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足が腫れる、痛い…「血栓性静脈炎」とは?治療法や予防について解説

更新日:2017/08/03 公開日:2017/08/03 view数:1,383
血栓性静脈炎

『血栓性静脈炎』は、静脈に炎症が起こる病気です。

この記事では、血栓性静脈炎の症状や治療法、似た病気『深部静脈血栓症』との違いについて解説します。

目次
  1. 血栓性静脈炎について
  2. 血栓性静脈炎の治療について
  3. 血栓性静脈炎を予防するために
  4. まとめ

血栓性静脈炎について

1.血栓性静脈炎って?

血栓性静脈炎

『血栓性静脈炎』は、静脈に炎症が起こる『静脈炎』のうち、体の表面の静脈(『表在静脈系』)に生じるもののことです。

静脈炎が起こった部位には血栓がともないやすく、静脈をふさいでしまうこともあります。

2.原因について

血栓性静脈炎は、原因がわからないケースもかなり多いです。

わかっている原因には、次のものがあります。

・静脈瘤…静脈の拡張や、静脈圧の上昇によって、静脈にこぶができ、膨らんでいる状態

・医療行為による、静脈内膜の損傷

・長いあいだ寝たきりの状態…心不全や骨折をした場合、高齢者、妊娠後期から産褥期など

・手術

・脱水

・妊娠中や産褥早期…妊娠によって大きくなった子宮が下大静脈を圧迫して、下肢の静脈血流が停滞しやすい

・バージャー病…動脈にかかわる病気

・膠原病…ベーチェット病や抗リン脂質抗体症候群など

・悪性腫瘍

・経口避妊薬などの薬

・細菌感染

・がん

・止血に関する機能異常

3.症状について

静脈が炎症を起こした部位の腫れや痛み

血栓性静脈炎

血栓性静脈炎を起こした部位が皮膚に近い場合は、静脈に沿って皮膚が赤く腫れ、痛みをともないます。触ると血管に沿って太く長い列になった血栓を感じることもあります。

発熱や悪寒が生じることも

そのほか、発熱や悪寒などの全身症状があらわれるケースがあります。

4.合併症について

皮膚に色素沈着や炎症を引き起こす

足やかかとのむくみ、静脈瘤ができることで、皮膚の色素沈着や皮膚炎、皮膚に穴があく『皮膚潰瘍』を合併することがあります。

化膿性血栓性静脈炎はがんを引き起こすことも

また、外傷やうっ血などが原因で起こる『化膿性血栓性静脈炎』の場合は特に注意が必要です。

化膿性血栓性静脈炎は、静脈壁に可能性の炎症を起こす病気で、がんを合併症として引き起こすことがあります。

5.似た病気「深部静脈血栓症」とどう違う?

血栓性静脈炎

血栓性静脈炎に似た病気に『深部静脈血栓症』があります。

深部の静脈に炎症が起こる病気

深部静脈血栓症は、深部の静脈(『深在静脈』)に炎症が起こった状態です。

血栓性静脈炎より重篤化しやすい

血栓性静脈炎に比べて重篤化しやすいです。『エコノミー症候群』として知られる『肺塞栓症』を引き起こし、死に至る可能性もあります。

むくみや、チアノーゼなどの症状があらわれる病気

深部静脈血栓症にかかると、むくみのような腫れが生じ、重症化すると、皮膚や粘膜が紫色になる『チアノーゼ』があらわれます。強い痛みをともなうこともあります。

血栓性静脈炎の治療について

1.血栓性静脈炎の検査

血栓性静脈炎

今までかかった病気について訊き、体を診察す

今までにかかった病気の経歴を訊くとともに、体の診察を行ないます。

急性期の血栓性静脈炎は、下肢の腫れや色調、皮膚の温度、表在静脈の拡張などから、視診や触診によって診断することができます。

下肢に有効な「超音波ドプラー法」

下肢のもっとも有効な検査法は、『超音波ドプラー法』です。超音波ドプラー法は、血液の流れる方向や速度を調べることができます。

血栓の位置や圧を調べる「静脈造影」

また、『静脈造影』という、血栓の位置や圧の上昇を測定する検査をおこなうこともあります。

膝より上部の場合は超音波検査をおこなう

膝よりも上部に症状がある場合は、『超音波検査』を用いて、深部静脈血栓症と区別します。

慢性期は、リンパ浮腫と区別するための検査をすることも

慢性期は、『リンパ浮腫』という病気との区別が難しく、『リンパ管造影』なども加えて必要になるケースがあります。

2.血栓性静脈炎の治療

血栓性静脈炎

急性期の場合は、湿布や包帯をして安静に

血栓性静脈炎の急性期の治療は、安静にして湿布や弾性包帯を巻きます。ほとんどの場合、数週間で治ります。

難治性の場合、血栓をできにくくする薬を使うことも

難治性の場合は、血栓をできにくくする『抗血小板薬』や『ワルファリン』などの薬を使うこともあります。

そのほか、感染や炎症を合併している場合

そのほかに感染や、静脈瘤にともなう炎症症状を合併している場合は、『抗生剤』を加えて使ったり、血栓の除去や静脈の切除が必要になったりすることもあります。

その場合は、炎症が深部に広がらないようにしたり、『肺塞栓』などの合併症にも注意したりする必要があります。

血栓性静脈炎を予防するために

1.長時間座るときは、足を動かし、水分を摂る

血栓性静脈炎

飛行機の搭乗中や長時間のデスクワークなど、座ったままの姿勢を取らざるを得ない場合は、歩行もしくは定期的に足を動かすよう心がけましょう。1時間に10回ほど、足を曲げたり伸ばしたりすると良いです。

また、脱水状態にならないようにも注意する必要があります。水分をしっかり摂取するようにしてください。

2.入院中は主治医と相談!予防的治療も

入院していて点滴をしている人や、安静を必要とする重大な病気(心筋梗塞や虚血性脳卒中、心不全)にかかっている人も、予防的治療を行なうことができます。主治医と相談してください。

3.出産や手術後は、歩いたりリハビリを受けたりする

出産や手術後は、できるだけ寝たきりの状態は短くして、歩いたり、リハビリテーションを受けたりすることも、血栓性静脈炎の予防につながります。

まとめ

血栓性静脈炎にかかる人は、近年増えています。

もともと病気で寝たきりの人だけでなく、脱水や長時間の座りっぱなしなど、さまざまな人に発生し得る病気です。

下肢の腫れや痛み、皮膚の変色などの症状に気が付いたら、すぐに循環器内科や心臓血管外科などを受診しましょう。

執筆・監修ドクター

岡村 長門
岡村 長門 医師 岡村クリニック 院長 担当科目 心臓血管外科/循環器内科/内科

経歴1996年 埼玉医科大学卒業
1997年 埼玉医科大学第一外科入(一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科)終了
1999年 戸田中央総合病院心臓血管外科医として就職
2000年 埼玉医科大学心臓血管外科就職
2006年-2012年3月 公立昭和病院心臓血管外科就職
2012年4月 岡村医院、医師として勤務
2012年7月 岡村クリニック開院

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