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せきにたんが絡む…黄色、緑、茶色の他、血痰が出る場合も!息を吸うと咳が出る、痰が切れない原因は?気管支炎や咳喘息などの可能性も

更新日:2022/07/26 公開日:2022/05/13 view数:5,009
咳に痰が絡む原因は?夜になると咳が出るのはなぜ?咳と血痰が出た!考えられる病気は?診療科目は呼吸器内科・内科

痰(たん)が絡んだ咳(せき)が出る、咳が続く、痰が切れないなどで悩んでいませんか。夜になると咳が出る人や、中には横になった時に咳が出て苦しいという人もいるでしょう。また、黄色や緑色の痰や血痰(けったん)が出るときも心配ですよね。

咳や痰が続く場合、「熱はないから大丈夫」と思っていても、大きな病気が隠れている場合もあります。この記事では、咳に痰が絡む原因や、疑わしい病気、咳や痰を止まりやすくする方法などについて解説します。

目次
  1. 夜や横になったとき、咳が出る、黄色や緑の痰が出る原因は?
  2. 新型コロナウイルスとの関連は?嗅覚・味覚障害があるときは注意
  3. 咳に痰が絡む原因は、気管支喘息や肺炎の可能性も
  4. 咳と一緒に血痰が出た!原因は肺結核や肺がん?
  5. 痰が切れない、止まらない時の対処法は?痰の出し方を紹介
  6. 咳に痰が絡まり、なかなか切れない場合は呼吸器内科の受診を

夜や横になったとき、咳が出る、黄色や緑の痰が出る原因は?

そもそもなぜ、咳や痰が出るのでしょうか。咳は、気道に貯まった分泌物や気道に入ってきた細菌やウイルス、ほこりなどの異物を排除するために出ます。痰は外界から吸入された物質に反応して分泌され、さらに気道の炎症や腫瘍でも分泌されます。どちらも、人間にとって異物から身体を守るために重要な生体防御反応なのです。

咳も痰も、気道に異物が多く侵入したとき、炎症や腫瘍が進行するときに増えます。つまり咳や痰は気道になんらかのトラブルが起きているサインなのです。咳が出る状況や、痰の色などから推測されるトラブルには以下のようなことがあります。

夜や横になったときに咳が出る原因は喘息?

夜や横になった時に咳が出る場合は、喘息(ぜんそく)や咳喘息の可能性が高いと考えられます。

気管支喘息

気管支喘息は炎症によって気管支が狭くなり呼吸困難を繰り返す病気です。呼吸のたびに、「ヒューヒュー、ゼーゼー」と音がする喘鳴(ぜんめい)が続いて息苦しくなるとともに、咳や痰が出ます。発作は夜間や早朝に悪化する傾向があり、横になると咳や痰が出やすく、座っているほうが楽という特徴があります。

咳喘息

咳喘息は、喘鳴(ぜんめい)はみられず、咳が主症状である病気です。気管支喘息の亜型の症状とされ、咳喘息の場合も夜間や早朝に悪化し、横になると咳が出やすくなります。季節性があり、30-40%が気管支喘息に移行するとことがあります。

黄色や緑の痰が出る原因は気管支炎や肺炎?

一般的に、健康な人の痰は白く透明で、サラサラしています。この状態から硬くなり、黄色や緑色になった痰は「膿性(のうせい)の痰」といわれます。これは、細菌や白血球が粘液と一緒になったものです。

ウイルスや細菌の感染による強い炎症で出ることが多く、気管支炎肺炎の場合に多くみられます。そのほか気管支が拡張して肺機能が低下する「気管支拡張症」や、細い気管支に慢性的に炎症が起こり、息苦しくなる「びまん性汎細(はんさい)気管支炎」でも緑や黄色の痰が出ることがあります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)でも咳や黄色や緑の痰が出る

喫煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することが原因で引き起こされるCOPD(慢性閉塞⦅へいそく⦆性肺疾患)は、気管支に炎症が起こり、さらに肺胞(袋)が破壊される病気です。身体を動かした時の息切れや慢性の咳、痰が主な症状です。感染を伴うと黄色や緑色の痰が出ることもあります。病状が進行すると常に酸素を吸入することが必要になります。

新型コロナウイルスとの関連は?嗅覚・味覚障害があるときは注意

昨今の状況では、咳や痰が出るのが続くと「新型コロナウイルスの症状ではないか」と、心配になりますよね。

新型コロナウイルスに感染すると咳が出る、痰が絡むといった症状が多くみられます。また、熱や、のどの痛み、倦怠(けんたい)感、筋肉痛、といった風邪のような症状もともないます。そのほか下痢、腹痛、吐き気、食欲不振といった消化器系のトラブルもあらわれ、味覚障害や嗅覚障害が起きることもあります。

特に、1週間以上、発熱、咳、咽頭痛や倦怠感などの症状が続く場合は、注意が必要です。不安な場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

咳に痰が絡む原因は、気管支喘息や肺炎の可能性も

咳に痰が絡むのは、多くは普通の風邪の症状です。ただし、激しい咳が出たり、熱がなかったりしても3週間以上、咳や痰が出る場合はなんらかの病気が隠れている可能性があります。咳に痰が絡む原因として考えられる病気には以下のようなものがあります。

肺炎

肺炎は、細菌やウイルスなどの感染で肺胞(はいほう 肺に存在する袋)や、その周辺組織に炎症が起こる病気です。細菌やウイルスなどの感染によって引き起こされ、痰が絡んだ咳が出る、発熱、頭痛、悪寒、息切れといった症状がみられます。免疫が低下している人や高齢者がかかりやすく、重症化しやすい病気です。

気管支喘息

気管支喘息の場合、夜や明け方に発作性の咳や痰が出現します。小児喘息の原因は主に、ほこりやダニに対するアレルギーとされています。大人で気管支喘息に移行するのは20-30%位です。中高年以降に新たに発症する場合もあります。

百日咳

百日咳(ぜき)は百日咳菌の感染によって、2カ月程度と長期にわたって咳が続く病気です。子どもに多い病気ですが、大人もかかります。症状は、最初は風邪と同じような咳や鼻水などの症状があらわれますが、次第に咳がひどくなります。2週間が過ぎると、百日咳特有の咳発作が起きて、痰もともないます。

大人はひどい咳でつらい症状が続くものの比較的、軽症です。しかし、子どもの場合は重症化しやすく、特に乳幼児は呼吸困難を引き起こして、命にも関わる病気です。大人が百日咳と気づかないことで、子どもに感染してしまうことが多いため、1週間以上咳が続くときは病院で診察を受けましょう。

咳と一緒に血痰が出た!原因は肺結核や肺がん?

咳をしているときに血痰が出ると不安になりますよね。痰に血液が混じっている場合は肺結核や肺がん、場合によっては心不全などの重篤な病気にかかっている可能性もあります。病気によっては症状が悪化して、血を吐く「喀血(かっけつ)」の状態になることもあります。できるだけ早く病院で診察を受けましょう。

ただし、血痰は肺炎や気管支炎、風邪でも出ることがあるため、まずは焦らずに呼吸器内科などを受診するとよいでしょう。

血痰が出る原因として考えられる病気は、以下のようなものがあります。

肺がん

肺がんは、肺に悪性の腫瘍ができる病気です。初期の段階で、もっとも多くみられる症状は咳と痰です。特にタバコを吸う人で、風邪ではないのに2週間以上咳が続いたり、血痰が出たりする場合は早急に医療機関を受診しましょう。そのほか胸の痛み、息苦しい、発熱といった症状をともなうこともあります。

肺結核

肺結核は、結核菌の感染によって肺に炎症が起きる病気です。最初は咳、痰、発熱、倦怠感

があり、病気が進行すると血痰、胸の痛み、呼吸困難、喀血(血を吐く)といった症状があらわれます。

気管支拡張症

気管支拡張症は、気管支の拡張によって肺機能が低下する病気です。おもな症状は慢性的な痰と咳です。発熱、血痰、喀血(血を吐く)をともなうこともあります。

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症は、土やほこり、水の中にいる「非結核性抗酸菌」が肺に感染する病気です。感染すると、咳や痰、血痰、微熱、倦怠感などの症状があらわれ、喀血(血を吐く)する場合もあります。

肺塞栓症(肺梗塞/エコノミークラス症候群)

肺塞栓(そくせん)症は、体内にできた血栓(血のかたまり)によって、肺の血管が詰まってしまった状態のことをいいます。飛行機や車で長時間同じ姿勢をとっていることが原因で起きる「エコノミークラス症候群」は肺塞栓症の別名です。呼吸困難、胸の痛み、血痰、下肢のむくみ、意識消失といった症状があらわれます。

肺アスペルギルス症

肺アスペルギルス症は、免疫が低下した方がアスペルギルスという真菌(カビ)を吸い込むことで感染する病気です。感染すると、咳や痰、血痰、胸の痛み、息切れといった症状があらわれます。重症化すると喀血、呼吸困難を引き起こす場合もあります。

心不全

心不全(しんふぜん)とは心臓の働きが障害を起こしている状態をいいます。心臓が血液をスムーズに循環させることが難しいため、肺に血液がたまり、血液が混ざった泡沫状(ほうまつじょう)の痰が出ることがあり、動悸・息切れ、疲れやすい、むくみといった症状をともないます

痰が切れない、止まらない時の対処法は?痰の出し方を紹介

痰が絡んでなかなか出せないと、気になって仕方ないし、話すのもつらいですよね。咳払いをしても痰が切れない、出ないときは、以下のような方法を試してみましょう。

水分をとって痰を薄める

水分をとると、痰がやわらかくなって出やすくなります。こまめな水分摂取を心がけましょう。

大根とはちみつを摂取すると痰が出やすくなることも

大根とはちみつは、痰を出しやすくするのによいと、昔からよく使われる食材です。

大根の辛み成分であるアリルイソチオシアネートには、痰を出すのによいとされています。また、はちみつには炎症を鎮める作用があり、痰の改善にも役立ちます。

このふたつを組み合わせた「はちみつ大根」を試してみましょう。大根を細かく刻んで器に入れ、はちみつをひたひたになるまで注ぎ、染み出た汁を飲みます。

加湿をする

冬は空気の乾燥によって痰が出にくくなります。室内では加湿器を利用するとよいでしょう。

咳に痰が絡まり、なかなか切れない場合は呼吸器内科の受診を

痰が絡む咳で悩んだときは呼吸器内科や内科を受診しましょう

咳や痰がひどく、長く続いているときは無理をしないで呼吸器内科あるいは内科を受診しましょう。

咳は体力を消耗し、不快な痰のか絡みがいつも気になると生活に支障をきたします。そして、ただの風邪だと思っていても、肺がんや肺結核など大きな病気のサインかもしれません。また、タバコを吸う人にとっては、咳や痰が止まらないときは、禁煙が何よりの改善策です。

執筆・監修ドクター

寺尾 一郎
寺尾 一郎 医師 寺尾クリニカ 院長 担当科目 内科/アレルギー科/心療内科/呼吸器内科

経歴東海大学医学部 卒業
日大板橋病院 勤務
日赤医療センター 勤務
国立病院東京災害医療センター 勤務
東大和病院 勤務

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