病気かも?水ぶくれができる原因やしくみを解説。水の正体はなに?

水ぶくれの原因は、靴擦れややけど、病気によるものなどさまざまです。
水ぶくれができるとどうしても気になって、さわりたくなりますよね。
しかし、水ぶくれを破いてしまうと細菌に感染しやすくなり、症状を悪化させる可能性があります。今回は、そんな『水ぶくれ』の原因についてご紹介します。
水ぶくれについて
1.水ぶくれとは?

一般的に『水ぶくれ』とよばれる水疱(すいほう)は、皮膚の病気のひとつです。
ボコッと半球状に隆起した状態であらわれ、薄い表皮の内側にさらさらとした液体を含んでいます。
そのため、水ぶくれの表面の皮は薄く、破れやすい状態になっています。
水のような液体は、皮膚の損傷によって浮き出た、「血清」や「タンパク質」です。
血清とは、血液が固まるときに分離する黄色または透明の液体で、感染症の判断に使われることもあります。
2.水ぶくれができるメカニズム
皮膚の損傷による「水ぶくれ」がもっとも多い
水ぶくれができる原因はさまざまです。そのなかでもっとも多いのが、皮膚の損傷によるものです。
皮膚が損傷すると、血清やタンパク質などを含んだ液体が浮き出てきて水ぶくれができます。
とくに「靴擦れ」によってできやすい

水ぶくれの代表的な例が靴擦れです。合わない靴を履いたり長時間歩いたりすると、靴と皮膚がこすれあい、皮膚が損傷して液体がたまります。
水ぶくれの中の液体は「皮膚を保護するもの」
水ぶくれの中に含まれる液体は、血液中にある『フィブリン(血液凝固にかかわるタンパク質)』などを含む物質で、皮膚を保護する役目があります。
火傷による水ぶくれも、同じものです。
3.水ぶくれは、破いても大丈夫?

水ぶくれは破かない!
先ほど述べたように、水ぶくれに含まれる成分は、皮膚を保護する役目があります。そのため、無理に破かないほうがよいでしょう。
水ぶくれを破いてしまったら?
破れてしまうと、皮膚が細菌感染しやすい状態になってしまいます。破れてしまった場合は、清潔なガーゼをあて、早めに皮膚科を受診しましょう。
自己判断で薬などを使用すると、症状が悪化します。また、治療期間が長くなる、傷痕が残るなどの後遺症もあるため、注意が必要です。
病気が原因でできる水ぶくれ
1.水疱瘡(みずぼうそう)
液体を含む小さな発疹が全身に

ウイルス感染によって起こる皮膚病で、小児期によく見られる『急性熱性発疹症』のひとつです。
液体を含む小さな袋状になった赤い発疹が、手足・口内・頭髪の中など、全身に散らばります。
発疹は2~3日がピーク
発疹は2~3日でピークとなり、乾いてくると黒いかさぶたができます。小児期であれば、1週間程度でよくなるでしょう。
成人が発症した場合は?
成人が水疱瘡を発症した場合、入院での治療が必要になるほど重症化します。
7~10日ほど高熱が続き、食事も思うようにできなくなります。その後は、子どもと同じように黒いかさぶたが全身に広がります。
場合によっては、1か月ほどの自宅療養が必要になることもあるでしょう。
うつらないように注意が必要
最近は、成人の抗体保有率が低下しているといわれているため、うつらないよう注意が必要です。
ウイルス性の水ぶくれは、液体の中にウイルスが混ざっていることもあります。
水ぶくれが破けると感染する可能性があるので、破かないように注意しましょう。
2.帯状疱疹(たいじょうほうしん)

毛細血管の拡張などが原因で、皮膚の表面が赤くなり小さな水疱が帯状に並びます。
神経痛のように痛むのが特徴です。
水疱瘡のウイルスが、治ったあとも神経に潜伏していて、何らかのきっかけで再活性化する病気です。
発症した場合は、なるべく早く病院を受診しましょう。
3.単純疱疹(たんじゅんほうしん)
『単純疱疹」とは『ヘルペス』のことで、口唇や陰部などに小水疱が多発します。
接触感染するため、性行為での感染が多いものです。早めに病院を受診しましょう。
また、一度ヘルペスにかかると疱疹がひいても体内にウイルスが残り続けます。
そのため、病気や疲労で抵抗力が落ちているときや月経前後に再発しやすく、注意が必要です。
4.天疱瘡(てんぽうそう)

突然なんの前触れもなく、皮膚にいろいろな大きさの水疱ができる病気です。
天疱瘡は「自己免疫疾」 のひとつで、二種類あります。どちらも死亡率が高いため、治りにくい水疱ができたら早めに病院を受診しましょう。
尋常性天疱瘡
口内炎がひどくただれたようなものです。
落葉状(らくようじょう)天疱瘡
小さな水疱ができ、落ち葉のように乾燥して皮膚がはがれてきます。
水ぶくれの対処法
1.自分でできる水ぶくれの対処法
水ぶくれの原因によって、対処法が異なります。

靴擦れが原因の場合
水ぶくれに絆創膏やガーゼなどを貼って、破かないように保護します。
また、足に合った靴を選択し、歩き方や姿勢を見直すことも大切です。
やけどが原因の場合
水ぶくれができるのは、表皮の下にある真皮(しんぴ)にまで進んだやけどです。
やけどをしたら、すぐに流水で優しく冷やすと症状がやわらぎます。
流水が無理な場合は、洗面器などに水をはり、冷やすとよいでしょう。
2.病院へ行くべき、水ぶくれの症状は?

靴擦れが原因の場合
もし水ぶくれが破れたら、まず水で洗って清潔にしましょう。
皮膚ができるまでの間、乾燥させないように保湿します。回復を早める保湿性の高い絆創膏がおすすめです。
ただし、傷口から雑菌が入る可能性が高いため、痛みがとれない場合は細菌感染が疑われます。
その場合はすぐに皮膚科や形成外科を受診しましょう。
やけどが原因の場合
水ぶくれに薬や軟膏などを塗らずに病院を受診します。やけどの深さを判断するのは難しく、薬を塗ってしまうとさらに判断しづらくなります。
見た目は小さくても、深い部分まで損傷が進んでいることもあるため、自己判断せず、皮膚科を受診しましょう。
まとめ

水ぶくれには、さまざまな種類があり、症状や対処法も異なります。
そのため、早めの治療が「治療期間の短縮」や、「傷痕」「後遺症」を防ぐことにつながります。
ウイルス性の水ぶくれも、やけどなどの皮膚の損傷による水ぶくれも、破かないように注意しましょう。
どちらの場合も、早めに皮膚科などの専門医を受診することをおすすめします。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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