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白血病

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療内容
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
医師

【執筆ドクター】

 板東 浩 先生

概要

白血病とは?

白血病は、「血液細胞が生命維持に必要な役割を果たさなくなる病気」です。病気の進行速度によって急性白血病と慢性白血病、病気になる細胞の種類によって骨髄性白血病とリンパ性白血病に分類されます。

白血病を一言で表現するなら、「血液のがん」です。
血液細胞が「白血病細胞(がん細胞)」になり、生命維持に必要な役割を果たさなくなります。

血液細胞は造血幹細胞が分化することで「生命維持に必要な役割を果たす血液細胞」に成長していきます。
造血幹細胞、骨髄球性共通前駆細胞、リンパ球性共通前駆細胞などは、増殖するだけでなく、成熟することで「役割を果たす細胞」に変わっていきます。

しかし、未熟な血液細胞が成長しないまま増殖を続けた場合、どうなるでしょうか?
生命維持に必要な機能を果たさない細胞がどんどん増えることになります。
これが、白血病です。
「成長途中の未熟な細胞」が「白血病細胞(=がん細胞)」になり、無制限に増殖を続けます。

結果として、血液細胞の多くが「未熟な細胞」になります。
「まだ役割を果たせない未熟な血液細胞」のことを「芽球(がきゅう)」と呼びます。
芽球が増加することできちんと成熟した細胞の割合は少なくなります。これでは、血液が本来の役割を果たせません。

本来、芽球は骨髄の中だけに存在していて、末梢血(まっしょうけつ:体内を流れる普通の血液)の中には存在しません。
しかし、白血病にかかると、末梢血の中に芽球が存在する状態になります。

分類

白血病とひとことで言われますが、主に4種類に分類されています。
例外的な白血病も存在しますが、大半は次の4種類に分類されます。

1.急性骨髄性白血病(AML)

未熟な血液細胞が白血病細胞になり、成長しないまま増殖を繰り返している場合、急性骨髄性白血病になります。

「骨髄球性共通前駆細胞からの成長過程にある血液細胞」が白血病細胞になった状態です。骨髄球性共通前駆細胞から成長する白血球の一部は、途中経過で「骨髄芽球(こつずいがきゅう)」「前骨髄球」といった段階をたどります。
一般に芽球と呼ばれる「役割を果たせない段階」のまま、途中で成長を止めます。

未熟な細胞が増加すると、骨髄は生命維持の役割を果たさない細胞で満たされます。
未熟な細胞は骨髄におさまりきらず、末梢血(まっしょうけつ:体内を流れる普通の血液)にも入りこんできます。
血液が生命維持に必要な機能を果たさなくなるので、すぐに治療を開始しなければなりません。

2.慢性骨髄性白血病(CML)

「骨髄球性共通前駆細胞からの成長過程にある細胞」が白血病細胞になります。
この点に関しては、急性骨髄性白血病と同じです。
ただし、慢性骨髄性白血病の場合、血液細胞が、成長する能力を保ったままで白血病細胞になります。しかし、「全体の都合を無視して増殖を繰り返す」という特徴を持っています。

その結果、白血病細胞から成長した血液細胞が増加します。特に白血球の増加が目立ちます。

慢性骨髄性白血病の場合、白血病細胞から成長した血液細胞も「生命維持に必要な役割」を果たすため、すぐに生命にかかわるわけではありません。
発症から5~6年は「慢性期」といって、ゆっくりと進行していきます。

しかし、慢性期が過ぎると「移行期」に入り、白血病細胞にさらなる異常が起こります。
おおむね6~9か月の移行期を経たあと、「急性転化期」に入り、急性白血病とほとんど同じ症状をきたします。
急性転化期になると、血液は「未熟で役割を果たさない血液細胞(=芽球)」で満たされ、生命にかかわる病状となります。

3.急性リンパ性白血病(ALL)

急性リンパ性白血病は、「リンパ性共通前駆細胞からの成長過程にある細胞」が白血病細胞になった状態です。

白血病細胞は成長しないまま増え続けるので、血液中に「生命維持に必要な役割を果たさない未熟な細胞」が増加します。
結果として、正常な血液細胞の割合が減少し、血液が本来の機能を果たせなくなります。

4.慢性リンパ性白血病(CLL)

慢性リンパ性白血病は、リンパ球の一種である「B細胞」が白血病細胞になった状態を指します。
白血病細胞となったB細胞が全体のバランスを無視して増殖し、最終的に血液が正常な働きをしなくなる病気です。

ゆっくりと進行するので当初は自覚症状がありませんが、進行すると白血病に特徴的な症状が現れます。
白血病細胞が、主に骨髄・血液から見つかる場合は「慢性リンパ性白血病」と診断されますが、主にリンパ節から見つかる場合は「小リンパ球性リンパ腫」という診断名になります。

血液細胞の分化や種類について

血液細胞には赤血球、白血球などの種類があります。しかし、赤血球は最初から赤血球として生まれてくるわけではありません。
最初は「何にでもなれる細胞」として生まれます。それが成長した結果、赤血球や白血球に分化します。
人間の子供が無限の可能性を持って生まれてきて、いつか医者、弁護士、スポーツ選手などの進路に分かれていくのと同じような感覚です。

1.造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう:HSC)

血液細胞の最初の段階で、「(血液細胞の範囲内ならば)何にでもなれる細胞」です。
造血幹細胞は、骨髄(こつずい)で生成されます。造血幹細胞自体も増殖し、これから何らかの血液細胞へと成熟していきます。

造血幹細胞が分化すると、「骨髄球性共通前駆細胞(こつずいきゅうせい-)」または「リンパ球性共通前駆細胞」のいずれかになります。

2.骨髄球性共通前駆細胞(CMP)

骨髄球性共通前駆細胞は、赤血球、血小板、一部の白血球(マクロファージ、好中球など)になる前段階です。
さらに分化することで、赤血球、血小板、マクロファージ、好中球などに成長します。

・赤血球

骨髄球性共通前駆細胞から、赤芽球(せきがきゅう)を経て赤血球に成長します。
赤血球の主な役割は、酸素を運ぶことです。

・血小板

骨髄球性前駆細胞から、巨核球(きょかくきゅう)を経て血小板に成長します。
血小板の主な役目は、血液を固めて止血することです。

・マクロファージ

白血球の一種です。骨髄球性前駆細胞から、単球などを経てマクロファージになります。
マクロファージの主な役割は、病原体を貪食(どんしょく:取りこんで殺すこと)です。

・好中球

白血球の一種です。骨髄球性前駆細胞から、骨髄芽球(こつずいがきゅう)などの過程を経て好中球になります。
病原体を貪食・殺菌するなど、免疫系統の役割を担っています。

3.リンパ球性共通前駆細胞(CLP)

リンパ球性共通前駆細胞は、一部の白血球になる前段階です。
リンパ球性共通前駆細胞から分化する白血球は、「リンパ球」と総称されます。
リンパ球には、T細胞、B細胞などが存在します。

・T細胞

リンパ球の一種で、免疫にかかわる役割を担っています。
免疫機構における司令塔のような役目を果たす「ヘルパーT細胞」、がん細胞やウイルス感染細胞を破壊する「細胞傷害性T細胞」など、いくつかの種類が存在します。

・B細胞

病原体を攻撃するための糖タンパク分子を「抗体」と言います。
B細胞は抗体をつくり出す役割を担い、免疫機構を支えています。

症状

白血病の自覚症状は、次の2種類に大別できる。

・造血機能の障害による症状
・白血病細胞が増加し、臓器に浸潤したことによる症状

ただ、細かな症状は、白血病の種類ごとに異なってくる。
そこで、白血病の種別ごとに「造血機能の障害による症状」と「白血病細胞が増加・浸潤したことによる症状」をまとめる。

1.急性骨髄性白血病(AML)

造血機能にかかわる症状は、

・貧血症状(息切れ / 動悸 / 倦怠感)
・感染症(発熱 / 炎症)
・歯茎からの出血 / 鼻血 / 痣(あざ)の多発

血液が正常につくられなくなることで、さまざまな症状が現れる。
「赤血球の減少」は貧血症状を招き、「白血球の減少」は病原体に対する抵抗力低下を招く。
また、止血の役割を果たす血小板が減少することで、簡単に出血するようになる。

・歯茎の腫れ
・腹部の張り / 痛み
・関節痛 / 腰痛
・頭痛

身体のあちこちに白血病細胞が入りこむことで、痛みが出てくる。
臓器のなかでは、肝臓・脾臓(ひぞう)が「白血病細胞による肥大を起こしやすい臓器」として知られている。
肝臓・脾臓が肥大することにより、腹部に張り・痛みが現れる。

そのほか、骨痛に起因する関節痛・腰痛、白血病細胞が髄膜に入りこむことで頭痛が生じる場合もある。

2.慢性骨髄性白血病(CML)

慢性骨髄性白血病の場合、ほとんどは無症状の段階で偶然に発見される。
「ほかの病気を理由に採血を実施した」「何らかの検診で採血を実施した」などの理由で、たまたま数値異常(主に白血球の異常)が見つかる。

慢性骨髄性白血病は、ゆっくりと進行するので、自覚症状が出るまでには年単位の時間がかかる。少しずつ白血病が進んでいる段階を「慢性期」と呼ぶ。

その後、白血病細胞の増殖能力が高まってくると、骨髄・血液中に芽球(=未熟な細胞)が増えてくる。この段階を「移行期」と言う。
移行期になると、「脾臓の肥大」が起こる人もおり、貧血・発熱・出血傾向などの症状が少しずつ現れる場合もある。

移行期を経て、最終的には急性骨髄性白血病とほとんど同じ症状をきたす。これを「急性転化期」と呼ぶ。
赤血球減少による貧血症状、白血球減少による感染、血小板減少による出血傾向など、激しい症状が現れる。

3.急性リンパ性白血病(ALL)

造血機能にかかわる症状は、基本的に急性骨髄性白血病と同じである。症状は基本的に急性骨髄性白血病のほうが強い
急性リンパ性白血病の場合、造血機能の障害は骨髄性に比べればやや弱くなる。

一方、リンパ性白血病に特徴的な症状も存在する。
白血病細胞が中枢神経に入りこむことによる「頭痛・吐き気」、さらに「頸部リンパ節(=首のリンパ)の腫れ」である。これらはリンパ性白血病に特有の症状である。

4.慢性リンパ性白血病(CLL)

慢性リンパ性白血病は、慢性白血病なのでゆっくりと進行していく。初期は無症状で、ほとんどは偶然に発見される。
「ほかの病気で血液検査を受けた」「検診で血液検査を受けた」などのきっかけで数値異常(リンパ球増加)を指摘される。

ただ、初期のうちから、次のような自覚症状を訴える例も存在する。

・微熱 / 寝汗
・食欲不振 / 体重減少
・腹部の張り / 痛み

やはり、進行すると、貧血・出血傾向をはじめとした「白血病に特徴的な症状」が現れる。
また、慢性リンパ性白血病の場合、免疫システムが自分の赤血球を破壊する「自己免疫性溶血性貧血(じこめんえきせいようけつせいひんけつ)」を起こす例もしばしば見られ、重度の貧血をきたす恐れがある。

白血病としては珍しく、慢性リンパ性白血病には病期分類が存在する。
病期分類としては、アメリカで多用される「改訂Rai分類」、ヨーロッパで多用される「Binet分類」の2つが知られている。
日本人には稀(まれ)な疾患なので、こちらではアメリカで用いられている「改訂Rai分類」だけを紹介する。

・慢性リンパ性白血病の病期分類(改訂Rai)

病期0
末梢血(※)リンパ球:血液1マイクロリットルあたり15,000以上(注)
骨髄リンパ球:40%以上

病期Ⅰ
病期0の条件を満たしたうえで、リンパ節の腫れが見られる

病期Ⅱ
病期0~Ⅰの条件を満たしたうえで、肝臓・脾臓(片方または両方)に肥大がある

病期Ⅲ
病期0~Ⅱの条件を満たしたうえで、貧血の症状がある

病期Ⅳ
病期0~Ⅲの条件を満たしたうえで、
血小板:血液1マイクロリットルあたり10万未満

病期分類では「血液1マイクロリットルあたり15,000以上のリンパ球」で0となっているが現実には「血液1マイクロリットルあたり5,000以上のリンパ球」で慢性リンパ性白血病と診断される。時折、分類と実態が異なる例が存在しており、「改訂Rai」はその一例である。

5.そのほかの白血病の症状

細かな分類を含めると白血病の種類はきわめて多い。そのため、こちらでは2種類を解説するだけにとどめる。

・成人T細胞白血病(ATL)

成人T細胞白血病は、「HTLV-1」と呼ばれるウイルスによって感染・発症する。
HTLV-1はT細胞(=免疫に関連するリンパ球)に感染し、感染T細胞が「ATL細胞(白血病細胞)」を無制限に増殖させると、成人T細胞白血病を発症する。

ATL細胞は血液中のほか、リンパ節でも増殖する。
そのため、自覚症状として「リンパ節の腫れ」を伴うことが多くなる。

ただ、成人T細胞白血病の症状には5つの病態が存在しており、病態ごとに細かな症状が異なる。

急性型ではATL細胞が血液中で急速に増加している病態。
血液検査をした場合、白血球数の著しい増加が見られる。

・高カルシウム血症(倦怠感 / 便秘 / 頻尿 / 喉の渇き / 意識障害)
・腹部の張り / 痛み
・日和見感染(ひよりみかんせん)
・皮膚症状(皮膚のしこり / 紅斑)
・貧血症状
・出血傾向

ATL細胞はPTHrpという物質を産生する性質がある。PTHrpはカルシウムを増加させる働きがあるため、血液中のカルシウム値が増加する。
その結果、高カルシウム血症を招く。

また、肝臓・脾臓が肥大することで、腹部膨満・腹痛が生じる。
さらに、免疫細胞であるT細胞が正常に働かなくなっているため、健康な人なら感染しないような病原体に感染するようになる。
さまざまな病原体に感染する状態を「日和見感染」と呼ぶ。

皮膚症状も特徴的で、皮膚の下にしこりができる「結節腫瘤(けっせつしゅりゅう)」、体表の8割ほどに赤いまだら模様が生じる「紅皮症(こうひしょう)」などを生じる場合がある。

リンパ腫型は血液中にはATL細胞が認められないが、リンパ節で増殖している病態。

・リンパ節の大きな腫脹
・腹部の張り / 痛み
・日和見感染(ひよりみかんせん)
・皮膚症状(皮膚のしこり / 紅斑)
・貧血症状
・出血傾向

リンパ腫型は、リンパ節でATL細胞が増殖する。そのため、リンパ節の腫れが顕著になる。
首筋のほか、脇の下、足の付け根などが肥大する傾向がある。
そのほか、「肝臓・脾臓などの肥大」「皮膚の病変」など、急性型と同じような症状が見られる。

慢性型では血液中でATL細胞・白血球が増加するが、増加速度はゆっくりである。
自覚症状はほとんど見られないが、皮膚症状として赤くなりボロボロと剥がれる「剥脱性皮疹(はくだつせいひしん)」を認めることがある。

くすぶり型では血液、肺、皮膚でATL細胞が増加しますが、白血球数に異常はない。
皮膚症状が出た場合を除けば、自覚症状はほとんど認められない。

急性転化型は「慢性型」「くすぶり型」は、「急性型」「リンパ腫型」に移行して激しい症状をきたす場合がある。この場合を「急性転化」と呼ぶ。慢性型・くすぶり型の段階では、皮膚症状に対症療法をおこなうことはあっても、白血病の治療は実施しない。
急性転化を防ぐ方法が確立されていないので、無治療で経過観察する。
急性転化を起こした時点で、積極的な治療を開始する。

・ヘアリーセル白血病の症状

ヘアリーセル白血病は、別名を「有毛細胞白血病」と言う。
欧米では少なからず見られるが、アジア・アフリカでは稀(まれ)な白血病である。

・疲労感 / 衰弱
・発熱 / 炎症
・出血 / 痣(あざ)
・息切れ
・体重減少
・腹部の張り / 痛み(特に肋骨の奥)
・首や脇の下のしこり(痛みは伴わない)

白血病に特徴的な貧血症状・出血傾向に加えて、首のリンパにしこりが出るのが特徴。

原因

現状、一部の例外を除いて白血病の原因・発症メカニズムは明確になっていない。ただ、「白血病の発症に関連する因子」は少しずつ明らかになってきている。

急性骨髄性白血病(AML)の原因

原因は明確になっていないが放射線・化学物質(過去に用いた抗がん剤など)が一因になると考えられている。
また、「国立がん研究センター」と「愛知県がんセンター研究所」の調査では喫煙がリスクになるというデータがある。

急性骨髄性白血病を発症する際、染色体異常・遺伝子異常を起こしているケースが多く見られる。
この事実から、染色体異常・遺伝子異常が白血病に関連していることがわかる。
ただし、遺伝子異常を起こす原因がはっきりしていないので、結局のところ、「白血病の原因」を特定するには至っていない。

急性骨髄性白血病と染色体異常

急性骨髄性白血病の場合、特定の染色体異常がしばしば認められる。

人間には(正常ならば)合計23対46本の染色体(22対の常染色体と1対の性染色体)がある。
常染色体は、1番~22番の番号が振られている。

急性骨髄性白血病でしばしば見られるのは、次のような染色体異常である。

・8番染色体と21番染色体の一部が相互転座(=入れ替わること)
・15番染色体と17番染色体の一部が相互転座
・16番染色体の一部が逆向きになっている
・11番染色体の「23領域」と呼ばれる部分が、ほかの染色体の一部と相互転座

上記の染色体異常が、急性骨髄性白血病の約30%を占めると考えられている。
当然、染色体異常が白血病の発症に関与していると考えられる。
ただ、具体的に「なぜ染色体異常が起きるのか」という部分が未解明なので、「白血病の発症原因・メカニズム」を明確に指摘することはできていない。

慢性骨髄性白血病(CML)の原因

慢性骨髄性白血病の原因は、ほとんどが染色体異常である。
22対の染色体のうち、9番と22番の染色体の一部が相互転座(=入れ替わること)した場合、慢性骨髄性白血病を発症する。
9番染色体と22番染色体が相互転座を起こしたときに生じる「9番染色体の一部が付着した22番染色体」を「フィラデルフィア染色体」と呼ぶ。

フィラデルフィア染色体では、「BCR-ABLキメラ遺伝子と呼ばれる異常な遺伝子が形成され「BCR-ABLチロシンキナーゼ」という異常なタンパク質を生産する。
BCR-ABLチロシンキナーゼは未熟な血液細胞の無限増殖を促し、白血病細胞に変えていく。

実際、慢性骨髄性白血病の患者さんのうち、95%以上からフィラデルフィア染色体が見つかっている。
この事実から、フィラデルフィア染色体が主要な原因であると考えられる。
ただし、染色体が相互転座を起こし、フィラデルフィア染色体が生じる理由は明確になっていない。

急性リンパ性白血病(ALL)の原因

急性リンパ性白血病に関しても、遺伝子異常が原因とされている。
慢性骨髄性白血病と同じく、「フィラデルフィア染色体」が見られる症例も多く存在する。
成人の急性リンパ性白血病では、約25%にフィラデルフィア染色体が認められる。

そのほか、「11番と23番の相互転座」「1番と19番の相互転座」など、急性リンパ性白血病の患者さんにしばしば認められる遺伝子異常が存在する。
やはり、遺伝子異常が生じる原因ははっきりしていない。

骨髄における白血病細胞の割合が「血液細胞全体の25%以上」なら、「急性リンパ性白血病」と診断される。
一方、リンパ性白血病の症状が見られるものの、骨髄における白血病細胞の割合が「血液細胞全体の25%未満」であれば、「リンパ芽球性リンパ腫」という診断になる。

ただし、「急性リンパ性白血病」と「リンパ芽球性リンパ腫」は同じ原因(=白血病細胞)で発症する。治療方針も変わらないため、両者の区別はそれほど重要ではない。

慢性リンパ性白血病(CLL)の原因

慢性リンパ性白血病は、日本では稀(まれ)な病気で、国内での発病率は、年間で33万人に1人程度である。欧米人は(少なくともアジア人より)頻繁に罹患する。
欧米に移住したアジア人もほとんど慢性リンパ性白血病にかからないことから、環境要因ではなく、遺伝的素因によるところが大きいと考えられている。

罹患者が少ないことから、国内では染色体異常・遺伝子異常の解析データも多くはない。
しかし、「13番染色体の長腕欠失など、染色体の一部欠損」や12番染色体が三本ある染色体異常である「トリソミー12」がやや高頻度で認められることがわかっている。
ただし、遺伝子異常を引き起こす原因は解明されていない。

また、慢性リンパ性白血病においても、染色体異常の種類によって治癒率が変わる。
たとえば、「17番染色体の短腕欠失」は予後不良因子(=生存率がきわめて低い)として知られている。

成人T細胞白血病(ATL)の原因

成人T細胞白血病の原因は、「HTLV-1」と呼ばれるウイルスである。
このウイルスは1977年、日本で発見されたウイルスであり、風土病の一種で、九州・沖縄地方に多く見られる。
九州・沖縄の沿岸部(特に長崎県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県)を中心に、110万人ほどのHTLV-1感染者が存在すると考えられている。実際に発症する人はそれほど多くはなく年間に感染者1000人あたり、0.6~0.7人程度の発症率である。

ウイルスはT細胞(=免疫に関与するリンパ球)に感染し、感染T細胞から「ATL細胞(成人T細胞白血病におけるがん細胞)」が増殖することで発症する。

HTLV-1は、授乳・輸血・性行為などで人から人に感染する。
人から人に感染する白血病は、今のところ、成人T細胞白血病だけであると考えられている。特に多いのは、授乳による母子感染である。
ただ、HTLV-1は発症率自体が低いうえ、発症する場合でも潜伏期間が30~50年程度と非常に長く発症しないまま寿命を迎える人も多い。
実際、平均発症年齢のピークは60歳代で、感染者の白血病発症率は生涯で約5%である。
成人してから感染した場合は、ほとんどの例では発症しないまま寿命を迎える。

ヘアリーセル白血病

主に欧米で見られる白血病であり、アジア・アフリカでは非常に稀(まれ)である。
そのため遺伝的素因によるところが大きいと考えられている。
また、放射線・有機溶剤がリスク因子になるという報告も存在しているが詳しい原因を解明するには至っていない。

白血病は遺伝するのか?

白血病は遺伝性の疾患ではない。遺伝子異常の多くは、後天的に発生する。
事実、先天性遺伝子異常が原因とされているのは、小児白血病の一部だけである。

さらに、先天性遺伝子異常が関連する小児白血病にしても、親から子に遺伝するわけではない。

検査内容と主な診療内容

白血病の治療は「血液内科」の領域になる。
ただ、通常は「発熱・貧血」などを理由に内科を受診し、そこから大きな病院の血液内科に紹介される。

白血病をはじめとする「血液のがん」を専門的に診療するのは、血液内科である。
血液のがんを正式名称で「造血器腫瘍(ぞうけつきしゅよう)」と呼ぶことから、「造血器腫瘍科」「血液・腫瘍内科」などの名称で受付する医療機関も存在する。

ただ、はじめから「白血病ではないか」と訴えて医療機関を受診する人はほとんどいない。
多くの患者さんは貧血症状、長期間の発熱などを理由に医療機関の受診を検討する。
そのため、ほとんどはごく普通の内科を受診している。
「内科で検査を受けた結果、白血病を疑われて総合病院の血液内科に紹介される」という経緯をたどる。

基本的に、問診・診察だけで白血病かどうかを診断することはできない。
「白血病が疑われる症状」がある患者さんに検査を実施することで、ようやく診断が可能になる。

白血病の診断においては、主に次のような検査がおこなわれる。

血液検査

患者さんの血液を採取し、顕微鏡で調べる。
血液中に含まれる赤血球・血小板・白血球の数を確認するのはもちろん、白血球の分類までおこなう。

たとえば、急性骨髄性白血病では「白血球全体の数は増えることも減ることもあるが、好中球と呼ばれる白血球が減少する」という特徴がある。
白血球を分類して、それぞれの増減を調べることで、白血病の種別を判断することにつながる。

急性白血病の患者さんの血液には「未熟な血液細胞(芽球)」と「成熟した血液細胞(発症前に成熟した細胞)」だけが存在していて、「中間にあたる成長途中の細胞」が見られない。

骨髄検査

血液検査だけでは、芽球(白血病細胞)が見つからない場合もあり、確定診断ができるとは限らない。
また、血液検査の時点で白血病細胞が見つかった場合でも、細かな病型分類をおこなうには骨髄検査が必要である。

胸骨または腸骨に注射針を刺して骨髄液を採取する「骨髄穿刺」、腸骨に太い注射針を入れて骨髄組織を採取する「骨髄生検」のいずれかを実施する。
骨髄の中に白血病細胞が認められれば、白血病の確定診断につながる。

染色体検査・遺伝子検査

「染色体異常の有無」「染色体異常・遺伝子異常の種類」を確認する検査である。
染色体異常・遺伝子異常の種類によって、白血病の予後(=どの程度の確率で治癒が期待できるか)は変わる。

また、染色体検査・遺伝子検査の結果を得ることで、「病型の分類」「治療方針の決定」に役立つ。

画像診断・超音波検査

「臓器に異常が出ていないか」などを確認するため、「CTスキャン」「超音波検査(エコー)」などの検査を実施することがあります。

髄液検査

リンパ性白血病では、白血病細胞が脳・脊髄などの中枢神経に入りこむ(=中枢神経への浸潤)場合がある。
浸潤の有無を確かめるため、背中に針を刺して髄液を採取し、白血病細胞が含まれているかどうかを確認する。

治療方法と治療期間

白血病は「血液のがん」であり、固形の腫瘍が現れない。
そのため、抗がん剤で内科的に治療することになる。
染色体異常・遺伝子異常の種別によって選択する抗がん剤が変わってくる。
抗がん剤での根治が難しい場合は、造血幹細胞移植を検討する。

白血病の根治を目指すうえでは、「化学療法」と「造血幹細胞移植」が知られている。
そのほかに「支持療法」と呼ばれる治療方針が存在するが、これは症状を抑えるための治療であり、白血病自体の根治を目指すものではない。

リンパ性白血病に対しては「放射線治療」をおこなう場合もあるが、これはリンパの腫瘤(しゅりゅう:かたまりを形成する病変)を取り除くための治療である。
白血病自体の根治を目的として、放射線を用いるわけではない。

急性白血病は、診断の時点で症状が現れている。
放置すれば数か月以内に致命的な状況が訪れるため、可能であれば、ただちに化学療法が開始される。

急性白血病の場合、患者さんの年齢・全身状態によって方針は異なる。
当然、若い患者さんに対しては「根治を目指す治療」を選択し、高齢者でも全身状態が良好なら「根治を目指す治療」をおこなう。
ただし、高齢者で全身状態が思わしくない場合は、「症状を抑える治療」を選択することがある。

「根治を目指す治療」では化学療法が基本になるが、治療効果が思わしくない場合は「造血幹細胞移植」を検討する。
「症状を抑える治療」に関しては、支持療法で「QOL(=生活の質)」の維持を目指すことになる。

慢性白血病の多くは、無症状の段階で偶然に発見される。
何らかのきっかけで採血を受けたときに数値異常が見つかり、精密検査の結果、慢性白血病を指摘される例が多い。

慢性白血病はゆるやかに進行するので、(無症状の段階で発見すれば)激しい症状が出てくるまでに数年の猶予がある。
そのため、化学療法では「実際に症状が出る時期を遅らせる」という方針が主軸になる。

1.急性骨髄性白血病の治療

65歳以下の患者であればまずは化学療法をおこなう。白血病は抗がん剤が効きやすいため、化学療法で大きな成果が期待できる。
まずは複数の抗がん剤を併用する「寛解導入療法(かんかいどうにゅうりょうほう)」を実施する。
寛解導入療法は、「完全寛解に持っていくための強力な化学療法」である。

抗がん剤は白血病細胞(がん細胞)を攻撃する薬剤だが、正常な細胞にも影響を及ぼす。
そのため、発熱・嘔吐・下痢・脱毛などの副作用があり得る。また、重大な副作用としては「骨髄抑制」が知られている。
抗がん剤の影響で、一時的に正常な血液細胞も減少し、感染症にかかりやすくなる。
肺炎・敗血症などの重い感染症をきたすこともあり、注意が必要である。

・寛解導入療法

複数の抗がん剤を組み合わせて治療をおこなう。

シタラビン(Ara-C)
イダルビシン(アントラサイクリン系抗生物質)
ダウノルビシン(アントラサイクリン系抗生物質)

シタラビンは、「細胞分裂におけるDNA合成」を阻害する薬剤。
正常細胞は必要なときだけ細胞分裂するが、がん細胞は無制限に分裂・増殖を繰り返す。
そのため、「活発に細胞分裂をする細胞のDNA合成を阻害する」という作用が役立つ。

アントラサイクリン系抗生物質は、抗腫瘍効果を有する抗生物質である。
細胞が増殖するためには、DNA・RNAを合成しなければならない。
アントラサイクリン系抗生物質は、がん細胞のDNA・RNA合成を阻害することで、増殖を抑制する。

急性骨髄性白血病の化学療法においては、「シタラビン+イダルビシン」「シタラビン+ダウノルビシン」のいずれかの組み合わせを選択するのが一般的である。
1コース(7日間)の化学療法で寛解にならなければ、2コース目の化学療法を実施する。

・2コース以内に寛解した場合⇒寛解後療法
・寛解に至らなかった場合⇒救援療法

造血幹細胞移植をする場合も寛解状態にあることが望ましいので、寛解導入療法は重要な意味を持っている。

・寛解後療法

完全寛解の状態になったら、染色体検査を実施する。白血病の患者さんは、多くが染色体異常を起こしている。
染色体異常の種類によって、予後(=どの程度、治癒が期待できるか)を推測することが可能である。
予後を「予後良好群・予後中間群・予後不良群」の3段階に区分し、寛解後療法の方針を決定する。

検査の結果、予後良好群と診断された場合、そのまま化学療法による治癒を目指す。
寛解に至っても、まだ体内には白血病細胞が残存している。
抗がん剤をさらに投与することで、白血病細胞の数を限りなくゼロに近づける。
この治療方針を「地固め療法」と呼ぶ。

地固め療法では、一般的にシタラビンを大量投与する「シタラビン大量療法」をおこなう。1コース5日間の化学療法を、通常3コース以上にわたり実施する。

予後中間群・予後不良群と診断された場合、「造血幹細胞移植」を検討する。移植にはドナーが不可欠なので、必ず移植が受けられるとは限らない。

造血幹細胞移植のドナーが見つからない場合、化学療法で白血病細胞をゼロに近づける。
予後良好群に対する治療と同様のアプローチ(地固め療法)である。
ただし、薬剤の選択基準が異なり、「シタラビン大量療法」ではなく「アントラサイクリン系抗生物質」を含む薬剤になる。

・救援療法(サルベージ療法)

寛解導入療法(2コース)を実施しても寛解に至らない場合は、救援療法を実施する。
「シタラビン大量療法」または「シタラビン中等量投与」をおこなうのが一般的。

2.急性前骨髄球性白血病(APL)に対する化学療法

急性骨髄性白血病における病型の1つに、「急性前骨髄急性白血病」がある。
急性前骨髄性白血病に対しては、「オールトランス型トレチノイン酸(ATRA)」「タミロバテン」「亜ヒ酸(ATO)」などの薬剤が効果的である。

ATRA、タミロバテン、ATOは(急性前骨髄性白血病の)白血病細胞に対して「成熟させ、最終的に死に導く作用」を持っている。ATRA、タミロバテン、ATOは「白血病細胞を成長させ、最終的に寿命を迎えさせる性質」がある。

急性前骨髄性白血病の場合、通常の抗がん剤(シタラビン / アントラサイクリン系抗生物質)に加えてATRA、タミロバテン、ATOを用いる。
通常、初回の寛解導入には「ATRA+抗がん剤」を選択し、地固め療法に「タミバロテン+抗がん剤」「ATO+抗がん剤」を用いる。

白血球の表面には、「表面マーカー」と呼ばれる分子が付着している。
表面マーカーの分類を「CD分類」と呼んでいる。
急性骨髄性白血病の場合、高い確率で白血病細胞にCD33のマーカーが付着している。

通常、寛解導入療法がうまくいかず、難治性の症例と見なされた症例は予後が厳しくなる。
しかし、CD33陽性(=白血病細胞のマーカーでCD33である)の場合、再寛解を目指すことは難しくない。
CD33マーカーに結合して白血病細胞を殺す薬剤―「ゲムツズマブオゾガマイシン(GO)」が存在するからである。

GOのように「特定の細胞に作用する薬」のことを「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)」と呼ぶ。

3.急性リンパ性白血病(ALL)の治療

根治を目指す場合、中心となるのは化学療法である。急性リンパ性白血病に対する化学療法は、3段階に区分できる。

最初は「複数の抗がん剤を併用する強力な治療」をおこない、完全寛解の状態を目指す。
ただ、完全寛解に至ったとしても、まだ体内には多数の白血病細胞が残っている。
そこで、体内の白血病細胞をより減少させるための「地固め療法」、年単位で残存する白血病細胞を叩く「維持療法」を実施する。

・寛解導入療法

完全寛解の状態を得るため、まずは複数の抗がん剤を併用して強力な化学療法を実施する。次のような薬剤から、効果的と思われるものを組み合わせて「多剤併用療法(複数の抗がん剤を併用する治療)」を約4週間にわたり、入院治療として実施する。

ビンクリスチン(微小管阻害剤)
ダウノルビシン(アントラサイクリン系抗生物質)
ドキソルビシン(アントラサイクリン系抗生物質)
シクロホスファミド(アルキル化剤)
L-アスパラキナーゼ(酵素薬)
プレドニゾロン(副腎皮質ステロイド)
イマチニブ(キナーゼ阻害薬)
ダサチニブ(キナーゼ阻害薬)
ポナチニブ(キナーゼ阻害薬)

ビンクリスチン、アントラサイクリン系抗生物質、シクロホスファミドは白血病細胞の増殖を抑えて、死滅に追いこむ薬剤である。
L-アスパラキナーゼは「がん細胞が必要な栄養分」を破壊し、がん細胞を栄養不足にする薬。

プレドニゾロンは「ステロイド」の一種で、免疫を抑制する作用が知られている。
リンパ球を破壊する性質があるため、リンパ性白血病の白血病細胞を攻撃することが可能である。

イマチニブは、分子標的薬の一種で「白血病細胞を増加させるタンパク質(BCR-ABLチロシンキナーゼ)」の働きを抑える。
急性リンパ性白血病には染色体異常が関与している場合が多く、フィラデルフィア染色体が関与する病型で有効である。
イマチニブは「フィラデルフィア染色体が陽性の症例」に限り、寛解導入療法に用いられる。

ダサチニブとポナチニブは、難治性の症例・再発例に用いる薬剤。
イマチニブと同じく、「白血病細胞を増やすタンパク質(BCR-ABLチロシンキナーゼ)」の働きを阻害する。

地固め療法

寛解に至ったとしても、体内には一定量の白血病細胞が残っている。
白血病細胞をさらに減らすため、「地固め療法」を数か月の入院治療にて実施する。

寛解導入療法で用いた薬剤の一部を継続するほか、次のような抗がん剤を併用する。

シタラビン(Ara-C)
メトトレキサート(細胞障害薬)

シタラビン、メトトレキサートはDNAの合成を妨げることで、がん細胞の増殖を阻害する。
また、地固め療法をしている間は、脊髄腔(せきずいくう:背骨の内部)に抗がん剤を注射する。
白血病細胞が中枢神経系に入りこむのを防ぐためである。

維持療法

地固め療法で白血病細胞は大幅に減少したと考えられるがゼロになっている保証はない。
そこで、白血病細胞の根絶を目指して維持療法をおこなう。
メトトレキサート、ビンクリスチン、プレドニゾロンなどの内服薬を用いる。1~2年間、外来治療を実施する。

救援療法(サルベージ療法)

寛解導入療法で寛解に至らない場合、救援療法をおこなう。
「シタラビン大量療法」「メトトレキサート大量療法」など、抗がん剤の大量投与を実施する。
アントラサイクリン系抗生物質を併用することもある。

4.急性リンパ性白血病

急性リンパ性白血病は、病態ごとに化学療法の方針が異なる。
こちらでは、病態ごとの治療方針を解説します。

・フィラデルフィア染色体が陽性

染色体検査の結果、フィラデルフィア染色体が陽性なら、寛解導入療法で「イマチニブ+抗がん剤」を併用する。

フィラデルフィア染色体が陽性の急性リンパ性白血病は、再発率が高いことで知られている。
完全寛解に至ったあと、ドナー(移植する器官の提供者)が見つかれば造血幹細胞移植を目指すのが一般的である。

・フィラデルフィア染色体が陰性

フィラデルフィア染色体が陰性の場合、年齢によって治療方針が異なる。
全身状態にもよるが強い副作用に耐えられる30~35歳くらいまでの若年者の場合、「小児の急性リンパ性白血病」と同じ治療をおこなう。
小児白血病の治療方針は「小児プロトコル」と呼ばれている。

小児プロトコルにおける寛解導入療法では、「ビンクリスチン」「アントラサイクリン系抗生物質」「プレドニゾロン」「L-アスパラキナーゼ」を4~5週間かけて投与する。
また、白血病細胞が中枢神経に入るのを予防するため、脊髄腔(せきずいくう:背骨の内側)に「メトトレキサート」を注射する。

成人の治療方針と比較して、L-アスパラキナーゼ、メトトレキサートなどを多量に用いる。

寛解に至ったあとも、「寛解後強化療法」と呼ばれる強力な化学療法を継続する。
「寛解導入療法と同じ化学療法」と「寛解導入療法で使わなかった薬剤による化学療法」を交互に実施することで、残存する白血病細胞の根絶を目指す。
寛解後強化療法を終えたら、内服薬による維持療法に移行する。

小児プロトコルでは強力な化学療法を繰り返すうえ、薬剤の容量も多くなる。当然ながら、副作用が強まる。
しかし、小児プロトコルを採用するほうが、若年者の治療成績は良くなることがわかっている。

非若年者の場合、一般的な手順に従って「寛解導入療法→地固め療法→維持療法」の実施を目指す。
寛解導入療法で寛解が得られない場合は、救援療法(サルベージ療法)を実施する。

基本的には、30歳以上の急性リンパ性白血病に関しては、寛解・非寛解を問わず、可能であれば造血幹細胞移植を目指す。

5.慢性骨髄性白血病(CML)の治療

慢性骨髄性白血病の病期は「慢性期→移行期→急性転化期」の3段階にわかれている。
慢性期に発見されることが多いので、移行期・急性転化期の到来を遅らせることが当面の治療目標となる。

慢性期をなるべく長く維持することが、慢性骨髄性白血病の治療における第一目標です。慢性骨髄性白血病の場合、ほとんどの病態で「フィラデルフィア染色体」と呼ばれる異常な染色体が関与している。

慢性期の患者さんに対しては、次のいずれかの分子標的薬を投与する。慢性期に用いる分子標的薬は内服薬である。
そのため、外来治療が可能である。

イマチニブ(キナーゼ阻害薬)
ダサチニブ(キナーゼ阻害薬)
ニロチニブ(キナーゼ阻害薬)

治療を開始したあと、治療効果を判定して、その後の治療方針を選択する。

・奏効(そうこう:効果が十分であること)

十分に治療効果が出ている場合、同じ分子標的薬を継続使用する。
定期的に治療効果を判定し、十分な効果が出ているなら同じ治療を続ける。

・要注意

「治療効果が限定的な場合」「効果が減少してきた場合」は、より慎重な経過観察をおこなう。
基本的には同じ治療を継続するが頻繁に治療効果を確認しなければならない。
治療効果がなくなった場合、早急に手を打つべき状況である。

・効果なし

「治療効果が得られない場合」「治療効果がなくなった場合」は、薬剤を変更する。
最初の選択肢に含まれていたイマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブのほか、「ボスチニブ」と呼ばれる分子標的薬が選択肢に加わる。

分子標的薬による治療がうまくいかない場合、インターフェロンを投与することもある。
インターフェロンによる10年生存率は約25%に過ぎないが、一部の症例では優れた治療効果を示すことがある。インターフェロンは、「白血病細胞に対する免疫力を高める作用」と「白血病細胞に対する殺細胞作用」を有する。

・移行期

移行期に入ってから慢性骨髄性白血病の診断を受けた場合、慢性期と同じように分子標的薬を投与する。
ただし、慢性期と比較して、慎重な経過観察を必要とする。

慢性期に治療開始していた患者さんが移行期に入った場合、薬剤を変更する。
今までに使用したことのない分子標的薬を用いて、治療効果を確認する。

治療が奏効すれば、移行期から慢性期に戻ることもある。
ただし、いったん移行期に入っている場合、短期間のうちに再び悪化する。
そのため、症状が安定した時点で造血幹細胞移植を目指すのが一般的。

・急性転化期

急性転化した場合、急性骨髄性白血病と同様の症状が出る。
分子標的薬に加えて、「急性骨髄性白血病と同様の抗がん剤」を用いることが多くなる。

しかしながら、現状、「急性転化した慢性骨髄性白血病」を化学療法だけで治癒に導くのは困難である。
いったんは慢性期に戻ることもあるが、早期に再度の急性転化をたどる傾向にある。
そのため、根治を目指すにあたっては、症状が落ち着いた時点で造血幹細胞移植を目指す。

年齢・全身状態などから造血幹細胞移植が難しい場合、分子標的薬による化学療法を継続する。
病状によっては、副作用の軽い抗がん剤(ヒドロキシカルバミドなど)に切り替えて、QOL(生活の質)を維持する治療に切り替えることもある。

フィラデルフィア染色体がさらに突然変異を起こして薬剤耐性を獲得することがある。
奏効していたはずの分子標的薬が効かなくなるのは「フィラデルフィア染色体の突然変異による現象である。

30種類ほど知られる突然変異のうち、特に大きな問題になるのがT315I点突然変異」と呼ばれる突然変異を起こした症例であり、イマチニブをはじめとする複数の分子標的薬が無効になるので、きわめて難治性である。

ただ、2016年、「T315I点突然変異」を起こした症例にも有効な分子標的薬「ポナチニブ」が日本国内で承認を受けた。
2016年11月に発売され、有効な治療薬の存在しなかった「慢性骨髄性白血病(T315I点突然変異)」の治療が大きく前進した。

6.慢性リンパ性白血病の治療

慢性リンパ性白血病は、日本国内では稀(まれ)な病気である。
初期はほとんど症状が現れないので、ほとんどは採血などで偶然に発見される。

現状、慢性リンパ性白血病を完全に治癒させる方法は確立されていない。
しかし、ゆっくりと進行することから長期生存率は高くなっている。
また、高齢者に多い病気なので、白血病が悪化する前に別の要因で亡くなる例もしばしば見られる。

・0期の時点では、経過観察にとどめる。
0期の時点で治療を開始しても、生存期間が伸びることはない。
・Ⅰ~Ⅱ期でも進行は遅い。慎重な経過観察を要するが、まだ治療は開始しない。
・Ⅲ期で、化学療法による治療を開始する。

一般的に、慢性リンパ性白血病は、次のような薬剤を用いて治療をおこなう。

フルダラビン(細胞障害薬)
シクロホスファミド(アルキル化剤・細胞障害薬)
アレムツズマブ(細胞障害薬)
リツキシマブ(分子標的薬)

フルダラビン、シクロホスファミド、アレムツズマブの3つは、がん細胞のDNA合成を阻害するなどして、増殖を抑える薬である。

リツキシマブは、B細胞(リンパ球の一種)と結合して増殖を抑える。
慢性リンパ性白血病は「B細胞が白血病細胞になる病気」なので、白血病細胞を抑えることに直結する。

多剤併用療法では「フルダラビン+シクロホスファミド」「フルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブ」「フルダラビン+リツキシマブ」などの組み合わせを用いる。

「70歳以上の高齢者」「全身状態が良くない患者さん」は、強力な化学療法に耐えることができない。そのため複数の抗がん剤を組み合わせる「通常量・多剤併用療法」は難しくなる。

慢性リンパ性白血病は高齢者に多い病気なので、「通常量・多剤併用療法が不可能な症例」も多く見られる。
その場合、「フルダラビン」「シクロホスファミド」「アレムツズマブ」を単独で用いることが多くなっている。
そのほか、薬剤を減量したうえで「多剤併用療法」を実施する場合もある。

・治療効果が得られない場合 / 再発例の場合

「治療効果が得られない場合」「治療後、再発した場合」は、救援療法(サルベージ療法)を実施する。

救援療法で治療効果が得られれば、症状が落ち着いているうちに造血幹細胞移植を目指す。
救援療法の治療効果が乏しい場合は、進行を遅らせるための緩和的な治療に移行する。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植の方法は、白血病の種類に関係なく同一である。
白血病のほか、悪性リンパ腫など、血液腫瘍に対して全般的におこなわれている。

染色体検査で「予後中間群・予後不良群」と診断された場合、基本的には造血幹細胞移植を目指す。
また、寛解導入療法で寛解が得られず、「治療抵抗性の白血病」と判断された場合も、造血幹細胞移植で根治を目指すことになる。

造血幹細胞移植には、「移植前の処置による分類」と「造血幹細胞の採取法による分類」「ドナーによる分類」が存在する。

1.移植の前処置による分類

血液細胞のもとになる「造血幹細胞」を移植するためには、患者さんの骨髄・免疫を破壊しておく必要がある。
「患者さん本人の骨髄をどの程度、破壊するか」で2通りの方法に分かれる。

・骨髄破壊的前処置(フル移植)

「抗がん剤の大量投与」「放射線の全身照射」により、患者さんの骨髄内にある血液細胞を破壊する前処置。
白血病細胞だけでなく、正常な血液細胞も破壊する。
本人の造血幹細胞(=あらゆる血液細胞のもと)を破壊し、ドナーの造血幹細胞を入れる。
今後、患者さんの骨髄では「ドナーの造血幹細胞」が増殖し、血液細胞がつくられることになる。

骨髄非破壊的前処置(ミニ移植)

「免疫を抑制する薬」を用いることで、前処置を弱める移植方法。患者さんの骨髄を破壊するほどの強力な前処置は行なわない。
ドナーのリンパ球(免疫細胞)が「患者さん本人の白血病細胞」を異物と認識して攻撃するので、前処置を弱めても治癒の見込みがある。
ただし、骨髄破壊的前処置を実施した症例より、再発率が高くなる。
強力な前処置が難しい「高齢の患者さん」「臓器障害のある患者さん」などに適応する。

2.造血幹細胞の採取法による分類

「ドナーの造血幹細胞をどのように採取するか」で3種類に区分することができる。

・骨髄移植

ドナーの腸骨から、骨髄組織を採取する方法。腸骨に注射針を刺すので、全身麻酔下でおこなわれる。
全身麻酔を実施するので、入院を要する。

・末梢血幹細胞移植(まっしょうけつかんさいぼう-)

「G-CSF(白血球の増加を促す薬)」をドナーに注射する。
すると、造血幹細胞が骨髄に収まりきらなくなり、血管に流れてくる。ドナーの血液を採取することで、造血幹細胞を得ることができる。
全身麻酔が不要なので、ドナーの負担は軽くなる。

・臍帯血移植(さいたいけつ-)

「へその緒」の中にある血液を「臍帯血」と言う。
臍帯血には造血幹細胞が含まれているので、造血幹細胞を得ることができる。
妊婦の出産時に副産物として得られるので、ドナーの負担が存在しない。

3.ドナーによる分類

造血幹細胞移植は、「体内の造血幹細胞(=血液細胞のもと)をまるまる入れ替えること」を意味する。簡単に表現すれば、「患者さんの血液を、ドナーの血液と入れ替える治療」である。造血幹細胞移植は、ドナーの種別で3種類に区分することができる。

・血縁者間同種幹細胞移植(けつえんしゃかんどうしゅかんさいぼう-)

ドナーが血縁者の場合を指す。「HLA(白血球の型)が一致する兄弟・姉妹・親子」から移植できるなら、それがもっとも良いとされている。
HLAが異なっていても、類似していれば移植可能だが、「ドナーの免疫が患者さんの身体を攻撃する現象(GVHD:移植片対宿主病)」が重症化しやすくなる。

免疫反応による拒絶は悪いばかりではなく、「ドナーの免疫細胞が患者さんの白血病細胞を攻撃すること(GVL効果)」による再発率低下を期待することも可能である。

・非血縁者間同種幹細胞移植(ひけつえんしゃかんどうしゅかんさいぼう-)

骨髄バンクのドナーなど、血縁関係のない相手から移植する場合は「非血縁者間幹細胞移植」と呼ぶ。
「HLAが適合する非血縁者」ならば、「HLAが類似しているだけの血縁者」より移植成績は良好とされている。
やはり、GVHDを予防するために免疫抑制剤が必要である。血縁者の場合と同じく、GVL効果を期待できる。

・自家造血幹細胞移植(じかぞうけつかんさいぼう-)

あらかじめ、患者さん本人から造血幹細胞を採取し、冷凍保存しておく方法である。
要するに「自分がドナーになる移植」である。完全寛解のときに造血幹細胞を採取しておけば、健康な造血幹細胞を得られるので、自家移植することができる。
自分の細胞なのでGVSDなどの免疫反応が起こらず、免疫抑制剤は必要ない。
反面、造血幹細胞に白血病細胞が混じっている例があり、移植後の再発率は高くなる。

治療の展望と予後

白血病の治療は、「完全寛解」を目指すことが第一になる。
現在は、分子学的完全寛解を目標に治療を進められる。
白血病に関与している遺伝子異常が見つからなくなった状態が分子学的寛解で体内の白血病細胞は約100万個まで減少している状態である。

ただ、白血病細胞がゼロになったわけではない。
放置すれば、高い確率で再発する。
そのため、寛解が確認できてからも治療を継続し、体内の白血病細胞を可能な限りゼロに近づける必要がある。
1兆個にも及ぶ白血病細胞をゼロにすることから、現状の治療方針を「トータル・セル・キル」と呼んでいる。

白血病の治癒は、「5年間の完全寛解」

白血病は胃がん・肺がんなどの「固形がん」と異なり、「腫瘍を切除する」という治療ができない。
当然、「腫瘍がなくなっていること」をレントゲンなどで確認することも不可能である。そのため判断基準は、完全寛解の継続期間になる。
多くの場合、白血病が再発するときは3年以内に再発する。
そのため、さらに2年の経過観察を加えた、計5年間にわたって完全寛解が継続すれば、治癒と見なす」という基準になっている。

染色体異常と予後の関係

急性骨髄性白血病においては、「染色体異常の種類」と「予後」に関連性が認められている。

・予後良好群

15番染色体と17番染色体の一部が相互転座
8番染色体と21番染色体の一部が相互転座
16番染色体の一部が逆向き(逆位)

もっとも予後良好なのは、「15番と17番の一部が相互転座している染色体異常」である。
15番と17番の相互転座は、ほとんどが「急性前骨髄球性白血病」と呼ばれる病型で、化学療法で良い結果を得やすいとされる。

・予後中間群

予後良好群、予後不良群のいずれにも属さない染色体異常
染色体異常を伴わない遺伝子異常

・予後不良群

6番染色体と9番染色体の一部が相互転座
9番染色体と22番染色体の一部が相互転座(フィラデルフィア染色体)
3番染色体の長腕が関わる染色体異常
5番染色体、7番染色体が関わる染色体異常
複雑核型(=3つ以上の異常が存在する)

化学療法での治療の展望と予後

急性骨髄性白血病では65歳未満の若い患者さんであれば、約80%が寛解導入療法で寛解に至る。
急性前骨髄球性白血病の寛解導入率は80~90%に上る。現状、特に予後良好な病型である。

急性リンパ性白血病は「フィラデルフィア染色体陽性=予後不良」と認識されていた。しかし、分子標的薬であるイマチニブの登場で、95%以上の患者さんを完全寛解に持って行けるようになった。現在はイマチニブに加え、再発した場合の再寛解を目指すのに有用なダサチニブ、ポナチニブも登場している。
「ドナーが見つからない場合」「高齢で移植が困難な場合」でも、ある程度の長期生存が期待できる。

現状では「30歳以上 / フィラデルフィア染色体陰性」の急性リンパ性白血病に対しては標準治療が確立されていない。化学療法の治療成績統計(2000年以降 / 200例以上)を確認しても、「寛解率74~92%」「5年生存率32~54%」となっている。
この場合は化学療法による予後はあまり良いとはいえない。

慢性リンパ性白血病では症状の進行を遅らせて、長期生存を目指すことが基本的な治療方針となるが、「無治療でも長期生存できる症例」と「進行が早く、予後不良の症例」の2パターンが存在しており、予後が厳しい場合もある。
慢性リンパ性白血病の場合、「17番染色体の短腕欠失」という染色体の一部欠損が見られると予後不良になる。化学療法単独で長期生存を期待することは難しい。
そのため、化学療法で症状を落ち着けたあと、造血幹細胞移植を目指すのが一般的である。移植が困難な場合は、「17番染色体の短腕欠失例」にも有効性が認められている抗がん剤―アレムツズマブによる化学療法をおこなう。
しかし、治癒を期待するのは難しく、ターミナルケア(生活の質を維持することを主眼とした終末医療)を視野に入れなくてはならない。

造血幹細胞移植のリスク

造血幹細胞移植には、いくつかのリスク・合併症が存在する。

1.移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう:GVHD)

本来、免疫システムは「他者の組織」を異物として攻撃する。
当然、ドナーの造血幹細胞から成長した白血球は、「患者さんの体組織」を異物と認識する。
その結果、「体内の白血球が患者さんの身体を攻撃する現象」が起こる。この現象を「移植片対宿主病(GVHD)」と呼ぶ。

GVHDの重症化を防ぐためには、免疫抑制剤が必要である。
GVHDの予防には、次のような薬剤が用いられる。

メトトレキセート
シクロスポリン
タクロリムス

一般的に「メトトレキセート+シクロスポリン」「メトトレキセート+タクロリムス」の組み合わせで併用する。
通常はシクロスポリン、免疫反応が強くなると思われる場合にタクロリムスを選択する。

2.免疫力低下による感染症

造血幹細胞移植のあと、患者さんの体内は「白血球がほとんどない状態」である。
重篤な感染症の合併を防ぐため、移植後は無菌病棟で過ごすことになる。

また、拒絶反応・GVHDを予防するために免疫抑制剤を用いるので、白血球が正常値になってからも免疫力は低下したままである。
風邪・インフルエンザなどの感染症にかかる確率が高まるため、衛生管理を徹底する必要がある。

3.生殖機能不全

移植の前処置では、「抗がん剤の大量投与」「放射線の全身放射」などを実施する。
これらの処置は精巣・卵巣にダメージを与えるため、高い確率で永久不妊となる。
将来的にお子さんを望んでいる場合、精子・卵子の保存が必要である。

ただし、卵子の保存には「ホルモン剤投与」など数か月単位の準備期間が必要になる。
「病気の進行」「移植の日程」によっては、保存できない場合もある。

発症しやすい年代と性差

もっとも頻繁に見られる白血病である急性骨髄性白血病は、白血病全体の約7割を占めている。慢性骨髄性白血病は、白血病全体の約1割、急性リンパ性白血病は、白血病全体の約2割を占めている。
「第二次世界大戦末期、広島・長崎での被ばく者」「1986年、チェルノブイリ原子力発電所事故の被ばく者」は白血病の発症率が高いことが知られている。
また、ベンゼンを扱う仕事をしている人も、白血病を発症しやすいことがわかっている。

広島・長崎における調査の結果、放射線の影響で「白血病・がんの多発」が起こりえるのは「100ミリシーベルト以上」とされています。たとえば、福島第一原子力発電所事故では「年間20ミリシーベルト以上の放射線量になる地域」に避難指示が出た。
そのため、現状、放射線による白血病増加は(少なくとも統計的には)起こらないと考えられている。

国立がん研究センター」と「愛知県がんセンター研究所」の調査では「1日に30本以上のタバコを吸う男性は、急性骨髄性白血病のリスクが2.2倍になる」という結果が出ている。女性は、喫煙者・白血病患者さんとも調査対象に少なかったことから、十分なデータが得られていない。

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