血圧が高い原因は?生活習慣だけじゃない!20代でも体質によってなる?
高血圧は中年以降に発症すると考えている人が多いのではないでしょうか?しかし、20代30代でも、何らかの病気が原因で高血圧を発症する場合も少なくありません。
若年層の高血圧は、どのような原因で引き起こされるのか、高血圧になりやすい時間帯や、病院を受診するべき目安も交えて詳しく解説します。
血圧が高い原因を知ろう
1.生活習慣が血圧を高くする?
高血圧の発症には生活習慣が大きく関係しています。高血圧を指摘されたら、まず自分の生活を振り返ってみましょう。
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・肥満
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・喫煙
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・過度な飲酒
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・塩分の摂りすぎ
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・運動不足
2.生活習慣以外で血圧を高くする原因
同じような生活習慣を続けていても、高血圧になる人とならない人がいます。
これは、望ましくない生活習慣への耐性が人によって異なるからです。
つまり、体質によって望ましくない生活習慣を続けていても異常を生じない人もいれば、すぐに異常を生じる人もいるのです。
血圧が高くなりやすい人とは?
この違いは、体質の遺伝が大きく関係しています。親や兄弟に高血圧の人がいる場合は自身も高血圧になりやすい体質を持っている可能性があります。
また、妊娠中の人や、腎臓病を始めとした、高血圧を引き起こしやすい持病を持つ人は、ストレスなどで高血圧を発症する可能性があります。
なぜ血圧が高くなる?血圧のメカニズムと原因の関係
1.血管の収縮と血圧の関係
血圧とは?
血液が血管に流れ込むと、血管に圧がかかります。これを血圧といいます。
心臓から強い力で送り出された血液は体中に行き渡り、最終的には心臓に戻るという循環を繰り返します。
血管収縮すると血圧が高くなる
血管は柔軟性に富んだ筋肉でできており、収縮や拡張によって血圧の調節が行われています。血管が収縮すると、血液がより狭い場所を通るため、血管にかかる圧が高くなります。喫煙やストレス、緊張、寒さなどが原因で血管が収縮した状態が続くと、高血圧が引き起こされるのです。
2.自律神経の乱れ
交感神経は血管の収縮を促してしまう
血管の収縮や拡張は、自律神経によっても調節されています。自律神経は体の様々な機能を調節していて、交感神経と副交感神経があります。
交感神経は血管収縮を引き起こし、副交感神経は血管拡張を引き起こします。このため、不規則な生活、ストレス、睡眠障害などで自律神経が乱れてしまうと、交感神経が過度に興奮し、常に血管が収縮した状態となって血圧が高くなるのです。
3.ホルモンバランスの乱れ
更年期は高血圧のリスクが高まる
ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れにつながります。
若い女性でも不規則な生活習慣やストレスなどからホルモンバランスが乱れると、高血圧になる可能性があります。
4.体内水分の増加
塩分の摂り過ぎは体内に余分な水分を溜める
体内に余分な水分が溜まると、むくみだけではなく高血圧の原因にもなります。
塩分の多い食事を続けると高血圧になりやすいというのは、塩分の摂りすぎによって体内に余分な水分が溜まり、血液の量が増えるためです。
5.血管の老化
血管は老化によって弾力性を失う
血管は年齢を重ねるごとに弾力性を失います。また、高脂血症や糖尿病を発症すると、血管の内側が傷ついてその部位にコレステロールが溜まる「動脈硬化」を引き起こします。この動脈硬化も血管の弾力性を著しく低下させます。結果として、血管の内部が狭くなったり、血管が十分に拡張できないため、血管にかかる圧が上昇するのです。
高血圧と動脈硬化は相互に影響し合う
また、高血圧自体も動脈硬化を悪化させると分かっており、動脈硬化によって引き起こされた高血圧が更に動脈硬化を悪化させるといった悪循環に陥るケースも多々あります。
動脈硬化は40代後半ころから発症しやすくなりますが、高脂血症や糖尿病がある人は30代でも発症する可能性があるので注意しましょう。
6.病気
何らかの病気が原因となる高血圧を「二次性高血圧」と呼びます。
若年層の高血圧は、二次性高血圧が多いとされており、次のような場合には二次性高血圧を疑って病院を受診するようにしましょう。
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・突然重度な高血圧を発症した
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・むくみがある
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・痛み止めが効きにくい頭痛がある
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・生活習慣を改善しても血圧が下がらない
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・血圧の変動が激しい
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・動悸やめまいがある
高血圧の原因となる病気
腎臓病や副腎腫瘍、下垂体腫瘍、甲状腺ホルモンの異常などが挙げられます。
早期から適切な治療を行う必要があります。
高血圧を起こす可能性のある薬
漢方薬の一種「甘草」には高血圧を引き起こす成分が含まれています。
甘草は足の「つり」や喉の痛みなどの症状に対処する薬によく含まれています。
血圧が高い原因を調べるときは時間帯も大切
1.血圧は時間で変化する
血圧は24時間常に一定な数値を保っているのではなく、多少なりとも変動するものです。
血圧の正常値は収縮期血圧130mmHg、拡張期血圧85mmHgがその目安で、一日の内で10~20mmHg程度の違いが見られるのは正常です。
収縮期血圧140mmHg以上が続く場合には、高血圧を発症している可能性がありますので一度病院で診てもらいましょう。
2.夜のみ血圧が高い場合
通常であれば、血圧は活動する日中に高く、休息を取る夜には下がる傾向にあります。夜のみ血圧が高い場合には、睡眠時無呼吸症候群やうつ病などによる睡眠障害、心不全や腎臓病による体内水分の増加などが考えられます。
3.昼のみ血圧が高い場合
昼は一日を通して最も血圧が高くなる時間帯ですが、昼間のみに著しい血圧の上昇がある場合には、学校や職場などでストレスが多くかかり、交感神経が過剰に作用している可能性が考えられます。
まとめ
高血圧は適切な対策や治療を行わないで放置すると、脳出血や心筋梗塞など生命に関わる重い病気を発症するリスクが高まります。このため、血圧が高い原因をきちんと把握して、正常な血圧に戻るための対策と治療を進めていかなければなりません。
健診などで高血圧を指摘された場合は放置せず、病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。
執筆・監修ドクター
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