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べーちぇっとびょうベーチェット病

更新日:2022/08/09 公開日:2019/11/12 view数:9,939

ベーチェット病(べーちぇっとびょう)とは、全身に炎症を繰り返す原因不明の病気です。治療の難しい病気で厚生労働省では難病に指定されています。病名は最初に報告した研究者の名にちなんで名づけられました。

  • 口の粘膜
  • 皮膚
  • 男性であれば陰嚢、陰茎、亀頭、女性であれば大小陰唇、膣粘膜

この4カ所に症状があると、ベーチェット病の可能性があります。こうした部位以外に、関節、胃や腸などの消化器、血管にも症状がおよぶこともあります。

ステロイドで炎症を抑える治療が一般的ですが、新たな治療方法も開発されています。

女性より男性の方が重症になりやすいとされています。
また、日本では、北海道から東北にかけて患者さんの多い傾向があります。

目次
  1. ベーチェット病の症状
  2. ベーチェット病の診療科目・検査方法
  3. ベーチェット病の原因
  4. ベーチェット病の予防・治療方法・治療期間
  5. ベーチェット病の治療経過(合併症・後遺症)
  6. ベーチェット病になりやすい年齢や性別

ベーチェット病の症状

主に4つの症状があらわれます。そのほかには副症状とよばれるさまざまな症状が確認されています。

口の粘膜の症状

口の中の粘膜に口内炎のようなもの(潰瘍)が繰り返しできます。この潰瘍は痛みがあり、歯茎や舌など口の中のさまざまな場所にできます。いくつか同時にできることもあります。ベーチェット病の症状の中でも、最初にあらわれることの多い症状です。

皮膚の症状

脚や腕に赤みのあるしこり(結節性紅斑様皮疹:けっせつせいこうはんようひしん)があらわれます。このしこりは痛みがあり、顔や胸にニキビのようなもの(座瘡様皮疹:ざそうようひしん)ができることもあります。また、皮膚が敏感になり、カミソリまけしやすくなることもあります。

外陰部の症状

男性であれば陰嚢(いんのう)や陰茎(いんけい)、亀頭、女性であれば大小陰唇や膣粘膜などに痛みのある潰瘍ができます。潰瘍は口の中の粘膜にできるものと形は似ていますが、こちらの方が深くなることがあります。ベーチェット病の特徴的な症状の一つですが、医師に相談しにくい部分であるため、見逃されることもあります。

目の症状

眼痛、まぶしく感じる(羞明:しゅうめい)、霧がかかったように見える(霧視)、瞳の大きさが左右で異なる(瞳孔不整)などの症状があらわれます。また、網膜や脈絡膜などの目の奥にある部分が炎症をおこすこともあります。進行すると、急激に視力が低下し、場合によっては失明することもあります。また、左右両方の目に症状があらわれるのも特徴です。

副症状では、大きな関節の炎症や、胃腸などの消化器に潰瘍ができて腹痛や下痢などをおこすことがあります。血管に炎症をおこし動脈瘤ができることもあります。そのほかにも神経にかかわる症状があらわれる「神経ベーチェット病」などでは麻痺をおこしたり、認知症などの精神症状があらわれることもあります。このように身体のあらゆる部分に症状がおよぶ可能性があります。

ベーチェット病の診療科目・検査方法

皮膚の症状であれば皮膚科、目の症状であれば眼科など、まずは症状のあらわれた部分に応じた診療科を受診することになります。下血(げけつ、消化管内の出血が肛門からでること)したことで、消化器内科を受診し内視鏡検査をおこなうこともあります。

ベーチェット病かどうかを直接的に見極められる検査はありません。あらわれている症状から総合的に判断されます。[症状]の項で示した1~4の症状がすべて出揃っていれば、(完全型)ベーチェット病と診断される可能性が高くなります。症状は一度にあらわれるわけではなく、長い年月をかけて症状が揃い、はじめてベーチェット病と診断される場合も少なくありません。また、そのほかの副症状なども含めて診断し、4つの症状すべてがあらわれていなくても、不全型ベーチェット病と診断される場合があります。

ベーチェット病の原因

はっきりとした原因は不明です。
遺伝的な要因がある、免疫機能の異常に基づいているなど、いくつかの説がありますが、まだ特定はされていません。
実際に家族内で遺伝することは多くはありません。また、地域などで発症に違いがあることから、気候なども含めた生活環境が関係している可能性も考えられています。

ベーチェット病の予防・治療方法・治療期間

ベーチェット病の症状はとても幅広いため、すべての症状に効く特効薬や治療法はありません。また、どの症状が、どのくらいの重さであらわれているかによっても治療方法は変わります。

基本的には、ステロイドなどの薬を使って、炎症を抑える治療をおこないます。薬の使い方については目の症状に対しては目薬、皮膚などの症状に対しては塗り薬をそれぞれ使うほか、飲み薬や、注射して使用することもあります。

また、症状が重い場合や、再発を防ぎたい場合に、免疫のはたらきを抑える薬を使うこともあります。

2007年にはインフリキシマブという生物学的製剤が目の症状に対する治療に対して保険適用になりました。

ベーチェット病の治療経過(合併症・後遺症)

一般的に、症状はよくなったり悪くなったりを繰り返しますが、10年ほど経つと、少しずつ落ち着き、再発しなくなったり、口内炎のみになったりすることが多いとされています。
ただし、目の症状が重い場合や、消化器、血管などにも症状がおよんでいた場合は、経過がよくありません。

症状が落ち着いてからも、再発を防ぐために、

  • 睡眠、休養を十分にとる
  • バランスのとれた食事をする
  • できるだけストレスを溜めない

といったことを心がけるとよいでしょう。季節の変り目や梅雨、かぜを引いた直後などは悪化することが多いので、特に注意が必要です。

ベーチェット病になりやすい年齢や性別

日本国内で、ベーチェット病により医療費助成を受けている患者さんは2013年3月の時点で19,147人です。

発症しやすい年代は20~40代で、30代前半にピークを迎えます。男女でかかりやすさに違いはありませんが、男性の方が重い症状になりやすい傾向があります。

また、日本では北日本に多く、北海道や東北地方に多く見られるという特徴があります。

執筆・監修ドクター

金子 俊之
金子 俊之 医師 とうきょうスカイツリー駅前内科 院長 担当科目 内科/リウマチ科/アレルギー科

経歴2006年3月 金沢医科大学医学部卒業
2006年3月 医師国家試験合格
2006年4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床研修医
2008年4月 順天堂大学医学部膠原病内科学講座 専攻生
2009年4月 順天堂大学大学院医学研究科入学
2013年3月 大学院卒業 博士号取得
2013年4月 非常勤助教
2014年1月 とうきょうスカイツリー駅前内科 院長

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