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なぜ?胃潰瘍で下痢を引き起こす原因。食事など自分でできる対処法!

更新日:2017/06/13 公開日:2017/06/13 view数:1,154
胃潰瘍 下痢

胃潰瘍は、日常受けているストレスからも発症する、私たちに身近な病気です。胃潰瘍の症状としては、胃や腹部の痛みがあります。

しかし胃潰瘍の治療中に、下痢になってしまうという患者さんは多いです。治療中に治療前と異なる症状が出てくると不安になりますよね。

そこで、胃潰瘍がどのように起こるか、その治療中に起こる下痢のメカニズム、下痢になった場合どうすればいいかを解説します。

目次
  1. 胃潰瘍とは
  2. 胃潰瘍で下痢を引き起こす理由
  3. 下痢になったときの対処法
  4. まとめ

胃潰瘍とは

胃潰瘍とは、簡単にいうと、胃の壁の内側に傷がつく病気です。

胃液に含まれる『胃酸』は強い酸性なので、食べ物だけでなく胃の粘膜をも溶かす力を持っています。

健康な状態であれば、胃の粘液がアルカリを分泌して胃酸を中和することで胃を守ることができます。しかし、胃の機能が正常に働かなくなると、胃酸が胃の粘膜をとかしてしまいます。

こうやって胃の内側の壁が溶かされていき、ある一定の深さ以上に浸食が達すると、私たちが『胃潰瘍』としてしっている腹痛や吐き気などの症状が出てきます。

胃潰瘍で下痢を引き起こす理由

1.治療に使う薬剤の作用で下痢になる

胃潰瘍 下痢

胃潰瘍の治療をしていて、その薬剤の作用で下痢になる場合があります。

先に解説したように、胃潰瘍は、『胃の粘膜の能力が低下』したり、『胃酸の分泌が盛んになることで、胃の粘膜バリアとしての働きが弱く』なったりすることで形成されます。

また、胃潰瘍の出来る過程にピロリ菌が関与していることもあります。

そのため薬物療法として、2つの考え方があります。1つは、『胃酸の分泌を抑えながら胃の粘膜を強化していく』方法、もう1つは、『ピロリ菌を殺す』方法です。

胃酸分泌を抑制する薬物療法

胃酸分泌を抑制する方法は主に4つありますが、胃酸分泌に関わる『ヒスタミン』という物質の受容体(H2受容体)を遮断するものと、胃酸分泌を最終的にコントロールしている『プロトンポンプ』と呼ばれる部分の働きを阻害するもの(PPI)が主です。

胃粘膜を強化する方法も胃粘膜保護薬や胃粘液増量薬など5つありますが、いずれの方法もよく用いられています。効果としては胃酸分泌を抑える薬のほうが強いです。

ピロリ菌に対する薬物療法

ピロリ菌を殺すために、抗生物質を用います。現在はペニシリン系とマクロライド系の抗生物質が用いられています。それにPPIを併用する3剤での除菌療法が一般的です。

中でも胃酸分泌を抑制する薬が主に使われる

先に解説した薬の中でも、胃酸分泌を抑制する、『H2遮断薬』と『プロトポンプ阻害薬(PPI)』が主に使われます。これらを使用することで、胃粘膜を攻撃していた胃酸の分泌が抑制されます。

薬により胃酸の分泌が促進されることで、下痢を起こす

胃液のほとんどは、塩酸からなる胃酸です。ほかには少量の消化酵素や、消化管ホルモンなどが含まれています。胃にたまった食べ物は塩酸と混和・撹拌(かくはん)されることによって、殺菌・加水分解され、どろどろの『消化粥』が形成されます。

胃での消化は、腸における本格的な消化・吸収の準備段階でもあるのです。

薬剤により、胃酸の分泌を抑制することで、胃での食塊の殺菌・加水分解作用も抑制されます。すると、菌がそのまま腸に流れたり、食物の不消化が起こったりして腸に影響を及ぼし、下痢が生じます。

2.胃の消化能力やバリア機能が低下することで下痢になる

胃潰瘍 下痢

胃潰瘍になると、食べ物を消化するため胃酸や消化酵素が正常に分泌されません。それにより胃の消化能力が低下し、下痢になることがあります。

また、胃のバリア機能が弱まって、細菌が増殖することで下痢を引き起こすこともあります。

下痢になったときの対処法

1.腸をあたため、安静にする

まず、腹部を冷やさないよう注意してください。そのうえで、下痢がひどいときは、静かに横になって安静にしましょう。

2.下痢がひどいときは絶食

下痢の症状がひどいあいだは、何も食べないようにしてください。

3.流動食やおかゆを経て普通の食事へ

胃潰瘍 下痢

下痢がおさまってきたら、重湯やミルクなどの流動食から食べ始めましょう。その後徐々におかゆ、普通食へと戻していきます。

おかずは、卵や白身魚、ジャガイモなど、線維が少なく栄養価の高い食品をやわらかく調理しましょう。

4.しばらくは生の野菜・果物を避ける

下痢がおさまってきても、生の野菜や果物は避けましょう

消化機能が衰えているため、繊維質の多い食べ物は胃腸に刺激となってしまいます。

低脂肪・高たんぱくで消化・吸収が良く、腸粘膜への刺激が少ない食品を摂って腸の負担を軽くするとよいですね。うどんやささみなどがおすすめです。

5.食中毒にも十分注意する

薬を服用している間は胃の殺菌作用が弱まっているため、食中毒に感染しやすい状態です。

食中毒の原因になりやすい、肉や魚介類の生食は避けてください。食べるときは十分に加熱しましょう。また、調理前や食事前は必ず手を洗うよう心がけてください。

まとめ

胃潰瘍の治療中、治療に使う薬の作用で下痢の症状に悩まされることがあります。そうすると、治療がうまくいっていないのでは、と心配になることもあるでしょう。

心配なことがあればすぐに、医師に相談してください。また、治療を受ける際に、薬やその副作用についてしっかり確認しておくことも、そうした不安を取り去る第一歩ですね。

そのうえで、下痢が起こったら、食事など、自分で出来る対処法をきちんと実践することが大切です。

執筆・監修ドクター

岡村 信良
岡村 信良 医師 久野銀座クリニック 理事長 担当科目 消化器内科

経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業

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