きゅうせいりょくないしょうほっさ急性緑内障発作
緊急緑内障発作(きゅうせいりょくないしょうほっさ)とは、急激な眼圧上昇によりさまざまな症状を引きおこします。失明を避けるためにも早急に受診が必要です。
緑内障は、眼圧(目の硬さ・眼の中の圧力)が上がることで、視神経(脳と目をつなぐ神経)に異常をきたし、視力低下や視野狭窄、最悪の場合は失明につながる恐ろしい病気です。体や目に元々ある病気(ぶどう膜炎、糖尿病や脳疾患)やステロイドの点眼液の副作用などが緑内障の主な原因となります。また特に他に原因がない緑内障もあります。閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障という2タイプに分かれており、その中でも閉塞隅角緑内障は急激に眼圧の上昇をおこし、急性緑内障発作がおこることがあります。
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急性緑内障発作の症状
急性緑内障発作の診療科目・検査方法
検査は、緊急を要します。症状があらわれたら早急に眼科を受診します。
問診では糖尿病、高血圧症、低血圧、偏頭痛、睡眠時無呼吸症候群などの確認、副腎皮質ステロイド薬を含め、薬物使用歴や全身疾患の既往歴、緑内障を含む、目疾患や視機能障害の家族歴があるかなどを確認します。
眼圧検査、隅角鏡検査をおこないます。隅角鏡検査は特殊な鏡の付いたコンタクトレンズを目に乗せ、細隙灯顕微鏡によって隅角の状態を観察します。
眼底検査では目薬を使い瞳孔を開き、観察できるようにします。
光干渉断層計(OCT)検査は近赤外光を利用して網膜の断面像を見られる機械を使用する検査です。視野検査もおこなわれます。
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急性緑内障発作の原因
房水(角膜や水晶体、硝子体などのこと。血管がない組織に栄養を与える役割がある)の出口の役割をしている隅角(ぐうかく)が、虹彩(網膜に達する光を加減する部位です。このメラニン色素の色で瞳の色が変わる)によりふさがれ、眼球内に房水がたまることで眼圧が上がります。房水は隅角から流れ出なくなっても作られ続け、眼圧はどんどん高くなります。ひどくなると眼圧は50mmHg以上に上昇します。通常の眼圧は、10~20mmHgであり、このような急激に高い眼圧になった状態を急性緑内障発作と呼びます。
急性緑内障発作の予防・治療方法・治療期間
レーザー虹彩切開術か水晶体切除術(白内障手術)がおこなわれます。
急性緑内障発作の場合は、眼圧が高くなりすぎて角膜が濁るため、レーザー光線が通らない場合はレーザー虹彩切開術をおこなえなくなります。このようなケースでは点滴を投与し眼圧を下げ、角膜が透明になったのを確認してから手術となります。それぞれ適応があるので、医師との相談は必須です。また治療期間には個人差があります。
急性緑内障発作の治療経過(合併症・後遺症)
現在の緑内障の治療は、進行した病状を以前のように回復できるものではありません。残された眼の機能が、それ以上、悪くならないように食い止め、維持するための治療です。急性緑内障発作をおこさないためにも、生涯にわたり治療を継続する必要があります。
急性緑内障発作になりやすい年齢や性別
執筆・監修ドクター
経歴川崎医科大学卒業後、
2001年より大阪市大眼科医局入居、医局人事により
公立忠岡病院、城東中央病院、和泉市民病院、神戸医療センター西市民病院
勤務を経た後、医局人事を離れ高石藤井病院へ入職。
その後、コープおおさか病院にて勤務。
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