脂質異常症を改善する食事は?コンビニ食はOK?ドレッシングも注意
脂質異常症は、悪玉コレステロールの増加や善玉コレステロールの減少を特徴とする生活習慣病の一つです。
日々の生活習慣や食事を見直すことが、改善への近道となります。
この記事では、脂質異常症と診断された方の食事療法について解説します。メニューの選び方や食事のタイミングなどに注意して改善を目指しましょう。
脂質異常症とは?
脂質異常症とは、血中に含まれる悪玉コレステロールが必要以上に増えるか、善玉コレステロールが減りすぎてしまった状態のことです。
- 悪玉:LDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)
- 善玉:HDLコレステロール
原因は食生活であることがほとんどなので、食事療法により症状を改善します。
改善すべきは中性脂肪!
LDLコレステロールは肝臓で作られるもので、増える原因は「甲状腺機能の低下」なので食事はあまり影響しません。
改善すべきは中性脂肪であり、これは食生活を見直すことで減らせます。また、中性脂肪の減少は肥満の改善にもつながります。
注意!脂質異常症の原因となる食生活
中性脂肪が高い人は、次のような食事を多く摂っている傾向があります。
- 動物性脂肪の多い肉類や乳製品
- コレステロールを多く含む魚卵やレバー
- 脂っこいものや甘いもの
また、カロリーの摂りすぎも中性脂肪の値を高める原因の一つです。
アルコールの摂り過ぎにも注意
アルコール類の飲みすぎも原因となるため、摂取量は1日20g以下を目安にしましょう。
アルコールの量は、「摂取量(ml) × 度数または% ÷ 100 × 0.8(比重)」で計算できます。
実際にお酒で表すと、下記がアルコール20gにあたります。
- ビール:中瓶1本
- 日本酒:1合
- ワイン:グラス1杯
- ウイスキー:ダブル1杯
脂質異常症の改善に効果的な食事は?
1. 脂質異常症の改善におすすめのメニュー
脂質異常症を改善するには、主食・主菜・副菜の組み合わせでできているバランスのよい食事を心がけましょう。
和食がおすすめ
特に脂質の量を抑えたいので、和食を中心とした食事がおすすめです。
和食は脂質の少ないお米を主食とするため、主菜や副菜が多少脂質を多く含むものであっても、総合的にバランスを取りやすいという利点があります。
食物繊維を摂る
食物繊維はコレステロールを下げる働きがあり、野菜やきのこ、海藻類に多く含まれます。
野菜は1日に350g以上摂れるとベストです。
2.調理方を工夫するのもおすすめ!
調理法を工夫することで余分な脂質をカットできます。
肉類の場合
肉類の調理では、一度茹でこぼすだけでも余分な脂を落とせます。
焼くときはフライパンよりも網焼きのが、脂を落とせるためおすすめです。
また油は冷えると固まる性質があるので、一度冷ましてから固まった表面の油を取り除くことも効果的です。
魚の場合
魚の場合は、逆に脂が重要です。
魚には動脈硬化の予防効果があるEPAやDHAが含まれているので、それらを無駄なく摂れるよう脂ののった新鮮な魚を選び、脂を落とさず調理しましょう。
3.コンビニでは何を選ぶ?
料理が苦手な方や作る暇がない方は、コンビニを活用することもおすすめです。
コンビニの食事は体に良くないと思われがちですが、カロリーと脂質の量さえ気をつければ脂質異常症の改善に十分効果があります。
カロリーと脂質をチェック!
コンビニで買える食事はほとんどにカロリーや脂質の量が表示されているため、摂取量に関しては自炊よりもコントロールしやすくなります。
コンビニで食事を選ぶ際は成分表をチェックし、カロリーと脂質が適切な量であるか考えましょう。
一般的に成人は1食600~800kcalほどが適量とされており、脂質は20gを目安にするのが良いでしょう。
菓子パンに注意
コンビニの食事の中でも、菓子パンには要注意です。
菓子パンはカロリーのわりに脂質量が多いです。主食を選ぶ際はパンよりもおにぎりなどのご飯を選ぶことをおすすめします。
サラダはドレッシングに注意
サラダは中性脂肪を減らすにはベストな食事で、コンビニでも買うことができます。
しかし、ドレッシングには注意しなくてはなりません。
ドレッシングには脂質が多く含まれるものがあるため、せっかく野菜で脂質を抑えられてもドレッシングから摂取してしまう可能性があります。
ドレッシングはノンオイルのものを選ぶか、何もかけずに食べるのが良いでしょう。
食事は 食べ方・時間にも注意して!
1.まとめ食い、ながら食べはNG
脂質異常症を改善するには、規則正しい食事が必要です。
食事を1食にまとめたり、別の作業をしながら片手間に食べたりするのは避けましょう。
2.よく噛んでゆっくり食べる
よく噛んでゆっくり食べることは食べ過ぎの防止にもつながります。
塩分が多く味の濃いものは早食いになる傾向があるので、できるだけ薄味のものをよく噛んで食べるようにしましょう。
3.就寝前は食べない
寝る前にものを食べると太りやすくなるだけでなく、胃もたれも起こしやすくなります。
就寝の2時間前までには、できるだけ食事を終わらせましょう。
4.外食のメニュー選びも慎重に
前項で説明したことを踏まえて、外食時のメニュー選びも工夫できるとより良いでしょう。
まとめ
脂質異常症は、主に食事療法で改善を目指します。
食生活を見直すことで適正体重を保てるだけでなく、コレステロール値を正常に保つことができます。
とはいえ、無理してストレスをため込んでしまっては逆効果なので、できることから少しずつ始めて長く続けていきましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
関連コラム
「脂質異常症を改善する食事は?コンビニ食はOK?ドレッシングも注意」以外の病気に関するコラムを探したい方はこちら。
関連する病気
「脂質異常症を改善する食事は?コンビニ食はOK?ドレッシングも注意」に関する病気の情報を探したい方はこちら。