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腎性高血圧はなぜ起こる?症状や治療法、食事の注意点を解説

更新日:2017/09/29 公開日:2017/09/29 view数:811
腎性高血圧

『腎臓』というと、尿を作る器官のイメージが強いかもしれません。実は血圧の調整にもかかわっています。『腎性高血圧』は、そんな腎臓が原因で起こる高血圧です。

この記事では、腎性高血圧の薬を使った治療や手術、食事の注意点について解説します。

目次
  1. 腎性高血圧について
  2. 腎性高血圧の治療法について
  3. 腎性高血圧の診断をうけたら…気をつけること
  4. まとめ

腎性高血圧について

1.腎性高血圧とは

血圧測定

まず、高血圧には2種類ある!

そもそも『高血圧』には、2つの種類があります。ひとつは、原因となる病気がない『本態性高血圧』です。もうひとつは、何らかの病気が原因になって起こる『二次性高血圧』です。

腎性高血圧は、二次性高血圧のひとつ

『腎性高血圧』は、先に解説した2つのうち、『二次性高血圧』にあたります。腎臓の疾患が高血圧を引き起こします

腎臓と血圧がどう関係するの?

腎臓は、血圧の調整にかかわる臓器です。

腎臓には『腎動脈』という血管を通じて、血液が運ばれます。

この腎動脈が何らかの原因で狭くなり、血流量が減ると、体の中に水分が不足していると体が認識します。それにより、腎臓から血圧を上げるホルモンが分泌されるのです。

こうして腎臓が血圧を上げ続けてしまうことで起こる高血圧が『腎性高血圧』です。

2.腎性高血圧の原因について

腎動脈

腎性高血圧は、先に解説したように、腎動脈が狭くなることで起こります。

腎動脈が狭くなる原因には、次のような病気があります。

動脈硬化症

腎性高血圧の原因として、最も多いのが『動脈硬化症』です。その場合、約半数の人は同時に『糖尿病』にもかかっています

動脈硬化症は、動脈の『血管壁』にコレステロールがたまり、内膜がどんどん厚くなる病気です。

50代以降の男性に多く発症します。

線維筋性異形成

線維筋性異形成は、動脈を作る筋肉が、うまく形成されず『血管壁』にこぶができる病気です。

若い人から60代くらいの人に発症します。

大動脈炎症候群

大動脈炎症候群は、動脈の壁に、原因不明の炎症が起こる病気です。

若い女性に発症することが多いです。

3.腎性高血圧の症状について

めまい

初期は、ほとんどが無症状

腎性高血圧の初期は、ほとんどが無症状です。

急に血圧が変化すると、めまいや頭痛を感じる

血圧が急に高くなったり、高血圧が急速に悪化したりすると、『めまい』や『頭痛』を感じることがあります。

放っておくと、心不全や心筋梗塞などを招くことも…

腎性高血圧を放っておくと、『心不全』や『心筋梗塞』『脳血管障害』などの病気を引き起こすことがあります。

4.どんな人にかかりやすい?

腎性高血圧は、先に解説したように「動脈硬化症」が原因になることも多いです。

そのため生活習慣との関連が高く、肥満』や『糖尿病』、『喫煙の習慣がある』といった人は、腎性高血圧になるリスクが高くなります。

腎性高血圧の治療法について

血液検査

1.検査法

腎性高血圧によって、血圧を上げる『レニン』というホルモンが分泌されます。そのため『血液検査』で血中のレニンの値を測定します。

そのほか、『超音波』や『CT』、『MR血管造影』、『腎動脈造影』などで、『画像検査』を行います。

画像検査では、腎臓の動脈の血流や動脈が狭くなっていないかなどを確認します。

2.腎性高血圧の薬物治療

「降圧剤」で血圧を下げる

薬物治療としては、『降圧剤』を用いて血圧を下げます

降圧剤としてよく使われるのは、『ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬』や『アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬』です。単体で効果がみられなければ、他の降圧剤とあわせて使います。

降圧剤の副作用や使用できないケース

降圧剤は副作用として、『高カリウム血症』になることがあり、注意が必要です。

高カリウム血症とは、体内のカリウム量の過剰、またはカリウムの細胞外への移動によって、血清カリウム濃度が5.5mEq/Lを上回ることです。

また、腎機能低下や、両側動脈狭窄、単腎例には原則として使用することができません。

3.腎性高血圧の手術

医師

腎性高血圧の根本治療には、手術をおこないます

せまくなった腎動脈を広げる手術

手術では、腎動脈のせまくなった箇所を広げます。

そのために、『経皮的動脈形成術(PTRA)』と呼ばれる手術法を用います。これは動脈にカテーテルを通して、バルーンで血管を拡張したり、『ステント』と呼ばれる筒状の器具を、せまくなった箇所にとどめおいたりする手術法です。

そのほかの手術法

PTRAの実施が難しい場合は、『血管のバイパス手術』がおこなわれることもあります。さらに、それも困難であれば、『腎摘出手術』も考慮されます。

腎性高血圧の診断をうけたら…気をつけること

1.食べ物について

塩分

塩分を控えることが大切!

腎性高血圧の場合、『塩分を控えること』特に大切です。1日にとる塩分量は6グラム未満を目標にしましょう。

塩分をとりすぎると、血圧を上げてしまうのはもちろんですが、腎臓にも影響を与えます。

血圧を下げるために、体は水分を体内に貯めようとしますが、体内の水分量が多いと血液量が多くなります。それらをろ過することが、腎臓に負担をかけ、『腎障害』を進みやすくします。

塩分を減らす工夫を

麺類の汁は残す、減塩調味料を使うなど工夫すると良いですね。

また、塩分の代わりに、スパイスや薬味を使ったり、だしのうま味やお酢の酸味をきかせたりすることもおすすめです。普段から濃い味のものを食べている人は、この機会に薄味に慣れるようにしましょう。

2.生活習慣について

体型管理

肥満の人は、標準体重を目指す!

腎性高血圧の原因になる「動脈硬化」は、『肥満』や『皮質異常症』によってかかりやすくなります。肥満状態であれば、減量し、標準体重を目指しましょう。

生活の中に運動を取り入れる

適度な運動は、尿たんぱくを減少させ腎臓の負担が減るため、血圧のコントロールに役立ちます。

喫煙やストレスも、リスクを高めるため注意

そのほか『喫煙』や『ストレス』も、腎性高血圧のリスクを高めます。禁煙を心がけ、ストレスの解消にもつとめてください。

まとめ

医師 回復

腎性高血圧にかかっていても、自覚症状はほとんどありません。

しかし、血圧が高いまま放っておくと、腎臓だけでなく、心臓や脳にダメージを与えることがあります。早くに発見し、血圧をコントロールするためにも、日頃から血圧を測定する習慣をつけることをおすすめします。

また、腎性高血圧にかかったら、食事制限や運動などに取り組み、改善につとめましょう。また動脈硬化が原因の場合、再発しやすいため、しっかりと生活習慣を見直す必要があります。

執筆・監修ドクター

岡村 長門
岡村 長門 医師 岡村クリニック 院長 担当科目 心臓血管外科/循環器内科/内科

経歴1996年 埼玉医科大学卒業
1997年 埼玉医科大学第一外科入(一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科)終了
1999年 戸田中央総合病院心臓血管外科医として就職
2000年 埼玉医科大学心臓血管外科就職
2006年-2012年3月 公立昭和病院心臓血管外科就職
2012年4月 岡村医院、医師として勤務
2012年7月 岡村クリニック開院

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