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クリプトコッカス症とは
クリプトコッカス症(くりぷとこっかすしょう)とは、クリプトコッカスという真菌(カビ)によって引きおこされる感染症です。クリプトコッカス症と表記されることもあります。
土壌中や鳥の糞中に存在し、鳥が運ぶこともあります。空気感染し、発熱、頭痛、意識障害がおこることがあります。
脳と脊髄を覆う保護膜である髄膜に感染すると、神経障害をおこす髄膜炎や脳炎など、重篤な状態になる可能性が高くなります。
基本的には、免疫機能が低下した人に感染しやすく、糖尿病、悪性腫瘍、ステロイド投与を受けている患者さんに感染リスクがあります。とくにHIV感染症の患者さんは発症しやすくなります。
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クリプトコッカス症の予防・治療方法・治療期間
クリプトコッカス症は、通常、抗真菌薬を使用します。しかし、免疫機能が正常な人では、感染範囲が狭く、症状が出ていなければ治療は不要です。
肺に症状がみられる場合は、飲み薬で治療を半年~1年おこないます。免疫機能が低下している人は、抗菌薬の投与が必要です。
クリプトコッカス症が落ち着いても、そのほかの真菌など、通常は感染しないような弱毒菌に感染する危険性が高いと判断されます。
そのため、クリプトコッカス症の治療後も引き続き抗真菌薬での治療が必要になります。
場合によっては病変部位の切除手術をおこなうことがあります。
クリプトコッカス症の治療経過(合併症・後遺症)
クリプトコッカス症は、健常者が感染した場合は、まれに肉芽腫(にくげしゅ)という、炎症によって生じる腫瘤(しゅりゅう)ができて、慢性化することがあります。
また、HIV感染患者など免疫不全者が感染した場合、呼吸器症状が悪化することがあります。あるいは髄膜や血液に菌がひろがると生命にかかわる可能性もあります。
こうしたケースでは多くの場合、抗真菌薬治療で症状が治まっても、患者さんの免疫力が回復しない限り再発を繰り返します。
クリプトコッカス症になりやすい年齢や性別
執筆・監修ドクター
経歴2007年 近畿大学医学部卒業
2009年 近畿大学医学部救命救急センター入局
2012年 帝京大学医学部高度救命救急センター入局
2014年 帝京大学医学部脳神経外科入局
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