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子宮筋腫

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差

概要

子宮筋腫とは?

子宮筋腫とは、子宮にできる良性腫瘍です。
良性なので転移することはなく、子宮筋腫自体は命に関わる病気ではありません。
しかし、放置しておくと10kgを超えるほど大きくなることもあり、大きくなるに従って過多月経や不正出血による鉄欠乏性貧血などをひき起こすことがあります。

また、近年、発症年齢が20-30代に増えており、気づかないまま症状が進行し、不妊を理由に医療機関を訪れた患者さんに筋腫が発見されるというケースもままあるほど、女性にとって見過ごせない病気といえます。

非常に発生頻度の高い婦人病であり、症状が生活の質を低下させるようになる前に、早めの発見、治療が大切な病気です。
主な診療科目は婦人科、産婦人科です。

症状

初期は無症状。
筋腫の拡大に従って多くは過多月経、過長月経、鉄欠乏性貧血、月経困難症(生理痛)、不正出血、腹部圧迫症状、下腹部痛、腰痛、不妊症、習慣流産などの症状が表れる。

しかし、腫瘍ができる部位により少しずつ違う症状が加わる。
例えば「粘膜下筋腫」では月経時に大出血しやすくなり、過多月経のため貧血に陥りやすく、また不妊症にもなりやすい。

「筋腫分娩」は陣痛に近い痛みを伴い、膿の混じった大量出血をみることもある。

「頸部筋腫」では筋腫が大きくなると、尿道を塞いで排尿困難になり、逆に膀胱を圧迫して頻尿になることもある。
この筋腫タイプは出産のとき、産道が塞がれることがあり帝王切開となる可能性がある。

筋腫の一部が茎のような細長くぶら下がるような形状になる「漿膜化筋腫」は、症状が出にくい。
筋腫が大きくなると膀胱や直腸など腹腔内の臓器を圧迫するため頻尿や便秘を起こすことがある。

原因

原因ははっきり解明されていないが、女性ホルモンが影響し、筋腫が増大すると考えられている。

閉経後は自然と筋腫も縮小する。

検査内容と主な診療科目

問診、内診、超音波検査、MRI検査が主である。
過多月経、不正出血など月経の異常や貧血などの症状が表れたら受診が必要である。

しかし、子宮筋腫は初期には無症状なため、何か異常が認められなくても、婦人科の定期健診を受けることが望ましい。
婦人科、産婦人科を受診する。

治療方法と治療期間

子宮筋腫の治療には、「内科的治療」と「外科的治療」がある。

治療法は筋腫の状態や患者さんの状況を踏まえて選択される。
また、両方を組み合わせて治療にあたる場合もある。
筋腫だけを取り除く手術(子宮筋腫核出術)など、将来妊娠の可能性も残せる手術や、子宮を温存し、症状を軽くさせる外科的治療法がある。

薬物療法

病気の根本的治療ではないが、筋腫の症状に対して行う。

鎮痛剤:月経痛の痛みを抑える。
止血剤:出血を抑える。
鉄剤:出血によって不足した鉄分を補う。

ホルモン療法

エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を抑え、筋腫を小さくしたり、症状を軽くすることを目的とする偽閉経療法が行われる。
毎日の点鼻薬と、4週間に1回の注射薬の2種類を使用する。
しかし、この療法では更年期様症状が出ることや、骨量が減少する危険性があるため、半年以上は続けられない。
半年治療したのち、半年間は中止し、また再開するという方法がとられる。
また、使用を中止すると筋腫も元の大きさに戻ってしまう。
このことから、ホルモン療法は手術前に筋腫を小さくするための一時的な使用か、閉経が近い患者さんの療法として行われることが多い。

手術療法

子宮筋腫核出術

妊娠・出産を希望する場合に行う。
子宮にできた筋腫のみを切除する。

メリット

子宮を残せるため、妊娠できる可能性がある。

デメリット

多数の筋腫が重なっている部分は手術が難しい。
子宮を温存する限り筋腫が再発する可能性もある。
特に、多発筋腫の症例では再発の可能性が高いとされている。
血流豊富な子宮を切開するため筋腫の大きさや発生数の多少によっては出血量が増え、輸血が必要になる場合もある。
開腹手術の場合、癒着(手術の傷口に卵巣や大腸、小腸がくっついてしまうこと)が起こりやすい。

子宮全摘出術

お腹を開腹して筋腫ごと子宮を摘出する。
再発がないため、子宮筋腫の完治療法である。

メリット

MRIで見えないような小さな筋腫も摘出が可能
再発の心配がない
子宮筋腫の症状がなくなる
子宮がんの心配がなくなる

デメリット

妊娠・出産ができなくなる
子宮喪失感という精神的なダメージ
術後の身体への負担が大きい
入院期間が長くなる
お腹に10㎝前後の傷跡が残る。

また、子宮全摘出術は摘出する範囲によって3つに分けられる。

単純子宮全摘出術

子宮のみを摘出する手術で、卵巣や膣は残る。

子宮膣上部切断術

子宮頸部(子宮が膣に突き出た部分)を残して子宮体部を摘出する。
卵巣と子宮膣部が残る。

子宮全摘出術+両側付属器切除術

子宮と卵巣を摘出する手術である。
閉経後の患者さんに行われることが多く、術後に子宮・卵巣の疾患が起こる心配がなくなる。

加えて、子宮筋腫核出術、子宮全摘出術には、4つの手術方法がある。

開腹手術

お腹を切り開いて手術する方法

メリット

ほとんどの医療機関で可能。
手術時間が短い。
手術中にお腹の中がよく見えるので治療しやすい。
大きい筋腫や数多い筋腫にも対応できる。
筋腫以外の異常があったときにも対応できる。

デメリット

お腹に傷あとが残る。
入院期間が長くなる。
術後の痛みが大きい。
回復に時間がかかり、社会復帰が遅れる。
術後に癒着が起こる可能性が高い。

腹腔鏡手術

お腹に穴を複数開け、腹腔鏡や器具を入れて治療する方法。

メリット

傷跡が小さい。
術後の癒着が少ない。
術後の痛みが小さい。
入院期間が短い。
術後の社会復帰が早い。

デメリット

特別な設備が必要で熟達した医師でないと行えないので、医療機関が限られる。

子宮鏡下手術

子宮鏡の先に電子メスを取り付けて、膣から粘膜下筋腫を削り取る手術。

メリット

膣からの手術なので、お腹にメスを入れずに治療できる。
術後の痛みが小さい。
入院期間が短い。
術後の社会復帰が早い。

デメリット

手術可能な筋腫が粘膜下筋腫に限られる。
筋腫が大きい場合は一度の手術で取りきれないこともある。

膣式手術

膣から子宮や筋腫を取り出す手術。

メリット

膣からの手術なので、お腹にメスを入れずに治療できる。
術後の痛みが小さい。
入院期間が短い。
術後の社会復帰が早い。

デメリット

手術中見える範囲が狭いので、他の異常があってもみつかりにくい。
筋腫の大きさ、出産経験があること、子宮周囲の癒着の有無など手術可能な条件が厳しい。

子宮動脈塞栓術(UAE)

血管造影の手法を応用して、皮膚に入れた約5mm程度の小さな切開をおこない、血管へカテーテルをX線で映像を見ながら子宮動脈まですすめる。
その後、塞栓物質を注入して、筋腫の血流を止め、筋腫への栄養や酸素の供給を断つ治療法。
酸素の供給がたたれた筋腫が縮小し、症状が改善することを目的とする。
今後妊娠を望まない患者さんや体力がなく開腹手術が困難な患者さんに適応する。

メリット

・開腹せず子宮を温存できる。
・局所麻酔での手術である。
・治療時間が短い。
・入院期間が短い。
・身体に傷あとが残らない。
・身体への負担が少ない。
・筋腫の部位や数に関係なく、すべての状態に対して一度に治療が可能
・貧血でも施行可能で輸血を必要としない

デメリット

・妊娠・出産に対する安全性が確立されていないので、妊娠を望まない患者さんに限られる。
・造影剤にアレルギーがある患者さんは適応外。
・副作用として、塞栓による下腹部痛が半日~1日続く。
・術後感染症が1~2%の確率で発症する。
・術後に無月経や卵巣機能不全が生じることがある。
・閉経後の患者さんは適応外。
・治療できる医療機関が限られている。

集束超音波治療法(FUS)

MRIで病巣を撮影しながら、超音波のエネルギーで筋腫を焼灼する治療法。
筋腫を小さくすることを目的とし、根治法ではない。今後妊娠を望まないが子宮を残したい
患者さんに適応する。

メリット

・開腹しないので身体につく傷が小さい
・全身麻酔や腰椎麻酔が不要なのでリスクが少ない
・放射線被ばくが無い
・日帰り治療が可能
・術後の投薬が不要
・繰り返して治療を行うことができる・
・副作用が少ない
・侵襲性が少ない

デメリット

・閉経後の患者さんは適応外
・妊娠・出産に対する安全性がまだ確立されていないので妊娠希望患者さんには適応外
・MRI検査(造影も含めて)が受けられない場合は適応外(ペースメーカー装着者、閉所恐怖症、喘息合併症など)
・超音波通過域に帝王切開などの創部がある患者さんは適応外
・保険適応外なので自費治療
・治療可能な医療機関が限られている

マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)

子宮内膜をマイクロ波で焼き、組織を壊死させる治療法。過多月経の患者さんに対して、月経量をさせることを目的とする。術後の妊娠が困難になるため、今後妊娠を希望しない患者さん、子宮内膜の厚みが10mm以上の患者さんに適応する。

メリット

・子宮を温存できる。
・軽度の麻酔で数十分での治療が可能。
・身体への負担が少ない。
・入院期間が短い。
・退院後早く社会復帰可能。
・合併症が少ない。

デメリット

・子宮内膜を壊死させるため妊娠の可能性が極めて低くなる。
・約5%の患者さんに過多月経が再発する症例がある。
・子宮内膜層が10mm以下と薄い場合、子宮穿孔や周辺組織への熱傷が起こる可能 性がある。
・副作用として、2~3日の下腹部痛、血液が混じった帯下が約2週間ほどみられる。

治療の展望と予後

生命を脅かす病気ではない。

しかし子宮全摘出術以外に根治療法はなく、閉経まで関わらなくてはならない病気である。

発症しやすい年代と性差

30代以上の女性の20~30%にみられるとされている。

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