インフルエンザ予防接種の受けられる時期や効果は?感染経路や予防策を紹介!
インフルエンザの防接種はいつから受けられるのでしょうか?「受けようと思っていたけれど、ついつい忘れてしまった」「受けようと思って病院に行ったのに、まだ受付を開始していなかった」という人もいるのではないでしょうか。インフルエンザの予防接種を受けるには、効果的な接種タイミングを知っておくことが大切です。インフルエンザの流行時期や、予防接種の効果持続期間を確認し、インフルエンザに備えましょう。
こちらの記事では、インフルエンザの予防接種を受ける時期や、効果、感染経路について紹介しているほか、インフルエンザ予防接種が受けられる全国のクリニックや病院の情報を掲載しています。
仕事や家事で忙しい人、子どもや高齢者といった免疫力が強くない人と接する機会の多い人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
インフルエンザ予防接種はいつから何科で受けられる?
予防接種を受けるべきベストタイミング
インフルエンザ流行のピーク記事から逆算すると、10~11月頃が接種のベストタイミングです。
インフルエンザが流行するピークの時期は、12~3月頃です。
また、インフルエンザのワクチンは、接種してからおおよそ5か月間は効果が持続するといわれています。
そのため、10~11月頃に受けておけば、インフルエンザが流行する3月頃まではワクチンの効果が持続するでしょう。
インフルエンザは冬に流行するイメージを持っている人は多いでしょう。
その時期には予防接種の効果が現れていなければいけないため、予防接種を受ける時期は流行する前となります。
接種してからワクチンの効果がでるまで
インフルエンザワクチンは、接種してから効果を発揮するまでにおおよそ2~3週間ほどの期間がかかります。
そのため、この期間も考慮して予防接種を受ける必要があります。
こどもは少し早めに2回受ける
子どもは10月頃に1回、約3~4週間後の11月〜12月上旬までに1回の、合計2回受けておくと安心です。
2回接種しておけば、ワクチンの効果は3月頃まで持続します。
大人の場合は1回の接種で問題ないといわれていますが、子どもの場合、1回の接種で十分に免疫をつくることができません。そのため、2回受けることが推奨されています。
子どもは大人より少し早めに受け、1か月ほどの期間をあけてから2回目を接種しておくと安心です。
インフルエンザ予防接種を受けるのに遅すぎる時期
流行のピークの1か月以上前に受けておかないと、遅いと考えられます。
インフルエンザの流行時期は毎年4月くらいまでですが、免疫がつくのに2~3週間かかるためです。
インフルエンザ予防接種を受けられる科目
大人の場合
内科の病院、または保健所でも受けることができます。
保健所の場合は受けられる日程が限られている場合が多いので、保健所のHPを見たり電話をしたりして、事前に確認しておきましょう。
また、インフルエンザの予防接種を受ける人が多い時期は、皮膚科や耳鼻いんこう科などでも予防接種をおこなっています。
子どもの場合
小児科で受けることができます。
予防接種を受けるには予約がおすすめ
インフルエンザの予防接種は、予約制にしている病院がほとんどです。
同じ時期に受けに行く人が集中するため、必ず予約しておきましょう。
確実に接種するためには
予防接種は多くの病院で10月頃から始まります。
確実に接種したければ、9月中に予約しておくと安心です。
予約を開始する時期は病院によって異なるため、病院のHPや受付の人に確認しておきましょう。
ワクチンが不足する時期
毎年変わるので一概には言えませんが、2017年は11月中旬以降から不足傾向にありました。
周囲の人がインフルエンザを発症したあとでも予防接種を受けるべき?
急いで予防接種を受けに行っても、免疫がつくまでの時間が必要なため、すぐにワクチンの効果を実感するのは難しいでしょう。
やはり前もって受けておき、予防や重症化を防ぐのが大切です。
インフルエンザ予防接種の効果と注意点
予防接種の効果は2つある
予防接種には、以下の2つの効果があります。
具体的には、予防接種を受けている人は、受けていない人に比べて6割ほどかかる確率が低くなります。
感染したとしても軽い症状に抑えることができるため、予防接種を受けておいて損になることはありません。
集団的、爆発的な感染の広がりを予防するためにもワクチン接種をしましょう。
2.インフルエンザ予防接種を受けられる人
妊婦は予防接種を受けてOK
妊娠中や授乳中であっても、現在日本で使用されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンを使っているので、インフルエンザの予防接種は受けることができます。
ワクチンの接種をしても、胎児に影響することがないためです。
ただし、ワクチンの作り方によっては、妊婦が接種できないものもあります。
そのため、ほかの予防接種を受けるときは、必ず妊娠中や授乳中であることを医師に伝えましょう。
妊娠中は普段より免疫力が低下し、インフルエンザにかかると重症化しやすくなります。
お腹にいる赤ちゃんに影響する場合もあるため、妊婦はインフルエンザの予防接種を受けることが推奨されています。
インフルエンザ予防接種を受けられない人
以下に当てはまる人は、予防接種を受けられないので注意が必要です。
生後半年以内の赤ちゃん
生後半年以内の赤ちゃんはワクチンを接種することができません。
しかし、その月齢の赤ちゃんは、インフルエンザに感染することもあまりありません。
母親から引き継いだ免疫がまだ働いていることが多いためです。
赤ちゃん以外で予防接種が受けられない人・受けるかどうか慎重に判断すべき人
といった場合は、予防接種を受けられません。
※ワクチンを作るときに使用した卵の成分が、ごく微量ですが残っているためです。重い卵アレルギーを持つ人は接種を避けるか、慎重に接種の判断をするべきとされています。
インフルエンザの型と感染経路
インフルエンザの型別 感染の傾向
人に感染するインフルエンザの型にはA型、B型、C型の3つのタイプがあります。
冬の時期に流行しているインフルエンザのタイプは、A型とB型のタイプです。
インフルエンザワクチンは、A型とB型に対して効果があるように作られています。
C型は一度かかると免疫が一生続くといわれているため、毎年予防する必要性はそれほど高くありません。
A型
感染力が強く、流行しやすいタイプです。
ウイルスが進化するため一度感染しても免疫を獲得しにくく、ワクチンの予測も立てにくい特徴があります。
感染すると38度以上の発熱、咳や全身の倦怠感(だるさ)といった症状が出るのが一般的です。
人によっては頭痛、鼻づまり、筋肉痛といった症状が出ることもあります。
A型の症状は重くなる傾向があります。
B型
年によって流行する時と、そうでない時があります。
症状はA型ほどの高熱はでず、数日(2~3日)で熱も下がることが特徴です。
下痢や腹痛といった症状が出やすい傾向です。
通常、「B型はA型よりも軽い症状で済む」とされていましたが、B型もA型と同等の重い症状が出ることもあります。
C型
C型は基本、人での流行は起こりにくいものですが、罹患すると38度以上の熱が2日続きます。
免疫が1度つくと終生継続すると考えられているため、ほとんど感染することはありません。
そのため、C型に対する予防接種はなく、感染することによって免疫を得ることになります。
子どもがかかりやすいものの、症状は軽いことがほとんどです。
飛沫感染によって起こり、上気道の炎症から、発熱、せき、鼻水といった鼻風邪に似た症状が出ます。
インフルエンザの感染経路
「飛沫感染」「接触感染」の2つと考えられていますが、現在「空気感染(※)」によっても起こるとも言われるようになってきました。感染者の咳やくしゃみから感染するのが「飛沫感染」、ウイルスがついた手で鼻や口を触って感染するのが「接触感染」です。
インフルエンザウイルスは感染力が高いため、主にこれらの経路での感染し、発症します。
※空気感染とは、空気中にあるウイルスを吸い込むことで感染することです。部屋や電車の中といった空間で空気感染が起こります。
インフルエンザの基本的な予防方法
手洗いとうがいの徹底だけでも予防効果はありますが、外出時にはマスクの着用も行いましょう。
マスクを着用すると喉を加湿することができるため、ウイルスの侵入を防ぐことができます(※)。
そのほかには、こまめに水分を補給すること、部屋を乾燥させないことで感染しにくくすることができます。
また、免疫力が低下していると感染しやすくなるため、規則正しい生活を心掛け、栄養の補給と十分な睡眠をとるようにしましょう。
※喉を加湿することによってウイルスが喉にくっつき、喉より奥の臓器までウイルスが到達しにくくなるためです。
まとめ
インフルエンザは毎年冬になると流行します。
予防接種は秋ごろから受けることができ、一度受ければ約半年は効果が持続するため、受けておくと安心です。
しかし、予防接種を受けているからといって、必ずしも感染しないというわけではないので、自分で予防対策も行うようにしましょう。
執筆者:久野銀座クリニック 岡村信良 先生
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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