なぜ生理痛で腰痛が起こるの?緩和するツボなど対策5つを解説!
生理痛といえば、子宮の痛みをイメージする人が多いでしょう。
しかし生理痛は下腹部の痛みだけでなく、症状のひとつに腰痛も挙げられます。
痛みやその度合いには個人差がありますが、人によっては立てないほどの痛みを感じることもあり、少しでも症状を抑えたいものです。
こちらの記事では生理の時に腰痛が起こる理由と、つらい痛みを緩和させるための対処法を紹介します。
生理中に腰痛が起こる理由は?
生理の時に腰が痛くなったり重たく感じたりする理由は、大きく分けて3つあります。
1.プロスタグランジンの分泌
生理痛は主に、『プロスタグランジン』というホルモンの影響を受けて起こります。
プロスタグランジンは、不要になった経血や粘膜を体外に排出するために子宮を収縮させる役割を果たします。
これが過剰に分泌されてしまう と、子宮やその周りの血管が過剰に収縮したり、血流が悪くなったりすることで腰痛が起こります 。
プロスタグランジンの分泌で、吐き気を伴うことも
プロスタグランジンの過剰分泌が起こると、子宮だけでなく胃も収縮させてしまいます。
そのため胃酸過多となり、胃のむかつきや胸やけ、吐き気をもよおすこともあります。
2.体の冷え
生理中は血流が悪くなるため体が冷えやすい状態です。
そして冷えはさらに血流を滞らせるため、腰の痛みやだるさが現れやすくなるという悪循環が起こります。
3.子宮の病気がある可能性も
生理がくるたびに腰痛が生じる場合、子宮の病気が隠れていることがあります。
特に『子宮内膜症』や『子宮筋腫』は、その症状としてひどい生理痛や腰痛がよくみられます。
腹痛や腰痛などの症状がひどい場合や長引く場合には、婦人科で検査を受けましょう。
生理痛による腰痛を緩和する5つの対策
続いて、生理痛による腰痛を緩和するためにできる対策方法を解説します。
1.腰痛や生理痛におすすめのツボ
三陰交(さんいんこう)
くるぶしから指4つ分上にある『三陰交』というツボは、生理痛による腰痛に作用するといわれています。
5秒押し、5秒かけて離すという動作を10回ほど繰り返しましょう。
気海(きかい)
おへそよりも指2本分下にある『気海』というツボは、腰痛だけでなく生理中の下腹部痛にも効果が期待できます。
こちらも同じく、押して離す動作を5秒ずつ10回ほど繰り返してみましょう。
2.ストレッチをする
ストレッチ は血液の流れをスムーズにしてくれるので、腰痛を緩和させる効果があります 。
息をゆっくり吐きながら20~30秒ほどかけて、上半身や下半身の筋肉を伸ばします。
しかし体調がすぐれない時や痛みが酷い時に無理をすると、返って悪化することもあるため無理のない範囲で行いましょう。
3.入浴やカイロで体を温める
生理中の腰痛には、原因の一つとして血行不良が挙げられます。
血行不良は主に体の冷えからくるので、温めることで腰痛の改善につながる場合があります。
入浴の際はしっかり湯船に浸かって体全体を温めたり、痛みのある腰にカイロを貼ったりすると、血流が良くなって腰痛が和らぎます。
4.漢方薬を服用する
生理中の腰痛には漢方薬も効果があるといわれていますが、合わないものを使用すると返って悪化してしまうこともあります。
漢方薬を取り扱っている産婦人科の医師に相談し、自分に合ったものを処方してもらうようにしましょう。
5.便秘対策をする
腰と腸は近い位置にあるため、 腰痛と便秘が相互に影響することがあります。
また腸内ガスが血管を圧迫することで腰回りの筋肉が緊張したり、かたい便の通過に伴って腰に近い部分に痛みが生じたりすることがあります。
特に生理前は便秘気味になる方が多いので、意識して便秘対策をしておくと腰痛改善に効果的です。
食物繊維や水分の摂取を心がけて便秘改善を意識しましょう。
生理痛による腰痛の治療について
市販薬は使用しても良い?
痛みが我慢できない場合は、市販の鎮痛剤で痛みを和らげても良いでしょう。
痛みが出てから飲むよりも、予防も兼ねて痛みが酷くなる前に飲む方が効果は高いので、生理周期に合わせて用意しておくといいでしょう。
病院には行くべき?
生理痛がひどかったりいつもと違う症状が出たりと、何かしら違和感があれば病院へ行くことをおすすめします。
子宮の病気が隠れている可能性もあるので、我慢は禁物です。
経血の量や色も注意深く観察し、変化がないか確認してから病院を受診するといいでしょう。
まとめ
生理痛といえば一般的には下腹部の痛みが想定されますが、症状として腰痛や吐き気、頭痛などが現れることもめずらしくありません。
症状やその程度には個人差がありますが、自分でできる対処法もあるので、できることから取り入れてみましょう。
症状が酷い場合や違和感がある場合は、子宮の病気が隠れている可能性もあるので、早めに婦人科を受診してくださいね。
執筆・監修ドクター
経歴1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長
関連コラム
「なぜ生理痛で腰痛が起こるの?緩和するツボなど対策5つを解説!」以外の病気に関するコラムを探したい方はこちら。
関連する病気
「なぜ生理痛で腰痛が起こるの?緩和するツボなど対策5つを解説!」に関する病気の情報を探したい方はこちら。