口唇ヘルペスの治療法と治るまでの期間は?避けるべき食品はコレ!
口の周りがなんだかチクチクするなと思ったら、赤くなり水ぶくれができてしまった・・・これっていったい何?という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
これは口唇ヘルペスという病気です。
口唇ヘルペスは、口の周りにできるので目立ってしまうことが多く、お化粧では隠し切れません。そのため、女性にとっては気分も上がらず、つらい状態になってしまいますよね。
この記事では、口の周りにできる『口唇ヘルペス』の治療を中心にご紹介します。
口唇ヘルペスになる原因は?
1.口唇ヘルペスは感染症だった!
口唇ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが原因の感染症です。
口の周りに水ぶくれができる『炎症性皮膚疾患』で、単純疱疹ともよばれています。
2.じつは日本人の約70%の人が感染
発症していないだけで、じつは日本人の約70%の人が感染しているといわれています。
ヘルペスウイルスは、幼少期に家族間の接触によって感染して、そのままが潜伏していることが多いです。
3.どのタイミングでウイルスが発症?
風邪やストレスなどで体の免疫機能が低下したときに、潜伏ウイルスが活性化して再発をくり返します。
口唇ヘルペスは、皮膚科で治療を受けることをおすすめ
1.なぜ皮膚科へ行ったほうがいいの?
口唇ヘルペスは、早期発見・早期治療によって症状が軽くすむことが多いです。
逆に、自己判断でむやみに触れたりすると、悪化させてしまいやすい病気といえます。
そのため、口唇ヘルペスと思われる場合は、すぐに皮膚科や歯科医院を受診されることをおすすめします。
2.皮膚科ではどんな治療をおこなうの?
皮膚科でうける治療法としては、抗ウイルス薬、抗生物質、鎮痛剤の処方が一般的です。
症状によって、外用薬や内服薬を処方されます。
軽症の場合は『抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)』を外用することもありますが、一般的には『抗ウイルス薬』の全身投与を行います。
初感染や中等症(軽度と重度の中間をあらわす)の場合には、『抗ヘルペス薬(アシクロビル、バラシクロビル)』の内服を行い、重症例や免疫不全者では『抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)』の点滴静注を行います。
細菌の二次感染を防ぐために、抗生物質の全身投与または外用を行うこともあります。
口唇ヘルペスに初めて感染し重症化している場合には、点滴がおこなわれることもあります。
3.皮膚科で処方される代表的な薬
バルトレックス
有効成分として、塩酸バラシクロビルがあり、吸収率が高いといわれています。
ゾビラックス
有効成分として、アシクロビルがあり、比較的副作用が起こりにくいといわれています。
アラセナA
有効成分として、ビラダビンがあり、初期症状時に使用すると重症化を予防します。また皮膚の治癒を早める効果がありますが、赤みや違和感等の副作用が出ることがあります。
自分でできる治療&予防法。おすすめの食事は?
1.水ぶくれが生じている場合は接触を控える
水ぶくれの内包物にはとても感染力が強い多量のヘルペスウイルスが含まれています。
そのため、できるだけ接触をひかえ、マスクを着用するなどして感染を防ぎましょう。
2.発症している人のタオルや食器は使わない
ヘルペスウイルスは、間接的な接触からも感染します。
そのため、口唇ヘルペスを発症している人が使用したタオルや食器は触れないようにしましょう。
ウイルスは、洗剤を使って洗うことで除去できます。また、洗ったタオルは日光に当てることで殺菌効果が期待できます。
3.食事でしっかり栄養を摂って免疫力アップ!
食事でウイルスに負けない体づくりを!
口唇ヘルペスは、免疫力が低下した際に侵入しやすく、発症もしやすいと考えられます。
そのため、栄養バランスの良い食事を摂って、体力や免疫力をアップさせることが大切です。
口唇ヘルペスは食事を工夫することで、予防や早期治癒が見込める病気です。
口唇ヘルペスの予防が期待できる食品
必須アミノ酸のリジンを多くふくむ、豆腐・納豆・カツオ・鮭・鶏肉・豚肉・牛肉・そば・ヨーグルトがおすすめです。
リジン は原因となるウイルス感染を予防・改善する効果があり、感染症に対して抵抗力を高める効果を持つとされています。
そのためヘルペスウイルスの働きを抑制し、発症率を低下させたり、発症しても回復を促進したりすることがが期待できるでしょう。
口唇ヘルペスができているときは、この食品はNG!
チョコレートやナッツ類、カフェイン等に多く含まれる必須アミノ酸の『アルギニン』 は、ヘルペスウイルスの栄養分となるため、ヘルペスウイルスのはたらきを高め発症させてしまうことがあります。
このように、口唇ヘルペスは食事を工夫することで予防や早期治癒が見込める疾患です。
4.休養する
疲労や発熱などによって免疫力が低下すると、口唇ヘルペスを発症・再発することがあります。
疲れが溜まっているときや体が弱っているときは、免疫力を戻すためにも無理は禁物です。
じゅうぶんな休養を取って体力を回復させましょう。
5.紫外線を避ける
ヘルペスウイルスに感染している人が紫外線にあたると、症状が悪化するといわれています。
外出時は、直射日光を避け、日傘や帽子を着用する、木陰に入るなど工夫をしましょう。
6.ストレスを溜め込まない
強いストレスを感じると、免疫力が低下して再発しやすくなります。そのため、ストレスをうまく解消できない状態が長く続くと、それだけ免疫力も低下します。
自分にあったストレスの発散法やリラックスの方法を見つけ、精神的にも負担のかからない生活を送ることが大切です。
口唇ヘルペスの発症~回復までの期間と経過
1.発症前の症状は?
発症前は、口元にピリピリとした違和感やかゆみが生じます。この違和感は、患部の内部でウイルスが増殖を開始したことによるものです。
再発をくり返している人は、この段階で口唇ヘルペスに気づくことが多いようです。
2.発症期
発症前の症状があらわれて数時間で、違和感があった部分が赤く腫れてきます。
腫れるだけでなく、痛みをともなうこともあるでしょう。
3.発症してから2~3日後
口唇ヘルペスの自覚症状があらわれてから2、3日後に、赤く腫れていた部分に水ぶくれができます。小さい水ぶくれが合わさって、大きい水ぶくれになってしまうこともあります。
また、水ぶくれが破れて内包物 (皮膚の損傷によって浮き出た血清やタンパク質)が出てくることがあります。この内包物にはウイルスが多量にふくまれています。
そのため、再び感染したりほかの人にうつしたりしないように、注意が必要です。
4.回復期
水ぶくれは、1~2週間くらいで乾き、かさぶたになって 回復していきます。
個人差はありますが、だいたい2~3週間ほどで治ることが多いでしょう。
かさぶたを触ったり無理に剥がしたりしないことが、早く治すコツです。
重症だった場合には、水ぶくれが痕になって残ってしまうことがあるので、早期治療をおすすめします。
まとめ
口唇ヘルペスは、体調不良のときにあらわれやすい病気です。
口唇ヘルペスがあらわれた場合は、「体に疲れが溜まっているサイン」と捉えて無理をせずしっかり休むことが大切です。
重症化すると治るまでに時間がかかってしまいます。そうなると、日常生活に支障が出てしまいます。ですから、たかが赤みや水ぶくれと放置せず、とにかく早めの受診をおすすめします。
また、日ごろから体調をしっかり管理し、免疫力を維持することがとても重要です。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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