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太ももが筋肉痛のように痛む…。裏、表、外側、内側、付け根がズキズキする、伸ばしたり押したりすると痛みがある原因は?

更新日:2022/10/21 公開日:2022/10/21 view数:4,247
太ももが痛む原因とはアイキャッチ

太ももの痛みで困っていませんか?激しい運動をしたわけでもないのに、太ももに筋肉痛のような痛みがある、太ももの裏や表、内側・外側、付け根だけ痛い…。

あるいは伸ばすと痛かったり、張って違和感があったりすると不安になりますよね。

太ももが痛む原因はさまざまです。たんなる筋肉痛の場合もありますが、重大な病気のサインかもしれません。

この記事では、太ももの痛みや違和感の原因、対処法、何科を受診するべきかなどについて解説します。 

目次
  1. 太ももが痛むのは筋肉痛・肉離れ・骨折などのケガが原因?
  2. 太ももがチクチク・ピリピリ痛む原因は神経痛の可能性
  3. 太ももの付け根の痛みは鼠径ヘルニア・変形性股関節症などの症状かも
  4. 腸脛靭帯炎や動脈硬化で太ももが痛むことも
  5. 腫瘍性疾患が原因で太ももが痛む場合がある
  6. 小児特有の股関節炎・成長痛などの疾患にも注意
  7. 太ももが痛む場合は整形外科へ

太ももが痛むのは筋肉痛・肉離れ・骨折などのケガが原因?

太ももの痛みは、基本的に筋肉痛や肉離れ、骨折といったケガが原因で引き起こされます。

太ももの筋肉痛は、後ろや前に起きやすい

筋肉痛は、筋肉を大きく引き伸ばす動きによって引き起こされます。

太ももの場合は階段や坂を降りる、スクワットやキックなどの運動によって、大腿(だいたい)四頭筋(太ももの前の筋肉)、ハムストリングス(太もも裏側の内側の筋肉)に痛むケースが多くみられます。

太ももの筋肉痛を予防し、早く治すためには運動前後にストレッチをしたり、運動後にアイシングなどで筋肉の炎症を鎮めるとよいでしょう。

太ももが張る、押したり伸ばしたりすると痛む場合は「肉離れ」の可能性大

肉離れは、筋肉が断裂して痛みが起きている状態のことをいいます。

太ももの場合は、主に大腿二頭筋(太ももの後ろの筋肉)、大腿四頭筋、ハムストリングスの部分断裂です。

多くは運動時にダッシュ、ジャンプといった動作で、筋肉に強い力がかかったことが原因で引き起こされます。痛みを感じたときに「ブチッ」と音がすることもあります。

太ももの肉離れは、太ももを動かさなければ痛みはなく、伸ばしたり押したりすると痛む、張って痛むといった特徴があります。

肉離れは再発しやすく、重症の場合は回復までに半年程度かかることもあります。できるだけ早く、病院で診察を受けることが大切です。

大腿骨近位部骨折

骨がよわくなる骨粗鬆症の方では、転んだときはもちろん、転びそうになった時でも骨折することがあります。

ケガをしてすぐの単純レントゲン写真では骨折の所見がまだ現れないこともあり、MRIではじめてわかることもあります。早めの手術が必要となる場合が多く、注意が必要です。

大腿骨の非定型骨折

骨がよわくなる骨粗鬆症の方で、ビスホスホネート系薬剤を服用している場合、稀に起こることがあります。

大腿骨の疲労骨折

スポーツなどによる負荷で起こります。はじめの頃は単純レントゲン写真でははっきりせず、あとになって反応が現れてわかることもあります。MRIでわかることもあります。

太ももがチクチク・ピリピリ痛む原因は神経痛の可能性

運動をしていないのに太ももに痛みがある場合は、何らかの病気が原因になっている可能性があります。

まず、考えられるのは坐骨(ざこつ)神経痛などの「神経の痛み」です。太ももの前や裏に、チクチク・ピリピリした痛みがあることが特徴で、以下のような病気があります。

坐骨神経痛

坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫されることによって起きる神経痛です。

太ももの後ろ面から足の先まで広がる坐骨神経がさまざまな要因で刺激を受け、下半身にしびれや痛みが引き起こされます。

原因の多くは「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」か「腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症」です。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨の骨と骨の間にある椎間板の一部が飛び出して、神経繊維を圧迫するために痛みが引き起こされます。

腰から足の裏にいたる広い部分が痛み、太ももの場合は前と裏、外側がピリピリと痛み、足を伸ばすと痛みが悪化します。

また、症状は片足だけの場合が多く、咳(せき)やくしゃみ、排便時のいきみなどで痛みが強くなる特徴があります。症状がひどくなると、痛みのために歩行困難になることもあります。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、背骨の中にある、「脊柱管(せきちゅうかん)」という神経の通り道が、腰のあたりで狭くなる症状です。

原因の多くは加齢によるものです。神経が圧迫されることで、太ももからすね、ふくらはぎにかけて しびれや痛みが引き起こされます。

太ももの場合は、前と裏側にピリピリとした痛みがあり、足を伸ばすと痛みが悪化します。症状は、片足だけに出ることが多いのが特徴です。

また、歩いているうちに足のしびれや痛みで歩行困難になるものの、休憩すると再び歩けるようになる「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」といわれる大きな特徴があります。

梨状筋症候群

梨状筋症候群は、梨状筋(りじょうきん お尻と足の骨を結ぶ筋肉)に何らかの負担がかかり、周辺にある坐骨神経がつぶれて痛みやしびれが起きる症状です。

長時間の運転や、草むしりなどの中腰姿勢、スポーツなどで引き起こされることが多く、お尻の外側から太ももの裏側にかけてしびれや、ピリピリとした痛みがあらわれます。

外側大腿皮神経痛

外側大腿皮(だいそくひ)神経痛は、太ももの外側に広がる神経が圧迫されて起きる痛みです。

太ももの前や外側に針で刺すようなチクチクした痛みや、しびれがみられます。ベルトやガードル、コルセット、きついズボンなどによる締め付けや、スポーツによる刺激で症状が引き起こされます。

治療は軽度の場合はビタミン剤を服用し、症状がひどい場合は神経の周辺に局所麻酔薬を注射する「神経ブロック」あるいは局所麻酔による手術などを行います。

閉鎖神経痛

閉鎖神経痛は、太もも内側や股関節に広がる閉鎖神経に障害が起きて引き起こされる神経痛です。

原因は加齢、姿勢の悪さによる骨盤のゆがみが多く、太ももの内側にピリピリ、チクチクした痛みやしびれがあり、けいれんをともなうこともあります。

太ももの付け根の痛みは鼠径ヘルニア・変形性股関節症などの症状かも

太ももの付け根の痛みは、径(そけい)ヘルニア」や、「発育性股関節形成不全」といった子どものころからの股関節の発育不全でも引き起こされることがあります。

鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアは「脱腸」ともいわれ、鼠径部(太ももの付け根)の皮膚の下に、腸がはみ出した状態をいいます。

子どもに多いと思われがちですが、大人でも発症します。立ち仕事や力仕事が原因となることが多く、高齢者は筋肉の低下によって内蔵を支える筋膜がゆるみ、腸がはみ出すケースが多いとされています。

太ももの付け根にしこりやこぶ、腫れがみられ、痛みを感じるといった症状があらわれます。また、長く立っていると痛みが強くなることもあります。

変形性股関節症

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減って痛んだり、歩きにくくなったりする病気です。

原因は「発育性股関節形成不全」といった発育障害や、加齢によって引き起こされます。

初期の段階では立ち上がったときや、歩きはじめに太ももの付け根に痛みを感じ、症状が進行すると常に痛み、痛みの程度がひどくなる状態になります。

日常生活においては、足の爪が切りにくい、靴下が履きにくい、長時間立っていたり、歩いたりするのが困難な状態になることもあります。

症状が進行しないように、早めに病院を受診することが大切です。

腸脛靭帯炎や動脈硬化で太ももが痛むことも

お尻から太ももにかけての痛みは、坐骨神経痛によくみられる特徴ですが、それ以外にも「ランナー膝」とよばれる腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたい)で引き起こされることもあります。

そのほか、大腿骨頭(だいたいこっとう)壊死(えし)症や、閉塞性(へいそくせい)動脈硬化症といった病気でも太ももが痛み、重症化すると歩行困難になることもあるため注意しましょう。

腸脛靭帯炎

腸脛靭帯炎は腸脛靭帯(骨盤からすねの骨を結ぶ組織)が、炎症を起こした状態をいいます。

「ランナー膝」ともよばれ、主にランニングやジャンプをともなうスポーツで膝の屈伸を繰り返すことで起こりやすい症状です。

膝の外側や、お尻から太ももにかけて痛みや腫れ、熱感があらわれます。早期回復のためには、アイシングで炎症部を冷やすとよいでしょう。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭が血流障害を起こし、骨の壊死が引き起こされる病気です。

50歳以上に多く発生し、男性はアルコールの多量接取、女性はステロイド剤の服用が関係して起きると考えられています。

初期の段階では歩きはじめや、立ち上がったときに股関節や太もも、膝が痛み、症状が悪化すると常に痛みがあり、歩くことが難しくなる場合もあります。

また、股関節を内側に向かってひねると痛むという特徴があります。

閉塞性動脈硬化症

閉塞(へいそく)性動脈硬化症は、足の血管に起きる動脈硬化です。

動脈硬化とは、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われ、血管が細くなったり、もろくなったりする状態をいいます。そのため、足の血管がつまりやすくなり、血液が十分に行き渡らないことで障害があらわれます。

主に糖尿病高血圧脂質異常症などの生活習慣病や、喫煙・肥満などが原因で引き起こされます。

初期の段階では、歩くと太ももやふくらはぎに痛みやしびれが起こり、休憩すると楽になるという「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」という歩行障害があらわれます。

症状が進行すると歩かなくても痛みがあり、重症化すると足に潰瘍ができて壊死(えし)することもあるため注意が必要です。

腫瘍性疾患が原因で太ももが痛む場合がある

多くはありませんが決して見逃してはならない腫瘍性疾患では、骨や筋肉、脂肪組織などから起こる骨軟部腫瘍と肺がん、大腸がんなど他の部位の腫瘍が骨などに転移して起こる転移性腫瘍があります。

検査としては単純レントゲン写真とMRIが役に立ちます。転移性腫瘍では、もともとの腫瘍の検査も必要です。

小児特有の股関節炎・成長痛などの疾患にも注意

ペルテス病

大腿骨頭がつぶれて変形を起こす疾患で、発症年齢は3〜11歳ころで5〜9歳ころが多く、男児に多いです。

はじめの頃は痛みが軽く、歩き方が少し変わったといった症状から始まることもあります。股関節に痛みを感じることもありますが、太もも、ひざ、すね、あしくび、など痛みを感じる部位は様々です。

単純レントゲン写真でははじめの頃ははっきりせず、MRIでわかることもあります。

大腿骨頭すべり症

大腿骨頭の成長軟骨板のところで骨頭の先の部分がずれることによって起こります。10歳〜15歳ころの男児に多く、肥満で体重の重い男児に比較的多いです。

急に大きくずれるときは強い痛みがあります。手術が必要となる場合が多いです。

股関節炎など炎症、感染性疾患

3〜8歳ころに多く、急に股関節の痛みが起こることがあり、この場合の多くは股関節内の滑膜炎です。痛むところは股関節のこともあれば、太もも、ひざ、すねなどの場合もあります。

検査では、単純レントゲン写真でははっきりせず、超音波検査で関節の腫れがわかることが多いです。細菌による化膿性関節炎のこともあり、0〜2歳ごろの乳幼児期では特に注意が必要です。

化膿性関節炎はすぐに切開排膿手術を行わないと、大腿骨頭の変形や大腿骨の成長障害、股関節がはずれる脱臼など、重い後遺障害が残ることがあります。そのため、股関節の炎症があるときは血液検査も必要です。

また、ペルテス病や大腿骨頭すべり症、白血病や神経芽腫などの腫瘍性疾患がある場合もあり、疑わしい時はMRIでの精査が役に立つことがあります。

小児では関節炎の他、大腿骨や骨盤の骨の中の細菌性の疾患である骨髄炎や腸腰筋という、背骨のとなりにある筋肉に沿ったところに膿がたまる腸腰筋膿瘍といった様々な感染性疾患がある場合もあります。

いわゆる成長痛

3〜8歳ころに多く、夜間に多く、朝になると痛みがなくなっている場合が多いです。

痛むところは、太もも、ひざ、すね、足首など様々で、右だったり左だったりします。成長によって痛みがでることは考えられないので、いわゆるを付けて呼ばれることが多いです。

腫瘍性疾患や骨折、細菌性の疾患が隠れていないか、まずは単純レントゲン写真で調べておいた方が良いと言われています。

太ももが痛む場合は整形外科へ

太ももが痛む場合、基本的には整形外科を受診します。

ただし、腰椎椎間板ヘルニアなどが原因となっている場合は、脳神経外科を受診するケースもあるようです。

また、閉塞性動脈硬化の場合は循環器内科を受診することもあります。まずは整形外科を受診して、医師に相談したうえで治療を進めてもよいでしょう。

執筆・監修ドクター

日下部 浩
日下部 浩 医師 仙川整形外科 院長 担当科目 整形外科/リハビリテーション科

経歴1991年 慶應義塾大学医学部卒業
    慶應義塾大学病院 整形外科研修医
1992年 慶應義塾月ヶ瀬リハビリテーションセンター整形外科医師
1993年 国立栃木病院整形外科 医師 国立栃木病院附属看護学校講師
1994年 静岡赤十字病院整形外科医師
1995年 浜松リハビリテーションセンター整形外科医師
1996年 国立小児病院整形外科医師
1997年 慶應義塾大学医学部助教
1998年 南多摩病院整形外科医師
2000年 国立小児病院(現 独立行政法人国立成育医療研究センター病院)整形外科医師
2012年 ふれあい町田ホスピタル整形外科医師
2013年 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院整形外科(現 藤田医科大学医学部整形外科機能再建学 講師
2016年 Visiting Physician, Department of Orthopedics and Rehabilitation, University of Iowa Hospitals and Clinics
2016年 藤田医科大学医学部整形外科機能再建学講座 講師
2017年 医療法人社団八千代会 いなぎ整形外科内科 院長
2018年 仙川整形外科 院長

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