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気管支炎

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差

概要

気管支炎とは?

気管支炎(きかんしえん)には、急性気管支炎と慢性気管支炎があります。
一般的に「(風邪の延長として)気管支炎」と呼ばれているのは、急性気管支炎をさすことが多いです。
風邪から急性気管支炎を発症すると、熱が下がったあとも長引く咳に悩まされます。

急性気管支炎

風邪をひいたとき、5日以上にわたって咳が続いているなら急性気管支炎を疑います。
空気の通り道のうち、鼻から喉までを「上気道」、喉から肺までを「下気道」と呼んでいます。
感染が上気道にとどまっているのが風邪、下気道に及んだ場合が急性気管支炎です。

気管支炎の症状のうち、もっとも特徴的なのは咳です。
たいてい、熱が下がり、倦怠感がなくなっても、咳は1~3週間ほど続きます。
気管支炎の場合、感冒様症状(かんぼうようしょうじょう:風邪の症状)のうち、最後に消失するのが咳です。

慢性気管支炎

主に冬場、90日以上にわたって咳・喀痰(かくたん:痰のこと)が続いている場合、慢性気管支炎の疑いがあります。
「90日以上、ほとんど毎日のように咳・喀痰が出る状態」が2年以上に及んでいるなら、慢性気管支炎と診断される確率が高くなります。

慢性気管支炎では、気道内壁に慢性的な炎症が起きて、痰の過剰分泌がおきています。
過剰な痰は咳を誘発する原因になります。
悪化すると、炎症を繰り返した気道内壁が厚くなり、気道が狭窄(きょうさく:狭くなること)します。
気道が狭くなると、咳・喀痰に加えて、息苦しさも加わります。

症状

急性気管支炎と慢性気管支炎はどちらも咳が主体の病気です。
急性気管支炎は咳の他に「鼻水」「発熱」「だるさ」「頭痛」「咳によるおなかの筋肉痛」などを伴います。
慢性気管支炎は咳が2年以上続きます。「結核」「肺癌」「喘息」は咳が続いても気管支炎には該当しません。

急性気管支炎

5日以上にわたって咳が続く場合、急性気管支炎が疑われます。
多くの場合、咳は1~3週間にわたって持続します。
喀痰が見られる場合もありますが、必ずしも痰が出るとは限りません。
喀痰が見られる場合は湿性の咳(=痰が絡んだ咳)になり、喀痰が見られない場合は乾性の咳(=乾いた咳)になります。

肺炎と異なり、胸部X線でぼやけた影のように見える浸潤影を認めません。

慢性気管支炎

慢性気管支炎の主な症状は、長期的に続く咳・喀痰です。
次の条件を満たしている場合に、慢性気管支炎が疑われます。

・(特に冬場に)咳・喀痰が3か月以上、ほとんど毎日のように続いている
・上記の症状が2年以上にわたって出現している
・診察、検査の結果、ほかの病気が原因ではない

これら3つの条件がそろっているならば、慢性気管支炎と診断されます。

原因

急性気管支炎はほとんどがウイルスや細菌などの感染が原因です。
慢性気管支炎の原因は「肺の老化」「喫煙」「大気汚染」などです。

急性気管支炎

急性気管支炎のほとんどは、病原体による感染症です。
気管支炎を引きおこす病原体にはウイルス、非定型病原体、細菌があります。

ウイルス感染症

気管支炎のおよそ90%は、ウイルス感染によります。
気管支炎の原因となるウイルスには、次のようなものがあります。

・インフルエンザウイルスA型
・インフルエンザウイルスB型
・ライノウイルス
・コロナウイルス
・RSウイルス
・ヒトメタニューモウイルス

インフルエンザウイルスA型が原因の場合、高熱・全身倦怠感・頭痛・関節痛などの症状を伴います。

非定型病原体による感染症

やや特殊な細菌として、非定型病原体という分類が存在します。
細菌の細胞壁合成を阻害する「β-ラクタム系抗生物質」の作用を受けないので、一般的な細菌とは異なる治療方針を立てる必要があります。

・マイコプラズマ・ニューモニエ
・クラミジア・ニューモニエ

マイコプラズマが原因の場合、強い咳が長く続く傾向があります。

細菌感染症

細菌感染による気管支炎も存在します。
ただ、どちらかというと、ウイルス性の風邪・気管支炎で気道の免疫力が低下し、二次感染の形で細菌感染をおこす症例のほうが多くみられます。

・百日咳菌
・インフルエンザ菌
・肺炎連鎖球菌
・モラクセラ・カタラーリス

「咳きこんだあとに嘔吐する」「息を吸うとき、ヒューヒューと笛のような音がする(吸気性笛声)」といった所見がある場合、百日咳の疑いが強まります。
百日咳菌が原因の場合、「百日咳」と診断されることが多いですが、百日咳も気管支炎の一種です。インフルエンザ菌は細菌の一種であり、インフルエンザウイルスとは異なります。いわゆるインフルエンザを引きおこす病原体ではありません。

アレルギー性気管支炎

風邪の症状に引き続いて発症するので、経過・症状は感染性の気管支炎とほとんど変わりません。
ただ、アレルギー性気管支炎の場合、ダニ・ハウスダストなどのアレルゲンが気管支炎の症状を誘発している可能性があります。
血液検査でアレルゲンを特定し、責任抗原(=原因物質)との接触を避けることが重要になります。

慢性気管支炎

慢性気管支炎に罹患する人のほとんどは、喫煙者です。
そのため、タバコが最大の原因と考えられています。
そのほか、排気ガス・工場排煙などによる大気汚染が要因になる場合もあります。

検査内容と主な診療科目

「2~3日で治まらない咳」「つらい咳」「黄色や緑色の痰 / 鼻水を伴う咳」がある場合には、内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科を早めに受診します。

急性気管支炎は採血検査(炎症反応)、聴診器による診察で診察をおこないます。
急性気管支炎の多くは胸部レントゲン検査で異常が見られません。
慢性気管支炎は胸部CT検査をおこないます。

厳密に分類すると、気管支炎は呼吸器内科の領域です。
しかし、風邪の延長線上によく見られることから、内科・耳鼻いんこう科などでも日常的に診療しています。
もともとは、耳鼻咽喉科は上気道、呼吸器内科は下気道という区分がありましたが、気管支炎に関していえば、どちらでも診察してもらえます。

上気道は、気道のうち「鼻から喉まで」、下気道は「喉から肺まで」を意味します。

気管支炎の診断方法

基本的には咳・痰などの所見から診断します。
検査を実施しない場合も多いですが、肺炎が疑われる場合には「肺炎の除外診断」をおこないます。

肺炎の除外診断は、「肺炎ではないことを確認するための診察・検査」を指します。

・38℃以上の発熱がある
・1分間に24回以上まで呼吸が速まっている(頻呼吸:ひんこきゅう)
・1分間に100回以上の脈拍がある(頻脈:ひんみゃく)
・聴診器をあてると、胸部から雑音がする

上記を満たしている場合、肺炎の疑いがあるので胸部X線による画像診断を実施します。
肺炎の疑いを除外できた時点で、気管支炎に対する治療をおこないます。

また、咳が2~3週間にわたって続いている場合も、除外診断が必要です。
この場合は、結核の疑いを除外するために胸部X線撮影を実施します。

治療方法と治療期間

急性気管支炎に抗生剤が必要なものは一部で、咳止めや痰を出しやすくする薬、風邪薬を使用します。
慢性気管支炎には気管支拡張薬、ステロイド剤を投与します。
加えて、禁煙が勧められます。

急性気管支炎は「症状が概ね治まるまで」の治療を要します。
肺は強く障害を受けると修復が困難なため、慢性気管支炎は「継続的な治療」で症状を抑える事が必要になります。
医療機関を受診した場合も、基本的には薬などで症状を緩和しながら自然治癒を待つ対症療法になります。
対症療法においては、次のような薬剤を用います。

・解熱 / 鎮痛
アセトアミノフェン、イブプロフェンなど

・咳 / 喀痰
咳止め薬、去痰薬

・喘鳴
吸入気管支拡張薬

ただし、咳止め薬の処方が推奨されるのは、満足に睡眠がとれないほど頑固な咳がある場合に限られます。

原因による治療方法の違い

・インフルエンザウイルス

気管支炎の原因となるウイルスは数多く存在し、今のところ、有効な抗ウイルス薬が存在しないウイルスが大半を占めています。
しかし、インフルエンザウイルスに関しては、有効な抗ウイルス薬が存在しています。

・オセルタミビル(経口薬)
・ザナミビル(吸入薬)

気管支炎の原因がインフルエンザの場合、発症から48時間以内に抗ウイルス薬を投与します。
48時間以内に抗ウイルス薬を用いることで、「症状軽減」「治癒促進」が期待できます。

・非定型病原体

非定型病原体(マイコプラズマやクラミジア)による気管支炎が強く疑われる場合、非定型肺炎と同様の治療を実施することがあります。
非定型肺炎は、非定型病原体によって引きおこされる肺炎です。

・マクロライド系抗菌薬
・テトラサイクリン系抗菌薬

近年、マクロライド耐性マイコプラズマが増加していることから、必要に応じて、代替薬である「ニューキノロン系抗菌薬」を使用する場合もあります。

・百日咳菌

・マクロライド系抗菌薬

百日咳は、経過を3期にわけて考えます。

カタル期(約2週間)
感冒様症状(かんぼうようしょうじょう:風邪のような症状)がはじまり、だんだんと咳がひどくなる時期。

痙咳期(約2~3週間)
「短く発作的な咳が連続し、息を吸うときに笛のような音が鳴る」という百日咳に特有の症状があらわれます。
激しく咳きこみ、咳の拍子に嘔吐することもあります。

回復期(2~3週間以降)
発作的な咳がだんだんと治まり、回復に向かいます。
ただ、「たまに発作的にせきこむ」という症状は長く続き、全快するのは発症から2~3か月後です。

抗菌薬を投与することで「症状軽減」「治癒促進」が期待できるのは、カタル期の間だけです。
しかし、カタル期を過ぎたとしても、周囲への感染確率を減らすために抗菌薬を投与します。

・細菌性気管支炎

細菌感染が強く疑われる場合、細菌性肺炎と同様の治療を実施することがあります。

・ペニシリン系抗菌薬
・ニューキノロン系抗菌薬

上記のような抗菌薬を用いて、原因菌を叩く治療を試します。

慢性気管支炎

慢性気管支炎に罹患するのは、ほとんどが喫煙者です。
そこで、まずは禁煙して、気道をきれいな状態に近づけることを目標にします。
そのうえで、痰を減らすために以下のような薬を用います。

・去痰薬(きょたんやく)
・気管支拡張剤

気管支の状態を整え、痰を抑えて咳を減らします。
そのほか、痰の出やすい姿勢で「胸を叩く」「振動を加える」などして痰の排出を助ける「体位ドレナージ」を実施することもあります。
発熱した場合は細菌感染が疑われるので、抗菌薬を用いる場合もあります。

予防

基本的に、気管支炎の予防は「風邪の予防」と同じ考え方になります。

また、インフルエンザにより気管支炎を伴う症例も多いので、同時にインフルエンザ予防にも力を入れます。

ほとんどはウイルス性のため、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染に注意します。
飛沫感染は「咳・くしゃみなどの飛沫を浴びる感染経路」を指し、接触感染は「ウイルスの付着した手で鼻・口などを触る感染経路」を指します。

手洗い・うがいの励行はもちろん、風邪・インフルエンザの流行期にはマスクを着用するなど、基本的な予防策を確実に実行します。
また、アルコールの消毒ジェルで手指を消毒するのも有効です。

インフルエンザによる気管支炎を予防するなら、インフルエンザの予防接種を受けることも有効です。
インフルエンザの罹患率が下がるぶん、気管支炎をはじめとした感冒様症状(かんぼうようしょうじょう:風邪のような症状)に悩まされる確率を低減することができます。

また、肺炎の主な原因菌である「肺炎連鎖球菌」も、気管支炎をおこすことがあります。
特にインフルエンザ・風邪などで免疫力が低下しているときは注意が必要です。
細菌による二次感染をおこして気管支炎・肺炎を発症するリスクがあります。
あらかじめ、肺炎球菌ワクチンの接種を受けておくことで、気管支炎・肺炎のリスクを低減することができます。

治療の展望と予後

急性気管支炎であれば、基本的には自然治癒する病気です。
「基礎疾患がある患者さんが、細菌による二次感染をおこした場合」などの状況を除けば、それほどハイリスクな疾患ではありません。
一般的には、安静と水分補給を心がければ、特段、治療をしなくても軽快します。

慢性気管支炎は継続した治療が必要となります。

発症しやすい年代と性差

年齢・性差に明確な傾向はありません。正確な罹患者数も不明です。

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