てつけつぼうせいひんけつ鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血とは?
鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)は、鉄分不足が原因でおこる貧血です。鉄分が不足することで、全身に酸素を届けるために必要な赤血球が作れずに不足します。症状はだるさ、めまいや頭痛などです。
鉄分不足がおこる原因は、胃潰瘍(いかいよう)や痔核など、出血のある疾患や月経、妊娠などが一般的です。そのため女性に多い症状とされています。また偏食や過度なダイエットによる鉄分摂取不足なども原因になります。
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鉄欠乏性貧血の症状
全身倦怠感(けんたいかん)、めまい、疲労感、頭痛、息切れ、氷や土を摂取する異食症が起こることもあります。
鉄欠乏性貧血の診療科目・検査方法
鉄欠乏性貧血の原因
胃潰瘍(い-かいよう)や十二指腸潰瘍(じゅうにしちょう-かいよう)、癌、痔核(じかく)などの消化管からの出血が原因です。
月経による出血や妊娠、偏食による鉄分の摂取不足、胃切除後やヘリコバクターピロリ胃炎による鉄の吸収障害によっても起こります。
若い女性はダイエットや月経出血、中年女性は子宮筋腫による過多月経が多いです。
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鉄欠乏性貧血の予防・治療方法・治療期間
鉄剤を投与することで改善するが、鉄欠乏性貧血を引き起こす原因の治療が重要です。重篤な貧血の場合は輸血を要することもあります。
治療は数ヶ月~数年かかることもあります。原因によって治療期間は異なります。
鉄欠乏性貧血の治療経過(合併症・後遺症)
鉄剤の投与により治療は可能です。
鉄欠乏性貧血になりやすい年齢や性別
厚生労働省の患者調査によると患者数は年間約10万人前後で推移しています。
平成17年の国民栄養調査結果では20代~40代の女性に多いと報告されています。
編集部脚注
※1 痔核 (じかく)
痔核は、一般的に「いぼ痔」と呼ばれる病気です。
もっとも頻繁に見られる痔で、性別を問わず痔の半数以上を占めると言われています。
肛門と皮膚の境界を「歯状線」と呼んでおり、歯状線より内側の痔核を「内痔核」と言います。
逆に歯状線より外側の痔核を「外痔核」と呼びます。
※2 ヘリコバクターピロリ胃炎
ヘリコバクターピロリ胃炎は、「ピロリ菌感染による慢性胃炎」です。
ピロリ菌が胃粘膜に感染すると、炎症が発生します。
感染・炎症は胃粘膜全体に拡大し、慢性胃炎となります。
慢性胃炎が続くと、徐々に胃粘膜が萎縮して薄くなっていきます。この状態を「萎縮性胃炎」と呼びます。
※3 子宮筋腫
子宮筋腫は、「子宮に発生する良性腫瘍」です。
成人女性の4~5人に1人は、子宮筋腫があると考えられています。
良性腫瘍であり、腫瘍自体が生命にかかわることはありませんが、放置すると10kgを超える大きさになる場合もあります。
子宮筋腫が大きくなってきたときの自覚症状には、
・月経量増加
・月経痛
・不正出血
・膀胱圧迫による頻尿 ・貧血
などがあります。
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参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所
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