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ふくらはぎが痛い!筋肉痛のような痛み、片足や外側だけ痛い原因は?

更新日:2022/07/27 公開日:2022/03/23 view数:7,894
ふくらはぎが痛い!筋肉痛のような痛み、片足や外側だけ痛い原因は?

ふくらはぎが筋肉痛のように痛い、押すと痛い、片側だけ痛い、伸ばすと痛い…と悩んでいませんか?ふくらはぎの痛みの他にも、むくみやだるさなど、ふくらはぎの違和感も伴う場合もあるでしょう。

ふくらはぎの痛みの原因はさまざまです。たんなる筋肉痛のように思えても、実は重大な病気が隠れている場合もあります。

この記事では ふくらはぎの痛みやむくみ、だるさの原因や治療法、何科を受診するべきかなどについて解説します。

目次
  1. ふくらはぎが痛むのは筋肉痛の場合が多い
  2. 肉離れやこむら返りなどのケガが原因で、ふくらはぎに筋肉痛のような痛みが起こる?
  3. ふくらはぎを押すと痛いのはむくみのせい?
  4. 坐骨神経痛、下肢静脈瘤などの病気が原因でふくらはぎが痛む
  5. ふくらはぎが痛いときは何科を受診?整形外科の他、心臓血管外科でも診療可能な場合も
  6. ふくらはぎがむくむ、だるい感じがするときの対処法
  7. ふくらはぎに激痛やむくみ、だるさなど、違和感を覚えたら病院へ

ふくらはぎが痛むのは筋肉痛の場合が多い

ふくらはぎに痛みが起こる原因として、比較的多いのが筋肉痛です。

筋肉痛とは、スポーツなどで傷ついた「筋繊維」というものが修復される際に起きます。

筋肉を大きく引き伸ばす際に痛みを感じやすく、ふくらはぎの場合はランニングや階段を下りたりしたときに起こりがちです。痛みは筋肉に負荷がかかった数時間後、あるいは1、2日後に現れることが多く、たいていは数日で痛みが治まります。

ただし、いつまでたっても痛みが治まらない、あるいは腫れや炎症がみられるといったときは整形外科などで診察を受診しましょう

ふくらはぎの筋肉痛を早く改善する対処法

筋肉痛を早く改善するためには、まず、筋肉を休ませることが大切です。痛みがある間に無理に運動すると、肉離れをする危険もあります。筋肉に負荷をかけるような動きを極力避ける、しっかりと睡眠をとる、安静に過ごすことを心がけましょう。

また、血行を促進すると、疲労物質を流し出すとともに、筋肉に栄養を取り込みみやすくすることで改善しやすくなります。ぬるめのお湯でゆっくり入浴、マッサージ、軽めのストレッチを行ったりするとよいでしょう。

さらに、食事も重要です。筋肉を作るために必要となるたんぱく質を含んだ鶏肉、マグロ、大豆、卵、牛乳や、筋肉の代謝をサポートするビタミン類が豊富な緑黄色野菜やフルーツを取り入れましょう。

肉離れやこむら返りなどのケガが原因で、ふくらはぎに筋肉痛のような痛みが起こる?

ふくらはぎに痛みが起こる原因は筋肉痛だけではありません。何らかのケガによっても痛みが出ることがあります。ふくらはぎに筋肉痛のような痛みが起こる原因となるケガで、代表的なものは以下です。

肉離れ

肉離れは、筋肉が断裂して痛みが起きている状態のことをいいます。ふくらはぎの場合は、主に下腿(かたい)二頭筋の内側にある筋肉の部分断裂で、多くはスポーツ中、筋肉に急激に強い力が働いたことが原因です。痛みを感じたときに「ブチッ」「バチッ」といった断裂音がすることもあります。

症状としては、ふくらはぎ内側の中央上部に痛みがあり、腫れやへこみ、内出血がみられる場合もあります。対処法は、まず患部を冷やして炎症を鎮め、包帯などでテーピングをして圧迫し、断裂してしまった筋肉を離さないようにします。また、腫れとむくみを軽減するために、足の下にクッションやタオルなどを入れて、足を身体よりも少し高い位置に保ちましょう。

アキレス腱断裂

アキレス腱断裂は、ふくらはぎの筋肉と、かかとの骨をつなぐ「アキレス腱」が断裂した状態のことをいいます。スポーツ中にダッシュ、ジャンプといった動きによって、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が急激に収縮したことが原因で起こります。

症状が発生したときに、ふくらはぎにボールが当たった、あるいは蹴られたような強い衝撃を感じることが多く、「ブチッ」「バチッ」といった断裂音がすることもあります。

アキレス腱が断裂した直後は、体重を支え切れずにしゃがみこんだり、転んだりしますが、痛みはあまり強くないため、歩けることがほとんどです。ただし、アキレス腱断裂の場合、歩くことはできても、「つま先立ちができない」のが大きな特徴です。また、断裂した部分に大きなへこみがみられることもあります。

シンスプリント(脛骨(けいこつ)過労性骨膜炎)

シンスプリントは、ふくらはぎの内側に痛みが起きる症状です。「脛骨(けいこつ)過労性骨膜炎」ともいわれ、脛骨(膝から足首までの骨2本のうち、太いほうの骨)のまわりにある骨膜が炎症を起こすことで痛みます。ランニングやジャンプを繰り返すスポーツ活動で起きやすく、運動中や運動後に、内くるぶしから12~20センチあたりが痛みます。

スポーツ以外でも、偏平足、回内足(かかとが内側に回って傾いた状態)など足の形状も原因になります。また、かかとがすりへった靴や、サイズが合わない靴の着用などでも引き起こされることもあります。

症状が悪化すると、スポーツ時以外も痛むようになり、歩くことが難しくなる場合もあります。対処法としては運動量を減らし、患部を冷やすとよいでしょう。

疲労骨折

ふくらはぎの骨は脛骨と腓骨の二本です。このどちらも疲労骨折を起こすことがあります。長距離を走るスポーツ習慣など、反復する負荷をかけることが原因です。初期ではレントゲン写真では以上が検出されず、MRIではじめて分かることもあります。

こむら返り

「こむら返り」は、ふくらはぎの筋肉がけいれんして「足がつる」ことをいいます。スポーツ中や、就寝中に起きることが多く、筋肉が硬直してなかなか元に戻らず、痛みを伴います。

原因は疲労、冷え、運動不足、水分不足、スポーツ時の筋肉疲労、筋肉の収縮や緩みに関わるミネラルの不足などさまざまな要因が考えられます。また、中高年、立ち仕事、妊娠中の人はこむら返りになりやすい傾向があります。

改善のためには、適度な運動やストレッチで筋肉を鍛える、湯船につかりしっかり身体を温める、十分な睡眠時間を確保することを心がけましょう。ミネラルを多く含む、小魚、海藻類、大豆、牛乳などの食材を取り入れたバランスのよい食事をとることも大切です。また、就寝中の水分不足を防ぐために、寝る前にコップ1杯の水を飲んでおくとよいでしょう。

ただし、こむら返りをひんぱんに繰り返す場合は、糖尿病や脳梗塞などの重大な病気や、腰部脊柱管狭窄症などが隠れていることもあるため、病院で診察を受けましょう。

ふくらはぎを押すと痛いのはむくみのせい?

ふくらはぎを押すと痛い場合は、むくみが原因の場合があります。ふくらはぎのむくみは、何らかの理由で血液やリンパ液の流れが悪くなると引き起こされます。ふくらはぎに滞ってしまった血液や水分がたまってしまうため、押すと痛みを感じます。

自覚があまりなくても、すねを押すと指の跡がついてなかなか、戻らない靴下の跡が足にいつまでも残るという状態があれば、むくんでいる証拠です。

また、心臓の力が弱まって、水分が下肢に溜まりやすくなる心不全でもよく起こります。

坐骨神経痛、下肢静脈瘤などの病気が原因でふくらはぎが痛む

肉離れやこむら返りなどの他に、何らかの病気が原因となって痛む場合もあります。重症化すると命に関わる可能性もある病気もあるため、ふくらはぎに違和感があれば病院で診察を受けましょう。

ふくらはぎが痛む病気は坐骨神経痛や、下肢静脈瘤、閉塞(へいそく)性動脈硬化症、エコノミークラス症候群などがあります。

坐骨神経痛

坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫されることによって起きる神経痛です。もっとも多い原因は椎間板ヘルニアで、背骨の骨と骨の間にある椎間板の一部が飛び出して、神経繊維を圧迫するために痛みが引き起こされます。

腰やおしり、太ももの裏側、すね、ふくらはぎ、足の裏にかけて鋭い痛みや、しびれが現れます。ふくらはぎは外側が痛み、伸ばすと痛みが悪化します。

また、症状は片足だけにみられるのが大きな特徴です。痛みやしびれは身体を動かすと悪化し、せきやくしゃみをすると痛みが足全体に響くこともあります。

症状がひどくなると、足に力が入らなくなり、歩くことが難しくなる場合もあります。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は足の血管が瘤(コブ)状に浮き出てみえる状態になる病気です。何らかの要因で心臓へ戻る血流に障害が起こり、血液が足に逆流してしまうことが原因で引き起こされます。その結果、血液が足に停滞して、静脈(血液が心臓に戻る血管)が拡張して曲がりくねり、コブのようにふくらんでしまいます。

下肢静脈瘤は、長時間の立ち仕事で引き起こされる傾向があります。ずっと同じ姿勢であまり筋肉を使わない美容師、調理師、販売員、教員といった仕事に従事する人に多くみられます。

そのほか妊娠により、腹圧で静脈が圧迫された場合にも起きることがあります。また、下肢静脈瘤になるのは女性が多く、遺伝しやすいとされています。

下肢静脈瘤は、ほとんどふくらはぎに症状が現れます。血管が浮き出て目立ち、だるい、痛い、かゆい、むくみ、こむら返り、明け方に足がつる、湿疹や色素沈着がみられるといった特徴があります。また、これらの症状は午後から夕方に強くなる傾向がみられます。

命に関わる病気ではありませんが、進行するとふくらはぎのだるさや痛みがひどくなることもあります。重症化した場合は、皮膚の変色や、炎症が起きて潰瘍になり、改善に数年を要する場合もあるため、早めに病院で診察を受けることを推奨します。

下肢閉塞性(かしへいそくせい)動脈硬化症

下肢閉塞性動脈硬化症は、足の血管に起きる動脈硬化です。動脈硬化とは、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われ、血管の内部が狭くなったりする状態をいいます、そのため、血管が詰まりやすくなり、血液が十分に行き渡らないことで身体に障害が現れます。主に糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病や、喫煙・肥満などが原因で引き起こされます。

足に動脈硬化が起きる場合は、足の血流が悪くなり、栄養が行き届かないためにトラブルが現れます。初期の段階では歩くとふくらはぎなどが締め付けられるように痛み、休み休みでないと歩けない、しびれる、冷えるといった症状がみられます。症状は片足だけに起きることもあります。

症状が悪化すると歩かなくても痛みがあり、ひどくなると手足に潰瘍ができて壊死(えし)する場合もあるため、注意が必要です。

エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓(そくせん)症)

食事や水分があまりとれずに飛行機の狭い座席や車の中などに長く座っていると、血流が滞り、血が固まりやすくなってしまいます。その結果、主にふくらはぎの静脈内に血栓(けっせん 、血の塊)ができて、「深部静脈血栓症」を引き起こします。症状としてはふくらはぎのむくみ、痛み、腫れがみられ、片足だけに起きる場合もあります。

血栓は、場合によってはそのまま血流にのって肺へと流れ、「肺血栓塞栓症」を引き起こすこともあります。胸や背中の痛み、動悸(どうき)、冷や汗といった症状がみられ、呼吸困難になることもあるため、症状を自覚したらすぐに救急要請をする必要があります。

予防のためには、ときどきストレッチや軽い体操をする、こまめに水分をとる、ふくらはぎをマッサージする、ゆったりした服装をするといったことを心がけるとよいでしょう。

ふくらはぎが痛いときは何科を受診?整形外科の他、心臓血管外科でも診療可能な場合も

ふくらはぎが痛むときは、基本的には整形外科を受診します。ただし、下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症、エコノミークラス症候群の疑いがある場合は、心臓血管外科での診察になります。

ただし、自己判断できないことも多いため、まずは整形外科を受診するとよいでしょう。

ふくらはぎがむくむ、だるい感じがするときの対処法

 

足のむくみのセルフケアを紹介

ふくらはぎがパンパンにむくんで靴が履けない、だるくて歩けない、眠れないと大変ですよね。

ふくらはぎのむくみや、だるい感じがするといった症状は、血液やリンパ液の流れが悪くなると引き起こされることもあります。

そのため、アルコールや塩分の過剰摂取、冷え、長時間の立ち仕事やデスクワークの他、女性の場合は生理などでもむくみなどが現れることがあります。

ふくらはぎのむくみ、だるさを解消し、予防するセルフケア

軽い運動やストレッチ

ふくらはぎの筋肉を使う運動やストレッチをすると、血液循環がよくなり、停滞していた血液が過剰な水分や老廃物とともに流れるため、むくみやだるさの改善に役立ちます。

その場で足踏みしたり、あお向けに寝て、両手両足を上にあげてブルブル小刻みに震わせるなどのエクササイズを試してみましょう。

また、椅子に深く腰をかけて、手で椅子をつかんで身体を支えながら両足を浮かせて伸ばし、つま先を上下させるストレッチもおすすめです。

マッサージ

ふくらはぎにたまったリンパ液を、心臓に向けて戻すにはマサージを行うとよいでしょう。

方法は、指先に力を入れずに、手のひらでやさしくなでるようにして、リンパ液を流しましょう。ふくらはぎを包み込むように両方の手のひらを密着させて、足首から膝裏に向かってなで上げます。

食習慣の改善

むくみの原因となる塩分を排出するのに役立つ、カリウムが豊富な食材を取り入れましょう。ほうれん草、小松菜、さつまいも、アボカド、バナナ、昆布、ひじきなどがおすすめです。もちろん、塩分の多い食事や、スナック菓子などを控えることも大切です。

弾性ストッキングの着用

弾性ストッキングは、足を圧迫する特殊な編み方で作られている医療用ストッキングです。ふくらはぎの筋肉を圧迫することで、血液の流れを促進しむくみを軽減します。

できれば病院で医師の指導のもと、適切に着用を行うことでよりむくみが軽減されやすくなります。

足を高くする

足を高くすることで、血流を促進して、ふくらはぎのむくみやだるさを軽減することができます。足の下にクッションや座布団などを敷いて心臓より上の位置になるように調整します。就寝時に行えば、寝ている間にむくみを改善するのに役立ちます。

これらのセルフケアとともに、十分な睡眠をとり、足を冷やさないことも心がけましょう。

ふくらはぎに激痛やむくみ、だるさなど、違和感を覚えたら病院へ

ふくらはぎが痛いときは整形外科を受診しましょう

ふくらはぎに痛みやむくみ、だるさなど違和感を抱いても、つい筋肉痛やこむら返りだろうと思いがちですよね。けれど、ふくらはぎは「第二の心臓」ともよばれるほど重要な働きをしているパーツです。その不調は重大な病気のサインかもしれません。早めに整形外科を受診するようにしましょう。

執筆・監修ドクター

日下部 浩
日下部 浩 医師 仙川整形外科 院長 担当科目 整形外科/リハビリテーション科

経歴1991年 慶應義塾大学医学部卒業
    慶應義塾大学病院 整形外科研修医
1992年 慶應義塾月ヶ瀬リハビリテーションセンター整形外科医師
1993年 国立栃木病院整形外科 医師 国立栃木病院附属看護学校講師
1994年 静岡赤十字病院整形外科医師
1995年 浜松リハビリテーションセンター整形外科医師
1996年 国立小児病院整形外科医師
1997年 慶應義塾大学医学部助教
1998年 南多摩病院整形外科医師
2000年 国立小児病院(現 独立行政法人国立成育医療研究センター病院)整形外科医師
2012年 ふれあい町田ホスピタル整形外科医師
2013年 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院整形外科(現 藤田医科大学医学部整形外科機能再建学 講師
2016年 Visiting Physician, Department of Orthopedics and Rehabilitation, University of Iowa Hospitals and Clinics
2016年 藤田医科大学医学部整形外科機能再建学講座 講師
2017年 医療法人社団八千代会 いなぎ整形外科内科 院長
2018年 仙川整形外科 院長

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