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せいじゅくのうほうせいきけいしゅ成熟嚢胞性奇形腫

更新日:2022/08/23 公開日:2020/05/19 view数:23,630
目次
  1. 成熟嚢胞性奇形腫とは
  2. 成熟嚢胞性奇形腫の症状
  3. 成熟嚢胞性奇形腫の診療科目・検査方法
  4. 成熟嚢胞性奇形腫の原因
  5. 成熟嚢胞性奇形腫の予防・治療方法・治療期間
  6. 成熟嚢胞性奇形腫の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 成熟嚢胞性奇形腫になりやすい年齢や性別

成熟嚢胞性奇形腫とは

成熟嚢胞性奇形腫(せいじゅくのうほうせいきけいしゅ)とは、卵巣にできる良性腫瘍である、「卵巣のう腫」の1つです。腫瘍と呼ばれるものには、悪性と良性がありますが、卵巣にできる腫瘍の9割が良性といわれています。

そんな卵巣にできる良性腫瘍の「卵巣のう腫」の1つに、成熟嚢胞性奇形腫があります。

卵巣が腫れてコブのようになった状態で、腫瘍の内部には、皮膚組織、毛髮、脂肪、軟骨、骨などの成分を含み、全卵巣腫瘍の中でも特に多いのが、成熟嚢胞性奇形腫です。

卵巣は2つありますが、2つの卵巣両方に発生する場合もあるものの、若い方はがん化することはほとんどありません。一方で高齢者は稀にがん化する場合があります。

成熟嚢胞性奇形腫の症状

成熟嚢胞性奇形腫は、腫瘍の大きさが小さいうちは、症状がないことが多いのが特徴で、検診や妊娠をきっかけに発見される人が多いです。

自覚症状が出るのは、腫瘍の大きさが握りこぶし大くらいのサイズになったころからです。

腫瘍が徐々にほかの臓器を圧迫していくため、腹部の膨満感(お腹が張って苦しい)や腰痛などが起こります。症状が進行すると、便秘になったり、頻尿になったりといった変化があらわれます。このほかにも、腹部にしこりを感じたり、体重が増えたわけでもないのに、お腹だけがぽっこりと膨らんだり、不正出血や水っぽいおりものの量が増える、などの症状が出ることもあります。

さらに腫瘍が大きくなると、お腹の中でねじれたり、場合によっては破裂することもあります。

腫瘍がお腹の中でねじれた状態を「茎捻転」といい、呼吸が速くなったり、意識が朦朧としたりなど、ショック状態になることもあります。そのため手術で早急に処置をする必要があります。

成熟嚢胞性奇形腫の診療科目・検査方法

成熟嚢胞性奇形腫は、腫瘍があるかどうかを確認するため、以下の検査をおこないます。

  • 内診
  • 血液検査
  • 超音波検査

本疾患であると疑われた場合、以下の検査もおこないます。

  • CT検査
  • MRI検査

腫瘍の内容物や、周りの組織との関係を検査できます。
良性か悪性かを調べるには、摘出したものを顕微鏡で見る検査が必要となります。

卵巣は沈黙の臓器といわれ、症状に気が付きにくい臓器です。

不正出血や腹痛など、普段と違う症状がある場合は、婦人科を受診しましょう。

成熟嚢胞性奇形腫の原因

卵巣には数多くの卵子のもとが存在し、成熟すると卵子となって排卵が起こります。ところが、成熟嚢胞性奇形腫は、卵子のもとが、受精していないにも関わらず、人の身体になる分裂を始めてしまいます。

その結果、髪の毛や骨などの組織が発生します。それらが卵巣に溜まって、腫瘍を作るのではないかと考えられています。

しかし、なぜ勝手に分裂が始まるかなど、詳しいことは明確には分かっていません。

定期的に検診を受けて、卵巣の状態を確認しておくことが大切といえます。

成熟嚢胞性奇形腫の予防・治療方法・治療期間

成熟嚢胞性奇形腫を含む卵巣腫瘍では、手術で腫瘍を取り除くことが基本です。これは、腫瘍の良性・悪性の区別が容易でないこと、基本的に自然消失が期待できないことが理由です。

卵巣腫瘍の手術では、以下の3パターンの方法があります。

卵巣嚢腫摘出術

卵巣腫瘍の腫瘍部分だけを取り除き、正常部分を残す手術

卵巣摘出術

卵巣腫瘍を卵巣とともに摘出する手術

付属器摘出術

卵巣腫瘍を卵巣・卵管とともに摘出する手術

身体への負担が少ない腹腔鏡下手術でおこなわれていますが、患者さんの年齢、腫瘍の大きさ・性質、周囲との癒着などで術式が変わります。

生殖年齢の場合を例にすると、片方の卵巣を摘出しても妊娠ができることから、腫瘍のみを摘出して正常卵巣部分を残す手術を選択します。

腹腔鏡下手術の場合の入院期間は1週間程度ですが、もとの日常生活を送れるようになるまでには、時間がかかると考えられます。

なお、腫瘍の大きさが6cm以下で内部に異常を認めない場合は3~6ヶ月ごとの経過観察になることもあります。

成熟嚢胞性奇形腫の治療経過(合併症・後遺症)

成熟嚢胞性奇形腫は、手術をしても、残った卵巣から再発することがあり、その場合は、再び手術をおこないます。

本疾患は良性の腫瘍であるため、治療をすれば予後は良好であると考えられます。頻度は非常に低く稀ではありますが、本疾患から悪性になった例もあります。

また、腫瘍が大きくなって茎捻転を起こすと、卵巣が壊死する可能性があります。

定期的な検診で、腫瘍があるかどうか、腫瘍が大きくなっていないかを確認することが大切です。

成熟嚢胞性奇形腫になりやすい年齢や性別

成熟嚢胞性奇形腫の患者数についての報告はありません。

卵巣に腫瘍ができる確率は、女性の全生涯で約5~7%ですが、すべての年代で発症する可能性があり、特に20~30代に多いといわれています。ただ、早い人では、10代~20代前半でも発症することがあります。

早期発見、早期治療のため、若い人でも婦人科の検診を受けましょう。また、高齢者で発症した場合には、稀にがん化することがあり、注意が必要です。

執筆・監修ドクター

石野 博嗣
石野 博嗣 医師 石野医院 副院長 担当科目 婦人科/内科

経歴1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長

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