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にょうかんけっせき尿管結石

更新日:2022/09/27 公開日:2019/12/26 view数:7,409
目次
  1. 尿管結石とは
  2. 尿管結石の症状
  3. 尿管結石の診療科目・検査方法
  4. 尿管結石の原因
  5. 尿管結石の予防・治療方法・治療期間
  6. 尿管結石の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 尿管結石になりやすい年齢や性別

尿管結石とは

尿管結石(にょうかんけっせき)は、尿管に結石がある状態のことです。

尿管とは、腎臓でつくられた尿を膀胱へ送るための腎臓と膀胱をつなぐ管のことです。腎臓から膀胱を経て体外へ出るまでの通り道を尿路と呼びます。

尿管結石は「尿路結石症」のひとつで、さらに腎結石と尿管結石をまとめて上部尿路結石と呼びます。

結石の主な成分はカルシウムです。これ以外に尿酸なども結石の成分になります。2005年の調査では9割以上の患者さんにカルシウムを成分にした結石が確認されました。

結石は食習慣と関連していることがわかっており、尿路結石はメタボリックシンドロームの一疾患ととらえるようになってきています。

そのため近年は増加傾向にあります。尿管結石によって尿の流れがせき止められることで尿管が刺激され痛みを生じます。

この痛みは激しく「人体が感じる三大激痛のひとつ」と称する人もいるほどです。また、排石できないことで細菌感染を合併しやすくなります。

結石が尿管を過ぎて膀胱を抜け、尿道から最終的に体外へ尿と一緒にうまく排石されれば問題はありません。しかし、大きいものであれば、なんらかの治療が必要になります。

こうした場合、以前は尿管切石術などの手術が主流でした。現在では、内視鏡を用いて結石を破砕したり、体外から衝撃波を加えて結石を砕いたりする治療法が主流です。

さらに改良されたレーザー破砕機の普及も進んできています。

尿管結石の症状

尿管結石は、激しい痛みと血尿が主な症状です。

腎臓で尿がたまるスペースになっている腎盂(じんう)内に結石がある状態では痛みがないこともありますが、尿管に移動して尿の流れがせき止められることで激しく痛みます。

これは突然おこり、疼痛発作(とうつうほっさ)と呼ばれます。この痛みはわき腹から背中、下腹部にかけて持続的におこります。

発生場所からはなれた位置でも痛み(放散痛)がおこり、精巣が痛むこともあります。

ほかにも吐き気や嘔吐(おうと)、血尿が確認されることもあります。結石が尿管下部へ移行していくと排尿痛や頻尿が生じ、残尿感があることもあります。

尿の流れがせき止められることで腎臓の内圧が上昇し、水腎症をおこします。結石はギザギザしていることが多く、尿管を傷つけることで血尿の原因となります。

結石が細菌感染によってできていたり、細菌感染を合併したりすると尿が濁る、高熱を出すなどの症状も確認されます。

尿管結石の診療科目・検査方法

尿管結石の痛みは非常に激しいため、泌尿器科への受診は必須です。

尿管結石の痛みかどうかわからないときは救急病院を受診してください。検査の結果尿管結石と診断された場合は必ず泌尿器科の医師の診察をしてもらうことをお勧めします。

検査では問診、尿検査をおこないます。尿検査により血尿や細菌の混入、結石成分の結晶などがあるか確認します。

また、画像診断もおこなわれ、レントゲン検査やCT検査、超音波検査などにより結石の大きさや位置を確認します。

尿管結石の原因

尿管結石は、食習慣が主な原因とされています。

結石の成分を確認すると、カルシウムを主成分に、シュウ酸やリン酸が結合した物質で構成されていることがわかります。

リン酸は動物性たんぱく質に、シュウ酸はコーヒーや紅茶、野菜にそれぞれ多く含まれています。

これらは本来、腸でカルシウムと結合して便として排せつされますが、量が多いために尿中で結合し、結石となっていると考えられます。

また、プリン体を多く含む食品と結石の関連についても指摘されています。

ほかの要因として、結石ができやすい遺伝的素因がある場合もあります。結石の成分などはすべて解明されてはおらず不明な点も多くあります。

現在では、メタボリックシンドロームの一疾患であるととらえることが多いです。

そのため、カロリーや脂肪を抑えたバランスの良い食事を心がけ、肥満を解消する適度な運動をおこなうことが、結石だけでなくメタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防になります。

尿管結石の予防・治療方法・治療期間

尿管結石の治療方法は、結石の大きさと尿管のどの位置にあるかによって変わります。

10mm未満の小さな結石で、障害がなければ自然排石を見守る場合があります。10mm未満の結石の2/3は4週間以内に自然と排石されています。

結石が大きな場合や、1ヵ月以上かけても自然排石されない場合は、患者さんの状況も考慮しながら治療方法を選択します。

カルシウム拮抗薬やα1遮断薬など自然排石を促す薬剤もあるため、状況に応じて用いられることがあります。

尿管上部にある10mm未満のものに対して治療を施す場合は、「体外衝撃波結石破砕術」が第一選択となります。

これは体外から衝撃を加えて結石を破壊する方法です。胆石などほかの結石にも使用されます。この治療方法は外来での治療が可能です。

ただし、流産など胎児への危険があるため、妊娠中の女性に対してはおこなえません。

結石が10mmより大きい場合や尿管中部に移動している場合は「経尿道的結石破砕術」の選択も考慮します。

これは細い尿管鏡を尿管まで入れて結石を画像で確認しながらレーザーで破砕する方法です。尿管を傷つける可能性はあるものの、高い治療効果が見込めます。

結石そのものに対する処置だけでなく、激しい痛みに対する処置も尿管結石の治療では求められます。鎮痛剤としてNSAIDsという薬の使用が最初に考えられます。

しかし、腎臓機能の低下が確認されている場合にはほかの鎮痛剤を使用することもあります。また妊娠中の女性にはNSAIDsを使用できません。

尿管結石の治療経過(合併症・後遺症)

尿管結石の自然排石は、結石が尿路上部にあり、小さいものであるほど可能性は高くなります。

破砕術は、外来で可能な「体外衝撃波結石破砕術」でも腎障害などの術後合併症がおこる可能性があります。

「経尿道的結石破砕術」では、尿管粘膜や尿管穿孔など、尿管を傷つけてしまうことがまれにおこります。また手術時間が長くなるなどで、術後に重篤な合併症をおこす可能性があります。

結石は生活習慣などを改善しないでいると再発する可能性があります。

「水を飲む習慣をつけ、食生活の改善をすることで、再発防止を期待できる」と、尿路結石症診療ガイドラインでは推奨しています。可能であれば、食事と別に1日2Lの水分摂取をおこなうことをお勧めします。

尿管結石になりやすい年齢や性別

尿路結石については、1965年から約10年ごとに全国疫学調査が実施されています。

尿路結石の約96%は腎結石と尿管結石を合わせた上部尿路結石です。この数値は近年ほぼ一定しています。

また尿路結石全体では男女比が2.4:1となっており、男性に多い疾患といえます。

発症しやすい年代としては、男女ともに30~50歳代です。

女性の年齢分布は、1965年の調査では20歳代がピークだったものが、1985年以降では50歳代がピークとなるようになりました。

一方、男性の年齢分布には変化があまりありません。生涯でみると男性は7人に1人、女性は15人に1人が尿路結石になると予測されています。

2005年の年間罹患率は、人口10万人に対して134人でした。この数値は1965年の調査時の3倍あり、国内では常に増加傾向を示しています。

このような増加傾向は日本に限った話ではなく、社会経済が発展を遂げているほかの国でも同様の状況が確認されています。

こうしたことからも食習慣との関連が指摘されています。

執筆・監修ドクター

陶山 俊輔
陶山 俊輔 医師 陶山クリニック 院長 担当科目 泌尿器科

経歴2005年3月  久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月  福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月  久留米大学病院 泌尿器科 入局
       久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月  久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月  陶山クリニック開院

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