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しーおーぴーでぃーCOPD

まんせいへいそくせいはいしっかん/たばこびょう慢性閉塞性肺疾患/たばこ病
更新日:2022/08/10 公開日:2019/02/13 view数:5,846
目次
  1. COPDとは
  2. COPDの症状
  3. COPDの診療科目・検査方法
  4. COPDの原因
  5. COPDの予防・治療方法・治療期間
  6. COPDの治療経過(合併症・後遺症)
  7. COPDになりやすい年齢や性別

COPDとは

COPD(しーおーぴーでぃー)とは、肺に慢性的な炎症がおこることで気道が狭まり、呼吸困難を招く病気です。Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字であり、日本語名で慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)やたばこ病ともいいます。

大きく分けて、気腫(きしゅ)型(気管支の先端にある、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞が壊れる肺気腫)と、非気腫(ひきしゅ)型(炎症により気管支が狭くなる慢性気管支炎)があります。
この二つは過去に分けて考えられていましたが、現在はこの二つのどちらもCOPDとよびます。

喫煙の習慣を続けることによって発症し、末梢気道の炎症や肺胞の破壊が生じます。
炎症によって肺胞が壊れてしまうと治すことはできないため、治療によって肺をもとに戻すことは難しい症状です。
初期では、動いたときの息が切れやすくなります。次第に呼吸もしづらくなります。
進行すると気管支喘息と似た喘鳴や呼吸困難があらわれます。

進行を遅らせるためにも禁煙とリハビリをすることが大切です。

COPDの症状

COPDの特徴的な症状としては身体を動かした時に息切れ(労作時呼吸困難)を感じる、慢性の咳や痰などです。

歩行時や階段の昇り降程度の軽い運動でこうした呼吸困難が生じます。

長い年月をかけてゆっくりと進行するため、自覚しにくい。階段の上り下りによる息切れや咳などの初期症状は、加齢によるものと見過ごしやすいです。

気づかないうちに肺機能が低下し、命にかかわるほどにどんどん悪化していきます。

COPDの診療科目・検査方法

COPDの検査は、胸部レントゲン検査や、スパイロメトリーという呼吸機能検査を実施して診断します。

COPDの症状を悪化させないためにも、疑わしい症状があれば内科呼吸器内科を受診する必要があります。

COPDの原因

COPDの最大の原因は喫煙によるものです。喫煙者の15~20%はCOPDを発症すると言われています。

大気中の有害物質やガスを吸い込むことで気管支が炎症をおこします。
炎症によって、気管支や細気管支が狭窄されたり、肺胞(血中の二酸化炭素と酸素を交換する)が破壊されたりします。

COPDは長期にわたる喫煙習慣によりゆっくりと進行するため、中高年になってから発症することが大半です。

日本ではいまだタバコを吸い始める年齢が若く、喫煙率も高い(特に近年では女性の喫煙率が高まりつつあります)ことが指摘されているため、COPDの患者数は女性を含め、今後さらに増えることが懸念されてます。
これは2016年におこなわれた厚生労働省の統計に対する見解であり、喫煙が原因のCOPD発症は身近な病気であると認識することが重要です。

大気汚染による肺への悪影響だけでなく、主な要因として喫煙や副流煙が肺に与える影響が大きいことを忘れてはいけません。

COPDの予防・治療方法・治療期間

COPDは治癒させることはできません。

これは一度壊れてしまった肺は元に戻らないためです。そのため、症状の程度に合わせた治療を行うことで、呼吸機能低下の進行速度を抑えます。

COPDの原因の大半は喫煙とされています。
喫煙を続けていると呼吸機能の悪化は加速するため、禁煙は治療の基本となります。

したがって治療にはまず禁煙を行い、そのうえで薬物療法により症状を緩和、運動療法などを含む包括的リハビリテーションをおこない、運動能力の低下を抑えるなどで呼吸器機能低下による影響を小さくします。
症状に応じて、酸素不足を医療機器により補う在宅酸素療法もおこなわれます。

薬物療法は息苦しさなどの症状を和らげることを目的とします。
処方する薬は、気道を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬、たんを出しやすくする去痰薬(きょたんやく)や喀痰調整薬(かくたんちょうせいやく)を用います。
症状が重い場合は、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬を服用します。

気管支拡張薬では抗コリン薬やβ2刺激薬、テオフィリン薬などが主に用いられます。
中でも吸入薬による治療が効果や副作用の面から推奨されます。長時間にわたり気管支を拡張する「吸入抗コリン薬」や「吸入β2刺激薬」が主に使用されています。

非薬物療法では患者さんの生活の質を向上させるため、運動療法、栄養療法、呼吸訓練、心理面でのサポートなどの包括的リハビリテーションを行います。呼吸が苦しいことで食欲が落ちたり、運動を避けるようになるため、食欲の低下により栄養不足になったり、運動不足により筋力の低下がおこることを防ぎます。

口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練、無理のない程度に体を動かす運動療法、食事をしっかりとることを勧める栄養療法など、呼吸の状態を日常的に管理していく呼吸リハビリテーションが中心です。

低酸素血症を発症している場合には在宅酸素療法による治療を行います。
呼吸不全が進行しているのであれば換気補助療法による治療を検討します。
この方法では小型の人工呼吸器とマスクによって患者さんの呼吸を補助します。

COPD は慢性の病気です。そのため治療は長期間に及びます。

COPDの治療経過(合併症・後遺症)

COPDは治療をしても完治はしません。そのため呼吸状態や呼吸苦などの改善が治療の目的となります。

患者自身が病気と向き合い、自分の病気とうまく付き合う能力を身につけ、生涯、治療を続けていくことが必要となります。

COPDになりやすい年齢や性別

COPDの罹患者は、NICE Studyによる調査では40歳以上の人口の8.6%と推定されています。

これは約530万人の患者が存在するのではないかとされている割合です。
このうちの大多数は未診断であり、治療を受けていない状態と考えられています。

60代の8人に1人、70代の6人に1人がCOPDと言われています。従来、日本では圧倒的に男性に多い疾患でした。しかし、最近は女性にも増えてきています。

執筆・監修ドクター

杉村 久理
杉村 久理 医師 江北ファミリークリニック 院長 担当科目 内科/小児科/アレルギー科/呼吸器内科

経歴産業医科大学医学部 卒業
順天堂大学医学部公衆衛生学教室 研究員
McGill University Occupational Health 留学

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