病院でうける逆流性食道炎の治療は?加齢による機能低下を防ぐ食事とは
逆流性食道炎の治療は、薬や手術、食事療法などでおこないます。
避けた方が良い食品や、おすすめの調理法などをご紹介するので、実践して胃に優しい食事を心がけましょう。
また、再発を防ぐために、普段の生活で意識するべきことについても解説します。
病院でうける、逆流性食道炎の治療
1.処方薬について
逆流性食道炎の治療薬として処方されることのある主な薬は3種類あります。
初診で3種類すべて処方されるケースは少ないですが、症状に応じて処方が増えると、結果的に3種類処方されることもあります。
プロトンポンプ阻害薬またはH2ブロッカー
胃酸の分泌を抑制する
消化管運動機能胃改善薬
胃の内容物の逆流を防ぎ、食道の運動促進を促す。
アルギン酸塩
食道の粘膜を覆うことで、粘膜障害を防ぐとともに、胸やけを改善する。
逆流性食道炎は再発しやすい病気であり、たとえ薬物療法によって改善したとしても、それまでと同じ生活をしていれば再発してしまいます。改善のためには生活習慣を改めることが必要です。
2.外科的治療について
先にあげた薬を服用しても、改善が見られない場合は外科的治療を行うこともあります。
外科的治療として、一番一般的なのは、「噴門形成術」といって、胃と食道のつなぎ目である噴門を食物が逆流しないように修復する手術です。
以前の手術方法としては開腹手術や開胸手術という方法もあり行われていました。
逆流性食道炎を改善するために、気をつけること
1.食事療法
避けたほうが良い食品
- 香辛料
- コーヒー
- お酒
- 炭酸飲料
- 脂肪分の多いハムやベーコン
- 揚げ物や油を多く使った炒め物
- 胃を刺激するものや酸性の強いもの
食べても良い食品と調理法
- 野菜は、ゆでる・蒸す・煮るなどをしてやわらかく調理。
- 肉類は、余分な脂を落とすよう調理方法を工夫する。
- パン、うどん、おかゆなど、柔らかく消化しやすいもの
2.普段の生活で心がけること
腹八分目を意識する
たくさん食べることで腹圧が上がり、逆流の原因となるため、腹八分目を意識しましょう。
よく噛みゆっくりと食べる
一度にたくさん食べると、胃に負担がかかり、噴門が緩みやすくなります。適切な量を少しずつ食べるようにします。
間食を避ける
食事の回数が増えすぎると、胃酸も増えてしまい、胸やけの原因となります。胃を十分に休ませる必要があります。
禁煙
喫煙は胃を刺激し、胃酸が多く分泌されます。それによって胃が荒れてしまうため、タバコは、逆流性食道炎を悪化させるといわれています。
食べてすぐに横にならない
食事から就寝までは、最低でも3時間はあけるようにします。食後すぐに横になると、逆流しやすくなります。
胃の形に合わせて、左側を下にすると胃酸が胃に溜まりやすくなり、食道に流れにくくなります。
また、肩の辺りから首にかけて少し高くするのもよいでしょう。ただし、角度をつけすぎると腰に負担をかけてしまいます。
目安としては、クッションなどで15度くらいの角度に傾斜をつけると良いです。
3.再発を防ぐために
猫背にならないようにする
猫背になると、胃の中に圧力がかかり、胃の入り口にある噴門に負担がかかり、緩んで逆流しやすくなります。
食べるときに限らず、日常生活においても、背筋を伸ばすように意識することは、逆流性食道炎を改善し、再発を防ぐことにつながります。
お腹周りに脂肪がつきすぎないように
お腹周りに脂肪がつくことで、胃を圧迫し、噴門の機能が低下する恐れもあります。
過度な肥満の場合は、減量しお腹まわりをすっきりさせる必要があります。
加齢とともに、下部食道括約筋の機能は低下するので、噴門を鍛えておくとよいでしょう。
まとめ
逆流性食道炎は、近年増加している疾患のひとつです。
再発しやすい病気でもあるので、定期的な検査や治療、食生活の改善が必要になります。
見過ごせない胸やけなどの症状を感じたら、早急に病院を受診し、医師に相談するようにしましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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