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「ステロイド」を使った突発性難聴の治療。副作用や投与量について

更新日:2017/07/06 公開日:2017/07/06 view数:1,375
突発性難聴 ステロイド

さまざまな病気の治療に使われる『ステロイド』ですが、どのような薬かご存知ですか?

皮膚科でぬり薬として処方されたことがある、という人もいるかもしれません。突発性難聴の治療としては、『点滴』や『飲み薬』として使われます。

こちらの記事では、なぜ突発性難聴の治療薬としてステロイドを使うのか、副作用や飲酒についてなど注意点を解説します。

目次
  1. 突発性難聴とは?
  2. ステロイドを使った突発性難聴の治療
  3. まとめ

突発性難聴とは?

1.片耳の聞こえが悪くなる病気

突発性難聴 ステロイド

突然片方の耳が詰まったように感じ、聞こえにくくなります。多くの人が同時に『耳鳴り』をともないます。『めまい』をともなうこともあります。

2.何が原因でかかるの?

原因ははっきりしていませんが、ウイルス感染によって起こるという説と、内耳の血流不良で起こるという説が有力です。多量飲酒や疲労、ストレスとの関連性が高いこともわかっています。

3.おもな治療法

安静にして心身ともに休めることが大切です。くわえて、『飲み薬』と『点滴』を用いて治療します。薬を使う治療の目的は、内耳の炎症を抑えることと、内耳の血流をよくすることです。

飲み薬と点滴をあわせて用いることが多いです。症状が軽い場合は飲み薬のみで治療します。症状が重ければ2週間ほど入院して治療することもあります。

ステロイドを使った突発性難聴の治療

1.なぜ治療にステロイドを使うの?

先に解説したように、突発性難聴の治療では、内耳に生じている炎症を抑えて機能の回復をはかります。そのため、炎症を鎮める作用のある『ステロイド』を使用します。ステロイドは、難聴に対する投薬治療のなかで、もっとも効果が期待できます。

2.ステロイド点滴について

突発性難聴 ステロイド

ステロイドの4段階の投薬量

ステロイドの投与量には4つの段階があります。

量が少ない方から、『少量』、『中等量』、『多量』、『パルス療法』といいます。病気の種類や症状に応じて投与量を変更します。

突発性難聴の治療は「多量」

このうち、突発性難聴の治療で投与するステロイド量は、多い方から2番目の『多量』で、体重1kgあたり1mgから2mgです。つまり、体重60kgの人には60mgから120mgのステロイドが投与されます。ステロイドは、使用量の管理が重要です。点滴は、飲み薬と比べて飲み忘れなどもなく、効果が高いとされています。

点滴は2週間程度おこなう

点滴をおこなう期間は、2週間程度です。突発性難聴に対して、それ以上投薬治療をおこなっても効果がありません。また、長期使用による副作用を避ける必要もあります。

効果がすぐに出るように、はじめに多量を投与します。徐々に量を減らし、2週間以内に使用を中止します。急に投薬をやめると、症状が悪化することがあるため、ゆっくりと量を減らしていきます。

3.副作用について

突発性難聴 ステロイド

有益な作用をもつステロイドですが、同時にさまざまな副作用もあります。

感染症にかかりやすい

ステロイドは、異常な免疫反応を抑えるはたらきがあります。一方で、多量に投与すると、正常な免疫反応まで抑えてしまうこともあります。それにより、感染症にかかりやすくなります。

胃の粘膜が傷つきやすくなる

突発性難聴 ステロイド

ステロイドは、胃粘膜を保護する物質を減少させます。そのため、胃の粘膜が傷つく『消化性潰瘍(かいよう)』にかかりやすくなります。

血糖値の低下や血中の脂質増加

ステロイドによって、体内の糖の利用が低下するため、血糖値が下がりにくくなります。

また、ステロイドは脂肪の合成を促進します。血中の脂質の値が高くなる『脂質異常症』や『動脈硬化』を起こすこともあります。

こうした血糖値や血管への影響から、『糖尿病』や『高血圧』の持病がある場合は、ステロイドの使用量を減らしたり、使用を避けたりすることがあります。

そのほかの副作用

そのほかには、『骨粗しょう症』や『不眠』を引き起こす、『皮膚が薄くなる』などの副作用があります。

副作用を抑える薬が処方されることも

こうした副作用を抑えるために、『胃薬』や『抗菌薬』を処方されることもあります。

4.治療中に注意すること

突発性難聴 ステロイド

自己判断で薬を減らさない!

ステロイドは副作用が多くて「怖い」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、短期間の投薬では、こうした副作用はあらわれにくいです。また、医師は副作用も見据えて薬を処方しています。病気の治療に必要だと判断しての投薬ですので、副作用が怖いからといって、自己判断で量を減らさないようにしましょう。

治療中、体調に異変を感じたら、医師に相談しましょう。

ステロイド治療中の飲酒はNG!

治療中の飲酒は控えましょう。ステロイドの効果を低下させたり、反対に必要以上に高めたりすることがあります。また、飲酒は突発性難聴との関連性が高いこともわかっています。ステロイド治療が終わってからも、多量の飲酒は避け、適量を心がけましょう。

また、喫煙も血流を悪くするので、治療中はなるべく避けましょう。

まとめ

発症から2週間以内にしっかり治療することが大切!

突発性難聴は、発症から2週間を過ぎると、治療の効果が低下します。

そのため、治療を始めるときに多量のステロイドを投与します。薬の量が多いと驚くかもしれませんが、決して自己判断で飲むのを止めたり、減らしたりしないようにしましょう。

また、ステロイドによる副作用は短期間の使用であれば、そこまで心配する必要はありません。早めに病院へ行き、薬の効果が高い2週間以内にしっかり治療しましょう。

執筆・監修ドクター

白畑 敦
白畑 敦 医師 しらはた胃腸肛門クリニック横浜 院長 担当科目 消化器外科

経歴2002年5月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年5月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年6月  幕内会 山王台病院 外科
2007年6月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年6月  関東労災病院 外科
2009年6月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年10月  横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年11月 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任

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