個人差の大きい生理痛…胃のむかつきから吐き気をもよおす場合の原因と対処法は?

生理痛といえば「腹痛」ですが、症状には個人差があります。
下腹部だけが痛む人もいれば胃がムカムカする人もいて、胃のむかつきがひどい人の中には、吐き気をもよおすこともあるようです。
女性にとって生理は月に1度、定期的にくるものです。
生理中の不快な症状と上手に付き合えるように、吐き気の原因や対処法を詳しく紹介していきます。
生理痛で吐き気が起こる理由
生理で吐き気が起こる理由として考えられるのは、「プロスタグランジン」という生理活性物質の分泌が過剰になるためです。
「プロスタグランジン」が過剰に分泌される影響
プロスタグランジンは人間が生きるために必要な物質(生理活性物質)ですが、生理においては子宮を収縮させ不要となった経血や粘膜を体外に排出する役割を担っています。
しかし、プロスタグランジンが過剰に分泌されると子宮の収縮が強くまなり過ぎてしまうため、下腹部に強い痛みを感じるようになります。これが「生理痛」です。
さらにプロスタグランジンは胃や腸にも影響を及ぼし、吐き気や胃のむかつきを引き起こします。
不規則な生活習慣に注意
プロスタグランジンが過剰に分泌されるのは、ホルモンバランスや自律神経の乱れが原因です。
ホルモンバランスと自律神経は、両者とも脳の視床下部という部分でコントロールしているため、互いに影響されます。
不規則な生活習慣や過度なストレスによりホルモンバランスが乱れると、プロスタグランジンが過剰に分泌されてしまいます。
さらに、不規則な生活によって自律神経のバランスが乱れると、気持ちが落ち込みやすくなり精神的な面から吐き気を強めてしまう傾向にあります。症状を改善させるには、生活習慣の見直しが必要です。
生理痛による吐き気を改善する方法
では、プロスタグランジンの過剰な分泌を抑えるために、日常生活ではどんなことに気をつければ良いのか説明します。
食事に注意
吐き気を感じているときには、食事の仕方に注意する必要があります。
次のことを心がけましょう。
消化の良いものを食べる
うどんやおかゆといった消化の良いものを摂ることで、食べ物が胃にとどまる時間が短くなります。
生理中で吐き気を感じやすい時には、胃腸に負担をかけないように消化に良い食事を心がけましょう。
食べ過ぎない
食べ過ぎは胃腸に負担がかかり、吐き気が増すことがあるので、食べる量に注意しましょう。
吐き気が強いときには、冷たく口当たりの良いゼリーやフルーツなどを適量食べるとスッキリすることがあります。
リラックスする
吐き気があるときには、リラックスすることが大切です。
ひとりでゆっくりと休む時間を作ることが大切です。
好きな音楽を聴いて過ごすなど、自分に合ったリラックス方法を見つけておきましょう。
また、深呼吸するだけでも自律神経のバランスを整えることができます。
市販薬を飲む
仕事などで、すぐに症状を落ち着かせたいときには市販薬を使用するのも良いでしょう。
吐き気がある場合は、対症療法として吐き気止めを飲みます。
生理痛によって吐き気が出ているときには、鎮痛剤を飲むことで吐き気も治まることがあります。
しかし、薬の服用には次のような注意点もあります。
注意点
市販薬を飲むことで胃を刺激し、吐き気を強めてしまうこともあります。
市販薬を購入する際には薬剤師に相談し、症状に合った薬を選んでもらうことをおすすめします。
生理痛の吐き気で受ける病院の治療
生理痛は日頃の生活が原因になっていることもあるので、まずは生活習慣の見直しをすることも大切です。
それでも症状が改善されない、症状が重く日常生活に支障が出る場合には、無理せず受診することをおすすめします。
何科を受診する?
何科を受診するべきか迷ったとき、「生理痛」と「吐き気」どちらを優先させるべきか悩むところです。
この場合の吐き気は、生理に関係する症状なので、婦人科を受診しましょう。
婦人科では、腹痛以外の生理痛の症状も診てもらえます。
治療法について
生理痛による吐き気には、病気が原因の場合と、そうでない場合があります。
病気が原因の場合
子宮筋腫や子宮内膜症といった子宮の病気が原因で吐き気が起こることもあります。
しかし、これらの病気の場合でも生理痛が軽い、またはないという人もいて個人差があります。
子宮の病気が原因の場合には、その治療を行います。
とくに病気がない場合
とくに婦人科系の病気がない場合には、鎮痛剤やホルモン薬により症状を抑えます。
まとめ
生理痛の吐き気は、「プロスタグランジン」という生理活性物質が過剰に分泌されることによって起こります。また、自律神経の乱れも影響が大きいので、生活習慣を見直すことが大切です。
生理痛は個人差も大きく、一般的には「腹痛」を連想させますが、吐き気やめまい、頭痛などを伴う場合もあり、ほかの病気が隠れていることもあります。
また、生理中にはエストロゲンの量が急激に減少し、自律神経の働きが鈍くなるのでめまいを起こしやすくなり、経血量が多いと貧血を起こしやすくなるので注意が必要です。
症状がひどい場合には、我慢せずに早めに婦人科を受診しましょう。
執筆者:医療法人社団 石野医院 石野博嗣 先生
執筆・監修ドクター
経歴1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長
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