膀胱腫瘍とは
膀胱腫瘍(ぼうこうしゅよう)とは、尿路上皮(にょうろじょうひ:膀胱の内側の粘膜のこと)にできる腫瘍です。
腫瘍には、悪性腫瘍と良性腫瘍があります。膀胱にできる腫瘍のほとんどは悪性腫瘍(膀胱がん)です。
まれに、乳頭状(イボ状)のポリープが増える尿路上皮乳頭腫(内反性乳頭腫)という良性腫瘍であることもあります。
悪性腫瘍は、できたところの深さによって、以下の2つに分類され、治療法も異なります。
表在性:筋層にまで浸潤していない
浸潤性:筋層まで浸潤している
悪性腫瘍の約80%が表在性といわれています。
良性腫瘍も腫瘍には違いありませんが、悪性腫瘍とは異なり、無限に増えたり、体のほかの部分に広がったりすることはありません。増えたとしても、増え方はゆっくりです。
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膀胱腫瘍の症状
膀胱腫瘍は、以下の症状が特徴的です。
悪性腫瘍
- 赤い尿(血尿)が出る
- 尿を出すときに痛みを感じる
- 尿が混濁する
- 残尿感がある
なかでも、血尿が出ることは非常に多いといわれています。健康診断で尿検査をおこなった際に、血尿を指摘されることも多いようです。
悪性腫瘍の症状は、膀胱炎の症状に似ているといわれています。病気によっておこる変化が膀胱の出口に近い部分にあると、尿を出すときに痛みを感じることがあります。
また、進行すると、お腹や、陰茎の先が痛くなることもあります。
良性腫瘍
腎盂、尿管、膀胱、近位尿道などの上皮に、イボ状のものができたり、以下のような症状があらわれたりすることがあります。
- 赤い尿(血尿)が出る
- 頻尿
膀胱腫瘍の診療科目・検査方法
膀胱腫瘍の診療科目は泌尿器科となります。
血尿の症状がある患者さんの1~3割に、悪性腫瘍が見つかるといわれています。症状がある場合は、早めに受診しましょう。
- 超音波検査
- CT検査
- MRI検査
- 膀胱鏡検査
- 膀胱生検
- 尿細胞診
などの検査をします。
膀胱鏡検査で、悪性腫瘍か良性腫瘍か、また、表在性か浸潤性かどうか、おおよその区別ができます。
悪性腫瘍の恐れがある場合、ほかの臓器に広がっていないかを調べる必要があります。全身のCT検査、骨シンチグラフィなどの検査をします。
膀胱腫瘍の原因
悪性腫瘍
発症には、喫煙が大きく関わっていると考えられています。喫煙する人は、しない人の2~5倍、発症するリスクが高くなります。
また、以下のような化学物質なども発症するリスクとなります。
- 炭化水素
- ナフチルアミン
- ベンジジン
- シクロフォスファミド
- フェナセチンが含まれている鎮痛剤
また、膀胱の慢性的な炎症も発症要因にあるとされています。
最近では、糖尿病の治療と、悪性腫瘍の発症には関係があるのではないかと考えられています。
良性腫瘍
原因は、まだはっきりと解明されていません。
膀胱腫瘍の予防・治療方法・治療期間
手術
悪性腫瘍か良性腫瘍かを区別するために、まずは腫瘍を取り除きます。良性腫瘍であっても、再発しやすいことから、完全に治すためにも取り除くのです。
表在性の場合は、内視鏡という道具を使って腫瘍を取り除きます。ただし、追加で治療をしなければ、約60%は再発します。
浸潤性の場合は、膀胱をすべて取り除いて、尿の出る場所を確保する手術をします。
放射線療法
手術ができない場合や、膀胱を残したい場合におこないます。
化学療法
腫瘍がほかの臓器にも広がっている場合におこないます。
膀胱内注入療法
内視鏡を使った手術の後、再発を防ぐため、抗がん剤やBCGを注入します。
治療期間は、わずらった期間や腫瘍の種類によって異なります。
膀胱腫瘍の治療経過(合併症・後遺症)
悪性腫瘍
膀胱を残した場合は、再発を防ぐために経過観察が重要です。症状がなくなっても、定期的に尿検査や膀胱鏡検査などの検査を受けなければなりません。
膀胱をすべて取り除いた場合でも、腫瘍がほかの臓器やリンパ節に広がっていないか、CT検査などで経過観察します。
表在性の場合、5年死亡率は5%未満ですが、浸潤性の腫瘍の場合は約50%です。腫瘍がほかの臓器やリンパ節にも広がっていると、その後の経過はさらに悪くなります。
良性腫瘍
乳頭腫が悪性に変わることがあります。また、取り除いたとしても、悪性として再発する恐れがあるので、やはり、経過観察は必要です。
膀胱腫瘍になりやすい年齢や性別
執筆・監修ドクター
経歴2002年 福井医科大学医学部卒業
2014年 自治医科大学大学院卒業(医学博士)
総合内科科より研修をはじめ、 以後、糖尿病、内分泌代謝にて活躍している
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