頭がかゆい…頭皮のフケやかさぶたの原因は?薄毛の前兆や原因となる場合も
「ちゃんと髪の毛を洗っているのに頭がかゆい」「フケが出る」「赤いブツブツができている」…頭皮はなかなか自分の目でみることができません。
かゆみがあっても、少しかいて、それ以上は放置してしまいがちです。
頭皮には毛穴が多く、皮脂や汗の分泌が盛んな部位です。
帽子などで蒸れた、シャンプーが合わない、カラーリング、乾燥、紫外線をはじめとした外から受ける刺激など、頭皮トラブルの原因はさまざまです。
なかにはカビやシラミが原因で炎症や湿疹が治らずに症状を繰り返す頭皮の病気もあるので要注意です。
放置すると抜け毛の原因になることもあります。
こんな頭皮の症状、原因は?
かゆみ、フケ、かさぶた、チクチク痛む、抜け毛…頭皮の悩みも人それぞれ違います。顔ならひとめでわかって気にしますが、頭皮についてはつい後回しになってしまいますよね。
でも、皮膚科でしっかりと原因を探って治療しないとやっかいなことになることもあります。
かゆみの原因はカビやダニかも
頭にカビというとぎょっとするかもしれませんが、頭皮にもカビがいるのです。
代表的なものは マラセチアというカビの一種です。これは皮膚にいる常在菌です。
汗や皮脂などによって増殖すると脂漏性(しろうせい)皮膚炎の原因になります。
マラセチアはたとえば、洗髪して濡れたままでいると繁殖します。
乾燥した、あるいは脂っぽいフケをともなった頭皮のかゆみが続き、地肌が赤くなるようなら脂漏性皮膚炎かもしれません。
症状が重くなると、頭皮に厚いうろこ状の発疹ができ、はがれ落ちてくることもあります。
人の毛穴に潜む皮膚ダニもいます。清潔にしていても皮膚にすみつきます。増殖するとダニの排泄物が増え、これがアレルギーなどを引きおこす原因になります。
頭皮のかさぶたは乾癬が原因?
乾癬(かんせん)は赤く盛り上がった発疹があらわれ、皮膚の生まれ変わりが早くなり鱗屑(りんせつ)という白いフケになってポロポロとはがれてくる病気です。
ほかの人にうつるものではありませんが、はがれ落ちる前の状態がかさぶたのようになります。
また、 脂漏性皮膚炎によってかさぶたができる可能性もあります。
髪についた硬いフケ、もしかしたらアタマジラミかも
白いフケのようなものが髪の根元にみえるのに、全然落ちて来ないなら、それはアタマジラミかもしれません。
アタマジラミは頭髪に寄生する小さな昆虫です。「シラミ?!」と驚く人も多いでしょうが、90年代からまた増加しています。主に子どもの間で流行します。
清潔にしていても寝具、衣類、帽子、タオルなどの共用でうつります。接触して過ごす場面の多い、子どものころにひろがりやすいのです。
家庭内感染でうつされる大人ももちろんいます。
発見した場合は感染を防ぐために幼稚園や保育園、学校などに知らせます。発生を報告された学校などでは注意喚起が必要です。
痛みは神経痛や帯状疱疹の可能性
ブラッシング時など、頭頂部や生え際、後頭部などに電気が走ったようにピリピリと痛い場合は頭皮神経痛かもしれません。
自分でおかしいと感じる頭皮の部分を指で押すと強く痛む場合はその可能性があります。
帯状疱疹の痛みは 主に体幹部に帯状の湿疹があらわれます。
しかし、基本的に全身の皮膚に発症する可能性があるので、頭皮にビリビリとした痛みがあらわれることもあります。
産後のホルモンバランスの乱れも原因に
出産という大事を終えたお母さんには育児という次のストレスが待っています。」
そこでおこる頭のかゆみは気になるものの、自分のメンテナンスに手がまわらない人も多いでしょう。
原因には、ホルモンバランスの乱れや寝不足などによるストレスがあります。こうしたことが頭皮の血行不良や、乾燥などのダメージをもたらします。
また、忙しさで洗髪が不十分になっていることもあります。
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かゆいところがハゲてきた! あらゆるダメージが引き金に
頭皮のかゆみをそのままにしていると、髪の毛が抜けることがあります。皮膚の炎症は頭皮にダメージをあたえるからです。
マラセチアによる脂漏性皮膚炎などのほかに頭にできる水虫なども原因になります。
足にできるイメージの水虫ですが、水虫をおこす白癬菌(はくせんきん)にもいろいろ種類があります。 頭皮の水虫になると抜け毛がおこりやすくなります。
柔道、レスリングなどの格闘技を介して、海外から入ってきたトンズランス菌という白癬菌は頭皮にできます。
また、犬や猫が主にかかるミクロスポルム・カニスという白癬菌もあり、これはペットから人に感染する可能性があります。
空気の乾燥する冬にあらわれる乾燥性皮膚炎は、適度な水分や脂分が失われて頭皮がうるおいをなくし、乾燥することによってかゆみ、フケを生じます。頭皮環境の悪化によって脱毛もおこりやすくなります。
アレルギーによって皮膚に強いかゆみをともなう発疹があらわれる アトピー性皮膚炎も、頭皮にあらわれれば抜け毛をおこしやすくなります。
また、自己免疫やストレスなどが原因と考えられる円形脱毛症では髪が抜ける前にかゆみを感じることがあります。
頭皮のトラブルは皮膚科へ
頭皮は顔と同様、皮膚のトラブルに分類されます。
そのため、頭皮に何らかの異常を感じたら、皮膚科を受診するようにしましょう。
かさぶたや赤みに対して保湿クリームを塗るなど自分で手当していると、その刺激でかえって症状が悪化する危険性があります。
また、内臓や神経からきている放置できない病気が潜んでいる可能性もあります。
予防の鍵は適切な洗髪と生活習慣の改善
このように、頭のかゆみひとつにも多くの原因が考えられます。
こうしたトラブルを防ぐためにも、適度な洗髪をこころがけましょう。
汚れを溜めすぎても、洗いすぎてもよくありません。できるだけ洗剤が残らないよう、ていねいにすすぐようにしましょう。
また、頭皮トラブルは生活習慣の乱れからきている場合もあります。
しっかりと睡眠をとり、過度に香辛料やアルコールなどの刺激物をとらない、栄養バランスに注意するなども大切です。
執筆・監修ドクター
経歴2002年 金沢医科大学医学部 卒業
2002年 金沢医科大学病院 小児科、内科勤務
2004年~2018年大阪、神戸、東京、福岡の病院、クリニックで内科、皮膚科勤務
2018年 クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル内に医科開設
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