自分では対策しにくい背中のあせも!ひどくなる前に治す方法とは?
背中がかゆいなあと思った時、鏡で背中を見たらブツブツして肌があれている、これってあせもかもしれません。手が届く部分であれば対策もできますが、背中は手が届かず、なかなか対策が難しいものです。
この記事では、背中のあせもについて、治し方や対策、病院へ行くべき症状などを詳しく解説します。
あせもが背中に…!原因は?
1.背中はあせもができやすい?
背中はあせもができやすい部分といえます。汗をかきやすく自分でケアしづらいので、毛穴に汚れが溜まりやすいことが原因です。
2.あせもができる仕組み
汗が出やすく乾きにくい部分にできる
あせもは、汗が出やすく汗が乾きにくい部分にできやすいものです。
子どもも大人も、首やひじ・ひざの裏、うなじ、頭、額、お尻、背中、脚の付け根などにできます。赤ちゃんや小さい子どもは、オムツ周りも含みます。
汗をそのままにすると炎症が起こる
汗は、汗腺から汗管を通って汗孔から出る体液です。
汗があるところは雑菌が多くなり、汗は雑菌を餌にして繁殖します。
そのままの状態で時間がたつと、汗腺周辺の組織に汗が入り込み、炎症を起こしてしまいます。これがあせもの原因です。
人によって違いはありますが、汗をかいた状態で30分~1時間ほどそのままにするとなりやすいと言われています。
3.背中のぶつぶつはこんな病気も
背中にできるぶつぶつには、あせも以外にも病気や他の原因で起こることがあります。
あせもとは別の治療が必要なので、あせもなのか、あせもでないのか医療機関で診てもらいましょう。
薬局で薬剤師さんに相談してみるのも良いでしょう。
アトピー性皮膚炎
皮膚のカサカサや赤い湿疹、痒みを伴い、よくなったり悪化したりを繰り返す皮膚炎です。膿があったり炎症をおこしていれば、あせもではない可能性が高いです。
アトピー性皮膚炎は、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が早くなる状態です。そのため、しっかりした角質が作られず、丈夫ではない皮膚になるため、保湿力が落ちてカサカサしたり、赤みやかゆみを伴ったりします。
接触性皮膚炎
あせもではなく、油や石鹸、化粧品、洗剤、金属などが肌に触れ、ブツブツや肌が赤くなる症状です。接触性皮膚炎の場合は、ピリピリ、チクチクしたり、かぶれたような状態になります。
遅延型のアレルギー症状です。多いのは果物や金属(汗との反応によるものも含む)、天然ゴムなどがあり、接触してから少し時間がたってアレルギー反応が起こる、遅延型アレルギー症状を示します。
貨幣状湿疹
特に冬場など、肌が乾燥しやすい季節に痒みを伴う湿疹です。
湿疹の形が貨幣状(円形、楕円形の紅い斑状の湿疹)になります。アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、虫刺され、皮脂欠乏性湿疹、細菌のアレルギーなどが原因で起こります。
帯状疱疹
水ぼうそうと同じウイルスによって引き起こされる肌のトラブルです。
痛みやかゆみを伴う水泡性の発疹で、帯状に現れることがあります。
皮膚表面ではなく、体内のかゆみがあり、温めるといたみやかゆみが治まるのも特徴です。
体内に入った「水痘・帯状疱疹ウイルス」が神経に伝わった時に、痛みが発症します。
水ぼうそうのように水ぶくれができ、色素が残ってしまう事もあります。シミのような感じになったり、赤みを帯びることもあります。
自分でできる背中のあせも対策
汗をかいても、背中だと汗をふいたり、薬を塗ったりしにくいものです。でも、しっかり、対策を行わないと、あせもは、ひどくなってしまいます。日ごろから背中のあせも対策も行いましょう。
1.こまめに汗をふきとり清潔に
汗が長時間放置され、周辺組織に入り炎症するとあせもになるので、まずは、汗をかいたらふきとることと、清潔にすることを意識しましょう。
洋服を着ていると、背中に汗をかいていてもなかなかふきにくいものです。
汗をかきやすい方はトイレに行くタイミングで背中を拭くことを習慣にしてみましょう。ガーゼのような肌に優しいタオルを背中から入れ、腰から抜くようにすると拭きやすいでしょう。
汗をかいたら、下着や洋服を着替えることもよいでしょう。
2.背中を優しく洗う
1日1回お風呂に入るタイミングで背中を洗います。
せっけんやボディーソープをしっかり泡立てて、泡を優しくのせるように洗います。
せっけんが残らないように、しっかりと洗い流し、タオルで優しく水気を拭きとります。
決して、強くこすったりかいたりせず、優しく清潔にすることがポイントです。
背中のあせも、病院へ行くべき?
「背中のあせもで、わざわざ病院に行くのも…」と思っていませんか?
しかし、あせもを放置しておくと、肌のバリア機能が弱まり、悪化することがあります。あせもの面積が拡がることもあります。
痒くてかきむしると、皮膚が再生されずになかなか治りにくくなります。
背中のあせもが広がる前に、皮膚科を受診しましょう。
1.病院へ行くべき背中のあせも
背中のあせもができてなかなか治りにくい人や、痒みがあり、かきむしってしまう人、全体的に広がりなかなか治らない人、水ぶくれになりジュクジュクした人は、病院で診てもらいましょう。
2.市販薬と処方薬はどちらがよい?
あせもを広げないためには薬を使う治療が有効です。
市販薬
市販薬は、病院を受診せず、すぐに購入でき手軽です。忙しい人で早く治したい人はすぐに使えます。
処方薬
処方薬は、あせもの状態を医師に診察してもらい処方箋を書いてもらうので、少し手間がかかります。しかし、あせもだと思っていた湿疹が、あせもでない場合もあります。
その時にあせも用の市販薬を使っていると、なかなか治らず、逆に悪化することもあります。
処方薬は、症状にあった薬を出してもらえるため効果が早く、保険も適用されます。
なかなか治らない人には、医師の診察により処方される処方薬での治療がおすすめです。
3.病院で受けるあせも治療
病院では、背中のあせもの状態を観察し、あせもかどうか診断します。
その後、ステロイドの塗り薬が処方されます。患部に塗ると、数日で治る可能性が高いでしょう。
ステロイドの塗り薬は皮膚への刺激が強く、長期間の使用ができないため、必ず医師に相談します。使用期間やどの程度の症状なら使用できるか確認し、注意事項を守って使用しましょう。
まとめ
暑い季節になると、汗をかきやすく、子どもも大人もあせもになりやすくなります。
あせもは、かいてしまうと更に悪化します。
背中のあせもは、手が届かないために対策しにくいですが、汗をこまめにふき、優しく洗って、早く治しましょう。
特に子どもがかゆがっているときは、処方された塗り薬を医師に言われた期間をしっかり守り、短期間に集中してつけましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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