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インフルエンザ

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
医師

【執筆ドクター】

 板東 浩 先生

概要

インフルエンザとは?

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。
風邪はさまざまなウイルスが原因となって感染しますが、インフルエンザはインフルエンザウイルスからの感染のみが発症する原因となります。
インフルエンザと風邪は初期症状が似ているため、発症してすぐは勘違いすることが多くあります。
インフルエンザの場合、発症してから1~3日で38℃を超える高熱やのどの痛み、頭痛、全身のだるさ、関節痛などの全身症状が急激に現れます。
風邪は一般的にゆるやかに症状が現れるケースが多く、このように短期間で急速に症状が悪化するのがインフルエンザの特徴と言えます。
治療は薬の服用と十分な休養、栄養補給により、1週間ほどで症状が治まることがほとんどです。
まれに肺炎や気管支炎、脳症などの合併症を引き起こし、重症化する恐れもあります。
インフルエンザの疑いをもったら発症から12時間以降、48時間以内に内科を受診しましょう。 問診の際にはインフルエンザの人と接触したかどうかの情報を医師に伝えると、診断がスムーズです。

流行時期

毎年流行する季節性のインフルエンザは、例年11・12月頃から流行が始まり、1月~3月頃にピークを迎えます。
近年では4月以降にもインフルエンザの流行が続き、学級閉鎖になるケースなども見られるので、普段流行しない時期であっても注意は必要です。2016年に、国内で最初に流行したのは「A香港型」ウイルスでした。
2016/17年シーズンはA型が収束した4月中旬になってB型が流行し、一部の地域では新学期早々に学級閉鎖にまで追い込まれました。「春インフル」という言葉も話題となりました。
最新のインフルエンザの流行情報については、全国の市区町村や厚生労働省のホームページにて確認していただくことができます。

症状

発症してすぐの症状

38度以上の高熱が急に出ることが特徴の一つ。そのほかにも、関節痛や食欲不振、頭痛、全身のだるさと言った全身症状が現れる。
全身症状は体がインフルエンザウイルスと戦っているために現れる。
1~3日間という短期間で急速に体調が悪化するのがインフルエンザの大きな特徴である。
インフルエンザの症状は風邪と似ている部分がいくつかあるため、風邪と勘違いして対処してしまうことが多くある。
しかし、「急速に体調が悪化する」という点で、風邪とは症状が大きく異なる。

落ち着いてきてからの症状

鼻水や咳、くしゃみといった一般的な風邪のような症状が一週間ほど続く。
療養し、ウイルスの数が落ち着いてくると現れるのが、このような呼吸器症状である。
症状が軽くなったからと言っても、動きまわらず安静にする。ウイルスはまだ体内に残っており、病状が再発する恐れがある。

原因

感染経路

インフルエンザはおもに「飛沫感染(ひまつかんせん)」によって感染する。
感染者のくしゃみや咳に含まれるインフルエンザウイルスが、人の鼻や口へと入り込み、気道に張り付いて増殖し始める。
その後、のどや気管支、肺などに広がり、急速に数を増やしていく。そして感染から1~3日の潜伏期間の後にインフルエンザを発症する。
インフルエンザウイルスの増殖は非常に早いため、他の感染症よりも早く発症すると言われている。

インフルエンザウイルスの種類と特徴

インフルエンザウイルスは【A型】【B型】【C型】の三つに分類されている。
近年、国内で発生が確認されているウイルスは【A型】と【B型】の二種類で、さらに細かく以下のように分けられる。

A(H1N1)亜型 pdm09ウイルス(pdmはパンデミック=世界的大流行の略)
A(H1N1)亜型 ソ連型ウイルス(ソ連型ウイルスの発生報告は2009年以降ない)
A(H3N2)亜型 香港型
B型 (山形系統とビクトリア系統に分かれる)

※C型は亜種が存在しない

それぞれの特徴

1.A型
症状が非常に重くなる傾向があり、他のタイプより高熱になりやすい。
ウイルスの感染力が非常に強いため、世界的に大流行を起こしやすく、過去には香港かぜやスペインかぜで多くの死者を出した。
2009年に世界中で流行したいわゆる「新型インフルエンザ」は、A型・H1N1亜型というものだった。

2.B型
A型よりも比較的症状が軽く、限られた地域で流行するケースが見られる。
B型に限ってはウイルスの突然変異が起きないため、ワクチンが効きにくくなるということはあまりない。

3.C型
鼻かぜ程度の軽い症状ですむことが多いウイルス。日本ではあまり流行していない。
免疫が長く続くという特徴があり、一度かかったことがあれば、もう一度発症することはあまりない。

インフルエンザウイルスはたとえ同じ亜型でも、時としてウイルスに突然変異が起こり、繰り返し変異が起きることで、ウイルスの性質が少しずつ変化していく。
毎年、少しずつ変化したウイルスが発生するため、いくら感染予防に努めても、流行を防ぐことは難しい。
また、その年にどんなウイルスが流行するのか、予測することも難しいという現状がある。

検査内容と主な診療科目

インフルエンザの疑いをもったら発症から12時間以降で、48時間以内に検査に行くことが推奨される。
発症12時間以内に検査を受けると、ウイルスが発見できない場合があることがわかっている。
インフルエンザは、48時間以内に薬を飲まないと症状が重くなるリスクが高まるので、時間の経過を見て検査のタイミングを伺う必要がある。
病院では内科にかかるのが一般的である。お子さんなら小児科、妊娠している場合なら産婦人科での検査も可能である。

来院時の注意点

インフルエンザの検査は主に内科で受けることになるが、その場合はマスクを着けていく。
マスクを着けずに病院に行くと、他の患者さんにインフルエンザのウイルスをまき散らしてしまうことになる。
小さいお子さんや妊婦、高齢者の方は免疫が低く、病気がうつりやすい。
病院によっては感染拡大防止のために通常の入り口や待合室と異なる場所に案内され、待機することになる場合がある。その場合は必ず医院の指示に従う。

問診

診察を受ける際、現在の症状、どこから感染したか、インフルエンザかどうか判断できるようにしっかりと情報を伝える。

・具体的な症状(38度以上熱がある、関節痛、さむけ、吐き気があるなど)
発症してからの体温や全身の諸症状、いつもと違うところなど自覚症状はできるだけ詳しく伝える。

・潜伏期間を考慮した時期に人混みやインフルの人と接触したかどうか
体調が悪くなる3日前くらいから、人が多い街中に行っていないか、学校や会社、家庭など身の回りでインフルエンザにかかっている人はいないか思い返して医師に伝える。
可能なら、以上のような情報をまとめたメモを用意し、医師に渡す。
自身が伝えたい内容を、詳しく伝えることができる。

治療方法と治療期間

現在国内でインフルエンザ治療に処方される「抗インフルエンザ薬」は、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、シンメトレルの5種類である。
インフルエンザに感染していることが検査の結果判明したら、医師により処方された治療薬を服用して、安静に過ごすこととなる。

それぞれの抗インフルエンザ薬の特徴

1.オセルタミビルリン酸塩(タミフル)
A型B型に対応した経口薬。48時間以内の投与が望ましい。
5日間にわたり処方されることが多い。

2.ザナミビル水和物(リレンザ)
A型B型いずれにも対応。専用の吸入器を使って薬を吸うタイプ。
5日間にわたり処方されることが多い。

3.ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル)
上記リレンザと同じタイプの治療薬。
ただし、主に病院で医師の指示のもと吸入を行う。基本1回のみで完了。

4.ペラミビル水和物(ラピアクタ)
点滴の治療薬。A型B型どちらにも対応。重症でない限り、1回の投与で完了する。

5.アマンタジン塩酸塩(シンメトレル)
A型にのみに対応した経口薬。現在はあまり使用されていない。

投与後の安静

抗インフルエンザ薬を投与すると、しだいに症状が緩和される。その後、安静にしないで外に出てしまうと体内に残っているウイルスにより感染を他の人へ広げる可能性がある。
解熱後も2日間は安静にしている。

一般療法

できるだけ安静にして、栄養補給と十分な睡眠を取る。
インフルエンザウイルスの空気中の活動・感染を抑えるため、加湿器などで室内の湿度を50~60%に保つ。
水分補給もとても大切なので、お茶やスープ、ジュースなど摂取できるものを飲む。

・インフルエンザの対症療法
発熱や関節痛などに対しては解熱鎮痛薬、鼻水やくしゃみに抗ヒスタミン薬などを用いる。
一方、インフルエンザの症状はインフルエンザウイルスに対して免疫が正常に働いている結果であり、薬で無理に抑えないほうがよいという考え方もある。

・市販薬
市販の薬を自己判断で使用すると、かえって逆効果になる場合がある。必ず医師の指示にしたがう。解熱剤では使用しない方がよいものも中にはある。
アスピリンなどのサリチル酸解熱鎮痛薬やジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸などがそれに当たる。

予防

1.マスク

インフルエンザウイルスの侵入を防ぐため、外出時はマスクを着けるようにする。マスクは鼻や顔の輪郭にフィットし、ウイルスの粒子を通しにくい物を選び、できるだけ着用する。

2.手洗い・うがい

手洗い・うがいはインフルエンザだけでなく、風邪の予防にもなる。手洗いは短時間で済ませるのではなく、30秒以上洗い続ける。
指の間や手の甲、爪や手首まで十分に洗う。うがいは15秒以上継続して行う。
お子さんの手洗いやうがいの時間が短ければ、長くしっかりと行う習慣がつくように呼びかけが必要である。

3.加湿

加湿器などで湿度を50~60%に保ち、ウイルス感染を防ぐ。
冬場は空気が乾燥しやすく、ウイルスが拡散しやすくなっている。
免疫力が低下している状態だとウイルスにより感染しやすくなるので、しっかりとした睡眠や栄養補給を心がける。

予防接種

インフルエンザが流行る1ヶ月前頃からワクチンを予防接種しておくことは、インフルエンザの重要な予防策になる。
ただし、この予防接種を受けたからといって、必ずインフルエンザにならないというわけではない。
ここで重要なのは予防接種を受けることでインフルエンザが発病するリスクが下がり、もし発症したとしても症状が重くなるのを防ぐ点である。
感染後の症状を軽くするためにも、予防接種は可能な限り行った方が良い。
ワクチンの接種を受けると、80%ほど発症をおさえられるとされている。この意味は、本来なら冬の間に100人ほど発症すると予想されるところが、80人が特に症状なく過ごし、20人ぐらいの発症に抑えられるという意味になる。発症した場合も通常よりも症状が軽くなる。

・2018/2019冬シーズンのワクチン
2018/2019冬シーズンに用意されているワクチンは以下のものが用意されていると発表があった。
○2018/2019冬シーズン
・A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
・A/Singapore(シンガポール) /INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2)
・B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
・B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)
(国立感染症研究所の発表を抜粋)

2017/18冬シーズンは、例年と同様に11月末に流行が始まり、ピークは例年通り1月下旬から2月上旬となった。
(国立感染症研究所 IDWR 2018年第52号より)

この結果から、インフルエンザの流行時期の12月~2月より前にワクチンの予防接種するのが望ましい。
予防接種の効果が現われるのは約2週間後からで、その後5カ月程度効果が持続するといわれている。
接種にかかる費用は自己負担で、1回あたりおよそ3000~5000円程度になる。
65歳未満の健康な方であれば、70~90%の発病予防効果が期待でき、合併症の併発を抑えたり、高齢者の症状が重くなるリスクを軽減する効果があることが知られている。
65歳以上の高齢者の方や、過去にインフルエンザにかかったことがある人であれば、1回の予防接種でも十分に免疫力が得られるといわれている。
ただし、高齢者施設など、大勢の人が生活をする場所では、ワクチン接種が100人中80人ぐらいしか受けない場合、それほど効果が期待できない。
90人以上のほぼ全員が接種することによって、予防効果が得られる。

・受けられる年齢について
インフルエンザのワクチンの予防接種は生後6ヶ月を過ぎた乳児期から受けることができる。
13歳までのお子さんは2回摂取することが望ましいとされており、一回目の接種後2~4週間の間隔をあけて、もう一回接種する。
接種を希望する際には、いくつかの注意点をクリアすることで、ワクチンを接種可能となる。
・発熱していないこと
・以前ワクチンを接種した際に副作用を起こしていないこと
・慢性的な疾患やアレルギーを持っていないこと
不安なことがあれば、事前に医師に相談することを推奨する。

・インフルエンザワクチン摂取の費用補助
国の定める「予防接種法」によって、以下に当てはまる人は特にインフルエンザワクチンの予防接種が望ましいとされる。
・65歳以上の高齢者
・60歳以上65歳未満までの心臓、もしくは腎臓、呼吸器の機能に障がいのある方、またヒト免疫不全ウイルスにより、免疫機能に一定の障がいのある方
以上の方々は予防接種にかかる費用の一部について、自治体から補助がある。乳幼児の接種費用も一部、補助している自治体がある。
インフルエンザワクチンの費用補助に関する内容や条件は各自治体によって変わるので、あらかじめ確認してから接種することを推奨する。
詳しい費用補助の内容についてはお近くの保健所、または医療機関に確認する。

治療の展望と予後

インフルエンザは、高熱や関節痛など、つらい病気だが、多くは薬の服用と十分な休養により、1週間ほどで回復する。
オセルタミブルリン酸塩(タミフル)をはじめとした一部の治療薬を服用後、高い場所から飛び降りる、急に走りだすなど異常行動が見られるとの報告が相次ぎ、国でも注意喚起を行っている。
特に幼児や10代など若年層に多く見られることから、厚生労働省では「薬の服用開始後、少なくとも2日間は保護者や家族の看病のもとで、ひとりにはしないように」と呼びかけている。

インフルエンザでの出席停止期間

インフルエンザは感染力が強いため、各教育機関や施設ごとに出席停止期間が定められている。

幼稚園・保育園生

発症後5日および解熱後3日経っていないと登園できない。
幼稚園は学校保健法、保育園は保健所の感染症対策ガイドラインにより定められている。

小学生以上

発症後5日および解熱後2日を経過していないと出席することができない。これは学校保健安全法によって定められている。
出席停止期間が明ければ、医師に診断書を書いてもらい出席することができる。
通常の欠席と異なり、出席停止扱いになるので、通知表などでも欠席にはならない。

大学生

大学生がインフルエンザにかかった場合も、出席停止扱いの休みになる。
ただし、大学ごとによって対応が異なる。

社会人

会社での出席停止期間は法律で定められていない。しかし、インフルエンザのウイルスを持った状態で出勤してしまうと、会社内で集団感染を引き起こし、重大な問題になる。そのため学校と同じように発症後5日および解熱後2日を出勤停止としている会社もある。

合併症

まれに肺炎や気管支炎、脳症などの合併症を引き起こし、重症化する恐れがある。

肺炎

1.インフルエンザウイルス肺炎
インフルエンザのウイルスが肺の中に入って引き起こされる肺炎で、インフルエンザを発症してから3日以内に急激に進行し、高熱や胸の痛み、呼吸困難などの症状が出る。

2.二次性細菌性肺炎
インフルエンザの症状が改善してきてから起こる肺炎。
インフルエンザウイルスにより、全身の抵抗力が低下し、他の細菌に感染してしまい起こる肺炎。発熱、咳、痰などの症状が現れる。

気管支炎

インフルエンザウイルスや細菌による二次感染が原因となって急性気管支炎を引き起こす。
最初にコンコンとした咳が出始め、次第にゴホゴホとした咳が出る。
症状が悪化すると、インフルエンザの治療を行っていても、高めの熱が続く。
B型のインフルエンザの場合、気管支炎を引き起こすことが多く、重症化する前に合併症に気をつける必要がある。

インフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザがきっかけとなり発症する脳症である。
6歳以下の子どもが発症しやすく、インフルエンザの流行の規模が大きいと、発症することが多くなると言われている。
症状が早く現れることがインフルエンザ脳症の特長で、インフルエンザの発症から数時間程度で神経症状が現れる。
主な症状は、異常行動。けいれん、意識障害などで、嘔吐や突然死などの症状も見られる。

インフルエンザでの合併症がハイリスクな場合

・大人と比べ免疫力が低い子どもや高齢者
・慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害がある
・ステロイド内服などによる免疫機能不全がある

これらに当てはまる場合はインフルエンザによる合併症のリスクが高くなり、重症化しやすいことが分かっている。
あらかじめ予防に力を入れたり、インフルエンザにかかった際は、合併症の症状が出ていないか調べるために病院での検査を受けるのが望ましい。

発症しやすい年代と性差

年代や性差はなく、毎年多くの人が発症している。
2019年の第一週の報告で58.6万人と発表されている。

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