ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

夜間・休日に電話1本で医師がご自宅へ

急な発熱時など往診(自宅で診察・処方)の無料電話相談を受付しています。

0066-98090-0345523(無料電話相談)

夜間・休日に電話1本で医師ご自宅へ

今すぐ電話する無料電話

じりつしんけいしっちょうしょう自律神経失調症

じりつしんけいきのうしょうがい自律神経機能障害
更新日:2022/08/10 公開日:2019/08/22 view数:33,052

自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)は、自律神経がストレスによって正常に機能しないことによって起こるさまざまな症状の総称です。
現代の医学教育を受けた精神科医は「自律神経失調症」と診断することはあまりありません。精神科医でも年配の方か、内科医や心療内科医がつけることが多いでしょう。診断名に迷う場合に「自律神経失調症」とつけることもあります。

神経は「中枢神経」(脳と脊髄)と体中に張り巡らされている「末梢神経」に分けられます。末梢神経は意思によって身体の各部を動かす「体性神経」と意思に関係なく刺激に反応して身体の機能を調整する「自律神経」に分けられます。暑いときに手で仰ぐのは体性神経、汗が出るのは自律神経の働きです。

この自律神経は交感神経と副交感神経という逆の働きをする2つに分かれています。交感神経は身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働きます。ホルモンの一種類に血糖値や脈拍・血圧を上げる作用をもつアドレナリンがありますが、これも交感神経の刺激によって分泌されます。逆に副交感神経が働くと脈拍・血圧が下がります。

通常はこの2つの神経系がバランスを取りながら身体の状態を調節していますが、ときにこのバランスが崩れることがあります。この自律神経のバランスの乱れによるものとされる症状を一括して自律神経失調症と呼びます。

目次
  1. 自律神経失調症の症状
  2. 自律神経失調症の診療科目・検査方法
  3. 自律神経失調症の原因
  4. 自律神経失調症の予防・治療方法・治療期間
  5. 自律神経失調症の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 自律神経失調症になりやすい年齢や性別

自律神経失調症の症状

症状はさまざまです。
身体的な症状としてあらわれるのは慢性的な疲労やだるさなどです。めまいや耳鳴りなどの聴覚にかかわるような症状や、動悸、ほてりなど心臓などの働きにかかわる症状があらわれる人もいます。ほかにも便秘や下痢などの胃腸の症状や、頻尿、残尿感などの泌尿器にかかわる症状があらわれることもあります。頭痛や微熱、手足のしびれ、口やのどの不快感をうったえる人もいます。

精神的な症状としては、イライラ、不安、疎外感、落ち込み、やる気が出ない、憂うつになる、感情の起伏が激しい、焦り、緊張する場面ではないのに緊張する、不眠などです。どのような症状でも血液検査や心電図検査、レントゲン検査、眼底検査などでは異常が見つからないか、見つかってもそれでは症状を説明できないことが普通です。

自律神経失調症の診療科目・検査方法

基本的には、心療内科精神科を受診します。
症状がだるさや不眠、頭痛、動悸などの場合、まずは内科を受診しても特に問題はありません。ただし内科ではさまざまな検査や診察で具体的な身体の異常を見つけることができない場合が大半です。そのため、セカンドオピニオンとして心療内科精神科の受診を検討しましょう。

検査は、さまざまな症状や背景に隠れているストレス因子、生活環境、それぞれの臓器の自律神経機能などを総合的に評価することで診断します。
ただし、同じような症状があらわれる病気との鑑別が必要になることもあります。例えば、甲状腺機能低下症でもだるさや疲労感、感情面の変化などがあらわれます。そのため、血液検査で甲状腺機能に問題がないか調べることもあります。

インターネット上にもよくあるチェックリストなどによるものや、問診のほか、安静時と起立時に血圧を測定し、どのくらい差があらわれるか確認するシェロンテストなどがあります。

自律神経失調症の原因

原因はさまざまです。
不規則な生活によって自律神経が興奮し続けることやストレスによる刺激、更年期におけるホルモンの乱れ(更年期障害)、先天的要因などが挙げられます。

夜更かしや夜型の生活、夜勤のように不規則な生活習慣やライフスタイルによって引きおこされることもあります。子どもの頃から、すぐ吐いたり下痢をしやすかったり、環境が変わると眠れない、環境の変化に敏感でストレスに弱い性質なども関係します。

また糖尿病性神経障害、パーキンソン病などの病気により出現することがあります。薬物やアルコールの過剰摂取をした場合も、こうした症状があらわれることがあります。ただし、この場合は神経学的検査や血液検査などで異常があらわれるため、自律神経失調症以外の病名もつくことが普通です。

自律神経失調症の予防・治療方法・治療期間

以前は神経症として大雑把にとらえられていた精神病以外の精神疾患も、現代では細かく分類されるようになりました。自律神経失調症についても、うつ病パニック障害、健康不安、心気症、強迫性障害、身体表現性障害などに細かく分類診断できることがわかってきました。
そのため、治療はそうした細かな分類診断ごとにおこなうことが理想的です。

最初は診断が特定できない場合でも、経過を見ることや抗うつ薬などの治療に対する反応を見たりすることで診断を決めることができます。うつ病パニック障害の場合は病気についての心理教育と一時的な休息によって改善することが多くあります。また抗うつ薬や抗不安薬、認知行動療法に対する反応から、単に心がけや周りからのストレスのせいとするのではなく、不安に対する感受性や対応の仕方が問題であったことが明らかになるでしょう。
治療期間は、個人差が大きくあります。月・年単位でおこなわれるため、主治医とよく相談しましょう。

なかには、「純粋自律神経不全症」というものもあります。これは、脳内にアルファ-シヌクレインという、パーキンソン病などの原因にもなる物質が異常に蓄積することが原因で発生します。
症状としては、立ち上がったときの血圧低下、発汗量の減少、視覚の異常、尿閉、便秘、便失禁などがあります。以前は特発性起立性低血圧などの呼び名がありました。女性に多く見られ、40代~50代で発症する傾向があります。この場合、血圧を上げる薬や弾性ストッキングの着用などの生活指導によって改善させることができます。

自律神経失調症の治療経過(合併症・後遺症)

自律神経失調症の背景になるほかの診断や症状にもよりますが、性格やライフスタイル、環境などが原因となることがあるため、転職や環境の変化、カウンセリング、整体に通うなど、さまざまなことで改善に向かう患者さんもいます。根本的な原因が改善されれば予後も良好です。しかし、原因を改善することが難しいものであれば、症状の改善も難しく、同じ環境や状況になったときに再発することがあります。

経過を見るうちによくなることもありますが、もし2,3ヶ月しても改善が見られないようなら、ここで取り上げたようなほかの精神疾患も疑い、専門医にかかることも考えたほうが良いでしょう。

自律神経失調症になりやすい年齢や性別

2017年度の患者調査では「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」の患者さんは833,000人いました。ここに自律神経失調症の患者さんも含まれていることになります。また、こうした患者さんは年々増加しています。

2014年の患者調査では年齢層は75歳以上がもっとも多く、次に多いのが35〜40歳代となっていました。この結果には認知症の患者さんも含まれているため、自律神経失調症については働き盛りの25歳以上の年代に多いと推測されます。

思春期や更年期の女性ホルモンのバランスが乱れることによる発症のため、男性よりも女性に多いといわれています。

執筆・監修ドクター

原井 宏明
原井 宏明 医師 原井クリニック 院長 担当科目 精神科/心療内科

経歴1984年 岐阜大学医学部卒業,ミシガン大学文学部に留学(文化人類学専攻)
1985年 神戸大学精神科で研修
1986年 国立肥前療養所に就職,山上敏子先生から行動療法を学ぶ
1998年 国立菊池病院に転勤。精神科医長、うつ病や不安障害,薬物依存の専門外来と治験などを担当
2000,2001年 ハワイ大学精神科アルコール薬物部門に留学
2003年 臨床研究部長
2007年 診療部長
2008年 医療法人和楽会なごやメンタルクリニック院長
2013年 ハワイ大学精神科臨床准教授
2018年 千代田心療クリニック非常勤医師、BTCセンター・カウンセラー
2019年 原井クリニック開業

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

自律神経失調症以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

自律神経失調症に関連するカテゴリはこちら。

関連コラム

「自律神経失調症」に関するコラムはこちら。