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へんけいせいこかんせつしょう変形性股関節症

更新日:2022/08/10 公開日:2019/11/12 view数:14,852

変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)とは、股関節の軟骨がすり減って痛みが出たり、関節の動作に制限がおこったりする病気です。加齢や体重増加などをきっかけに関節自体が変性する一次性のものと、ほかの病気や先天異常などによる二次性のものとに分けられます。日本での患者さんは「発育性股関節形成不全」の後遺症などでおこる二次性の変形股関節症が多いといわれています。こうした原因をきっかけにゆっくりと進行していくため、発症の平均年齢は40~50歳と、早くはありません。

治療は、変形が少ないうちは運動療法などのリハビリテーションや、薬物療法などの保存的療法をおこないます。この場合、変形の進行を抑えることが目的となります。残念ながら、変形が進行してしまっている場合は、手術療法を検討します。最近の治療では、変形した股関節を人工股関節に置き換える手術なども取り入れられています。

軟骨がすり減ってなくなってしまうと、二度と元には戻りません。早い段階で負担を減らすよう生活を見直し、治療を開始することも重要です。

目次
  1. 変形性股関節症の症状
  2. 変形性股関節症の診療科目・検査方法
  3. 変形性股関節症の原因
  4. 変形性股関節症の予防・治療方法・治療期間
  5. 変形性股関節症の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 変形性股関節症になりやすい年齢や性別

変形性股関節症の症状

主な症状は股関節の痛みです。また、股関節が動かしにくいこともあります。股関節がすり減っていくにしたがい、痛みや動かしにくさは大きくなっていきます。

初期は、立ちあがったときや歩きはじめたときなどに脚の付け根に痛みを感じるようになります。関節への障害が進行すると、痛みが強くなり、「常に痛い」、「寝ていても痛い」状態になります。

日常生活のなかでは、足の爪が切りにくい、靴下が履きにくい、正座が難しいなど、かがむ姿勢が困難になっていきます。また、長時間立っていることや歩くこともつらくなります。

変形性股関節症の診療科目・検査方法

変形性股関節症は進行性の病気です。また、進行すると元の状態に戻ることはありません。早い段階で治療を開始し、継続して経過観察する必要性の高い病気といえます。
整形外科を受診しましょう。

問診で、家族に同じ症状がないか、職業や運動の習慣、体型、大きなケガをしたことがあるかなどを確認します。また、股関節の可動範囲や鼠径部痛、痛みで歩けなくなる跛行(はこう)などがおきていないかも聞き取ります。

検査では単純X線検査で、股関節部を撮影します。状況によってはCTやMRIによる検査をおこなうこともあります。また、補助的に超音波(エコー)検査をおこなうこともあります。

変形性股関節症の原因

変形性股関節症では、股関節の軟骨がすり減ることによって、股関節の変形がおこります。軟骨がすり減る原因としては、加齢などによる一次性変形性股関節炎と、先天的な要因やケガなどによって引きおこされる二次性変形股関節症があります。

日本人では二次性のものが70~80%を占めています。そのなかでも多いのが発育性股関節形成不全です。骨盤にある臼蓋(きゅうがい)という、大腿(だいたい)骨を受ける接続部分がうまく発達しなかったり、形成異常をおこしていたりすることが原因になります。また、遺伝、重量物作業、長時間の立ち仕事など職業性の要因や、激しい運動、肥満体型などが発症リスクを高めると指摘されています。

変形性股関節症の予防・治療方法・治療期間

まずは保存的療法をおこない、症状がなくならない場合は手術を検討します。

保存的療法

運動療法

保存的療法の代表的なものは運動療法です。一般的には、筋力トレーニングや水中歩行などの運動が有効といわれています。しかし、運動することで逆に痛みが強くなるケースも多々あります。そのようなケースは、整形外科リハビリテーション科に通院しておらず、自己流で運動している患者さんに多いようです。特に、痛みが強い場合は、運動がかえって逆効果になることも多いので、注意が必要です。

運動療法の一環として、徒手療法もよくおこなわれています。私個人の見解になりますが、徒手療法の一つであるAKA-博田法は変形性股関節症の痛みや進行を抑えるのに有効と考えています。

減量をすることで、股関節の負担を減らすことができます。股関節は体重の負担がかかる部位です。また、つえを使用することも有効です。

痛みが強い場合は、痛み止めを飲んで痛みを抑えることもあります。常時服用ではなく、必要に応じて服用します。

手術

手術では、基本的に関節を残して、骨を切ったり移植したりする「関節温存術」と、人工関節を入れる「人工股関節全置換術」に大きく分けられます。それぞれ、状態に合わせてさまざまな方法が選べます。股関節の変形が進行した状況になると関節温存術の実施が難しくなります。人工関節は耐用年数も長くなっており、20年程度経過しても問題なく使えるという患者さんも多くいます。可動性なども改善するため、生活の質(QOL)は大きく向上します。しかし、デメリットとしては脱臼や細菌などによる感染症、静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)がまれにおこることがあります。

人工股関節全置換術で2週間ほどの入院が一般的です。

変形性股関節症の治療経過(合併症・後遺症)

進行性があるので、放置すると、激しい痛みから歩行困難になります。また、無理に股関節に負担の多い運動を続けると、さらに悪化するケースもあります。

手術による治療による予後は悪くなく、生活の質(QOL)も大きく改善します。人工股関節全置換術後の脱臼は1~5%、人工股関節を入れ替えた例では5~15%と上昇します。深部静脈血栓症が20~30%程度の頻度で発生しますが、肺血栓塞栓症までいたるケースは0.5%~1%で、これによる致死率は0.5%未満です。感染がおこる頻度は0.1~1%で、感染がおこると、人工股関節を入れ替える必要があります。

変形性股関節症になりやすい年齢や性別

X線を使用した調査が3回ほどおこなわれています。日本にいる人が変形性股関節炎にかかっている確率は1.0~4.3%でした。どの調査でも男性より女性が高い結果が出ています。一例を挙げると、男性0~2.0%に対して女性は2.0~7.5%と、女性が高い結果になっている調査がありました。

発症の平均年齢は40~50歳とされています。

執筆・監修ドクター

住田 憲祐
住田 憲祐 医師 スガモ駅前整形外科 理事長 担当科目 整形外科/リハビリテーション科

経歴2005年 帝京大学医学部卒業
2012年 のぞみ整形外科内科クリニック開院
2017年 スガモ駅前整形外科開院
2020年 医療法人社団のぞみ会理事長
    スガモ駅前整形外科 院長
    のぞみ整形外科内科クリニック 院長
    望クリニック 副院長

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