接触皮膚炎とは
接触皮膚炎(せっしょくひふえん)とは、外部から刺激を受けることで、皮膚に炎症をおこす疾患をいいます。以下の2つに分類できます。
刺激性
化学物質、合成洗剤などが原因で、皮膚に炎症をおこします。接触皮膚炎の約80%が刺激性です。
アレルギー性
特定の物質に対してアレルギーがある場合、その物質に免疫系が反応して、症状をおこします。
そのほかに、特定の物質に触った後、日光に当たることで発症する場合や、自身の汗など、体液との反応により発症する場合もあります。
紫外線が多い5~8月に発症することが多いといわれています。
接触皮膚炎の症状
接触皮膚炎は原因となる物質に触れた部位に、以下の特徴的な症状が出ます。
- 痛み、かゆみ
- むくみ
- 発疹
- 赤み、腫れ
- 水ぶくれ
- 皮がむける
刺激性の場合
痛みを感じることが多いといわれています。原因となる物質の毒性の強さによって、症状も異なります。
アレルギー性の場合
強いかゆみを感じることが多いといわれています。
症状が長く続くと、皮膚の表面がゴワつき、色素沈着をおこす場合もあります。
接触皮膚炎の診療科目・検査方法
接触皮膚炎の症状がある場合、皮膚科を受診し、検査を受けましょう。
原因となる物質を見つけ出す検査をおこないます。
使用テスト
前腕などに、原因として疑わしい物質を塗り、反応を確認します。シャンプーなど、家庭で使用しているものが疑われる場合におこないます。
パッチテスト
原因として疑われる物質との接触を避けても、原因が特定できない場合におこないます。原因物質を含むパッチを皮膚に貼って1~2日過ごし、反応を確認します。
接触皮膚炎の原因
刺激性の場合
- 酸、アルカリ
- 灯油
- 石鹸
- シャンプー
- 除光液
- アセトン
上記の化学物質などが刺激になります。毎日使用しているうちに、症状をおこす場合もあります。
アレルギー性の場合
- 化粧品、香水
- 合成洗剤
- ネックレス、指輪
- 金属でできたアクセサリー
- めがね
- 湿布剤、外用薬
- ゴム
身の回りのさまざまなものが原因となります。長い間、問題なく使用できていたものが、突然症状をおこす場合もあります。
接触皮膚炎の予防・治療方法・治療期間
接触皮膚炎の原因となっている物質に触れないことが何よりの治療法です。接触を避ければ、皮膚の赤みは1週間ほどで消えるといわれています。
水ぶくれができている場合、しばらくすると乾燥しますが、数日~数週間、かゆみが出たり皮膚が厚くなります。
症状がある範囲が狭ければ、冷たい水などで症状を和らげます。
ステロイドの塗り薬を使用することがあります。症状がひどい場合には、抗ヒスタミン薬やステロイド剤を内服することもあります。
接触皮膚炎の治療経過(合併症・後遺症)
接触皮膚炎の原因となる疾患を見つけて、接触を避ければ、根治できるといわれています。
予後は良好ですが、一度、特定の物質に対して発症すると、生涯にわたって症状が出ます。
接触皮膚炎になりやすい年齢や性別
接触皮膚炎は外来で皮膚科を訪れる患者さんのうち、4~30%を占めるといわれています。
性差についての報告はありません。
とても若い、あるいは高齢であることも発症の要因になります。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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