服用しないと、かえって発作を誘発する恐れがあります。症状が治まったからといって自己判断で服用を止めず、医師の指示どおりの用法用量を守って服用しましょう。

発作が起こらない状態が続き、脳波にも異常が現れなくなったら医師の判断のもとに徐々に薬の量を減らしていきます。服用を完全に中止しても再発がなければ治癒したことになりますが、年に1回は定期検診を受けましょう。

手術
薬物療法の効果がみられない患者さんで、てんかんの発作を起こす脳の部位が特定されていて、切除しても障害が残らない場合に限り手術による治療が行われます。

手術内容は異常放電が脳全体に広がっていく経路を絶つ「遮断手術」と、発作を起こす脳の部位を切り取る「切除手術」があります。
また、手術をしてもすぐに発作が治まるわけではないため、しばらくは抗てんかん薬を服用する必要があります。

日常生活で気をつけること

てんかんの発作は、日常生活での刺激によって誘発されることがあります。また、発作が起こった場合を考えて下記の8つのことに気をつけましょう。

① 毎日十分な睡眠を

睡眠不足になると、発作が起こりやすくなります。規則正しい生活を心がけ、睡眠不足にならないように注意しましょう。

② 疲労やストレスをためない

疲れたら無理せず休みましょう。精神的なストレスも発作の引き金になります。心身ともにリラックスを心がけましょう。

③ パソコン、ゲームはほどほどに

パソコンやゲームなどで長時間画面を見続けると、発作が誘発されることがあるので控えましょう。

④ テレビを見るときの環境にも注意

テレビを見るときは、部屋を明るくして画面から適度な距離を保ちましょう。アニメーションなどの点滅光や赤色の光は発作を誘発する恐れがあります。

⑤ 飲酒を控える

飲酒は発作を誘発する恐れがあります。また、酩酊状態での発作は嘔吐の恐れもあり、非常に危険です。

⑥ 激しい運動を控える

激しい運動は、過呼吸になり発作を引き起こす恐れがあります。リラックスして楽しめる程度の運動を心がけましょう。また、発作が起こったときのために単独行動は避けましょう。

⑦ 入浴は周囲の人に声をかけてから

入浴は発作を誘発する恐れがありますので、必ず周囲の人に声をかけましょう。また、入浴中の発作は、溺れたり火傷したりする恐れがあります。浴槽のお湯は少なめにし、温度調節に注意しましょう。

⑧ ケガを防ぐ工夫を

発作で転倒したことがある人は、保護帽やヘルメットなどをかぶって発作によるケガを防ぎましょう。

家族や周囲の方が気をつけること

てんかんの発作を目撃したら、まずは自分が深呼吸をして落ち着きましょう。ほとんどはすぐに治まります。しかし、発作が長く続き意識が戻らない場合には、速やかに救急車を呼びましょう。

てんかんの治療には、家族や周囲の人の協力と理解が必要です。特にほかの心身の病気にもかかっている場合は、医師や臨床心理士、ソーシャルワーカーといった専門家にサポートしてもらいましょう。

また、下記の5点にも注意が必要です。

① 危険なものを遠ざける

発作中にケガをしないよう、火や機械など危険なものを遠ざけましょう。

② 楽な体勢をとらせる

衣服の襟元やベルトを緩め、楽な体勢にしてあげましょう。メガネは外し、コンタクトレンズにも注意しましょう。

③ 窒息するのを防ぐ

吐いたものや唾液を取り除いて、窒息するのを防ぎましょう。激しく突っ張ったり、けいれんしたりしている場合は、下あごに手を当てて上に押し上げ、呼吸をしやすくして舌を噛むことを防ぎましょう。
口の中に指や固いものを差し込むことは、かえって口の中を傷つけたり、窒息したりする危険があります。また、発作が治まってもしばらくは飲食物を取らせないようにしましょう。

④ 静かに見守る

大声で呼び掛けたりゆすったり、無理に押さえつけたりしないようにしましょう。

⑤ 発作が治まったら

発作が治まったら顔を横に向け、呼吸が落ちついて意識が回復するまで静かに寝かせましょう。

家族や周囲の方が気をつけること

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

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