インフルエンザの予防投与って?効果と持続期間、かかる費用を解説!
「受験直前に家族がインフルエンザに…」「子どもがインフルエンザにかかり、おばあちゃんにもうつるかも…」などの場合、インフルエンザの予防投与を検討しても良いかもしれません。
しかし、予防投与に保険は適用されず、処方をうける条件もいくつかあります。
この記事では、インフルエンザの予防投与とは何か?から、かかる費用や効果まで詳しく解説します。
1.インフルエンザの予防投与とは?
1.予防投与って?なに?
インフルエンザの予防投与とは何か、また、接種のタイミングについて解説します。
感染の可能性が高い場合に、薬を服用する
インフルエンザの『予防投与』とは、インフルエンザに感染した可能性がある場合に、予防として治療に使う薬を投与することです。
家族など、身近にインフルエンザにかかった人がいて、感染の可能性が高いときにおこないます。
予防投与は、どんな効果がある?
インフルエンザを発症する前に薬を投与し、インフルエンザウイルスの増殖を抑えます。
それにより、発症自体を抑えたり、発症しても軽い症状ですんだりする可能性が高いといわれています。
患者と接触してから36時間以内の投与がベスト
予防投与は、基本的に患者と接触してから『36時間以内』 の投与がベストだと考えられています。
最も予防効果が高いのがこの時間内なので、早めに投与する必要があります。
2.抗インフルエンザ薬が予防投与されるケース
誰でも…はダメ?予防投与をうける基準とは?
予防投与をうけるには、一定の規定があります。
前提として、インフルエンザにかかった人と一緒に生活しており、かつ次のいずれかの基準を満たせば、予防投与が可能です。
- 65歳以上の高齢者
- 慢性呼吸器疾患や、心疾患にかかっている
- 糖尿病など、腎機能に障害がある
受験前など、特別な理由があるときは医師に相談を!
基本的には、先に解説した条件が必要です。
しかし、受験の直前など特別な理由がある場合は、予防投与をうけられることもあります。そうした場合、子どもであれば、体重に合わせた量の薬が処方されます。
詳しくは、病院で医師に相談してみましょう。
3.妊娠中・授乳中でも予防投与できる?
妊産婦でも、インフルエンザの予防投与は可能
妊産婦でも、『タミフル』や『リレンザ』などの『抗インフルエンザ薬』を使った予防投与は可能です。
こうした抗インフルエンザ薬が、妊産婦の体や胎児へ影響を与えるといった報告はなく、問題なく使用できるとされています。
ただし、完全に感染を防げるわけではないので注意!
とはいえ、予防投与をうけたからといって、完全にインフルエンザを防げるわけではありません。
そのため、妊産婦は特に感染に注意してください。
また、予防薬を服用しているあいだに『発熱』などの症状がでたら、病院を再度受診しましょう。
4.インフルエンザの予防投与って、具体的にどうする?
先に解説したように、インフルエンザの予防投与には『タミフル』や『リレンザ』など、発症したときと同じ薬を使います。
基本的には、1日1回服用し、それを10日間続けます。
投与する薬の量は、実際にかかったときの約半分か、それよりも少なくなります。
予防投与の効果と、費用について解説!
予防投与の効果が続く期間や、かかる費用について解説します。
1.予防投与で、どれくらい発症を防げる?
36時間以内に服用すれば、かなりの高確率で発症を防ぐことができるといわれています。
しかし、完全に発症を防ぐものではないので注意してください。
2.感染から36時間を超えると、効果はない?
感染した可能性があるタイミングから、36時間を超えると効果は少なくなります。
特に、48時間以上経過した場合は、予防投与をおこなっても効果は出ません。
3.インフルエンザの予防接種との違い
インフルエンザの予防接種は、長期間にわたってインフルエンザの発病や重症化を予防するものです。一方で、予防投与の場合、予防出来るのは薬を服用している間だけです。
また、予防投与は身近にインフルエンザにかかった人がいる場合に、一時的におこないます。
そのため不特定多数の人と接するような場で、感染する可能性があったとしても、予防投与をすることはできません。
4.予防投与の効果が続く期間
先に解説したように、予防投与の効果が続くのは、基本的に服用している間のみです。
1週間から10日ほどの服用期間を過ぎると、感染する可能性は十分にあります。
5.抗インフルエンザ薬の予防投与にかかる費用
かかる費用は100%自己負担!
インフルエンザの予防投与には、健康保険が適用されません。
そのため、100%自己負担になります。
病院等によっても値段は多少変わりますが、薬代のみでおよそ5,000円が必要です。
加えて、問診などの診察料も加算されますので、それ以上の費用がかかると考えておきましょう。
予防投与のために病院を受診した場合、診察料にも保険は適用されません。
高いような気もするけれど…
高いような気もしますが、高齢者などが感染すると、重症化し、入院が必要になるケースもあります。そう考えると、高いとは言い切れない金額です。
まとめ
インフルエンザの予防投与をおこなうことで、発症を抑えられる可能性は高いですが、100%ではありません。
また、予防効果が続くのは服用している間のみです。
長期的に予防したい、というかたは事前にインフルエンザの予防接種をうけておくことをおすすめします。
受験がすぐ控えているのに、家族がインフルエンザに感染してしまった…など、特別な事情がある場合は、一度医師に相談してみましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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