尿管結石の治療法を大きさ別に解説!入院期間は?再発予防の食事とは

尿管結石は、腎臓でできた結石が、尿管に降りてきた状態のことです。
尿管で結石ができることは少なく、ほとんどが腎臓で作られたものです。この尿管結石が、尿管で通過障害を起こすと激しく痛みます。
治療は薬や食事療法、運動療法などを行い、それでも排石されない場合は、結石を砕く治療法が用いられます。
この記事では、尿管結石の治療についてご紹介します。
尿管結石についてカンタンに説明!原因と症状は?

1.尿路結石は4つに分けられる
尿路結石は、結石ができる位置によって『腎結石』『尿管結石』『膀胱結石』『尿道結石』の4つに分けられます。
尿の通り道である『尿路』は、腎杯(じんぱい)、腎盂(じんう)、尿管(にょうかん)、膀胱(ぼうこう)、尿道(にょうどう)に分けられ、このうちどこに結石が出来るかで名称が変わってきます。
腎盂や腎杯で作られた結石が尿管を通って下へと降りてきて、尿の通過障害が起こるときに突然激しい痛みが起こり、血尿が見られることがあります。
2.痛みの原因と症状
腎臓に結石がある時は、ほとんど痛みはありません。痛みの原因は、結石が尿管に詰まることによって、尿の圧力が高くなり、尿管がけいれんを起こすことで神経を刺激すると言われています。
痛みが起こる場所は、腰やわき腹の辺りの側腹部、下腹部などで、痛みの他には吐き気や嘔吐などの症状が見られることもあります。
3.どんな人に多い?結石ができやすい場所は?

尿路結石は、30代から60代の男性に多く多く見られ、腎杯、腎盂、尿管などの上部尿路にできるものが約95%といわれています。結石はほとんどがカルシウムなどを含んだカルシウム結石です。
女性では50歳代に発症のピークがあり、閉経などのホルモンバランスの変化が関与しているといわれています。
尿管結石の治療法

尿管結石の治療は、結石の大きさによって治療方法が異なってきます。症状がある場合でも、自然排石させることは可能です。
1.結石が小さい場合の治療
大きさが8mm以下の小さな結石の中でも、特に5mm以下の場合は、自然排石の可能性があります。
薬や食事、運動で排石を促す
医療機関では排石促進薬として、抗コリン薬や生薬や漢方薬などを、痛みを訴える方には,抗コリン作用をもつ鎮痙薬やジクロフェナクナトリウムやインドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬の座薬などを処方します。
薬物療法の他、適切な食事や尿管からの通過を促すための適度な運動を行うよう指示をもらいます。
食事は水分をしっかりとり、嗜好品や偏った食事(カルシウム,肉類,シュウ酸,ビタミンC,ビタミンDなどの過剰摂取)を避けます。
治療法の変更の目安
保存療法をしても、2~3週間たっても結石の位置が変わらない、あるいは痛みを繰り返すなど、症状の変化が見られなければ、結石を砕く治療が必要になります。

2.結石が大きい場合の治療
先に解説したような治療を行っても、結石がなかなか排石されない場合は、内視鏡を用いた超音波で結石を砕く、体の外側から衝撃を加えて結石を砕く方法などが用いられます。
これらの手術は、砕けた結石をしっかりと排石することが必要であるため、水分補給や食事の改善、運動など、まずできることはしっかりと行った上ですることが大切になります。
衝撃波を用いる治療
入院期間は2日程度です。副作用や後遺症などはありません。
体外衝撃波結石破砕装置というもので体の外側から衝撃を加えて結石を砕く方法で、MRIを受ける時と似ている診察台の上に横になっているだけです。
音波の一種である衝撃波を体の外から結石に向けて照射して粉砕します。痛みを感じることはほとんどありません。

内視鏡を尿道から挿入して砕く治療(経尿道的尿路結石砕石術)
入院期間は4~5日程度で、内視鏡を尿道より挿入して砕く方法です。
麻酔をしたのち、尿道から内視鏡を膀胱内に入れて、さらに尿管内にまで内視鏡を進めて、尿管の中にはまり込んだ結石 あるいは腎臓の中の結石を破砕します。レーザーを用いて結石を破砕しています。
背中から穴を空けて腎ろうをつくる治療(経皮的尿路結石砕石術)
入院期間は7~10日程度で、背中から穴を開け『腎ろう』を作り、内視鏡を挿入する方法です。
腎ろうは、尿管に連なる腎盂というところにカテーテルを挿入し、体外へ尿を排泄させるためにつくる穴です。
腎臓や腎臓に近い部分の尿管にある大きな石や多数の石がある場合、穴から内視鏡を入れ、腎臓の結石を砕石、取り出すために、腎ろうを作ります。
尿管結石の再発と、予防する食事・運動

1.再発の可能性
尿管結石は、再発が大変多い病気です。自然と治ることも多いのですが、再発することも多く、治療を行っても、30~50%の方に再発が報告されています。
食事指導や生活指導を行わなければ、8割もの人が再発するといわれる病気です。
予防する上では、食生活が重要になりますので、食事の改善を行うようにします。
2.再発予防のために食事・運動で気をつけること

水分補給はたっぷりと
水分は水または麦茶、ほうじ茶などをたっぷりと摂るようにします。1日2リットル以上の尿量を保つことが大切です。
紅茶やコーヒーにはシュウ酸が多く含まれているのでなるべく避けるようにした方が良いでしょう。
アルコールや清涼飲料水、甘みのある飲料も、血液が酸性に傾くことでカルシウム結石につながるため、なるべく控えることをおすすめします。
肉類など動物性たんぱく質の取り過ぎを控える
肉類など動物性たんぱく質の取り過ぎは、尿路結石を引き起こす大きな要因になります。バランスの良い和食メニューを心がけましょう。
シュウ酸カルシウムの摂取量を減らす
結石の成分のほとんどは、シュウ酸カルシウムがほぼ占めていると言われています。
ですから、ホウレン草やたけのこなど、シュウ酸カルシウムが多く含まれている食品には注意することが大切です。
また、食べる場合でも流水で洗いながすなどの一手間や、茹でるなど調理法に工夫をし、シュウ酸の摂取量を減らしましょう。

ビタミンCやカルシウムはサプリメントからではなく、食品から摂取をする
小魚や牛乳などでカルシウムを適量補いましょう。サプリメントは特定の栄養素が過剰にとれてしまう恐れがあるため、食品からの摂取が望ましいです。
運動は、階段の上り下りなどもおすすめ
運動は、適度に上下に動かして、下腹部の扇動を促すものが効果的です。日常生活の中では、階段の昇降など、積極的に上下運動を行なえるような動きを取り入れましょう。
まとめ
尿管結石は、治療を行っても再発することも多い病気です。
自然に治癒することもありますが、繰り返しやすいため、放置せず病院できちんと治療し、再発予防のための水分摂取など、正しい食事の習慣を取り入れるようにしたいものです。
日頃からバランスの良い食事や規則正しい生活、適度な運動を行うことで重症化することを防ぎましょう。
執筆・監修ドクター
経歴1996年 埼玉医科大学卒業
1997年 埼玉医科大学第一外科入(一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科)終了
1999年 戸田中央総合病院心臓血管外科医として就職
2000年 埼玉医科大学心臓血管外科就職
2006年-2012年3月 公立昭和病院心臓血管外科就職
2012年4月 岡村医院、医師として勤務
2012年7月 岡村クリニック開院
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