おたふくかぜおたふく風邪
おたふく風邪とは?
おたふく風邪は、流行性耳下腺炎やムンプスともよばれます。
ご存知の通り、頬が腫れて発熱するウィルス感染症です。
しかし、発熱については熱が上がらないケースもあり、また頬の腫れは両側とは限らず片側のみの場合もあります。
実際に腫れているのは、耳のそばにある耳下腺(じかせん)という組織です。
学校感染症のひとつで、おたふく風邪と診断された場合は頬の腫れが消えるまで出席停止になります。
治療については対症療法となりますが、現在は予防用のワクチンが開発されているので、未然に予防策がとれるようになりました。
おたふく風邪ワクチンについて
おたふく風邪は様々な合併症を引き起こす可能性もあることからワクチン接種による予防をすることが望まれます。
現在世界各国ではおたふく風邪(ムンプス)の予防接種が定期化されていますが、先進国の中で唯一日本だけが任意接種です。おたふく風邪には特効薬はないのでワクチンを幼少時に接種して予防をすることが一番有効な対処方法と言えます。
一部の自治体では、おたふく風邪ワクチンの費用を助成していることもあります。そのため、気になる事があれば各自治体などに問いあわせてみてもよいでしょう。
おたふく風邪の症状
潜伏期間は2~3週間、症状が出現してからは1~2週間で改善します。
自他ともに認められる症状は、頬の腫れと発熱ですが、頬の腫れは両側とは限らず片側のみの場合もあります。
また、発熱の症状がみられないケースもあり、確定診断のためには必要に応じて血液検査をおこないます。
頬の腫れについて、実際に腫れる可能性があるのは耳下腺をはじめ、舌下腺(ぜっかせん)・顎下腺(がくかせん)といった唾液を分泌する組織です。
これらの組織が腫れるのと同時に痛みを伴うこともあります。
▼こどものおたふくかぜの症状についてもっと詳しく知りたい方はこちら
ベビママほっと。:子どものおたふく風邪の症状は?熱が出ないことも!学校はいつから?
おたふく風邪の診療科目・検査方法
おたふく風邪の原因
原因となるのはムンプスウイルスです。
感染経路は、接触・飛沫によるもので感染力は強いです。
特に子どもの場合、日常生活の中で衛生的な対策を講じることは現実的にはなかなか難しいです。
仮に手洗いやうがいを徹底していたとしても、遊びの中で子ども同士の接触があったり、くしゃみや咳をしたり、ということはごく普通に考えられます。
仮にまだ症状があらわれていない潜伏期間中の患者が集団の中にいた場合は、この時点ですでに感染源となり得ます。
▼おたふくかぜワクチンの費用などについてもっと詳しく知りたい方はこちら
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おたふく風邪の予防・治療方法・治療期間
治療は、症状に応じた対症療法となります。安静に努めるとともに、高い熱があれば解熱鎮痛剤の服用、そして栄養と水分の補給をおこないます。
1~2週間で症状は軽快しますが、学生の場合は、学校保健安全法により耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫張が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで出席停止となります。
おたふく風邪の治療経過(合併症・後遺症)
流行性耳下腺炎は、対症療法で症状が軽快するケースがほとんどですが、中には合併症を引きおこす可能性もあるので注意が必要です。
合併症としては、髄膜炎のほか、思春期以降の男性の場合には睾丸炎、女性の場合には乳腺炎などが挙げられます。妊娠早期で罹患すると流産することもあります。
また患者の0.1〜1%に難聴が認められます(ムンプス難聴)。難聴は片耳のことが多く、この場合、小児では気づかれないことも多いです。両側の高度感音性難聴はまれですが、この場合は補聴器や人工内耳の装着が必要となるケースもあります。
おたふく風邪になりやすい年齢や性別
厚生労働省が発表している平成29年患者調査(傷病分類編)によると、流行性耳下腺炎の総患者数は2,000人です。女性よりも男性に多く、小学生以下の子どもが罹患しやすいです。
しかし、大人も同じように感染する可能性があるため、予防策としてワクチン接種を検討する価値は大いにあります。
執筆・監修ドクター
経歴産業医科大学医学部 卒業
順天堂大学医学部公衆衛生学教室 研究員
McGill University Occupational Health 留学
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