咳をすると胸が痛いのはなぜ!?不快な症状を改善するための対処法とは?
咳やくしゃみをしたときに、同時に胸が痛むことはありませんか?
例えば、咳のしすぎで胸のあたりが筋肉痛になっていて、時間が経てば治まることもあります。しかし、胸の痛みには重篤な病気が潜んでいることもあるので、注意しましょう。
この記事では、咳をしたときに胸が痛む原因と、原因となる病気の可能性について詳しく説明します。
咳をすると胸が痛い…原因は?
痛みの出所により原因が違う
咳をしたことによって胸が痛む場合には、いくつか原因が考えられます。原因を探るためには、どこから痛みが出ているのかを突き止める必要があります。それによって考えられる病気が異なってくるからです。
心臓や肺、内臓、肋骨など、どの辺りから痛みが起こっているかをはっきりさせることで、考えられる病気を絞ることができます。
肺や気管支、胸膜などの痛み
肺や気管支、胸膜などが痛む場合には、肺炎、胸膜(きょうまく)炎、気管支炎、気胸(ききょう)、肺がんなどが考えられます。
胸膜炎
胸膜炎は、細菌の感染によって肺を覆っている胸膜が炎症を起こします。咳をしたときに胸が痛むほか、深呼吸をすると胸に痛みを感じたり、息切れしやすくなったりします。
肺炎
肺炎は、ウイルスや細菌の感染が原因で、咳や痰、発熱がおきます。高熱が出ることも多いですが、高齢の方や、免疫抑制剤などを使用している免疫抑制状態にある方は、熱を生じない場合もあります。
気管支炎
気管支炎も、ウイルスや細菌に感染して気管支が炎症を生じます。肺炎と症状が似ているので、正しい診断は医療機関を受診しておこなってもらうようにしましょう。
肺結核
肺結核は、肺に結核菌が感染することで発症します。咳や痰など風邪に似たような症状が表われるので、風邪だと勘違いしやすい病気です。症状が長引く場合は肺結核の可能性が高くなりますので、注意が必要です。
心臓や大動脈の痛み
心臓や大動脈が痛む場合には、狭心症、心筋梗塞、心膜炎、大動脈解離などが考えられます。大動脈に症状がある場合は、身体の中心部分の胸、やや左よりに痛みを感じます。症状によっては首や喉、左肩左腕、みぞおちあたりに痛みを感じるケースもあります。
食道や胃が痛む
食道や胃が痛む場合には、逆流性食道炎、胃潰瘍などの可能性もあります。
神経が痛む
神経が痛む場合は、肋間神経痛、帯状疱疹が考えられます。
筋肉や骨が痛む
筋肉や骨などが痛む場合には、肋骨骨折、肋軟骨炎、椎間関節症、筋肉痛などが考えられます。
肋骨骨折は、咳やくしゃみ、息を吸うときの刺激で骨折した部分に負担がかかり、痛みを伴うことがあります。
安静時の痛み
咳やくしゃみをしすぎると、胸の筋肉痛になることもあります。しかし、安静にしていても胸に痛みを感じる場合は、心臓病や胸膜炎など、内臓に炎症が起こっていることが考えられますので、早めの医療機関への受診が必要です。
咳をすると胸が痛いときの対処法
病院を受診すべき症状
胸の痛みは何らかの不調のサインかも
まず、咳やくしゃみなど、通常痛みを生じないような日常生活の行動で胸に痛みを感じる場合には、何かしらの不調がある場合が多いです。
胸に痛みを感じて気になる場合には、かかりつけの医療機関に相談してみましょう。
痛みが強い、長引く場合は受診を
日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合には、すみやかに病院を受診しましよう。病気の種類によっては一刻も早く治療が必要になります。
風邪などであれば、数日〜1週間程度で痛みや咳、くしゃみの症状も治まるのが通常です。それ以上長引いている場合、早めに病院を受診するようにしましょう。
何科を受診する?
咳やくしゃみの症状なら、耳鼻いんこう科や呼吸器科、内科を受診するのがよいでしょう。症状が重い場合は二次救急を紹介してもらうこともできます。
病院での検査や治療
まずは検査を行い、咳やくしゃみで胸に痛みが出る原因を探ります。
胸の痛みの原因の検査
胸の痛みの原因を調べるには、胸部レントゲンや心電図検査などを行います。必要に応じて血液検査やMRI、CT検査を行うこともあります。
処方薬をきちんと服用する
薬が処方されたら指示に従って薬を飲むことが大切です。咳やくしゃみによって胸が痛む場合には、咳止めや去痰剤をもらうこともあります。
飲酒や喫煙を控える
日常生活において注意すべき点は、飲酒や喫煙を控えることです。大きな病気が見つかった場合には、それぞれの病気に合わせてしっかり治療をする必要があります。
生活習慣を見直す
日頃から風邪をひかないように気をつけましょう。日頃の生活習慣を見直すことも必要でしょう。保湿をして喉をいたわる、禁煙して痰を出ないようにする、咳やくしゃみを軽減できれば、胸の痛みを減らすことにもつながります。
まとめ
咳やくしゃみによって胸に痛みを感じた場合には、まずはどこに痛みがあるか自分で確認してみてください。また、痛みが出始めてからどのくらいの期間が経っているか、痛みはどの程度かもよく把握するようにしましょう。
痛みがひどく、日々の生活に問題が生じている場合には、少しでも早く病院を受診しましょう。
執筆者:荒牧内科 荒牧竜太郎先生
執筆・監修ドクター
経歴1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業
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