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今年も流行?!医師が解説する2019年インフルエンザ|秋の特集

更新日:公開日:
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目次
  1. インフルエンザとは?
  2. 流行時期の予防方法は?
  3. 医師へのQ&A

インフルエンザとは?

インフルエンザは「インフルエンザウイルスによる気道感染症」です。
一般に、「高熱」「全身のだるさ」「頭痛」「咳(せき)」「のどの痛み」「鼻水」などの症状が現れます。
このような「いわゆる風邪の症状」を「感冒様症状(かんぼうよう-しょうじょう)」と呼んでいます。
ただし、インフルエンザの場合はそれらの症状が比較的急激にあらわれ、普通の風邪よりも重症化する傾向にあります。

インフルエンザ 症状 普通の風邪
38℃を超えることが多い 発熱 38℃未満にとどまることが多い
急激に症状が現れる 発病 だんだんと体調を崩していく
広く全身に症状が出る 症状の範囲 鼻 / 喉(のど)が中心
身体のあちこちが痛む 関節痛 / 筋肉痛 まったくないorわずかに痛む
後期に鼻水の症状が出てくる 鼻水 初期はさらさら、後期は粘性がある
ひどい咳(せき)が数日続く 咳(せき) 数日にわたって続く

もちろん、症状には個人差がありますが、おおむね上記のような違いが見られます。

季節性インフルエンザの流行時期

基本的に、インフルエンザは「冬期に流行する感染症」です。インフルエンザウイルスは気温が低く、乾燥した冬の環境で、より持続力や感染力を増します。
日本国内では「1~2月」が流行のピークとなっています。

例年、11月下旬~12月上旬にかけてインフルエンザを発症する人が現れます
年が明けるころには患者さんが激増し、3月まで流行期が続きます。
4月に入るとインフルエンザの発症は減少し、5月にかけて終息していきます。

このように「毎年、秋~冬に流行するインフルエンザ」を季節性インフルエンザと呼んでいます。

しかし、2019/2020年シーズンは例年よりも早い時期から発症者が報告されています。9月第3週~4週に報告された患者数が、例年に比べて増加していました。

そのため、今シーズンはインフルエンザに対する早めの注意や予防が自治体などから呼びかけられています

インフルエンザの予防接種

毎年、インフルエンザの予防接種を受けている方も多いと思います。

予防接種に使うワクチンは「ウイルスの病原性(宿主に感染させる力)をなくしたもの」か「弱めたもの」です。
「ウイルスの病原性をなくしたワクチン」を「不活化ワクチン」と呼び、「ウイルスの病原性を弱めたワクチン」を「生ワクチン」と呼びます。
インフルエンザの予防接種では、不活化ワクチンを用いています。

予防接種の目的は「病気を発症することなく、免疫を獲得すること」です。
不活化したインフルエンザウイルスを体内に入れることで、「インフルエンザウイルスに対する抗体(異物を身体から排除しようとするタンパク質のこと)」をつくり出し、免疫を獲得するのです。

しかし、インフルエンザウイルスは毎年、変化を続けています。
今年流行するウイルスは、去年までのウイルスと同一ではありません。
つまり、「これから流行するウイルスのワクチン」はどこにも存在しないことになります。

とはいえ、人間の免疫は「類似したウイルスに抵抗できる」程度には対応ができます。
そこで、予防接種では「今年流行するウイルスに類似したワクチン」を接種します。

効果的な予防接種のため、世界保健機関(WHO)は毎年、推奨ワクチン株(今年流行すると思われるウイルスに類似したワクチン)を発表しています。
日本では、WHOの情報をもとに国立感染症研究所などが「日本国内で予防接種に用いるワクチン」を決定します。

また発症すると、肺炎などの合併症をともない重症化するリスクの高い65歳以上の高齢者は、国で費用を負担する定期予防接種の対象となっています。

2019-2020シーズンのインフルエンザワクチン

インフルエンザウイルスの種類は、次のように表現します。

・インフルエンザウイルス命名法
【型 / 分離動物 / 分離地 / 分離番号 / 分離年 / 亜型】
※分離番号の部分に「ウイルスの特徴を示す英数字」が入ることもあります。・具体例1
【A / Solomon Islands / 3 / 2006(H1N1)】
インフルエンザウイルスA型で、ソロモン諸島にて2006年、3番目に分離された「H1N1亜型」のウイルスであることを示しています。分離というのは「ウイルスを検出すること」であり、分離動物は人間の場合には省略します。・具体例2
【B / Brisbane / 60 / 2008(Victoria)】
インフルエンザウイルスB型で、ブリスベンにて2008年、60番目に分離された「ビクトリア系統」のウイルスであることを示しています。

2019-2020年の冬における「インフルエンザウイルス流行予測」をもとに、今年度のワクチン株は次のように決まりました。

【2019-2020シーズン:インフルエンザワクチン株】
4価ワクチンとなっており、次の4種類のウイルス株が使われていますA / Brisbane / 02/ 2018IVR190) (H1N1)pdm09
最近のA(H1N1)pdm09流行株は、昨シーズンのWHO推奨ワクチン株(ミシガン/45/2015類似株)から抗原変異をしていました。WHOは今シーズン、オーストラリアのブリスベンで分離されたウイルス株を選定しました。・A / Kansas / 14 / 2017X-327(H3N2
A(H3N2)の流行株は、欧米で急増している遺伝子系統のウイルスのなかから、カンザス類似株が選定されました。

・B / Phuket / 3073 / 2013(Yamagata
B型(山形系統)の流行株は、昨シーズンと同じプーケット株が選定されました。

・B / Maryland / 15 / 2016NYMC BX69A)(Victoria
B型(ビクトリア系統)の流行株も昨年度と同様のメリーランド株が選定されました。

世界保健機関(WHO)によると、「インフルエンザワクチンの接種で重症化を抑えることが期待できる」としています。
予防接種をしてもインフルエンザにかかる恐れはありますが、重症化のリスクを下げることが期待できます。

インフルエンザの潜伏期間

潜伏期間とは病原体が体に侵入して発症するまでの期間を指します。
インフルエンザウイルスは、体に入ってから発症するまでが24~72時間程で潜伏期間が比較的短い病原体です。

発症後は、38度以上の発熱や頭痛、せき、痰(たん)、鼻水、関節・筋肉痛などの症状が現れます。
また、インフルエンザウイルスは発症する前から感染力を持っているため、発症に気づいた後に学校や仕事を欠席していたとしても、飛沫感染接触感染により周囲の人に感染するおそれがあります。

インフルエンザの感染経路について

・飛沫感染
感染している人がくしゃみやせきをして、唾液が空気中に飛び散るとインフルエンザウイルスも同じく空気中に舞います。
周囲の人がウイルスの混じった空気を吸い込むと体内に入り、感染します。

・接触感染
感染者が手についた唾液や粘液を洗い流さず、公共のもの、例えばドアノブやつり革などの共有物に触れ、周囲の人もウイルスのついたものを触った場合、触った手から鼻や口、目の粘膜に付着して感染します。

流行時期の予防方法は?

・手洗い・うがいを徹底する
帰宅後や食事前は必ず手を洗いウイルスを洗い流します。
うがいはいわゆる「風邪」などの感染症を防ぐ効果があるとされていますが、インフルエンザへの予防効果については証明されていません。しかし、のどの粘膜に他の病原細菌が付着して感染し病気になる可能性もあります。そうして免疫力が弱まることで、インフルエンザにかかるリスクも高くなります。そのため外出後のうがいに意味がないとまではいえません。

・人ごみを避ける
インフルエンザウイルスは人から人へ感染します。
そのため、感染者がいるかもしれない人ごみは極力避けましょう。

・人が多いところへやむを得ず行く場合はマスクを着用する
人が多い場所へ訪れなくてはならない場合は、マスクを着用します。
飛沫感染の予防効果が比較的あるといわれる不織布(ふしょくふ)製マスクが推奨されます。マスク着用は飛沫感染を防ぐと同時に、自分が感染していた際はほかの人への感染予防になります。

・適度な休息と栄養補給
寝不足や栄養不足は体の免疫力を低下させ、感染リスクが高まります。
適度に睡眠や栄養ある食事をとってウイルスに強い体づくりをしましょう。

・湿度を適度に保つ
インフルエンザが流行しやすい冬場は、湿度が低く乾燥しがちです。
加湿器やぬれたタオルを置くなどして乾燥を防ぐことをおすすめします。

・予防接種を受ける
インフルエンザワクチンを接種することでインフルエンザウイルスへの抗体が形成されて、かりに発症した場合も重症化、合併症を防ぐといわれています。

・検査の種類
1 迅速抗原検出キットによる検査
鼻やのどの粘膜を綿棒で採取し検査します。およそ30分で判定され保険適応されます。

2 核酸検査
迅速抗原検出キットでは感染して早い段階では反応がでないケースがあります。核酸検査は、まだ発症していない段階での判定、ウイルスの型の判定も可能です。検査方法はいくつかあり、それぞれ所要時間が違いますが、およそ1.5~3時間ほどで判定がでます。

医師へのQ&A

医師へのQ&A

Q1 インフルエンザに感染した場合、入浴は可能でしょうか?シャワーのみであればいい、浴槽に浸かるのは問題あるなどがあれば教えてください。

A「インフルエンザになったからといって入浴やシャワーが問題となることはありません。
ただし、入浴はそれなりに体力を消耗しますので、体調が悪ければ無理に入らないほうがいいです。」

Q2 家庭内で感染者が出た場合の生活で気をつけるべき点について教えてください。
例えばトイレが二つ以上ある場合、トイレは別にするべきなのでしょうか?
また、一つしかない場合でも、対処方法があれば教えてください。

A「インフルエンザの感染経路として飛沫感染や接触感染があります。
ですので、感染者と非感染者の生活エリアを分けることが望ましいです。
そのためトイレが2つ以上ある場合は、別にすることをお勧めします。
もし一つしかない場合、ドアノブや便器などの消毒をしてください。」

Q3 インフルエンザに感染した際に避けたい食べ物はございますか?

A「避けたい食べ物は特にありませんが、感染した際には食欲も低下するでしょうから、できるだけ消化に良いものを摂ることが望ましいです。
水分については、発熱により脱水になりやすいため、アルコールやカフェインなど利尿作用のある飲み物はなるべく控えましょう。」

Q4 インフルエンザの可能性がある場合に来院するときの注意点を教えてください。

A「インフルエンザにかかっている可能性があれば、受診先の医療機関がインフルエンザ患者さんへの対応時間帯を設けていることがありますので、受診前に電話やサイト上で確認していただくと良いでしょう。
また医療機関の受付でインフルエンザの可能性があることをお伝えください。
そして受診の際は必ずマスクを着用してください。それと他者への感染を防ぐため、医療機関まではできるだけ公共交通機関を使わないことをおすすめします。」

Q5 仕事や学校にはどのタイミングで復帰することができますか?

A「登園や登校については、発熱の日を、0日目として、6日目で、かつ解熱し始めた日(0日目)から4日目(小学生・中学生は3日目)が最短の登園・登校可能日となります。
仕事については厳密には統一したルールはなく、職場毎のルールでの対応となります。
職場にルールが無ければ原則上記の登園や登校のルールに準じていただくことが望ましいです。」

Q6 夏でもインフルエンザに感染することはあるのでしょうか?

A「あります。冬だけでなく、春や夏に感染が流行することもあります。季節が違うからといって、インフルエンザ感染を否定することはできません。」

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