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化膿性耳下腺炎とは
化膿性耳下腺炎(かのうせいじかせんえん)とは、唾液腺のなかでも耳の前にある耳下腺という部分に細菌が感染しておこる病気です。急に炎症をおこして化膿します。黄色ブドウ球菌や、レンサ球菌、肺炎球菌などが原因菌とされています。
耳下腺炎には他にも流行性耳下腺炎や反復性耳下腺炎があります。おたふくかぜの原因であるムンプスウイルスによるものが流行性耳下腺炎といわれています。
これは細菌ではなく、ウイルスが感染しておこる病気です。耳の下に痛みが出る症状は、流行性耳下腺炎と似ていますが、化膿性耳下腺炎は人から人へうつることがありません。
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化膿性耳下腺炎の症状
化膿性耳下腺炎は、片方の耳下腺が腫れて痛みます。両耳におこることはあまりありません。
併せて、発熱や頭痛を訴える方が多いです。耳の下の皮膚は赤くなり、押さえると痛みがあります。さらに、耳を押さえることで、口の中から膿が混じった唾液が出てくることもあります。
腫れがひどくなってくると、膿がたまり、耳下腺に波打つような波動感が出てくることもあります。
痛みや腫れは流行性耳下腺炎と似ているため、判断が難しい場合があります。
しかし、流行性耳下腺炎や、耳下腺が繰り返し腫れる反復性耳下腺炎では、赤く腫れてくることはありません。また、化膿性耳下腺炎のように膿が出ることもありません。
化膿性耳下腺炎の診療科目・検査方法
化膿性耳下腺炎の原因
化膿性耳下腺炎の原因は、口の中から唾液腺をとおり耳下腺に細菌が侵入することで発症します。原因になる細菌は、黄色ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌などです。
これらの菌が耳下腺に侵入し、炎症をおこして膿がたまっていきます。これらの細菌は普段から体にいる菌です。免疫力が低下している時に発症する場合が多いです。
化膿性耳下腺炎の予防・治療方法・治療期間
化膿性耳下腺炎の治療には、基本的に抗菌薬の投与が必要になります。
軽い症状の場合は、抗生物質の内服と、鎮痛薬や湿布で痛みを和らげます。
抗菌薬は、原因菌がもっとも多くみられる黄色ブドウ球菌であることを前提に、内服薬として使用します。効かない場合は、培養検査をおこない原因菌を特定し、それに合った抗菌薬に変更します。
重い症状の場合は、膿がたまっている耳下腺を切開することもあります。
化膿性耳下腺炎の治療経過(合併症・後遺症)
化膿性耳下腺炎は、自宅で痛みなどの症状を悪化させないように注意が必要です。
耳下腺は唾液を分泌する唾液腺の一部なので、唾液が分泌される食事の際に痛みが増幅します。そのため、唾液の分泌が多くなるような辛いものや、味の濃いものなどは避ける必要があります。
化膿性耳下腺炎は人へうつることはないため、無理に学校や仕事を休む必要はありませんが、痛みが強い場合や、食事が摂れない場合は、無理せずに休みましょう。
化膿性耳下腺炎になりやすい年齢や性別
日本では化膿性耳下腺炎がどういった人に多いかはっきりわかっていません。
子どもやなんらかの病気にかかっている高齢者に多いと考えられていますが、どの年代の人でもかかることがあります。
執筆・監修ドクター
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