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はらだびょう原田病

ふぉーくと-こやなぎ-はらだびょうフォークト-小柳-原田病
更新日:2022/10/28 公開日:2020/02/27 view数:16,727
目次
  1. 原田病とは
  2. 原田病の症状
  3. 原田病の診療科目・検査方法
  4. 原田病の原因
  5. 原田病の予防・治療方法・治療期間
  6. 原田病の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 原田病になりやすい年齢や性別

原田病とは

原田病(はらだびょう)は、メラニン色素をつくるメラノサイトという細胞を自分自身の免疫が攻撃する病気です。体のいろいろな場所に炎症がおこります。

眼には、ぶどう膜とよばれるメラニン色素の豊富な組織があります。そのため、原田病が発症するとぶどう膜の炎症がおこります。

ぶどう膜炎を引きおこす原因となる病気はたくさんありますが、原田病は、日本ではサルコイドーシスの次にぶどう膜炎の原因になることが多い病気です。

眼以外の症状としては、頭が痛くなったり、耳が聴こえにくくなったり、耳鳴りがおこったり、髪の毛が抜けたり白くなったり、皮膚が部分的に白くなったりします。

原田病の症状

原田病では、眼の症状がおこる前に、軽い風邪の症状、頭痛、微熱、嘔吐、めまい、耳鳴り、頭髪の違和感といった眼以外の症状がおこることがあります。必ずおこるわけではありません。

このタイミングで眼科受診をされる方はまずありません。この時に内科などを受診しても、あるいは偶然に眼科を受診したとしても、原田病と診断するのは非常に難しいです。

そして1~2週間後に両眼の視力が急激に低下します。最初は左右に差があることもあります。

一般的に、発症してから約2カ月で炎症は落ち着いていきます。その後、皮膚が白くなったり、髪が白くなったり、抜けたりすることがあります。

多くの場合、視力は保たれます。炎症が長引いたり、症状を繰り返したりすると網膜(もうまく)の中心に変性をおこして、視力が回復しないことがあります。

また、緑内障や白内障を合併することもあり、視力に影響する場合があります

原田病の診療科目・検査方法

原田病は、いかに早く治療を開始できるかが、最終的な視力に大きく関わっています。

自覚症状のみで自分自身が「原田病ではないか?」と考えて受診することはほぼないと思われますが、原因不明の視力低下は何であれ、できる限り早急に眼科への受診が望まれます。

細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)で前眼部(ぜんがんぶ)を観察します。この検査では主に前房(黒目と茶目の間)の炎症を観察します。
初期には前眼部の炎症は軽いことが多く、炎症が全くないこともあります。前房が狭くなることがあります。

炎症が再発した場合や長引いた場合は後眼部よりも前眼部の炎症が主におこることが多く、前房内の炎症によって黒目と茶目がくっついたり、メラノサイトの消失によって茶目が部分的に白く変色することがあります。

初期の眼底検査では多発性の漿液性網膜剥離(しょうえきせいもうまくはくり)が特徴です。視神経乳頭(眼球の奥にある視神経が眼球の外に出ていくところ)に発赤や出血がみられることがあります。
後期には「夕焼け眼底」とよばれる赤みを帯びた眼底が観察できます。

光干渉断層計(OCT)検査は、多発性の漿液性網膜剥離をより明らかに観察できます。また脈絡膜(みゃくらくまく)の厚さの計測は治療指針を立てるうえで有用です。

全身所見として頭痛や、耳の症状、毛根の炎症などがみられますので、それぞれ内科耳鼻いんこう科皮膚科の協力が必要な場合があります。

原田病の診断が出る前には、他のぶどう膜炎の原因との鑑別が必要です。そのため血液検査を含めた全身検査をおこなうのが一般的です。

HLA検査については保険適応外です。この検査でHLAが確認できない陰性となれば原田病をほぼ否定できますが、陽性だから原田病とは言えないため、診断が困難な場合以外にはおこなわれません。

原田病の原因

原田病は、自分自身のメラノサイトに対して免疫が働いてしまう自己免疫疾患です。

免疫とは体外から有害な物質が体内に侵入した際にこれを排除するために機能するシステムです。免疫が体外からの無害な物質に対して過剰に働いてしまうのがアレルギーです。

そして免疫が体内にある自分自身の組織に対して働いてしまうのが自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)です。

なぜ自分自身の免疫が自分自身のメラノサイトを攻撃するようになるのかはわかっていません。原田病はヨーロッパ系に少なく、アジア系に多いなど人種間で発症率が異なります。

また、人間の抗原性を規定する免疫に関わる重要な分子であるHLAの特定のタイプにのみ発症します。そのため、発症には遺伝子が関係していると考えられています。

ただし、特定のタイプのHLAをもつ人の全員が発症するわけではありません。そのため、ほかにも発症のきっかけがあると予想されています。ウイルス感染がその有力な候補とされていますがいまだ立証されていません。

原田病の予防・治療方法・治療期間

原田病の診断がついて全身の状態に問題がなければ、できるだけ速く治療を開始します。

ステロイドパルス療法をおこなうのが一般的です。大量のステロイドを3日間点滴し、その後、少しずつ量を減らしていく治療法です。通常は入院での治療になります。

前眼部の炎症が強い場合には炎症を抑えるためにステロイドの点眼などを使用します。瞳を動かす点眼で黒目と茶目がくっつくことを予防します。

治療期間は炎症が治まるまでおこなうため一概には言えません。治療に対する反応が良好で症状が再び悪くなるような再燃もおこらなければ、通常3~4カ月で投薬を終了できることが多いです。

原田病の治療経過(合併症・後遺症)

原田病は多くの場合、視力についての予後は良好です。

しかし、黄斑部の変性や色素沈着などがおこると視力が十分に回復しない場合があります。併発白内障、続発緑内障などによって薬物治療や手術が必要となる場合もあります。

炎症が長引いたり、再燃を繰り返したりすると、視力についての予後が悪くなります。

そのため、初回の治療をいかに早く開始することと、炎症が治まったことを確認してから、投薬を中止することを確実にすることが重要です。

再燃のリスクがあります。投薬が終了しても定期的な経過観察が必要です。

原田病になりやすい年齢や性別

日本では人口100 万人に15人程度が原田病にかかっているとされています。

2009年の統計ではぶどう膜炎の原因になる病気の7%を占め、サルコイドーシスに次いで多い結果になりました。

女性にやや多く、20歳から50歳前半までが多いとされていますが、年齢による傾向はあまり強くはありません。人種により発症に差があり、アジア系、中近東系、ヒスパニック系に多くみられます。

<出典>
「眼科学 TEXTBOOK OF OPHTHALMOLOGY」第1版 2002年文光堂
「ぶどう膜炎診療ガイドライン」日本眼炎症学会ぶどう膜炎診療ガイドライン作成委員会

執筆・監修ドクター

寺井 和都
寺井 和都 医師 西早稲田眼科 院長 担当科目 眼科

経歴1996年 防衛医科大学校卒業
2002年 米国Johns Hopkins Wilmer Eye Institute, Research Fellow
2003年 米国University of Cincinnati, Research Assistant Professor
2006年 京都府立医大大学院卒業
2006年 明治鍼灸大学助教
2011年 明治国際医療大学講師
2011年 品川近視クリニック
2014年 ばん眼科
2018年 西早稲田眼科開院

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