微熱が続く原因は、病気?ストレス?7日以上続いたら病院へ!
最近、なかなか治まらない微熱の症状に悩む人が増えています。
原因として挙げられるのは何らかの病気か女性特有の体調変化などですが、それ以外の原因で微熱が続く場合もあります。原因がわからないと「なぜ…?」と不安を抱えて過ごすことになります。
こちらの記事では、そんな微熱の原因や、女性特有の症状について解説します。
微熱のしくみと原因
1.熱が出るしくみ
発熱は、体内で何らかの異常が発生していることを伝える症状の一つです。
人の体温は、脳視床下部で最適な温度になるよう調節されています。
視床下部には『体温調節中枢』があり、この部分が発する指令によって皮膚血管の収縮や筋肉の震え、鳥肌といった反応が起こります。それに伴って体温が上昇する仕組みです。
病原体が侵入すると抵抗反応が起こる!
健康な状態であれば人の体温は、脳内にある「体温調節中枢」によって36℃前後に維持されますが、体に病原体が侵入すると視床下部が指令を出し、体温が上昇します。
発熱自体は有害なことではありません。体内に侵入した病原体やアレルギー等に負けないための防御反応であり、体の免疫力向上にもつながる有益なことです。
また、発熱した体は病原体にとって生きにくい環境となるため、さらなる病原体の増殖を抑制する効果もあります。これは、病原体の除去をする白血球が発熱によって活性化するためです。
2.病気による微熱
微熱が続く場合、何かの病気が原因となっている可能性も考えられます。
微熱と関係のある、代表的な病気をご紹介します。
風邪などの上気道感染症
ウイルス感染により起こるもので、微熱が続く場合があります。
関節リウマチ
手の指、手首、足首、足の指、肘等に痛みが生じ、微熱が続く場合があります。
結核
古い病気というイメージかもしれませんが今でも多くの発症があり、咳、微熱、倦怠感といった症状がみられます。
膠原病(こうげんびょう)
免疫病の一種で、炎症が持続するため発熱があります。
尿路結石
排尿時に激しい痛みが生じます。微熱が続く場合があります。
バセドウ病
甲状腺ホルモンの分泌量が多くなることで、体の代謝が急激に活性化します。微熱が続く、疲れやすい等の症状がみられます。
白血病
微熱が続く、貧血、出血しやすくなるなどの症状がみられます。
癌などの悪性腫瘍
腫瘍熱といわれる微熱が続くことがあります。
3.女性特有の体調変化による微熱
生理周期
女性には生理周期による体温変動があります。排卵後から生理が始まるまでの期間は、子宮内を温めるために黄体ホルモンの分泌が増えます。
この黄体ホルモンの影響を受けて微熱が出ることがあり、人によっては38℃くらいまで発熱する場合もあります。
微熱とともに身体の倦怠感や寒気等、風邪に似た症状が出ることもありますが、これらの症状は月経前症候群(PMS)と呼ばれるもので、生理が始まると症状が緩和され平熱に戻ります。
妊娠
妊娠の症状として、微熱が続くことがあります。
予定日を過ぎても生理が始まらず、微熱が続く場合は妊娠の可能性があります。
更年期障害
女性ホルモンの変化によってホルモンバランスが乱れると、自律神経に影響が及びます。
これが原因となって微熱が出ることもあります。
4.病気以外の原因も!
病気が原因ではない微熱は、『本態性高体温』、『習慣性高体温』、『体質性高体温』 等と呼ばれます。
このような微熱は病的なものではないという意見もあります。
とはいえ、微熱とともに全身倦怠感や食欲不振、不眠等の症状がみられる場合には、ストレスや自律神経の乱れによる病的な微熱であると考えても良いでしょう。
1ヵ月以上37℃前後の微熱が続く、疲労が取れない、体が重い等の症状があれば、ストレスによる自律神経の乱れが原因かもしれません。
微熱が続く場合の対処法
1.自宅でできる対処法
「微熱があるけど病院に行くほどではない…」という場合には、市販薬による自宅での療養も有効です。
市販の解熱鎮痛剤には文字通り『解熱効果』と『鎮痛作用』があります。そのため服用することで、微熱に伴う筋肉痛や頭痛の緩和が期待できます。
2.市販の解熱剤を飲む際の注意点
市販薬には、それぞれの症状に適した成分が配合されているため、服用の際は以下のことに注意してください。
- 使用上の注意をよく確認する
- 自己判断で複数の市販薬を併用しない
- 服用時は水やぬるま湯で飲む
- 用法・用量をしっかり守る
市販薬に記載されている服用目安期間を過ぎても症状が治らない場合は、早めに医療機関を受診してください。
3.微熱が7日以上続く場合は病院へ!
風邪等の感染症の場合、ウイルスに対抗するために体温上昇が起こります。もっとも、この『防御反応』による発熱は3日くらいで治まると考えられています。
この日数を目安に、万が一微熱が7日以上続く場合は医療機関を受診しましょう。
まとめ
微熱の原因は上記で紹介したように、多岐にわたります。
平熱より体温が1℃上がると身体に異変が生じる可能性を考え、自身の平熱を把握しておくことも大切です。
微熱がある場合はその原因をしっかり把握して、ゆっくり休養をとって早期に解決しましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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