なるべく早く病院へ!突発性難聴でめまいが起こる原因と対処法
突然起こるめまいは、『突発性難聴』の恐れがあります。
いろいろな場面で起こり得る『めまい』ですが、「大したことない」と放っておくと、聴力を失うことさえあります。
こちらの記事では、突発性難聴がどんな病気か、なぜめまいが生じるのかについて解説します。
突発性難聴とは
1.どんな病気?
『突発性難聴』は、突然耳が聞こえなくなる、または聞こえにくくなる病気です。
ストレスやウイルス感染など…突発性難聴にかかる要因
突発性難聴の原因は未だ解明されていません。しかし、要因としては『過度なストレス』や『服用している薬』、『ウイルス感染』、『血行不良によって栄養が届かない』こと、などが考えられます。
また、そのほか『頭部の外傷』や飛行機に乗ったときなどに起こる、耳の奥の部位『内耳の気圧変化』によっても起こるリスクがあります。これらの要因で、音を脳に伝える神経に障害が起き、聞こえが悪くなります。
40~60代に多いが、子供もかかる
特に40~60代に多くみられますが、稀に子供がかかることもあります。
2.突発性難聴の症状
難聴や耳鳴り、耳がつまったような感じなど
突発性難聴は、通常片方の耳に起こりますが、稀に両耳に発症することもあります。
『難聴』の症状は、発症から数分~3時間以内の短期間で進行していきます。難聴の症状が出る前の前兆として、『耳鳴り』が起こることも多く、これによって耳の異変に気づく人も多くいます。
そのほか、『耳が詰まったような感じ』や『吐き気』、『嘔吐』などを感じる人もいます。
めまいの程度は人によってさまざま
『めまい』の症状を感じることもありますが、その程度は人によってさまざまです。
ふわふわと雲の上を歩いているような感じがしたり、ぐるぐると景色が回っているように感じたりします。
めまいは数分でおさまることもあれば、数日にわたって続くこともあります。突発性難聴にかかった3割の人がめまいを感じます。
症状は一過性で、繰り返すことはない
突発性難聴による症状は一過性です。改善と悪化を繰り返したり、再発したりすることは通常ありません。
ただし、その後の聴力の回復が難しいケースもあります。
3.なぜ突発性難聴でめまいが起こるの?
突発性難聴は、耳の最も奥にある『内耳』に何らかの障害が起こることで発症します。
その内耳には、平衡感覚をつかさどる『三半規管』という部位があります。
突発性難聴によって、三半規管が、正常に働かなくなり、平衡感覚に支障をきたすことで、めまいが生じます。
めまいを伴う突発性難聴の対処法
1.なるべく早く耳鼻咽喉科を受診!
突発性難聴にかかったら、『耳鼻咽喉科』を受診しましょう。
突発性難聴は、治療を早く始めることが非常に大切です。放っておくと聴力を失うこともあります。症状に気が付いたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
2.検査方法
まずは、難聴やめまいの原因を調べます。問診とともに、外耳道や鼓膜に異常がないかを診ます。
また、血液検査によって、ウイルスなどに感染していないかを調べます。
聴力検査もおこない、その結果によって、CT検査やMRI検査、平衡感覚検査などの精密検査を実施します。
3.治療法と完治の可能性
突発性難聴は、先に解説したように原因が解明されていないため、確実な治療法はありません。
安静にし、ストレスや疲労の解消につとめる
安静にすることが大切です。突発性難聴の要因といわれる、ストレスや疲労、睡眠不足などの解消につとめます。
ステロイド剤や血管拡張剤を用いた治療
それに加えて、炎症を抑える『ステロイド剤』や、末梢神経を正常に働かせる『ビタミンB12製剤』、血流障害を改善する『血管拡張剤』など、症状をみながら、薬を用いて治療します。
症状によっては、入院して安静を保ちながら治療することもあります。
適切な治療を受ければ1/3が完治する
突発性難聴は、治療を早く始めるほど、回復が期待できます。遅くとも症状があらわれてから2週間以内には、治療を開始する必要があります。
適切な治療を受ければ、1/3の人が完治します。そのほかの人には、聞こえづらさや耳鳴りなど、何らかの後遺症が残ります。
まとめ
めまいの症状があったら、できるだけ早く病院へ
突発性難聴は、誰にでも起こりうる病気です。
めまいが起きたからといって、必ずしも突発性難聴ではありません。
しかし、症状があったらできるだけ早く病院へ行くことが大切です。たった1回のめまいでも、病気が潜むサインかもしれません。
そのほかの病気の可能性も!
突発性難聴であれば、治療を始めるのは早ければ早いほど良いです。
また、『メニエール病』や『聴神経腫瘍』など、他にもめまいを起こす病気があります。めまいの原因をつき止めるためにも、異常を感じたら医療機関を受診しましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2002年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年6月 幕内会 山王台病院 外科
2007年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年6月 関東労災病院 外科
2009年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年10月 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年11月 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
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