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高プロラクチン血症

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差

概要

高プロラクチン血症

高プロラクチン血症は、下垂体(かすいたい:脳の器官)が分泌するプロラクチンというホルモンが多く分泌される病気です。プロラクチンは乳汁の分泌などに重要な役割のあるホルモンで、妊娠中および出産後に多く分泌されます。

プロラクチンは、正常な状態であれば脳の視床下部で分泌されるドーパミンによって過剰に分泌されないように制御されています。しかし、何らかの原因でプロラクチンの分泌が過剰となり、乳汁漏出、月経異常、不妊などを引きおこします。男性が発症した場合は、性欲低下や勃起不全などの症状があらわれますが、無症状のこともあります。プロラクチンが過剰に分泌される原因には、薬剤や甲状腺の機能低下、下垂体や視床下部の異常などがあります。

下垂体の異常として、プロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)というプロラクチンを多量に分泌する腫瘍ができていることがあります。プロラクチノーマによる高プロラクチン血症は指定難病に指定されており、この腫瘍がどのようにしてできるのかはわかっていません。

症状

代表的な症状は、女性であれば無月経や月経不順などの月経異常、乳汁が漏出するなどです。ほかにも女性ホルモンの分泌低下によって骨粗しょう症を誘発することがあります。また、排卵障害や黄体機能不全を発症するため、妊娠を希望する場合は不妊症の原因になります。
男性であれば、勃起不全や性欲減退、無精子症などがあらわれ、男性不妊症の原因になります。
下垂体に発生したプロラクチン産生下垂体腺腫を原因とする場合は、腺腫が大きくなるにつれ脳や神経を圧迫し、頭痛、視力障害、視野障害などがおきます。

原因

大きく分類すると以下の4種類が主な原因として考えられています。

1. 胃腸薬や処方された精神安定剤などによりドーパミンの分泌が抑制され、プロラクチンの分泌が増加する「薬剤性」のもの
2. プロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)が下垂体に発生したことによっておこる「下垂体性」のもの
3. 甲状腺から甲状腺ホルモン分泌が低下する「原発性甲状腺機能低下症」によっておこるもの
4. 視床下部・下垂体茎に影響を及ぼす病気がある「視床下部・下垂体茎病変」によるもの

検査内容と主な診療科目

適切な診断、治療を受けることで治癒、あるいは症状を少なくさせることが可能です。また、プロラクチノーマなどを放置すると生命にかかわる場合もあります。内分泌内科、婦人科や脳神経科を受診しましょう。

診断をおこなうための検査は以下の通りです。

問診
月経の状況や乳汁漏出がないか、胃腸薬や精神安定剤といった薬物の服用、頭痛などがないかなどを確認します。さらに、視野・視力の状態、寒がり、皮膚乾燥など、他に関連すると思われる自覚症状がないかを確認します。

血液検査
食事を摂取する前の午前中に採血を実施します。血中プロラクチン濃度を測定します。20 ng/mL もしくは30ng/mLを超えていた場合は高プロラクチン血症と診断します。また、100ng/mLを超える場合は、プロラクチノーマの存在が疑われます。

画像検査
血液検査でプロラクチノーマの可能性が指摘された場合、下垂体MRI検査を受けます。下垂体腺腫が確認された場合は、プロラクチン産生下垂体腺腫の可能性があります。

甲状腺機能検査
「寒がり」「皮膚乾燥」などの甲状腺機能低下症の症状がある場合は、甲状腺ホルモンを測定し、原発性甲状腺機能低下症の有無をチェックします。

TRH負荷試験
自覚症状があっても血液検査が正常値だった場合は、夜間に血中プロラクチンが上昇する「潜在性高プロラクチン血症」の可能性があります。この場合はこの場合は、薬剤(TRH)を用いた負荷試験をおこないます。

治療方法と治療期間

原因が薬剤性高プロラクチン血症の場合
服用している胃腸薬や精神安定剤などの服用を中止することにより高プロラクチン血症は改善されます。この場合、薬剤を処方した医師にも判断を仰ぐ必要性があり、服薬中止が難しい場合には、プロラクチンを低下させる薬を服用することもあります。

原因が下垂体性、視床下部・下垂体病変による高プロラクチン血症の場合
下垂体性高プロラクチン血症の原因であるプロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)の場合、「薬物療法」が第一の選択肢です。次いで「外科手術」、「放射線治療」を検討します。状況によっては併用することもあります。

「薬物療法」では、プロラクチンを低下させ、なおかつ腺腫縮小の効果があるカベルゴリンなどのドーパミン作動薬を飲み薬として使用します。腺腫を完全に消失させることもありますが、2年~5年という長期にわたり服用する必要があります。一定の年月にわたり規則正しく服用した結果、腺腫がMRI検査で確認できないまで縮小し、薬の減量を試みても血中プロラクチン値が正常値になれば、服用を中止することができます。

「外科手術」は鼻からアプローチして腺腫を取り除く手術、経蝶形骨洞手術が一般的です。全て切り取ることができれば完治する可能性があります。しかし腺腫が他の組織まで広がっていると、すべて切り取ることは不可能になり、そうした場合は薬物療法へ変更する必要があります。また、薬物療法中でも視神経の圧迫による症状がみられる場合は手術を検討することがあります。また、腺腫に対し薬剤が効かない薬剤抵抗性の場合も手術を選択します。

「放射線治療」はガンマナイフやサイバーナイフなどを用いて腺腫を小さくする方法です。治療後半年から1年程度経過しないと効果があらわれません。正常な下垂体が影響を受け、他のホルモン分泌の低下を誘発するおそれがあることから、治療初期段階での選択は推奨されません。

視床下部・下垂体病変による高プロラクチン血症の場合、原因となる視床下部・下垂体病変の治療により高プロラクチン血症が改善します。

原因が原発性甲状腺機能低下症の場合
甲状腺ホルモンを補充し、甲状腺機能低下症の治療をおこなうことでプロラクチンを正常値に戻します。

治療の展望と予後

プロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)への薬物治療は2~5年という長期間にわたり薬を服用し、高プロラクチン血症の改善および腺腫の消失を目指します。内服中は90%以上の患者さんが症状のあらわれない状態になるとされています。また、自己判断で内服を中断すると、腺腫が増大化することがあります。
外科手術では腺腫をすべて切り取れば完治は可能と考えられています。しかし、プロラクチンの分泌量が再び増えて、再発する可能性もあります。

発症しやすい年代と性差

1998年の全国調査ではプロラクチン分泌過剰症と判定された患者数の推定は12,400名でした。
男女比は1:3.6と女性に発症しやすい傾向にあります。女性の発症しやすい年代は21~40歳です。男性であれば、20歳から60歳で発症していて、そのなかで特に多い年代は確認できません。

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