MCVが低い原因は貧血や病気も。食事で鉄分を!病院での治療法は?

MCVとは赤血球の大きさを表す数値です。
この数値をみることで、体内で生じている貧血や病気などの異常を特定できます。
この記事ではMCVが低くなる原因と、それに伴うリスクについて解説します。
MCVの数値とは?

MCVとは「平均赤血球容積」を表す数値で、簡単に言えば赤血球の大きさを確認できます。
赤血球の特徴を捉えるために、基本的には次の2つの検査も同時に行います。
- MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)
- MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)
MCVの算出方法
MCVは、「ヘマトクリット(%) ÷ 赤血球(106/㎣) × 10 = MCV」で算出されます。
基準値は80~98flで、「fl(フェムトリットル)」は1000兆分の1Lを表します。
数値ごとの名称
- 基準値:正球性(赤血球が正常な大きさ)
- 高い:大球性(赤血球が平均的に大きい)
- 低い:小球性(赤血球が平均的に小さい)
MCVが低くなる原因は?
1.鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、MCVが低くなる原因として最も多いものです。
貧血にもいくつか原因がありますが、中でも特に多いのが鉄分不足による貧血です。
鉄分が不足しやすいのはこんな人
- 女性:月経のときに経血と一緒に鉄分が排出されやすい
- アスリート:鉄分の消費量が多い(汗とともに流れ出るため)
- 胃がん、大腸がん患者:慢性的に臓器から出血がある
- 高齢者:栄養不足になりがち
- ダイエットをしている人:過剰な食事制限によって鉄分が不足しやすい
2.膠原病

MCVを下げる原因としては、膠原病も考えられます。
「慢性呼吸器感染症」や「関節リウマチ」などは、患部に慢性的な炎症が起こります。
炎症があるとその修復に鉄が優先利用されるため、赤芽球(未熟な赤血球)が使うはずだった鉄が足りません。
これによってMCVの数値が下がります。
MCVと貧血の関係について

貧血とは、赤血球に存在する「ヘモグロビン(体内に酸素を行き渡らせる物質)」の量が少ない状態を言います。
MCVが低いときは赤血球が小さくなっているため、当然そこに含まれるヘモグロビンも減少します。
これによって全身に十分な酸素が行き渡らず、貧血が起こります。
貧血の種類
既述の通りもっとも多いのが鉄分不足による「鉄欠乏性貧血」ですが、それ以外にも次のように様々な要因によって貧血は生じます。
- 鉄芽球性貧血:鉄分は足りているのに使えないことで生じる遺伝性の貧血
- 慢性疾患による貧血:慢性感染症・慢性炎症性疾患・悪性腫瘍などに伴う貧血
これらもMCVを下げる原因となります。
MCVが低いときの改善法は?
1.おすすめの食事

MCVが低くても、食生活に気を配れば自分で改善できるケースがほとんどです。
鉄分の多い食品を取り入れ、バランスのよい食事を心がけましょう。
鉄分にはヘム鉄・非ヘム鉄の2種類があり、同時に摂ることで吸収率が上がると言われています。
- ヘム鉄:肉や魚などの動物性食品に含まれる
- 非ヘム鉄:野菜・穀類・海藻などの植物性食品に含まれる
とはいえ食事で摂取できる鉄分の量はわずかなので、貧血の症状が強い場合は病院を受診しましょう。
2.病院での治療方法

基本的には鉄分を補うための処置が施されます。
病院を受診すると鉄剤を処方されるので、これを1日1~2回服用します。
鉄剤は妊娠・授乳中の女性でも服用できるので、貧血傾向の女性は病院で相談してみましょう。
点滴によって鉄剤を補うことも
鉄剤は吐き気・腹痛・便秘・下痢などの症状が出る可能性もあります。
副作用が強くて鉄剤を服用できない場合は、点滴によって鉄分を補うこともあります。
ほかにも次のような場合は点滴が受けられるので、医師に相談してみましょう。
- 手術や腸炎などの影響で内服薬が十分に吸収できない場合
- 鉄剤の内服では補えない量の出血がある場合
まとめ
MCVという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、貧血や病気の状態を知るのに必要な検査です。
血液検査でこの数値が低く出た場合は、鉄分を意識した食事を心がけてみてください。
それでも改善がみられない場合は、病院を受診して鉄剤の処方や点滴による治療を受けましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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