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緑内障

更新日: 公開日:
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目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 診療科目・検査
  4. 原因
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
青木真祐 先生

【執筆・監修ドクター】

青木眼科医院 青木 真祐 先生

概要

緑内障とは?

緑内障(りょくないしょう)は、「眼球内の圧力(眼圧)が上がる、血流が悪くなるなど、様々な理由で視神経が障害される病気」です。
だんだん視野が欠けていき、放置すると最終的に失明に至る危険もあります。
ただし、進行はゆっくりで、本人もなかなか症状に気づきません。
年齢が進むほど罹患率が上がり、日本眼科学会によれば、40歳以上の日本人は「20人に1人」の割合で緑内障に罹患しているようです。
緑内障に似た名前の病気として「白内障」がありますが、こちらは水晶体が白濁することが原因です。
白内障も、加齢に従って罹患率が上がる病気です。
緑内障と白内障の違いは、白内障は失明する病気ではないという点です。
歳を重ねるごとに発症しやすくなり、40代からなる人が多い傾向にあります。

緑内障は、目で見た情報を脳に伝える視神経に何らかの要因で障害が出て、視野のなかに見えない場所(暗点)が出たり、視野が狭くなったりする病気です。
症状は時間をかけてあらわれます。
しかし、人間の目は片方の視力が悪くても、もう片方の目が補うようになっています。
そのため、片眼で緑内障が進行していても気づきにくい病気です。
進行し続けると、次第に視力が奪われ、いずれ失明の危険もあります。

症状

視野が欠けた状態になる、モノがぼやけて見える、視界がかすんで見える、光に輪がかかったような見え方をする、などの症状があります。

緑内障のタイプ

一般的に多くの人がなる緑内障は、ゆっくりと時間をかけて進行する慢性型です。様々なタイプに分かれる緑内障のうち、ここでは以下の3つをメインに紹介します。

①原発性開放隅角緑内障
②正常眼圧緑内障
③急性緑内障(原発性閉塞隅角緑内障)

原発性開放隅角緑内障・正常眼圧緑内障

1.目のかすみ、肩こり、頭痛

他の目の病気と同様に、目の酷使によるかすみ、肩こり、頭痛を引き起こします。
目の病気で共通する前兆といえる症状なので、この症状のみで緑内障と判断するのは早計です。

2.視力の低下

初期
緑内障にかかると、視界に見えない部分(暗点)が出始める。しかし、人間の目は片方の視界が悪くても、もう片方の目でカバーするようになっています。
もし片方の目が緑内障にかかっていても、気づかずに放置する可能性が高い段階です。
中期
暗点が広がり、視力が低下していきます。この段階になっても片方の目がカバーしていることで、気づかない・気にしない人が多いです。
後期
視界が狭くなりすぎて、日常生活に支障をきたす段階です。やがて失明する危険性があります。

急性緑内障

急性緑内障は慢性型と違い、眼圧が急上昇し目の痛みを伴い、神経を通して強い頭痛や吐き気を感じるようになります。光るものを見ると虹がかかって見えるといった、視野の異常が出ます。
放っておくと数日で、場合によっては1日で視力を失う可能性があるタイプの緑内障です。

診療科目・検査

失明の原因にもなっているため、受診の必要があります。眼科を受診しましょう。

検査は視力検査、眼圧検査、視野検査などがあります。

緑内障の診療科

眼精疲労による頭痛、吐き気といった症状があるならば、眼科へ行くことを推奨する。
緑内障の原因は毛様体の機能低下も関係しています。これと同じ原因でなるのがドライアイです。
注意すべきことは、ドライアイだと思い込み市販の点眼薬をすると、緑内障には逆効果だという点です。
眼圧を上げて緑内障を悪化させかねないので、病院でしっかりと診断してもらう必要があります。
病院に行く前には、以下のことをあらかじめ答えられるようにしておくとスムーズに診療できます。
お薬手帳があると過去に処方された薬が分かります。

①視野が悪くなった時期
②視野のどの部分がどのように見えにくいのか
③痛みや目の異変があるか
④現在・過去に目に関するケガや病気をした経験があるか
⑤目以外の大きな病気やケガをした経験があるか
⑥家族のなかに目の病気を持っている人はいるか
⑦今現在、薬を服用しているか

検査方法

緑内障の検査は、以下の検査をおこなうことで診断する。必要な場合は複数回おこないます。

①眼圧測定

眼圧計を使って眼圧の検査をします。青い光によって目に触れて測定する機器や、目に圧縮した空気を吹き込んで測定する機器があります
眼圧は血圧のように、常に変化しているものなので、複数回検査する必要があります。

②眼底検査

眼底カメラや眼底鏡といった専用の器具を使い眼底の状態を見ることで、視神経の障害がどの程度のものかを診断します。血管を直接見ることができるため、緑内障のような視神経や網膜の病気だけでなく、高血圧や動脈硬化の診断にもつながります。

③隅角(ぐうかく)検査

隅角とは、房水が目から排出される部分で、ここが詰まる、閉じることで緑内障になります。
見ることが難しい隅角部分を、患者さんの目に特殊なコンタクトレンズをつけることで検査します。
これにより、隅角にどのような異変があり、どの種類の緑内障かが判断できます。

④視野検査

視野計を使って患者さんの視野がどの程度かを測定します。
視野計に表示されている一点を注視し、周りに出る光が見えるかどうかで、視野の広さを判定します。緑内障の進行具合を判断するための最も重要な検査です。視野が正常か異常か、また病気の進行状態を調べることができます。

原因

眼圧が高くなっている状態や近視、加齢によるものなどです。生まれながらにして緑内障になる発達性緑内障もあります。

視神経に障害を与える要因として、房水と眼圧の関係があります。

房水は目のなかにある液体で、眼圧は目の中の圧力、つまり目の硬さと解釈できます。房水が溜まることで眼圧が高まり、視神経に障害が出るのが緑内障を発症するパターンの1つです。

緑内障といっても、要因が明らかかどうか、どの部分に障害が見られて緑内障になっているかで、種類が異なります。

①続発性緑内障・・・他の病気やケガなどによって眼圧が上昇して起こる緑内障
②発達性緑内障(小児の続発緑内障、先天性緑内障)・・・生まれつきの緑内障
③原発性緑内障・・・原因が特定できないが、眼圧が上昇し起こる緑内障
④正常眼圧緑内障・・・眼圧は正常値だが、何らかの要因で視神経に障害が出ている緑内障

一般的な緑内障は②の「原発性緑内障」であり、そのなかでもゆっくりと進行する「原発性開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)」です。
また、急に痛みが生じ、緑内障の症状が出ることが多いものを「原発性閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)」と呼びます。

別名「急性緑内障」といわれ、早急に治療しなければ早くて1日で失明の恐れがあります。

正常眼圧緑内障の原因

正常眼圧緑内障は名前の通り眼圧は正常値なのに緑内障になる病気で、全体の6割はこのタイプの緑内障だとされています。
原因として目の血行が悪いことが挙げられます。血行不良のために目や視神経の働きが弱くなり、緑内障になるのではないかと考えられています。血行不良には低体温や加齢によるものも当てはまるので、間接的にそれらも緑内障の原因と言えます。

原発性開放隅角緑内障と急性緑内障の原因

緑内障は視神経に障害が出たときになる。では、その障害をもたらすことは何かというと、眼圧の上昇が挙げられます。
眼圧は眼球に張りを与え、球体に保つ力のことを指します。張りの調整は空気ではなく、房水という液体でおこないます。
房水は眼球のなかを循環する液体で、眼圧を保ち、角膜や水晶体に栄養を運ぶ役割がある。しかし、房水が眼外に出て行く線維柱帯(せんいちゅうたい)とシュレム管という部分が閉じたり、目詰まりしてしまうと、房水は眼球にたまってしまい眼圧が上昇してしまいます。
これが原発性開放隅角緑内障と急性緑内障の原因です。この線維柱帯が詰まる、あるいは閉じる原因はまだ分かっていません。

先天性緑内障

遺伝的に眼圧が高い人は「先天性緑内障」を持っていることがあります。緑内障以外の先天性の病気があると、合併症として起こる場合があります。

治療方法と治療期間

眼圧を下げるための点眼をつける。レーザーによって眼圧を下げる治療をおこないます。また、目の圧を下げるための手術治療なども実施されます。
緑内障と診断されたら治療は生涯必要となります。
緑内障によって損なわれた視神経を取り戻すことはできない。緑内障の治療は、症状の進行を抑えることを目的としています。

点眼薬による治療

点眼薬で房水(ぼうすい)の量を調節します。
房水の産生を抑えるものと、房水の排出を促すものがあり、作用が異なる2種類の点眼薬を組み合わせて治療することもあります。
点眼薬は、必要以上に多くつけたり、1日に決められた回数以上使用しても意味がない。用法用量を守って正しく使用します。

レーザーによる治療

レーザーを使った治療には2つの方法があります。
1つは閉塞隅角緑内障に対して、レーザーで虹彩に孔を空けて房水が流れるルートを変更する手術です。
もう1つは、開放隅角緑内障に対する手術で、線維柱帯に当てて房水を排出する働きを促します。
レーザーによる衝撃で、眼球内炎症を起こしたり出血したりするリスクがありますが、痛みの少ない治療であり、成功すれば緑内障の進行をかなり抑制できます。
レーザー治療は通常10分ほどで終了し、入院する必要はありません。

手術による治療

点眼やレーザー治療でも眼圧が下がらない場合は、手術をおこないます。手術内容は、レーザー治療と同じく房水の流れを変えることになります。

予防

目を酷使して隅角の異常が出ないようにするのはもちろん、生活習慣を正すことが予防になります。
緑内障は遺伝的なものを除き、視神経に負担がかかるすべての行動が影響するためです。
また、他の病気から合併症として起こることも多いです。
喫煙や塩分過多による高血圧、糖分の取り過ぎによる糖尿病に注意することも、緑内障の予防につながります。
食事には「ルテイン」を多く含んだものを取入れると、目の健康を保つことができます。
少し目が疲れた、頭痛や肩こりが続いている、視界がかすんできたといった症状が気になりだしたら、検診に行く。一度だけでなく、定期的に行くことでいつの間にか進行していた緑内障や、他の病気を早期発見できる可能性があります。

治療の展望と予後

一度欠損してしまった視野は治りません。治療により視野欠損を遅らせることは可能です。緑内障は、進行が遅い病気だが気づきにくい病気でもあります。発見が遅いと失明する恐れがあることを意識して、検診に行く習慣をつけましょう。
緑内障は、視覚障害で失明する原因の第1位です。
近年では医療の進歩により失明の可能性は低くなっているものの、ゼロではありません。失明から視力を回復させることは難しく、日常生活は大変困難なものとなり、行動を制限されてしまいます。

合併症

緑内障は、他の病気と合併して起こることが多い病気であります。下記の病気になると発症する可能性があります。

1.網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)

網膜に異常な色素沈着がみられる病気である。症状として初めに夜盲症(やもうしょう)が出てきます。
夜盲症は夜のように暗いときに視界が悪くなる病気です。ひどくなると、日中の明るいときでも、白いモヤがかかったような視界になり、徐々に視野が狭くなっていきます。
最終的には緑内障も引き起こし、失明の可能性もある病気ですが、進行が遅いです。

2.黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)

日本において白内障に続いて多い目に関わる病気とされています。50代から70代までに発症者が増えるため、加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)とも言います。
網膜の中心にある黄斑の働きが弱くなり、物がゆがんで見えたり、視野が狭くなったりといった症状があります。
これも視野が狭くなる延長で緑内障を引き起こす可能性があります。

3.糖尿病

糖尿病になると、血液中の糖分の吸収がうまくできなくなります。そのため血液がドロドロになったり、血管が詰まったりします。
この症状が網膜の血管で起こると、小さな出血が出てきます。欠損した血管を補うために新しい血管ができますが、これも出血しやすく栄養分も漏れやすいです。
このように目の組織が傷んでいくと、視力の低下や緑内障を引き起こす。

4.ぶどう膜炎(ぶどうまくえん)

ぶどう膜炎は目の中にあるぶどう膜に炎症を起こす病気の総称です。ぶどう膜とは網膜、毛様体(もうようたい)、虹彩(こうさい)のことを言います。症状としては視界がかすんで見えたり、飛蚊症(ひぶんしょう)になり虫が飛んでいるように見えたり、まぶしく感じるようになります。
目以外にもぶどう膜は多く存在しており、他の部位や器官にも症状が出ることがあります。
炎症は数週間で治まりますが、視界が回復しない場合は網膜に異常が出ており、緑内障や白内障を引き起こしている可能性が高いです。

発症しやすい年代と性差

国内の40歳以上を対象にした調査にて有病率は5%前後です。

40代の日本人で20人に1人は発症しているといわれており、緑内障と診断されているのはそのうちの1割しかいないというデータもあります。

年齢とともに増加する傾向があります。60歳以上で増え、男性よりも女性に多いです。

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