子宮筋腫の検査はどんなことをする?妊娠を考えているなら早めに治療を!
子宮筋腫は、女性なら誰でも発症する可能性がある病気です。過多月経による貧血やひどい生理痛、周囲の臓器が圧迫されることで痛みや頻尿、便秘などを伴う場合もあるので、気になる症状がある方はぜひ検査を受けてみましょう。
この記事では、子宮筋腫を早期に発見するために重要な検査方法についてご紹介します。
子宮筋腫の検査を受ける前に
1.子宮筋腫とは
子宮筋腫は子宮の筋肉の一部にできる良性の腫瘍で、できる原因はまだ解明されていません。直接命に関わる危険性はないものの、子宮筋腫があることによって妊娠しづらくなったり、流産しやすくなったりすることがあるため、妊娠を考えている場合は早めに治療したいところです。
子宮内のどこに筋腫(こぶ)ができるかによって、3つに分かれる
筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
子宮の筋肉の中にできる
漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
子宮の外側にできる
粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
子宮の内膜の下にできる
2.検査は何科にかかればいい?
子宮筋腫の検査は婦人科へ
子宮筋腫は主に30~40代に多いといわれていますが、最近は初潮も低年齢化していることや、検査機器の発達により症状が軽いうちに早期発見できることから、若年化しています。
そのため、20歳を過ぎた頃から定期的に検査を受けることがおすすめです。
内診でわかるの?
サイズが大きいものは内診でも発見することができますが、詳細な診断には経膣超音波やMRIが必要です。
2.生理中も受けられる?
子宮筋腫の検査は、生理中や不正出血がある場合も受けることはできますが、内診などの検査も行うため、生理中は避けた方が望ましいといえます。
放置しても命の危険性はありませんが、通常の1年に1回の検診の他に、医師に指示されたサイクルがあれば、その期間に必ず受診するようにしましょう。
子宮筋腫の検査って何をするの?
一般的には、内診やエコー検査を受けて、腫瘍の疑いがあれば子宮鏡検査、MRI検査などを受けます。
1.内診
健康診断の一環で受ける定期検診では、主に内診が行われます。
内診とは、医師が膣に指を入れ、下腹部を触診しながら、膣内や子宮内に異常がないかを調べるものです。
硬いしこりができていることから、子宮筋腫が発見されることもあります。
2.エコー検査
エコー(経膣超音波検査)は親指の太さくらいの棒状の経膣プローブを膣内に挿入して超音波で子宮、卵巣など骨盤内の臓器の状態を検査します。内診では見落としてしまう筋腫も発見できます。
3.子宮鏡検査
子宮内膜に異常が疑われる場合に子宮の中にカメラを入れて、子宮の内部の状態を直接観察する検査です。超音波検査の結果、子宮内膜近くに腫瘍などがあることが疑われる場合などに行います。
痛みはある?
子宮鏡検査は極細のファイバーに小さなカメラが備え付けられているものを使用するため、通常は痛みはほとんどありません。基本的に性交渉の経験があればほとんど痛みはないでしょう。しかし、緊張して力が入っていたりすると痛みがある場合もあるため、リラックスして受けるようにしましょう。
子宮内膜に異常がある場合は痛むことも
子宮内膜症など、子宮内に何らかの異常がある場合は、痛みを伴うことがあります。それも異常を知るサインの1つとなります。
痛みがある場合は我慢せず医師に伝えるようにしましょう。
4.MRI検査
内診やエコー検査で子宮筋腫の疑いが出た場合、MRI検査により大きさや位置、状態を正確に調べるための精密検査を行います。
MRI検査は、悪性の子宮肉腫や子宮内膜症の一種である子宮腺筋症と見分けることもできる重要な検査です。ただ、子宮肉腫と子宮筋腫を見分けることは難しく、大きさや患者さんの年齢、大きくなるスピードで判断します。
5.検査は入院が必要?
基本的に子宮筋腫の検査は日帰りで可能です。入院の必要はありません。
検査は二日間行うことも
子宮卵管造影検査の場合は、当日に子宮内に造影剤を入れ、X線検査を行い、翌日に造影剤なしで再度X線検査を行うことがあります。
そのため、入院の必要はありませんが、検査に二日間かかる場合もあります。
子宮筋腫の検査結果
検査結果は2週間ほどでわかることが多いです。
子宮筋腫が見つかっても治療が必要ない場合は、経過観察していく必要があります。年に1度検査を受けて、問題がないか確認してもらいましょう。痛みや違和感がある場合はその都度医療機関で相談しましょう。
まとめ
子宮筋腫は良性の腫瘍のため、悪性の腫瘍のように転移したり、命の危険を伴うものではありません。
しかし、放置しておくと大きくなりすぎてしまい、月経の量が増える、妊娠しにくくなる、流産しやすくなるなど、問題が起こることもあります。若いうちから定期的な検査を受け、早めに治療していくことがとても大切です。
執筆・監修ドクター
経歴1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長
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