季節の変わり目に風邪を引きやすいのはなぜ!?秋から冬にかけての注意点
季節の変わり目は、気温差や疲れやすさから体調を崩しやすいときです。
風邪を引きやすいときでもあるので、これから冬にかけてはとくに注意が必要です。
では、そもそも、季節の変わり目はなぜ風邪をひきやすいのでしょうか?
この記事では、季節の変わり目に風邪を引きやすい理由と季節ごとの風邪の原因や自分でできる予防法について解説します。
季節の変わり目に風邪をひきやすいのはなぜ?
四季のある日本では季節の変わり目があり、徐々に変わる気候に身体が適応するまでには少々時間がかかることがあります。
ここでは、季節の変化によってなぜ風邪をひきやすいのか、代表的な例を紹介します。
自律神経の乱れが原因
季節の変わり目の気候の変化が脳にとってストレスになり、自律神経が乱れやすくなります。
自律神経は、外気温や湿度に合わせて体温調節や体内湿度調節を行いますが、これが乱れることで、体温調節や体温湿度が保てず、体調不良を起こしやすくなります。
また、自律神経は免疫系とも深く関係して、生体防御をしています。自律神経が乱れることによって、自律神経の一つである「交感神経」が優位な状態が続くと、免疫力が低下して風邪やインフルエンザなどに罹患しやすくなります。
風邪をきっかけにして、さまざまな身体の不調を引き起こす可能性があるのです。
薄着が原因
秋から冬にかけては、急に寒くなることがあります。服装の調節が上手くいかないと風邪をひいてしまうことがあります。
季節ごとの風邪の症状と原因
秋から冬にかけて
身体が寒さに慣れていないため、急に吸い込んだ冷たい空気によって気管支や肺が冷やされてしまいます。
また、風邪の原因であるウイルスも流行しやすい季節です。ウイルスは乾燥すると水分が蒸発し、舞い上がりやすくなり呼吸をするときに鼻から体内へ入り込みやすくなります。
身体が冷え、免疫力が低下しているとウイルスをやっつけることができず、風邪をひいてしまいます。
冬から春にかけて
暖かくなるにつれて服装も薄着になりますが、急な天候の変化や強い風の影響で寒さを感じ、体調を崩しやすくなります。
春から夏にかけて
1年の中で風邪などのリスクが低く、過ごしやすい季節ですが、梅雨の時期になると低気圧により自律神経の調整が乱れ、体調を崩しやすくなります。
また、朝と夜の寒暖差もあるので、薄着で出かけて夜は冷え込み、風邪をひいてしまうこともあります。
夏から秋にかけて
日中は暑さが続きますが、朝晩が冷えやすい季節です。
薄いタオルケットで寝ていると朝方に冷えてしまい、それをきっかけに体調を崩し風邪をひいてしまします。
また、秋頃になると空気が乾燥し、喉や気管支も乾燥してしまい、朝起きたときに喉が痛いと感じるようになります。
季節の変わり目の風邪対策
季節の変わり目にはちょっとした油断や疲れなどをきっかけに風邪をひいてしまうことがあります。
ここでは、風邪をひかないようにするための対策を紹介していきます。
冷えを改善する
風邪は身体が冷えているとかかりやすくなるため、下記のことを実践してみましょう。
身体を温めること
とくに熱があるときは、身体を温めることでウイルスをやっつけようとします。これは身体の防御反応です。
寒くないようにと、たくさん着込んで汗をかいた後にそのままにしておくと冷えるため、しっかり汗を拭きとって着替えましょう。
また、温かい飲み物や食べ物を意識してとり、身体の内側から温めることが大切です。
栄養をしっかりとること
たんぱく質・ビタミン・ミネラルを意識してとりましょう。
たんぱく質は卵、豆腐、納豆、食欲があれば肉、魚を良くかんで食べるようにします。
肉や魚などは消化に時間がかかるため、豆腐や納豆などの大豆製品やヨーグルトといった消化によい良質なたんぱく質をとるようにしましょう。
また、熱によって汗をかくことでビタミンやミネラルが放出されてしまいます。
ビタミンは粘膜の強化や代謝を促し、ミネラルは身体の調子を整え免疫力を強化する作用があるので、海藻類やキノコ類、野菜をとることをおすすめします。
具だくさんのスープや味噌汁は、ビタミンやミネラルをとりやすく身体も温まります。
十分な睡眠をとること
ウイルスと闘っている身体は、十分に休めることが大切です。睡眠不足は免疫力の低下を招くので温かくしてしっかり身体を休めましょう。
早めに受診すること
早く治すためには薬の力も必要です。薬局やドラッグストアでも風邪薬は手に入りますが、医師の処方薬の方が、自分の症状に合っている薬です。
症状を診てもらい、症状にあったな薬を処方してもらいましょう。
季節の変わり目に風邪をひかないために
風邪は、身体の冷えや免疫力の低下によって侵入したウイルスに身体が負けてしまうことが原因です。
風邪をひかないためには、日頃から身体を冷やさないようにし、免疫力を高めることが大切です。
また、下記のことを心がけましょう。
手洗い・うがいをする
風邪のウイルスは手を介して鼻や口を触ることで体内に侵入します。ウイルスを洗い流し、手を清潔に保ちましょう。
また、うがいは喉に付着したウイルスを排出するほかに、口腔内を加湿することでウイルスが嫌う環境をつくり、風邪を予防します。
身体を冷やさない
体温調節をする
体温が1度低いと風邪をはじめさまざまな病気にかかりやすくなります。
冷えを感じやすい人は夏でも薄手の腹巻きを着用したり、首や手首、足首を冷やさないよう一枚覆うようにしておきましょう。
冷たい飲み物を控える
冷たい飲み物は身体を冷やすので、なるべく常温か温かい飲み物を意識してとりましょう。
ビタミンEを意識してとる
ビタミンEは血行を促進し、冷えを改善します。
アボカドやカボチャ、ほうれん草、亜麻仁油、えごま油、オリーブオイルに多く含まれているので、冷え症の人は意識して食事に取り入れましょう。
免疫力を高める
免疫力が低下するとウイルスが体内に入ってきたときにやっつけることができず、体内で悪さをしてしまいます。
体内にウイルスが入ってきても未然に防げるよう、十分な睡眠を取って身体づくりをしましょう。
乾燥を防ぐ
ウイルスは乾燥すると水分が蒸発し、空気中に舞い上がります。そのため、そのウイルスを吸い込むことで体内に入りやすくなります。
そこで、部屋の湿度は60%くらいに保ち、外出の際にはマスクを着用することで乾燥から口や鼻を守りましょう。
病院での治療について
生活に支障が出ている場合や仕事が休めない、大事な試験を控えている場合には、早めに病院を受診しましょう。
こんな症状が出たら病院へ!
受診の目安としては次の通りです。
・発熱で横になっていないと何もできない
・鼻水や鼻づまりがひどく呼吸しづらい
・咳で呼吸がつらい
・喉の痛みで飲み込みづらい
治療法は?
風邪の場合には内科や耳鼻いんこう科、呼吸器内科を受診し、治療を行います。
内科での治療の流れ
風邪の症状が全体的にある場合には内科を受診しましょう。
問診後に風邪の症状に合わせた薬が処方されます。
耳鼻いんこう科での治療の流れ
とくに鼻・耳・喉に辛い症状がある場合には耳鼻いんこう科を受診しましょう。
鼻水がひどい場合には鼻水の吸引やネブライザーで鼻の粘膜から薬を入れる治療が行われます。
呼吸器内科での治療の流れ
咳が苦しかったり、喉が痛かったりする場合には呼吸器内科を受診しましょう。
まとめ
季節の変わり目は、気温の変化に身体が対応することが困難な時期でもあります。
また、日頃のストレスや疲れ、睡眠不足によって風邪をひきやすくなるので、対策を行うことで風邪を未然に防いで健康に過ごしましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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