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はいあすぺるぎるすしょう肺アスペルギルス症

更新日:2022/09/27 公開日:2020/01/08 view数:12,421
目次
  1. 肺アスペルギルス症とは
  2. 肺アスペルギルス症の症状
  3. 肺アスペルギルス症の診療科目・検査方法
  4. 肺アスペルギルス症の原因
  5. 肺アスペルギルス症の予防・治療方法・治療期間
  6. 肺アスペルギルス症の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 肺アスペルギルス症になりやすい年齢や性別

肺アスペルギルス症とは

肺アスペルギルス症(はいあすぺるぎるすしょう)とは、アスペルギルスという真菌(カビの一種)の胞子を吸い込むことで発症する病気です。

アスペルギルスには、たくさんの種類があります。熱に強く、どこにでも存在します。通常、感染症をおこすことはありません。

ただし、免疫機能が低下していると感染することがあります。

長い期間、ステロイドによる治療を受けていたり、臓器移植を受け免疫抑制剤など使用していたりする人、糖尿病がある人、慢性的な呼吸器の病気がある人は感染しやすくなります。

また、感染だけではなく、アスペルギルスに対してアレルギーをおこしている場合もあります。

肺アスペルギルス症には、侵襲性アスペルギルス症とアレルギー性気管支肺アスペルギルス症があります。

また、アスペルギローマという球状のかたまりを肺の中につくること(肺アスペルギローマ)があります。

肺アスペルギルス症の症状

肺アスペルギルス症が軽度の場合は、症状があらわれないこともあります。

咳(せき)を繰り返し、呼吸するとヒューヒューゼイゼイと音がする喘鳴(ぜんめい)をおこします。

肺アスペルギローマによって血を吐く喀血(かっけつ)がおこることもあります。多くはありませんが、喀血によって、激しい出血がおこることもあります。

侵襲性アスペルギルス症はあまり多くはおこりません。しかし、かかると急激に進行するため、生命にかかわることがあります。

症状も幅広く、発熱や悪寒をはじめ、急激に血圧が低下するショック症状、意識がもうろうとして錯乱した状態になるせん妄などをおこすことがあります。

また、肺以外のほかの臓器にも広がって、腎不全や肝不全をおこすこともあります。


肺アスペルギルス症の診療科目・検査方法

肺アスペルギルス症が疑われる場合は呼吸器内科を受診してください。

血液検査、レントゲン検査、CT検査、培養検査などをおこないます。

血液検査で、アスペルギルスに対するアレルギー反応が陽性であれば、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症が疑われます。

レントゲン検査やCT検査などの画像検査では、肺の状態を確認することができます。

培養検査では、痰(たん)などから病原体を培養して、真菌の種類を確定します。

肺アスペルギルス症の原因

肺アスペルギルス症の原因は、アスペルギルスというカビの一種です。

アスペルギルスには、いくつかの種類があります。どこにでも存在していて、土の中にも多くいます。

普段は人間に感染することはありません。ただし、免疫力が低下していると、感染しやすくなります。

肺アスペルギローマでは、肺にかかわる病気によって肺の内部にできた空洞の中にアスペルギルスが繁殖します。

菌糸と血液、白血球などが絡まってできるかたまり(箘球)をアスペルギローマといいます。このかたまりが少しずつに大きくなって肺組織を破壊します。

肺アスペルギローマは肺組織以外に広がることはほとんどありません。

侵襲性アスペルギルス症は、アスペルギルスが血液に乗って、肺から心臓や肝臓、腎臓などに広がります。

アレルギー性気管支肺アスベルギルス症は、アスペルギルスへのアレルギー反応です。アスペルギルスのなかでもアスペルギルス・フミガートスという種類のものが原因になることが多くあります。

喘息(ぜんそく)の患者さんは気管支や肺が過敏になっているため、アスペルギルス以外のカビに対しても同じような症状を発症することがあります。

肺アスペルギルス症の予防・治療方法・治療期間

肺アスペルギルス症は、抗真菌薬による治療をおこないます。アスペルギルスに感染しているのが肺だけであれば、進行は速くありません。

そのため、急激に危険な状態になることはあまりありませんが、感染が広がっている場合は、治療をすみやかに開始する必要があります。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の場合、ステロイドや気管支拡張薬の吸入をおこなう喘息の治療に加えて、ステロイド薬を飲み薬としても使用します。

肺アスペルギローマで出血を引きおこしている場合は、薬を飲んでも効果はあまりありません。ただし、抗真菌薬によって症状が軽くなることはあります。

状況によっては、外科でアスペルギローマを切除する手術をすることもあります。

肺アスペルギルス症の治療経過(合併症・後遺症)

肺アスペルギルス症の原因となる、アスペルギルスは日常生活のあらゆる場所に存在します。そのため、完全な予防は困難です。

感染しやすいとされる人は、ほこりの多い環境をさける、マスクをするなどの対策をするといいでしょう。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は、ほかの喘息と比べて薬の効果が出にくいことが多くあります。また、侵襲性アスペルギルス症は進行が早く、急激に生命にかかわる状態になることもあります。

肺アスペルギローマの手術には、ほかの病気にもかかっている場合が多いため、危険を伴うこともあります。

肺アスペルギルス症になりやすい年齢や性別

日本における肺アスペルギルス症についての詳しい統計などは見当たりませんでした。サンフランシスコでの調査では、年間10万人に1~2人程度に発生すると考えられています。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は、喘息の患者さんに発症しやすい傾向があります。

執筆・監修ドクター

荒牧 竜太郎
荒牧 竜太郎 医師 荒牧内科 院長 担当科目 内科/呼吸器内科

経歴1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業

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