ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

夜間・休日に電話1本で医師がご自宅へ

急な発熱時など往診(自宅で診察・処方)の無料電話相談を受付しています。

0066-98090-0345523(無料電話相談)

夜間・休日に電話1本で医師ご自宅へ

今すぐ電話する無料電話

じんけっせき腎結石

更新日:2022/08/09 公開日:2019/11/25 view数:43,537

腎結石(じんけっせき)とは、尿に含まれる物質が腎臓の中で結晶化して結石という石のようになったもののことです。結石は小さければ尿とともに排出されますが、そのまま腎盂(じんう)にとどまり大きくなるものもあります。

腎臓で腎結石としてとどまっている状態では症状がほとんどあらわれません。この結石が尿管に移動し、尿管結石となると急激に激しい腹痛や腰痛があらわれます。また、腎臓の機能障害をひきおこすこともあります。

原因はさまざまですが、喫煙習慣や、動物性タンパク質や糖質のとり過ぎなど食習慣との関係が指摘されています。肥満や高血圧との関連も示されているため、メタボリック症候群のひとつの症状と位置づけられることもあります。

腎臓に結石がとどまっている場合はほとんど症状が出ないため、治療をしないで経過を観察します。しかし尿管結石となったものに対しては治療が必要です。皮膚の上から衝撃波をあてて結石を粉砕する「体外衝撃波結石破砕術」などもあります。

目次
  1. 腎結石の症状
  2. 腎結石の診療科目・検査方法
  3. 腎結石の原因
  4. 腎結石の予防・治療方法・治療期間
  5. 腎結石の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 腎結石になりやすい年齢や性別

腎結石の症状

激しい腹痛や腰痛、血尿がおきます。はきけや嘔吐(おうと)がおこることもあります。

結石が腎盂内にとどまっていれば基本的に症状はあらわれません。しかし、結石が大きくなり腎盂内でつまったり、尿管に移動したりすると自覚症状があらわれはじめます。

腎臓の出口部分にあたる腎盂尿管移行部や動脈を尿管がまたぐ総腸骨動脈交差部、膀胱(ぼうこう)の入り口にあたる膀胱尿管移行部など、せまくなった場所を結石が通過すると症状があらわれます。
また、通過できずに結石がとどまることで尿管閉塞(にょうかんへいそく)をおこすこともあります。

結石はそのまま膀胱まで移動すれば、多くの場合は尿管より太い尿道から、排尿時に体外に放出されます。

腎結石の診療科目・検査方法

問診では、自覚症状や家族歴、既往歴などを確認します。また血液検査では抗体などを調べて炎症がおきていないかを確認します。

尿検査で血尿や尿路への感染がないか確認します。

X線検査や、超音波(エコー)検査、CT検査などの画像検査をおこないます。

X線検査では、単純に腹部を撮影する場合と造影剤を使用して腎臓や尿管の様子を確認する「排泄性腎盂造影検査」をおこないます。CT検査ではX線検査では確認できない結石がないか調べることができます。

これらの検査だけでは診断が難しいと判断した場合、膀胱から尿管への出口を確認してカテーテルという細い管を入れて、そこから造影剤を流し込み撮影する「逆行性腎盂造影(RP)」をおこないます。この検査で腎盂や尿管の形状をくわしく確認することができます。

腎結石を放置していると腎機能に重大な障害をもたらす可能性があります。検査などで発見された場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。

腎結石の原因

原因はさまざまです。尿が排出されにくい、尿が濃くなるなどの症状があらわれる病気、尿路感染症、副甲状腺機能亢進(こうしん)症によるホルモンの分泌などが原因になることがあります。
また服用している薬剤などの影響でおこることもあります。

しかし多くの場合は原因不明の特発性結石症です。環境、遺伝などさまざまな要因が関連しておこると考えられています。

また、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病にも発症リスクがあります。
その中でも食生活との関係が指摘されており、動物性タンパク質や糖分、脂質、塩分の摂取量が多い、カルシウムの摂取が極端に少ない、水分をあまり摂取しないなどの食事にかかわる習慣が発症リスクを高くします。

腎結石の予防・治療方法・治療期間

症状がなく、感染や腎機能への異常がない場合は、基本的に経過観察になります。尿管に結石が移動した場合も60%は自然に排石されます。結石の直径が成人では8mm以下、小児では4mm以下であれば自然排石の可能性を優先します。

痛みを伴う場合は鎮痛剤を使用することがあります。細菌への感染が確認されている場合は抗菌薬を使用します。

腎結石が尿管に移動し、症状をひきおこしている場合、また自然排出が不可能と判断された場合には以下の3種類の治療法から、患者さんの体力や病状に合った方法を選択します。

ESWL(体外衝撃波結石破砕術)

体外から結石に対してピンポイントで衝撃波を発射し、結石を粉砕します。基本的に麻酔も必要なく、体を傷つけることもありません。

ただし、粉砕した結石が尿とともに体外に排出されるまでには時間がかかります。また、必要に応じて鎮静剤を投与します。通常は1度で済みますが、結石が大きく硬い場合は複数回の治療が必要となります。

外来での治療が一般的ですが、1~2日の入院が必要なケースもあります。多くはおよそ1時間で終了します。

また、結石が大きい場合はおこなえないことがあります。そのため、この治療をおこなう前に結石の状態を検査して把握しておく必要があります。

TUL(経尿道的尿管砕石術)

尿道から尿管鏡を挿入し、結石を直接確認しながらレーザーや空気衝撃波で結石を粉砕し摘出する治療法です。下半身麻酔でおこなうことができます。

4-7日程度の入院が必要です。

PNL(経皮的腎砕石術)

腎臓内にとどまった大きめの結石に対しておこなわれることが多い治療法です。背中に開けた小さな穴から腎臓へ内視鏡を挿入し、確認しながら粉砕器具で結石を砕いてから取り出す方法です。ESWLやTULと組み合わせておこなわれることもあります。

手術による傷は比較的大きくなります。腎臓にむけて穴を開けるため1~2週間程度の入院が必要となります。

腎結石の治療経過(合併症・後遺症)

腎結石・尿管結石を含む尿路結石は5年以内に再発する可能性が50%とされています。このリスクを下げるためにも、予後の生活改善と定期的な検査が重要です。

摘出した結石はその成分を分析し、結石の主成分を確認することも再発防止に有効です。結果によっては精密検査が必要になります。

喫煙習慣がある場合はまず禁煙します。

飲水は排尿を促します。体内の循環のためにも1日あたり食事以外で2リットルの飲み水を飲むようにすることが推奨されています。水道水のほか、結石の成分となるシュウ酸の少ない麦茶やほうじ茶の飲用が適しています。ミネラルウォーターは硬水よりも軟水が適しています。

食事はバランスよく摂取しましょう。それまで食べ過ぎていたりや偏よった食事をしていた場合は改善します。

また、結石の原因となるシュウ酸を排泄するため、また、カルシウムを摂取します。シュウ酸は多くのものに含まれていますが、その中でもホウレンソウやたけのこ、チョコレートや紅茶などに多く含まれています。例えば、ホウレンソウのおひたしにはシラス干し、チョコレートや紅茶にはミルクが含まれるものを一緒に摂取するようにします。

適度な運動をおこない、体の代謝を高めます。運動後はできるだけ発汗で失われた水分の補給をしましょう。

腎結石になりやすい年齢や性別

腎結石を含む上部尿路結石は、2005年の調査では10万人あたり134人にありました。内訳は男性が192人、女性が79人となっており、男性に多くみられます。また、生涯のうちに発症する確率は男性15%、女性7%と、男性が女性の2倍です。

また、1965年の調査では10万人あたり63.8人でした。40年で約3倍に増加しています。これは食生活の変化や、高齢者層の割合が増えたことが原因と推測されています。

初めて腎結石ができる年齢は男女とも50歳代に多く、さらに高齢化傾向にあります。

特に予防手段を講じない場合は約半数が5年以内に再発しています。

執筆・監修ドクター

陶山 俊輔
陶山 俊輔 医師 陶山クリニック 院長 担当科目 泌尿器科

経歴2005年3月  久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月  福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月  久留米大学病院 泌尿器科 入局
       久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月  久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月  陶山クリニック開院

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

腎結石以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

腎結石に関連するカテゴリはこちら。