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脂質異常症

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
医師

【執筆ドクター】

 板東 浩 先生

概要

脂質異常症とは?

脂質異常症は、脂質としてリン脂質、コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸の4種類ありますが、これらが血中に多くなり基準値より高い状態です。それぞれ活動維持のために必要な要素ですが、飽和状態になると動脈硬化につながります。自覚症状には乏しく、動脈硬化の進行で脳梗塞や心筋梗塞など将来的に致命的な病気を引き起こす原因になります。「食生活の改善」「運動する習慣づけ」をおこなうことで改善を図る必要があります。
主に内科、内分泌代謝内科、糖尿病内科で受診が可能です。

症状

脂質異常症の最大の問題は、症状がないという点である。

気づかないうちに、血管の壁にコレステロールが蓄積してプラーク(こぶ)となり、血管の壁を狭くしさらに固まる(動脈硬化)可能性が高い。
脳の血管が詰まれば脳梗塞に、心臓の血管なら心筋梗塞になるリスクがある。

数値に異常があり、再検査と言われても症状がないために放置する人が少なくないため、その結果自分の寿命を縮めていることにもなる。
脂質異常症は10年20年先を見据えて治療すべき病気であり、無視せずこつこつとケアすることが推奨される。

原因

中性脂肪やコレステロールが多すぎることが原因である。特にコレステロールの中でも悪玉(LDL)コレステロールが多いと動脈硬化になりやすい。
また、善玉(HDL)コレステロールが少ないことも原因となる。

中性脂肪やコレステロールが増えてしまう原因には、生活習慣が大きく関わる。
例えば、夜遅くにご飯を食べたり、丼物などの脂っこい食事をとりすぎたり、運動不足で肥満になっている人は脂質異常症になりやすい。
また、親が脂質異常症だとなりやすいとも言われており、遺伝的要因もある。

検査内容と主な診療科目

内科、内分泌代謝内科、糖尿病内科で受診可能。

主に血液検査を受ける。血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が過剰に多いことや、善玉コレステロールが不足している状態であると脂質異常症と診断される。
具体的な数値は下記の通り。

悪玉コレステロール(LDLコレステロール):140mg/dL以上
善玉コレステロール(HDLコレステロール):40mg/dL未満
中性脂肪(トリグリセライド):150mg/dL以上

脳梗塞などのリスクを減少させるために、何よりまずは自分のコレステロールや中性脂肪の数値を認識することが重要である。

定期的な血液検査を受けることが好ましく、頻度は年1回の健康診断が目安である。
職場の定期健診などの機会がない方は自治体の健診に申し込んだり、医療機関で検査を受けたりすることが可能である。

また、一度でも健康診断で異常な数値が出たという方は医療機関を受診し、医師の指導に従って数値をコントロールする。

治療方法と治療期間

脂質異常症の治療には、薬物療法と食事管理、運動療法が必要となる。

薬物療法

薬は1日1回服用し、1か月に1回程度通院し、経過を診る。個人差もあるが、服用後1か月程度で結果が出る。

基本的に服用は一生ではあるが、高齢になったら薬が要らなくなるケースもある。体質や生活リズムが変わって食事量が減って痩せたことで数値が安定するため。

食事管理

脂質異常症の大きな原因は食べ過ぎなどの食生活の乱れにある。そのため、治療や予防のためには、1日3食、規則正しく食べることを心がける。

もともと規則正しい生活ができていたり、食事管理をきちんとしてくれる家族がいたりすればさほど問題ないが、比較的一人暮らしの若い男性が発症しやすい。

20~30代の若い方で、朝・昼は食べず夕食だけという人や、昼間は缶コーヒーだけ、毎晩コンビニ弁当で野菜もあまり食べていない、というような食生活をしていれば若いうちからコレステロール値が高くなっていく可能性がある。

そのままの生活を続けると、一生の間のコレステロールの平均値も上がってしまい、寿命を縮めることになる。

野菜、大豆、海藻類に含まれる食物繊維はコレステロールや脂質を身体が吸収するのを抑えてくれるので、食事をする際は先に食べることが好ましい。

運動療法

脂質異常症のケアに不可欠なのが運動療法である。

ダンベルを持ち上げるような、いわゆる筋トレというよりは、話を笑顔でできる程度のペースでするウォーキングや、遅めのランニング、水中ウォーキングが良い。

それらの有酸素運動を1日30分くらい、週3回程度行う。

激しい運動を目標にしてしまうと身体に負担がかかり、逆効果になることもあるため個人に合わせた運動量を医師と相談しながら実施していく。

最寄り駅まで自転車を使っていたという方は歩く頻度を増やしたり、エスカレーターをやめて階段を使ったりなど、無理なく続く方法を選択することが有効である。

治療の展望と予後

症状がないため放置していると、血管の壁にコレステロールが蓄積してプラーク(こぶ)となる。その結果、動脈硬化がおこる可能性がある。

これにより脳の血管が詰まれば脳梗塞になったり、心臓の血管なら心筋梗塞になったりするリスクがあるため症状がなくても検査で指摘された場合はケアする必要がある。

発症しやすい年代と性差

60歳以上の女性に多く見られやすい。
女性ホルモンには善玉コレステロールを上げる作用があるために女性は脂質異常症になりにくいものの、閉経すると女性ホルモンが減少するため、悪玉コレステロールが高くなることが原因と考えられる。

更年期以降の女性は、定期的な血液検査で問題がないかをみることが好ましい。

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