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いんふるえんざインフルエンザ

更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/01 view数:59,323

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引きおこされる感染症です。
風邪はさまざまなウイルスが原因となって感染しますが、インフルエンザはインフルエンザウイルスからの感染のみが発症する原因となります。

インフルエンザと風邪は初期症状が似ているため、発症してすぐは勘違いすることが多くあります。
インフルエンザの場合、発症してから1~3日で38℃を超える高熱やのどの痛み、頭痛、全身のだるさ、関節痛などの全身症状が急激にあらわれます。
風邪は一般的にゆるやかに症状があらわれるケースが多く、このように短期間で急速に症状が悪化するのがインフルエンザの特徴といえます。

治療は薬の服用と十分な休養、栄養補給により、1週間ほどで症状が治まることがほとんどです。
まれに肺炎気管支炎、脳症などの合併症を引きおこし、重症化する恐れもあります。
インフルエンザの疑いをもったら確定検査のためには、発症から12時間以降、48時間以内に内科を受診しましょう。 問診の際にはインフルエンザの人と接触したかどうかの情報を医師に伝えると、診断がスムーズです。



毎年流行する季節性のインフルエンザは、例年冬季にピークを迎えます。
近年では4月以降にもインフルエンザの流行が続き、学級閉鎖になるケースなども見られるので、普段流行しない時期であっても注意は必要です。2016年に、国内で最初に流行したのは「A香港型」ウイルスでした。
2016/17年シーズンはA型が収束した4月中旬になってB型が流行し、一部の地域では新学期早々に学級閉鎖にまで追い込まれました。「春インフル」という言葉も話題となりました。
最新のインフルエンザの流行情報については、全国の市区町村や厚生労働省のホームページにて確認していただくことができます。

目次
  1. インフルエンザの症状
  2. インフルエンザの診療科目・検査方法
  3. インフルエンザの原因
  4. インフルエンザの予防・治療方法・治療期間
  5. インフルエンザの治療経過(合併症・後遺症)
  6. インフルエンザになりやすい年齢や性別

インフルエンザの症状

発症してすぐの症状

38度以上の高熱が急に出ることが特徴の一つ。そのほかにも、関節痛や食欲不振、頭痛、全身のだるさといった全身症状があらわれます。
全身症状は体がインフルエンザウイルスと戦っているためにあらわれます。
1~3日間という短期間で急速に体調が悪化するのがインフルエンザの大きな特徴です。
インフルエンザの症状は風邪と似ている部分がいくつかあるため、風邪と勘違いして対処してしまうことが多くみられます。
しかし、「急速に体調が悪化する」という点で、風邪とは症状が大きく異なります。

落ち着いてきてからの症状

鼻水や咳、くしゃみといった一般的な風邪のような症状が一週間ほど続きます。
療養し、ウイルスの数が落ち着いてくるとあらわれるのが、このような呼吸器症状です。
症状が軽くなったからといっても、動きまわらず安静にすることが大切です。ウイルスはまだ体内に残っており、病状が再発する恐れがあるためです。

インフルエンザの診療科目・検査方法

インフルエンザの疑いをもったら発症から12時間以降で、48時間以内に検査に行くことが推奨されます。ただ、近年は、高感度インフルエンザ検出装置が導入され、発症して4時間ほどでも陽性とわかるものもあります。しかし、発症12時間以内に検査を受けると、ウイルスが発見できない場合があることがわかっています。
インフルエンザは、48時間以内に薬を飲まないと症状が重くなるリスクが高まるので、時間の経過を見て検査のタイミングを伺う必要があります。
病院では内科にかかるのが一般的です。お子さんなら小児科、妊娠している場合なら産婦人科での検査も可能です。

来院時の注意点

インフルエンザの検査は主に内科小児科で受けることになりますが、その場合はマスクを着けていきます。とくに、小さいお子さんや妊婦、高齢者の方は免疫が低く、病気がうつりやすく重症化しやすいので注意が必要です。
病院によっては感染拡大防止のために通常の入り口や待合室と異なる場所に案内され、待機することになる場合があります。その場合は必ず医院の指示に従ってください。

問診

診察を受ける際、現在の症状、どこから感染したか、インフルエンザかどうか判断できるようにしっかりと情報を伝えます。

  • 具体的な症状(38度以上熱がある、関節痛、さむけ、吐き気があるなど)
    発症してからの体温や全身の諸症状、いつもと違うところなど自覚症状はできるだけ詳しく伝えましょう。
  • 潜伏期間を考慮した時期に人混みやインフルの人と接触したかどうか

体調が悪くなる3日前くらいから、人が多い街中に行っていないか、学校や会社、家庭など身の回りでインフルエンザにかかっている人はいないか思い返して医師に伝えます。
可能なら、以上のような情報をまとめたメモを用意し、医師に渡すとよいでしょう。
自身が伝えたい内容を、詳しく伝えることができます。

インフルエンザの原因

感染経路

インフルエンザはおもに「飛沫感染(ひまつかんせん)」によって感染します。
感染者のくしゃみや咳に含まれるインフルエンザウイルスが、人の鼻や口へと入り込み、気道に張り付いて増殖し始めます。
その後、のどや気管支、肺などに広がり、急速に数を増やしていきます。そして感染から1~3日の潜伏期間の後にインフルエンザを発症します。
インフルエンザウイルスの増殖は非常に早いため、他の感染症よりも早く発症するといわれています。

インフルエンザウイルスの種類と特徴

インフルエンザウイルスは【A型】【B型】【C型】の三つに分類されています。
近年、国内で発生が確認されているウイルスは【A型】と【B型】の二種類で、さらに細かく以下のように分けられます。

  • A(H1N1)亜型 pdm09ウイルス(pdmはパンデミック=世界的大流行の略)
  • A(H1N1)亜型 ソ連型ウイルス(ソ連型ウイルスの発生報告は2009年以降ない)
  • A(H3N2)亜型 香港型
  • B型 (山形系統とビクトリア系統に分かれる)

※C型は亜種が存在しない

それぞれの特徴

A型

症状が非常に重くなる傾向があり、他のタイプより高熱になりやすい傾向にあります。
ウイルスの感染力が非常に強いため、世界的に大流行をおこしやすく、過去には香港かぜやスペインかぜで多くの死者を出した例があります。
2009年に世界中で流行したいわゆる「新型インフルエンザ」は、A型・H1N1亜型というものでした。

B型

A型よりも比較的症状が軽く、限られた地域で流行するケースが見られます。
B型に限ってはウイルスの突然変異がおきないため、ワクチンが効きにくくなるということはあまりありません。

C型

鼻かぜ程度の軽い症状ですむことが多いウイルス。日本ではあまり流行していません。
免疫が長く続くという特徴があり、一度かかったことがあれば、もう一度発症することはあまりありません。
インフルエンザウイルスはたとえ同じ亜型でも、時としてウイルスに突然変異がおこり、繰り返し変異が起きることで、ウイルスの性質が少しずつ変化していきます。
毎年、少しずつ変化したウイルスが発生するため、いくら感染予防に努めても、流行を防ぐことは困難です。
また、その年にどんなウイルスが流行するのか、予測することも難しいという現状があります。

インフルエンザの予防・治療方法・治療期間

インフルエンザ治療に現在国内で処方される「抗インフルエンザ薬」は、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、シンメトレル、ゾフルーザなどがあります。

インフルエンザに感染していることが検査の結果判明したら、医師により処方された治療薬を服用して、安静に過ごすこととなります。

抗インフルエンザ薬の特徴

オセルタミビルリン酸塩(タミフル)

A型B型に対応した経口薬。48時間以内の投与が望ましいです。
5日間にわたり処方されることが多いです。

ザナミビル水和物(リレンザ)

A型B型いずれにも対応。専用の吸入器を使って薬を吸うタイプ。
5日間にわたり処方されることが多いです。

ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル)

上記リレンザと同じタイプの治療薬。
ただし、主に病院で医師の指示のもと吸入をおこないます。基本1回のみで完了します。

ペラミビル水和物(ラピアクタ


点滴の治療薬。A型B型どちらにも対応します。重症でない限り、1回の投与で完了します。

アマンタジン塩酸塩(シンメトレル)

A型にのみに対応した経口薬。現在はあまり使用されていません。

ゾフルーザ

A型B型どちらにも対応できる経口薬です。1回の投与で完了します。

投与後の安静

抗インフルエンザ薬を投与すると、しだいに症状が緩和されます。その後、安静にしないで外に出てしまうと体内に残っているウイルスにより感染をほかの人へ広げる可能性があります。
解熱後も2日間は安静にしていなければなりません。

一般療法

できるだけ安静にして、栄養補給と十分な睡眠を取りましょう。
インフルエンザウイルスの空気中の活動・感染を抑えるため、加湿器などで室内の湿度を50~60%に保ちます。
水分補給もとても大切なので、経口補水液やお茶やスープ、ジュースなど飲みやすいものを摂取しましょう。

インフルエンザの対症療法

発熱や関節痛などに対しては解熱鎮痛薬、鼻水やくしゃみに抗ヒスタミン薬などを用います。
一方、インフルエンザの症状はインフルエンザウイルスに対して免疫が正常に働いている結果であり、薬で無理に抑えないほうがよいという考え方もあります。

市販薬

市販の薬を自己判断で使用すると、かえって逆効果になる場合があります。必ず医師の指示にしたがってください。解熱剤では使用しない方がよいものも中にはあります。アスピリンなどのサリチル酸解熱鎮痛薬やジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸などがそれに当たります。どうしても医療機関へ行けず、発熱で辛い場合は、際はアセトアミノフェン製剤を選ぶと良いでしょう。

予防接種

インフルエンザが流行る1ヶ月前頃からワクチンを予防接種しておくことは、インフルエンザの重要な予防策になります。
ただし、この予防接種を受けたからといって、必ずインフルエンザにならないというわけではありません。
ここで重要なのは予防接種を受けることでインフルエンザが発病するリスクが下がり、もし発症したとしても症状が重くなるのを防ぐ点です。
感染後の症状を軽くするためにも、予防接種は可能な限りおこなった方が良いでしょう。
ワクチンの接種を受けると、80%ほど発症をおさえられるとされています。この意味は、本来なら冬の間に100人ほど発症すると予想されるところが、80人が特に症状なく過ごし、20人ぐらいの発症に抑えられるという意味になります。発症した場合も通常よりも症状が軽くすみます。

2019/2020冬シーズンのワクチン

2019/2020冬シーズンに用意されているワクチンは以下のものが用意されていると発表がありました。
○2019/2020冬シーズン
A/Brisbane(ブリスベン)/02/2018(IVR-190)(H1N1)pdm09
A/Kansas(カンザス)/14/2017(X-327)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統
(国立感染症研究所の発表を抜粋)

例年の流行時期をみると、インフルエンザの流行時期の12月~2月より前にワクチンの予防接種を受けることが望まれます。
予防接種の効果があらわれるのは約2週間後からで、その後5カ月程度効果が持続するといわれています。
接種にかかる費用は自己負担で、1回あたりおよそ3000~5000円程度になります。
65歳未満の健康な方であれば、70~90%の発病予防効果が期待でき、合併症の併発を抑えたり、高齢者の症状が重くなるリスクを軽減する効果があることが知られています。
65歳以上の高齢者の方や、過去にインフルエンザにかかったことがある人であれば、1回の予防接種でも十分に免疫力が得られるといわれています。
ただし、高齢者施設など、大勢の人が生活をする場所では、ワクチン接種を100人中80人ぐらいしか受けない場合、それほど効果が期待できません。
90人以上のほぼ全員が接種することによって、予防効果が得られます。

受けられる年齢について

インフルエンザのワクチンの予防接種は生後6カ月を過ぎた乳児期から受けることができます。
13歳までのお子さんは2回摂取することが望ましいとされており、一回目の接種後2~4週間の間隔をあけて、もう一回接種します。

インフルエンザワクチン摂取の費用補助

国の定める「予防接種法」によって、以下に当てはまる人は特にインフルエンザワクチンの予防接種が望ましいとされます。

  • 65歳以上の高齢者
  • 60歳以上65歳未満までの心臓、もしくは腎臓、呼吸器の機能に障がいのある方、またヒト免疫不全ウイルスにより、免疫機能に一定の障がいのある方

以上の方々は予防接種にかかる費用の一部について、自治体から補助があります。乳幼児の接種費用も一部、補助している自治体があります。
インフルエンザワクチンの費用補助に関する内容や条件は各自治体によって変わるので、あらかじめ確認してから接種することをおすすめします。
詳しい費用補助の内容については近くの保健所、または医療機関に確認してください。

インフルエンザの治療経過(合併症・後遺症)

インフルエンザは、高熱や関節痛など、つらい病気ですが、多くは薬の服用と十分な休養により、1週間ほどで回復します。
オセルタミブルリン酸塩(タミフル)をはじめとした一部の治療薬を服用後、高い場所から飛び降りる、急に走りだすなど異常行動が見られるとの報告が相次ぎ、国でも注意喚起をおこなっています。
特に幼児や10代など若年層に多く見られることから、厚生労働省では「薬の服用開始後、少なくとも2日間は保護者や家族の看病のもとで、ひとりにはしないように」と呼びかけています。

インフルエンザでの出席停止期間

インフルエンザは感染力が強いため、各教育機関や施設ごとに出席停止期間が定められています。

幼稚園・保育園生

発症後5日および解熱後3日経っていないと登園できません。
幼稚園は学校保健法、保育園は保健所の感染症対策ガイドラインにより定められています。

小学生以上

発症後5日および解熱後2日を経過していないと出席することができません。これは学校保健安全法によって定められています。
出席停止期間が明ければ、医師に診断書を書いてもらい出席することができます。
通常の欠席と異なり、出席停止扱いになるので、通知表などでも欠席にはなりません。

大学生

大学生がインフルエンザにかかった場合も、出席停止扱いの休みになります。ただし、大学ごとによって対応が異なります。

社会人

会社での出席停止期間は法律で定められていません。しかし、会社内で集団感染をおこすことを避けるためにも、学校と同じように発症後5日および解熱後2日を出勤停止としている会社もあります。

合併症

まれに肺炎気管支炎、脳症などの合併症を引きおこし、重症化する恐れがあります。

肺炎

インフルエンザウイルス肺炎

インフルエンザのウイルスが肺の中に入って引きおこされる肺炎で、インフルエンザを発症してから3日以内に急激に進行し、高熱や胸の痛み、呼吸困難などの症状があらわれます。

二次性細菌性肺炎

インフルエンザの症状が改善してきてからおこる肺炎
インフルエンザウイルスにより、全身の抵抗力が低下し、他の細菌に感染してしまい起こる肺炎。発熱、咳、痰などの症状があらわれます。

気管支炎

インフルエンザウイルスや細菌による二次感染が原因となって急性気管支炎を引きおこします。
最初にコンコンとした咳が出始め、次第にゴホゴホとした咳にかわってきます。
症状が悪化すると、インフルエンザの治療をおこなっていても、高めの熱が続きます。
B型のインフルエンザの場合、気管支炎を引きおこすことが多く、重症化する前に合併症に気をつける必要があります。

インフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザがきっかけとなり発症する脳症です。
6歳以下の子どもが発症しやすく、インフルエンザの流行の規模が大きいと、発症することが多くなるといわれています。
症状が早くあらわれることがインフルエンザ脳症の特長で、インフルエンザの発症から数時間程度で神経症状があらわれます。
主な症状は、異常行動、けいれん、意識障害などで、嘔吐や突然死などの症状も見られます。

インフルエンザでの合併症がハイリスクな場合

  • 大人と比べ免疫力が低い子どもや高齢者や妊婦
  • 慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害がある
  • ステロイド内服などによる免疫機能不全がある

これらに当てはまる場合はインフルエンザによる合併症のリスクが高くなり、重症化しやすいことが分かっています。
あらかじめ予防に力を入れたり、インフルエンザにかかった際は、合併症の症状が出ていないか調べるために病院での検査を受けることが望まれます。

インフルエンザになりやすい年齢や性別

インフルエンザになりやすい年齢や性別はなく、毎年多くの世代で発症しています。
2019年の第一週の報告で58.6万人と発表されています。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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